人狼物語 三日月国


7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】

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視点:


【人】 萩原 悠人

─ むかしのはなし・完 ─

[話の顛末はこうだった。

ヤクザの下っ端の男が入れ込む女は自分の上客で。
もっと言えば、店のケツ持ちをしている組の構成員だった。
そうとは知らず、俺は女に甘い言葉を囁き
思う存分貢がせていたというわけで。
そのヤクザからして見れば面目丸潰れ。
仲間内からもからかわれていたらしい。

元々激昂しやすかった男は、
俺の事を調べ上げて施設のことを知った。
そうして────火をつけるなんて、
アホな所業に至ったわけだ。

火をつけたところで何にもなりはしないのに。
俺が働く目的がそこに金を入れることだったから
入れる先が無くなればいいとでも思ったのか。
その後見かけることのなくなった男のことなど
知る由もなかったし、復讐する気にもならなかった。
残ったのは、ただただ虚無だったから。]
(260) 2019/04/26(Fri) 22:15:27

【人】 萩原 悠人


[妹がその現場を目撃していたことは知らなかった。
そうして今も、その行為を止められなかった事実に
後悔を抱いているということも。

……そんなことにさえ、気付くことができなかった。
妹のことはなんでも知っていると思った。
それなのに、何も分かっていなかった。


あの事件以来、彼女に近付くことも
生き残った施設の子達に近付くこともしなかった。
自分の傍に特別な人を置くこともしなかった。
関係を深めたいと近付く人はいたけれど
全て断って拒絶した。

……守りきれる自信がなかったから。]
 
(261) 2019/04/26(Fri) 22:15:51

【人】 萩原 悠人

[────そして、現在。

今、守りきれる自信があるとは言えない。
けれど付き合う人間の裏は調べるようにしたし、
周りに危害を加える人間には関わらないようにした。

その証拠に、仕事を辞めてから
しつこく連絡を取りたいと言う客もいない。
泣いた子もいたけれど別れはあっさりだった。


……でも、彼を恋人にすると決めたのは
それだけが理由ではなかった。

ずっと持ち続けた、妹に対する
諦めとともに燻っていた恋慕。
ただ見守り続け、彼女のために生きようと
決めた日から全く動くことのなかった心が
彼によって動かされた。

それは自分にとって衝撃的で、衝動的な恋だった。

もう二度と、大切な人を傍に置かない。
そう、あの日自分に誓ったことさえ
容易に覆してしまうほどに。]
(262) 2019/04/26(Fri) 22:16:28

【人】 萩原 悠人



 ……さてと。
 合鍵とペアリング、どっちから
 あげた方が喜ぶかね。


[歩きながら、そんなことを口にする。
片耳に付けたピアスは妹との揃い。
白夜に言ってたっけなぁ……なんて
今更のように考える。

彼には言えないことも、言ってないことも多い。
少しずつでも開示していかなければいけないと
思いながらも、今まで言うことは出来なかった。

まずはそれを話してから、だろうか。
彼ならきっと水臭いと笑うかもしれない。
はたまた、片方ずつのピアスを怒るかもしれない。
どんな反応かは分からないけれど、
きっと幻滅することはないだろう。

考えていたら、彼に会いたくなってきた。
今から会いに行ったらどんな顔をするだろう。
嬉しいと笑ってくれるだろうか。]
(263) 2019/04/26(Fri) 22:16:46

【人】 萩原 悠人



[最近は妹のことを考える時間が減って、
白夜のことを考える時間が増えた。
──きっとこれは、いい事なんだろう。

買い物に行くか、彼の元に行くか。
少し悩んで彼の元へと歩みを進める。

彼の笑顔を思い浮かべると、心が暖かくなる。
幸せだと感じる。
何も感じなかった頃の自分とは違った。


……なんだか今日は妙に早く会いに行きたかった]*

 
(264) 2019/04/26(Fri) 22:17:06