人狼物語 三日月国


55 (R18)竜宮城

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視点:


【人】 因幡 理恵

「う゛う゛う゛う゛〜〜〜〜〜ッ!
 なんて……なんて過酷な人生なんだ……こんなことがあっていいのかよ、耐えがたきを耐え、忍び難きを忍び、やっと幸せになれたっていうのによ……!
 はぁっ!? さてはそのために料理を……!? 余命幾ばくもない嫁さんの体を想って……!?」


 な、なんじゃ突然……


[ひと際大きな声を上げたモブに、目を丸くして更に後ずさる。がしっと腕を掴まれそうになるのを俊敏に避けながら、腰を落として逃走準備を整えた。
モブはお構いなしで、空振りした腕を目玉に押し当て、ずびずびと鼻水を啜っている。]

「分かった! 俺にできることがあったら何でも言ってくれ! 金なら心配するな、あいつを仕事には困らせねえよ……だからりえちゃんも安心して、治療に専念するんだぞ!」

[モブが仲間になった!
 理恵は困惑した!
「お、おぉ……なんの話じゃ?」「いや無理に言わなくていい、分かってる、分かってるから……」モブはうんうんと頷くと、「じゃ、早速俺は実入りの良い仕事探してくるかな! じゃあなりえちゃん、二人の時間を大事にしろよ!」苦しそうに笑い、颯爽と去っていった、意味が分からない。
 ぬるい風が吹き抜けた。あとにはぽつんと取り残された兎が一羽。]
(24) 2020/12/26(Sat) 14:15:30

【人】 因幡 理恵

[結局何言ってるのか最後まで分からなかった。たしか治療がナントカ……

 別に病気なんぞ何一つ患っていないが、兎として生まれた以上、数年の命。自分にとっては長くも短くもない、そういうものだ。
 けれど、とフウタを思う。当たり前のように受け入れていた、八歳という年齢。その年まで兎が生きていられるだろうか。あるいはそれ以降も。
 亀は何年生きるのだろう。自分が居なくなった後も、フウタが生きているとしたら、どれほどの時間を片割れだけで過ごさねばならないのだろうか。]


 そしたらあいつ……どうなるんじゃ?


[浮かんだ疑問に、答えは見出せぬまま。]
(25) 2020/12/26(Sat) 14:16:56

【人】 因幡 理恵

[……入道雲が姿を消し、薄い綿のような雲が散らばる季節になるにつれて、妙な夢を見るようになった。

 遠くをフウタが歩いている。自分はまだ乳を吸うのがやっとで、満足に歩くこともできない。けれど自分はみるみる成長して、フウタの歩みものろいから、追いかけ始めればあっという間に距離を縮めた。
 フウタ、と手を取って並ぶ。他愛ないおしゃべりに夢中になっていれば、つないでいた手が離れた事にも気づかなかった。
 強風に煽られるように、足がぐんぐんと前に進む。フウタの声が遠くなっても、戻れない。歩みは流れに押されてますます加速し、一か所にとどまることも叶わない。振り返ってフウタとの距離を確かめることも。
 行かないでくれ、という悲痛な願いは、性能の良い耳でやっと聞こえるかどうか。いつのまにか、かなり離れていた。
 首が勝手に動き、ようやっと振り返る。かすむほど遠くなったフウタに、眉を下げた。]


 すまんの、フウタ。
 こればっかりは、理恵にはどうしようも無いのじゃ。


[伸ばされた腕>>5にふっと意識が戻る。
 夢はあっという間に霧散して、記憶をたどっても思い出せない。
 目覚める間際、フウタに寄り添う小さな影を見た気がする。しかしそれも定かではない。
 頼りない記憶をたどるのは早々に諦めて、今目の前にある鼓動>>17に集中した。]
(26) 2020/12/26(Sat) 14:18:50
因幡 理恵は、メモを貼った。
(a2) 2020/12/26(Sat) 14:29:58

【人】 因幡 フウタ

― 冬へ ―

[まぁ特に心配していなかったけれど、
理恵は家での暮らしに素早く順応した。
(あるばいとを転々としている様なのは、いいのか悪いのか。
変な奴に付きまとわれる危険性は減るのかもしれないが、
変な奴に遭う確率は上がるのではないか、とか、悶々する。
でも焦らずゆっくり合う仕事を探せばいいんじゃないか、と今は思っている。)

料理はばあちゃんに教わって、
力になるものと栄養があるものを、と覚えて作っているが、]


  理恵、やっぱり肉は嫌か?


