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【人】 機関士 ジャコモ「……っ、……くそっ、やっぱりこうなっちまうのかよ」 悔しさを噛み殺したような叫びがこぼれる。 死んだ。エーラが死んだ。アウレアが死んだ。 先日二人で荷物を片付けた時の事が、二人で酒を酌み交わした時の事が、いまはどちらも随分と昔のように思えてしまって、そのときの二人の笑顔を思い出す度、胸が苦しくなる。 「……本当に、どうにもならなかったのか?」 「そんな素振り、全く見せなかったのも演技だったのか?」 誰かに脅されていたのか、自由意思だったのか。 それすら聞くことができなかった。もっと早く動いていれば、この結末は変えられたのだろうか。 「わからねぇよ」 「どうしてだ、エーラ」 #メインルーム (29) 2024/04/02(Tue) 15:01:26 |
【人】 機関士 ジャコモ「それは……」 ユウィの言う通り、隠し持つ物があるのは誰だって当然の事である。 自分にだって、未だ最愛の人に伝えきれていない感情がある。 それを誰かに対してぶつけて責めるのは、確かに違うかもしれない。ただ、俯いた。 「……」 "やっぱり"と言った事に対してはそれ以上何も口を開かない。単に言葉の綾かもしれないし、意図的に何かを知っていて、それを伏せているのかもしれない。 「ばかカポ…………」 遅れて登場したキャプテンに、 半ば八つ当たりするようにそんな言葉を吐いて。 それも普段のジャコモとは違い、力なく弱弱しい物だった。 「死んじまったよ……」 「エーラも、アウレアも、」 「……自室だって」 自分の立場じゃ、許可すらなければ顔を見る事もまだ出来ない。苛立ちと悔しさを嚙みしめるように歯噛みして、それだけ伝えるとまた視線を外して俯く。 #メインルーム (31) 2024/04/02(Tue) 17:49:45 |