人狼物語 三日月国


242 『慰存』

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【赤】 葉山 裕太郎


[乳房をひしゃげさせていた手が離れれば、指は秘部の中へと押し進む。
拒絶どころか悦びさえ示すように溢れる蜜を指先に塗ると、潤滑剤など必要ないほどに濡れていた。

自分を慰める道具がパソコンの横に置かれていれば七海の普段の行いも少しばかり想像がついて、玩具と指はどちらが良いのかと、まるで問いかけるように七海の肉襞を責めていく。
たとえ快楽に耐えられなくて溺れようとも、彼女の都合なんて一切慮ることはせず、ただ自分が満足いくまで責め立てていくだけ

欲を誤魔化すことをやめてしばらく、音のない静かな部屋で、荒い息遣いだけが響き渡っていた。]

(*0) 2024/01/16(Tue) 0:38:53

【赤】 葉山 裕太郎


[七海の耳元で囁きながら膝裏に手をかけて。
背中を丸めた七海に添い寝するようにその背に寝そべると、足を持ち上げて秘部の入口を広げて、ズボンの中から意気揚々と出てきた淫棒を入口に充てがうとそのまま擦り付けるように腰を揺らす。

このまま挿入ってしまったらその先には想像しえない快楽が待っていることだろう。それでも今はその快楽には手を出さず、葉山は七海を嬲っていく。]

(*1) 2024/01/16(Tue) 0:42:14

【赤】 葉山 裕太郎


[何時間にも及ぶ愛具遊びの中、絵の具を馴染ませるように重ね合わせ続けた秘部と淫棒が赤く色づき、白濁を吐き出したいという欲望が段々と精巣から湧いてくる。

とても耐えることは出来そうにない。
万が一にも逃げられないように抱きしめると、絶頂を目掛けて段々と腰使いが荒くなっていき、水の音も大きくなっていく。

もしも七海が起きてしまったのなら、抵抗はおろか抗議させないと口元を手で塞いでしまおうとさえしてだろう。]

(*2) 2024/01/16(Tue) 0:44:53

【赤】 葉山 裕太郎


[放出の瞬間、足を閉じさせると太腿の間に白濁を吐き出すその行為はまるで犬が臭いをつけるかのようで、太股と入口、足のつけ根に自分の臭いを染み込ませるとそのまま残り火を差し出すかのように淫棒で入り口に白濁液を擦り付ける。

しかしそれだけで終わるはずもなく、子種としての機能を果たせるか怪しくなった透明な体液を指で掬うと、そのまま肉襞の中にまで塗りつけてしまって、それからまた優しく髪をなでてやるのだった。]

(*3) 2024/01/16(Tue) 0:47:29

【赤】 葉山 裕太郎


[落ち着いてきた頃を見計らうと、七海の指を借りて勝手に開いたスマホの画面のメモ欄にメッセージとして残していく。

その言葉の意味はそのままの通り。
葉山は七海にお預けをすると衣服を整え、道具を外してあげて。

スマホのデータを複製して抜いてしまうと、部屋を後にしてしまう。

他人として外から見つめるストーカーと、特別な人間として簡単に中へと踏み込むストーカーが溶け合い一つの愛と狂気が産声を上げた。]

(*4) 2024/01/16(Tue) 0:50:19

【赤】 葉山 裕太郎



[その日を境に、相互監視という名の求愛は始まった。]**



(*5) 2024/01/16(Tue) 0:54:56

【赤】 葉山 裕太郎


[あの日から変化は目まぐるしい頻度で起き始めた。いつも決まった時間にかかってくる電話は要件も伝えずに切れ、当初は悪戯かとも思っていたのに、窓には好物だったものが置かれている。

もう隠れる気がないと言いたげな熱い想いを持ってなお、直接渡してこようとはしない。
何かに怯えているのか、それとも目的あっての事なのか。]


(*28) 2024/01/17(Wed) 21:38:00

【人】 葉山 裕太郎


[なんやかんやと予定が詰まるのは、そろそろ新刊の締切が近づいてきたからで、打ち合わせが乱立するカレンダーにひとつだけ赤い丸をつけた、それが今の葉山にとっての一番の楽しみだ。

仕事以外で誰かと食事に行くなど久しく、ただの休息だったとしても申し分ない話。
万が一入れなかったら嫌だと店の予約までしておいたのだから、ぬかりはないはずだ。]

(1) 2024/01/17(Wed) 21:38:37

【赤】 葉山 裕太郎


[葉山は冷たい顔でエビピラフを食す。
なにか危ない薬でも入っているだろうか、疑いだしたらキリがない。知らない誰かのものを食すのはリスクが満載だが、知っているあの子のものならば何も怖くはない。

彼女は自分のことを求めて危害さえ加えてしまうような子ではないし、それにここから先に予定を入れているのだ。それを反故にするほど短絡的ではない。

だがそれはそれとして、人知れず置いていくのは違う。
葉山の小さな怒りに触れたのはその行為だった。]

(*29) 2024/01/17(Wed) 21:42:02

【赤】 葉山 裕太郎


[不燃ごみの日、七海のゴミの中にあの玩具があった。こちらからの言いつけを守っているという意思表示なのか、隠していた盗聴器で聴いても、カメラを覗いても約束を破る様子は見受けられない。

