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【人】 焦爛 フジノ>>28 メイジ 「うん、いいの。私の分も、ちゃんとある、から。 ……ふふ。ほら、だから、ちゃんと食べて、ね」 たしか魚の缶詰だと言っていた。 ……魚なら、『猿肉』の味を思い出すこともあまりないだろうと、思う。 「うん。かわいい、し、それに…… 見たら、メイジとミロクさんの事、思い出せる、から。 近くにあったら、心強いなって、思ったの」 ありがとうと言って箱を受け取る。 箱の重みにほんの少し、得意げになれたあの日を懐かしく感じた。 「……メイジが、住んでいる所は。 ミロクさんの教えてくれた場所と、近い?」 ふと、貴方に会える場所を知らない事に気付いた。 自分の行く場所はここだと、ミロクに渡されたメモを見せる。 きっと会えると言ってくれたけど、自分で会いに行ける方法も知っておきたかった。 知りたいと、思った。 (29) 2021/07/14(Wed) 19:41:20 |
【秘】 焦爛 フジノ → 遊惰 ロク貴方が外から戻ってくると、フジノが近づいてくる。 「お疲れ、様。 ……外、暑くなってきた、から、喉渇いてないかなって、思って」 そう言って水の入った水筒を差し出した。 「……ロクさんは、救助が来て、その後は、どうするの? 来たところに、戻るの?」 そも、貴方はどこから来たのだったか。 そういう話を全然していなかったと思い出す。 (-81) 2021/07/14(Wed) 19:59:39 |
【人】 被虐 メイジ>>29 フジノ 「……ありがと。 そういえばオレもフジノのハンカチまだ持ったままだ。 家に帰ってさ、洗ってから返したいって思ってたんだ」 魚の缶詰を開けて、動物の如くにおいを嗅いでいた。 なんだか"猿肉"以外を食べるのは、久々だった。 いただきますと手を合わせて、味わった。 「オレの住んでる場所はね、──」 あなたが自分の名を書いていた紙に、書き記す。 ミロクが言っていた場所と近いかと言えば どうだろう。メイジの住んでいる場所は 少し見上げれば、赤い塔がみえるところだった。 「フジノまで会いに来てくれたらすれ違っちゃわないかな」 メイジは、頬杖をつきながら笑った。 (30) 2021/07/14(Wed) 20:01:18 |
【独】 流転 タマオ>>0:@0 >>1:-178>>4:-192 こうやって勘違いしたまま離れるのよくありそうなのだわ。 >>2:-66>>2:-67>>2:-68>>2:-71 今のタマオは消滅しないことの方が大事。 >>2:-73 結局この肩書は自称であり、かつ己はけっこう適当な人間だ。 >>3:-66 簡単に物の出し入れできそうね。窓もありだわ。 (-82) 2021/07/14(Wed) 20:11:23 |
【秘】 名無しの ミロク → 遊惰 ロク「あなたのことを考えたかどうかで決まりますね……」 今までのややこしさを吹き飛ばし、簡潔にまとめる。 話すことが思考の整理になっているのだろうか。 「言うとおり取引にあなたは入っていなかったんです。 死ぬことは、入っていたと思いますが。 ……私あなたのために(も)死にましたか?」 罪を後悔する生者にする質問ではない。 「…………、答え出ていましたね」 そういえば、言っていた。なんだ、私はいましたか。 「私名前も、戸籍もないんです。 だから死んでしまったら本当にどこにもいなかったことになります、それが寂しいなと思っていたところだったんですよ。 あなたのおかげで、あまり気にしなくて良さそうです」 (-84) 2021/07/14(Wed) 20:11:25 |
【独】 流転 タマオ/*本官と己 素は敬語も使わないのだけど、基本的にずっと警察官の本官として喋るから、己の時も敬語混じりになっている節がある。 /*敬称 女性は名前チャンか名前サン。男性は名前クン。名字を使う時はどちらでも呼び捨て。全部名乗られないこともあるから、そういう時は聞いた印象。ロクロクは二人ともクンです。片方人伝にでも聞いたか覚えてないけど。 /*差分 実質通常差分と妖狐差分縛り。目玉転がし以外で墓下差分使ったのは一回。ここ>>2:-136の墓下差分どういう心境? 「これ取引として成立しないかな? あんまり断られたくないな〜」みたいな感じの。真名を言うのを然程よしとしない文化が無意識に染みついているので、教えてもらえないかも……を思っていた。 ちなみに同じく一回の赤差分のこっち>>3:-78>>3:t13は悪戯っ子の気分。 (-83) 2021/07/14(Wed) 20:12:46 |