[よけられるのが不満という訳ではないけれど。
人の身の間は食べた方が元気が出るんじゃないか、とは自論だから押し付けもしないけど。
どうしても食べそうになければ、「魚は?」と聞いてみたり、豆などで代用するなど工夫をしてみたりするだろう。

はたから見たら手伝いにはなってない手伝い>>16にも、
「はいはい」と軽くあしらったりしつつ、鬱陶しくは思わなかったし、悪い気もしなかった。

「やめろ!!」と声を荒げるのは、酒を足そうとする時くらい。
いや隠し味になる時もあるとは聞いたけれど、
己はあまり酒に強くない事がわかったし、
こいつは加減を知らないだろうと推測できるものだから……]
(27) 2020/12/26(Sat) 18:31:53

【人】 因幡 フウタ

[夏にくっついて寝ていたのは正直合理的とは言えなかった。
しかし、「いやお前の方があついぞ」とか言いながらも、 離れて寝ようとする事はなかった。
汗を浮かばせながら抱き合うのもそんなに悪いものでもなかった。
でも冬の方が断然心地が良い。
理恵からの文句が無くなり、寝つきが良くなった事からも、
同じ気持ちなのだと簡単に窺えた]


  ………


[ある日、
夢から駆け出た俺は、理恵も起こしてしまったらしい。>>17
詫びるのも忘れて言い訳で取り繕って抱き込んだら、
このまま二人、もう一度眠りに落ちられると思った。
いつもより早い心臓の音を聴かせてしまっているなんて気付かないまま、ぎゅうと目を瞑っていたら、胸の中で理恵がごそごそし出す。 何だ、と確かめるより前に開かれた胸元から僅かに熱が逃げる]


  ん、


[かと思えば、寄せられた理恵の唇に引っ張り上げられる様に、もう一度体温が上がる。
可愛らしく唇で肌を濡らすだけだった夏から、
随分いやらしくなったもんだ。
お陰様で外に仕事に行った際、仲間がいるところでうかつに着替えられない。一人の時ですら、鏡を見てしまっては何やら思い出してムラムラするから困る。
人の世で生きるなら後先考えないとな、と思うのだけれど、思うのはその時だけだったりする]
(28) 2020/12/26(Sat) 18:33:09

【人】 因幡 フウタ



  っ、……


[痕は良い。
自分も、ばあちゃんにたしなめられるくらい理恵に沢山つけてるし。
でも胸の先に口付けられれば、わかり易く動揺する。思わず腕から力が抜ける。

理恵はそこを触られると具合が好さそうだったから、そんな好いもんなのかと、自分でも自分の乳首を触ってみた事がある。内緒だけど。
その時全然何も感じなかったものだから、
オスはそういうもんなんだと思ったのに。

理恵に触られると、感じてしまう自分がいる。
それが普通なのかどうかは、
やっぱり相談できる相手がいないからわからない。

ただ、何だか妙に気恥ずかしい。
声はなんとか抑えられたが挙動不審になるし、くっついてるもんだから反応した下半身は理恵にそれをありありと伝えてしまう。

彼女はそれを知ってか知らずか。
挑発的な誘いを、白い肌に溶ける淡色の唇で紡いだ。
その色に、甘い声に惚けていたら、
彼女によってまた着衣が乱される。
普通に脱がす方が好きだが、……なんだろう、
悪くないと思えてしまう。
彼女が俺にする事全てに揺さぶられる様だ。
返事の代わりの吐息が、
あたたまった空気の中で一層甘く部屋に溶けた。**]
(29) 2020/12/26(Sat) 18:33:37
因幡 フウタは、メモを貼った。
(a3) 2020/12/26(Sat) 18:35:18