健気でいい子だと思う。
いい子が過ぎてつい壊してしまいそうな程に。]


(*30) 2024/01/17(Wed) 21:43:10

【赤】 葉山 裕太郎



[約束の日まであと半分、ちょうど折り返した頃。
葉山はもう一度だけ彼女の部屋へと忍び込んだ。

時刻は日付も変わった深夜、目的はもう分かりきっているはず。見覚えのある首枷と手枷、目隠しはその日の夜のことを雄弁に語り尽くしているだろう。

そう、これはご褒美という建前に隠れた、お仕置きだ。

今も他人のふりをして遠回しに干渉してくる行為はまだこちらに堕ちていないと示しているかのようだったから。
ストーカーとしての激情など今となってはまだ足りない。ストーカーは他人以上には決してなれないのだから。]


(*31) 2024/01/17(Wed) 21:51:56

【赤】 葉山 裕太郎


[あの日と比べたら乱暴に彼女を責め立て嬲る姿はあの時リクエストされた小説を思い出させるかのようで、しかし小説とは異なり、妊娠させるための卑劣なシリンジはなく、七海の身体を絶頂には運んでくれない。

乳房の花を強く摘み、一番強い振動に設定した玩具で敏感な場所を責め立てていく。

強引なのも、道具で弄ぶのも変わらない。
しかし永遠とも思しい責め苦も、常に絶頂の一歩手前で止め、中への挿入はおろか、指でさえ半端なままに止めてしまう。

理不尽な、まるで八つ当たりのような責め苦の夜。
葉山は初めて彼女に自らの下劣な感情を見せたのだった。]

(*32) 2024/01/17(Wed) 21:55:40

【赤】 葉山 裕太郎


[しかし七海に向けたのもそれが最後のこと。
何事も無かったかのように監視し、監視される歪な関係は続く。

そしてその節目と言わんばかりに、その日はやってきた。]**


(*33) 2024/01/17(Wed) 21:57:49

【赤】 葉山 裕太郎

***

[約束の日、集合場所として家の前を提示したのだが七海はどうだったか。互いに示し合わせたその場所にやってくる葉山はいつもとは異なり外行の服を纏っていた。

当然だ、今日ほど楽しみな日なんてないのだから。
彼女に会えれば葉山は微笑みその名前を呼ぶことだろう。]

(*34) 2024/01/17(Wed) 21:59:21

【赤】 葉山 裕太郎


[待ち合わせ場所に先に着いたのは葉山の方だった。しかしそこまで長い時間と待たされたという話でもなく、気にすることでもない。

とはいえ八つ当たりをされてしまったことが堪えたのか、それともこちらが一歩踏み込んだから同じくらい踏み込んできただけのことか、七海が口にした言葉が答えに近しい。]


      いいよ、好きに呼んで。


[引っ込められた手を取り、目的の場所へと歩き始める。
本当のメインイベントはもっと先だと知りながら、教会の祭壇を登り聖なる祝杯をあげるかのように時間を焦らしていく。


受け入れられるわけが無いと諦めに捨てた心と、耐え忍んだ身体が眠りにつかないように、店に到着する頃、葉山は小さく呟いた。]

(*45) 2024/01/18(Thu) 22:27:30

【赤】 葉山 裕太郎


[何を怯える必要があるというのか、あれほどの狂気を身に宿しながらこういう所では人間的、それが七海という人物のイメージ。

嫌われたくない。簡単に言えばそういうことで、それでも嫌われるかもしれない狂気は隠さない。この矛盾が葉山にとっては実に可愛らしい。

感情の赴くままに前へと進みたいという欲望と、抑圧され生まれた理性が壊れる瞬間は、人が一番美しく舞うのだ。]

(*46) 2024/01/18(Thu) 22:28:36

【赤】 葉山 裕太郎

***

[それから店を離れると、夜風に当たりながら自宅へと向かう。

流石に代金は自分が負担してあげたのだが、それはそれとして少し飲みすぎたような気もする。気分がいつも以上に昂揚しているのもそのせいだ。

まだ泥酔する程じゃないからしなんとかなりそうだが、七海はどうだっただろうか。


帰りながらふと思い出したように予定表に目を配らせる。]

(*47) 2024/01/18(Thu) 22:33:16

【赤】 葉山 裕太郎


[七海は怒るだろうか。軽蔑するだろうか。
彼女を堕とすまでの全てを、小説に書き起こすだなんて。

彼女がしてきた事の全てと、自分がしてきたことの全てを記し、この狂気を完成させる。
その大きな役は彼女にしか頼めない。彼女の狂気は常識と羞恥を捨て去れば自分など優に凌ぐ程のものだという確信があった。

それほどまでに彼女の独善的で哀しい狂気は葉山の心を射止めたのだから。]


(*48) 2024/01/18(Thu) 22:34:39

【赤】 葉山 裕太郎


[新刊となる小説のタイトルも考えた。
構想も、登場人物の名前も考えてある。

後は主人公になる彼女自信に、演じてもらって完成だ。]*

(*49) 2024/01/18(Thu) 22:35:17