【秘】 遊惰 ロク → 焦爛 フジノ キョトン、と。差し出された水筒と少女の顔を見比べて。 どこか面映ゆそうに受け取る。 「こいつはどうもアリガトウ。 アハ、ワザワザ用意してくれたのかい」 それなりに渇いていたのだろう、直ぐに蓋を開ける。 喉仏が幾度か上下して、一気に中身を目減りさせたのち。 「おれァ、……どうするかなァ。 ……出てきたとこには戻んねェつもりだけども。 アー、ここだけのハナシ。親から逃げてきてんだ、おれ」 まさか 『おっ死んじまう予定です』などと 馬鹿正直に答える訳にもいくまい。 シカシ咄嗟に上手い嘘も吐けず、そんな風に返事をした。 (-85) 2021/07/14(Wed) 20:19:01 |
【秘】 遊惰 ロク → 被虐 メイジ「お医者サンから、お前サンに」 いつかの時間。そう言い乍ら一枚の封筒を手渡す。 封がされておらず、中には数枚の紙が入っている。 ――少年の手に渡ったと同時、 男は「アッ」とワザとらしい声を上げる。 「封しとけって言われたんだが、忘れちまった。 悪いが坊チャン、しといてくんねェか」 糊は宿直室にあると言って、そンじゃこれにて。 返事も待たずヒラリと手を振り、男はサッサと立ち去った。 死人に口なしとはマサにこの事。中身を見るも見ないも、少年次第だ。 そも、少年を只、大人しく守られているだけの存在と見做さなかったのは、かの医者なのだし。 (-86) 2021/07/14(Wed) 20:27:13 |
【秘】 焦爛 フジノ → 遊惰 ロク「外の作業、手伝えなかったから……できる事、しようと思った、の」 ほっとしたように水を飲む貴方を見た。 「……そう、なの? ロクさんも、私も……メイジも。 似た者同士、だったんだね」 すんなりと信じた。自分の事も、メイジの話もあったから。 貴方が死んでしまうつもりだなんて、思ってもいない。 「……なら、また、会える? 私、ね。都会に出て、ミロクさんの紹介してくれた所へ、行くの。 もし、ロクさんも都会へ行くなら……会えたらいいなって、思って」 言いながら、腹を摩った。 (-87) 2021/07/14(Wed) 20:27:34 |
【秘】 遊惰 ロク → 名無しの ミロク「……。そうかい」 何かを露わにする程の体力も残っておらず。 ただ相槌を打って、男は再びスコップを握る。 「お前サン、いなかったことにはなんねェだろ。 いなくなって泣く子だっていンだから。 ………………、おれが言えたことじゃねェんだが」 下を向いて作業を続け乍ら、そう言った。 ……本当に、言えた義理ではない。 (-88) 2021/07/14(Wed) 20:35:45 |
【秘】 名無しの ミロク → 遊惰 ロク「泣かせたんですか。知りませんでした」 すべて見ていたわけでもなくて、死体に興味がなかったわけですから。 ピアスが残っていたのは嬉しかったです。 「あなたは悲しくなってくれましたか? 心が痛むのならば、いい場所がありますよ。 安くて、美味しいものが食べられます。 死ぬ前に贅沢しませんか、私の荷物隠してあるんです路銀にしていいですよ」 (-89) 2021/07/14(Wed) 20:40:49 |
流転 タマオは、メモを貼った。 (t3) 2021/07/14(Wed) 20:44:29 |
【秘】 被虐 メイジ → 遊惰 ロク「……え? あ、うん──」 メイジは不思議な面持ちで封筒を受け取る。 さっさと立ち去ったあなたを、唖然と見送って 封のされてないそれを見つめる。 そういえば、手紙を置いておいたと 彼が生前言っていたのを思い出した。 ──中身は見ないでください、とも。 (-90) 2021/07/14(Wed) 20:47:48 |
