「会議はまだ始まったばかりだ」

　数日続いた会議。
　数日前まで見えた人々がいなくなっても
　ラサルハグは普段通りだ。

　[ハマルは会議場にいる]

　[人が集まる事を待っている]

　[大事な人がいなくなっていない事を、祈っている]

「ふぇあ……」

　気分屋はあくびをしながら遅れて現れた。
　今日も遅刻だ。

「おはようございます。……皆さん、いらっしゃいますか？」

恒例の挨拶。そして始まる会議参加者たちへの水の配膳。ただ、以前と違うのは女の勢い。

固い面持ちで動くだろう。

>>a1 ルヘナ
　[ふと、貴方を見た]
　[貴方はここにいる時、いつも]

　[ばたばた][厨房へ駆け込んで戻ってくる]

「紅茶とミルクか？」
　[先日貴方に言われた事をハマルは覚えていた]
　[カップにポット。ミルクを持って貴方の所へ]

　メレフはもう笑っていない。

>>5 ハマル

「……………」

君の姿と、手元を見つめる。
寂しげな眼差しを君へ向けた。

「有難う、……。」

それを受け取れば、
君を自らの隣の席へ誘うだろう。

ブラキウムは、元気な挨拶と共にやってきました。
片腕にはを持っています。
椅子に座ると、床に届かない足を揺らしながら笑いました。

「ハイハイ、おはよ」

少年もいる。
いつもと変わらず、姿勢悪く頬杖をつく。

「……」

「……サダル？」

　ラサルハグは、ブラキウムの到着>>8に、
　愉快さを隠さずに笑った。

　ラサルハグの笑顔は珍しかった。
　近頃はそうでもない。

>>7　ルヘナ
（あ、）

　[ハマルにはその色に覚えがあった]
　[そして、薄らと悟った]

　[貴方も誰かを失った事に]

「ハマルはルヘナの隣にいよう」

　[よいしょ][ハマルは貴方の隣の椅子に座った]
　[ひとりは寂しい事を、ハマルは知っていた]

いつもより少し遅れて、会議場に顔を出す。
一睡もしていないのか、目の下にクマが出来ているだろう。

「……キファとサダルが居ない。
　……っ、ヘイズは？　ヘイズもか！」

最初の犠牲者が出た日以降、出来る限りその場にとどまろうとしていた議長がまっさきに踵を返して探しに向かう。

ヘイズは、自分へ紅茶を淹れる日課を、守っていた。
いつだってルヘナが視線を向ければ、すぐに目の前へカップを置いた。

今日は、そうじゃない。
視線は宙を彷徨い、それに気付いたハマルが用意してくれた。



　　　　　　　　　　　……ルヘナは、察しが良い。

「……おはよ、騎士サマ──」

遅いねと、悪態の一つでもつこうとした。
けれど、その頃に彼は会議室を飛び出している。

「……こりゃ、今日は俺がここに残る番かな」

少年は、頬杖をついている。

「あの髪飾り、サダルちゃんのだね」

　会議室のペンの横にある、を見た。

キューの声にも席に座ったまま動かない。
メレフはただ、問いかけた先の『答え』を待っている。

>>12 ハマル

「………うむ、
　そうすると良いさ。」

ルヘナは何も言わない。君も、何も言わない。
それが心地よかった。

「……───サダル？
　それなら昨日も………、」



「…………。」
「……………………ッ、」

珍しく、椅子をひっくり返して、
ハマルへ紅茶を託し、どたばたと会議室を出た。

「……　え？」

　[言葉に視線を向ける]
　[を目にした]

　[血の気が引く]

　[ハマルはルヘナの隣から動けない]
　[それでも直に、知ってしまう]

>>18 >>19　ルヘナ
「ぁ、」

　[紅茶を受け取って]
　[ハマルは貴方の背中を見送る]

「サダル。キファ。……それに、ヘイズ？」

　[姿が見えない人の中で]
　[ルヘナがあそこまで取り乱す理由を]

　[ハマルはそれしか知らない]