【秘】 遊惰 ロク → 焦爛 フジノ「――どうだろ、なァ。 おれァ先のこと、まだ考えてねェからさ」 “まだ”なんて、言葉の上では小さな、 けれども総じて大きな嘘を口にする。 商人がやってくれたのはそういう事だったのか、 と思い乍ら、回りにくさを覚える口を開く。 「……そうだなァ、もし、都会にでるって決めたら、」 それから一度水筒の口に唇をつけて、 その必要もないというのに軽く湿らせる様にして。 「そん時は、もうちっと。 飯をキチント食えてそうなお嬢サンに、会えたらいいなァ」 ヘラリと笑って、 あるかも分からぬ 未来を語った。 (-91) 2021/07/14(Wed) 20:48:36 |
メイジは、どうみても読んでと言わんばかりのその手紙を、開いた。 (a11) 2021/07/14(Wed) 20:49:28 |
メイジは、思わずつぶやいた「馬鹿じゃないの……」 (a12) 2021/07/14(Wed) 20:51:36 |
【神】 名無しの ミロク>>G16 ニエカワ 「はい、私も皆さんに生きてほしいだけでした。 ミロクとしても、わたしとしてもです」 自然死がこの世の中では良いとされます。 倫理の中で言われる自然とは、この世で起こったことはすべて自然的であるという論。 キリスト教でいう、死者が蘇るなどの奇跡とは対比されます。 人為的または事故などは、稀に起こる普通では起き得なかったこととされ、自然とは対比されます。 「信じましょう、彼らを。 死んでしまった私たちにはそんなことしかできません。 奇跡とは程遠いこの運命が、奇跡だったことを信じて」 自然でないことと、奇跡がこんなふうに証明されるなど。 倫理の世界も皮肉ですね。 (G17) 2021/07/14(Wed) 20:51:53 |
メイジは、泣いていた。 (a13) 2021/07/14(Wed) 20:52:24 |
ロクは、死んでいない。まだ、今のところは。 (a14) 2021/07/14(Wed) 20:53:41 |
ミロクは、この年の夏に起きた事件を奇跡だと信じている。 (a15) 2021/07/14(Wed) 20:53:51 |
傷痕 メイジは、メモを貼った。 (a16) 2021/07/14(Wed) 20:54:50 |
ミロクは、またこの夏に空を見上げ、誰かの生誕を祝うのだろう。 (a17) 2021/07/14(Wed) 20:54:56 |
【人】 警官 ハルカゼ──時は令和三年。東京オリンピックの開催が迫る、夏のことだった。 「あれ、まだ読んでたんですか? ……ま。長いから暇潰しにはなりますよねェ。 昨日は忙しかったから、尚更退屈ですよ」 ハルカゼは溜息を吐く。 小さな駐在所の中は片付いていた。 綺麗好きのハルカゼが赴任してから、所内はいつも整頓されている。▼ (37) 2021/07/14(Wed) 20:55:23 |
セナハラは、遠くから見守っている。 (a18) 2021/07/14(Wed) 20:56:40 |
タマオは、初雪の日に彼を一言祝います。何度も。 (t4) 2021/07/14(Wed) 20:56:49 |
【秘】 遊惰 ロク → 名無しの ミロク「――お前サン、諦めてなかったのか」 “悲しくなってくれましたか?”。 その問いに答えは返せず、返さず。 青年は只そう言って、困った様な顔して笑った。 (-94) 2021/07/14(Wed) 20:57:34 |
ロクは、一先ず、今日も生きていた。 (a19) 2021/07/14(Wed) 20:57:41 |
メイジは、フジノと約束をした。また会えますように。 (a20) 2021/07/14(Wed) 20:58:47 |
【秘】 焦爛 フジノ → 遊惰 ロク「じゃあ、今、考えて……ううん、やっぱり、いい」 じっと貴方を見て、そう言いかけ……途中で口を閉ざした。 「それぐらいなら、するよ。 見せられるように、する。 ……その、時は」 腹をそっと撫でる。 「その時は、『この子』を見せる、からね。 絶対。会いに来て。 皆に生かしてもらった、子だから」 そう言って、女は笑った。 (-95) 2021/07/14(Wed) 20:59:25 |
フジノは、願った。また、次が、ありますように (a21) 2021/07/14(Wed) 20:59:50 |
タマオは、相槌を打った。「はい、よく似ていると思いますよ」 (t5) 2021/07/14(Wed) 21:00:02 |
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