【人】 因幡 フウタ

― クリスマスの日 ―

[午後を適当に町ぶらりしたり子供達の相手をしたり家の片付けをしていたら、あっという間に日が落ちて夜になった。
なるほど師走とは言い得て妙だ。

初めて人間の家で過ごすクリスマスは、祭りとは違った楽しさがあった。玄関には仕事先でもらったツリーを飾った。
あれは抱えて持って帰る時に目立ったからちょっと恥ずかしかったけれど、クリスマスらしい、とばあちゃんも喜んでくれたから報われた。
理恵も主に料理に満足してくれたみたい>>18で良かった。
ケーキやチキンは流石に買って来たものだが、ちょっと凝った数種のサラダは己の手製だった。
クリスマスにはプレゼントをあげるものらしい。
ばあちゃんが教えてくれた。
俺が考えたプレゼントが、この料理だった。
わざわざ「これがプレゼントじゃ」とは出さなかったし、
照れくさかったのでばあちゃんにも口止めしておいたけれど。
(ゆかいな鼻と角はきっとその代償である)

美味しそうに頬張ってくれる理恵のその笑顔だけで
俺は満たされたんだ。

「おう、ケーキもどんどん食え」とホールケーキのほぼ半分を理恵の皿に盛ったらばあちゃんが笑っていた。
「三太って誰じゃ茶飲み友達か?」と俺も聞いたけれど、
プレゼントの話になりそうと思ったばあちゃんはうふふと笑うだけでかわした。
理恵がワインを飲み過ぎない様に、ばあちゃんが巧みに「わたしにもちょうだい」と理恵に酌をさせたりしていた]
(30) 2020/12/27(Sun) 4:05:07

【人】 因幡 フウタ



  ん、ん、 なんじゃ
  布団敷いてくれるのか?


[すっかり夜更かししたのちに帰った二人の棲み処でか。
布団を出そうとしたら理恵に押された。>>19
ただの気まぐれかと思ってその場を任せたが、
理恵は次の日も布団を敷いてくれた。
なんじゃなんじゃ長い気まぐれじゃなとも思ったが、足ダンされて押し入れから遠ざけられれば、「怪しい」と訝しんだ。
それでも無理に暴こうとするともっと怒るだろうから、
話してくれるまで待とう、とのんびり構える事にした]
(31) 2020/12/27(Sun) 4:05:11

【人】 因幡 フウタ

― クリスマスの3,4日後くらい ―

[ばあちゃんに頼まれた買い出しで町の商店街に来ていた。
ちょっとした人だかりが目についてふらふら近寄ったら、
どうやら福引をやっているらしい。
一等はなんと温泉旅行券!
こんな小さな商店街の福引でそんないいものが当たるんじゃな、と口にしたら、係の人がこそっと教えてくれた。どうやら有効期限が年明けまでらしい。なるほど。

ばあちゃんに頼まれたものと自分の買ったものを足したら、福引一回分になっていたから、ぜひぜひ、と係の人にすすめられた。
どうやらクリスマスまでに一等が出ていてほしかったのにまだ誰も引き当ててくれてない、という状況らしく、係の人は目が必死だった。大変じゃな、とちょっと同情した。

参加賞のティッシュ。
ばあちゃんが喜ぶかもなと、
がらがら、木製の抽選機を回した]
(32) 2020/12/27(Sun) 4:50:55

【人】 因幡 フウタ



  ただいま。


[荷物を抱えてばあちゃんの家に戻り、
出迎えてくれたばあちゃんに一枚の封筒を差し出した]


  これ。温泉の旅行券なんじゃと。
  ばあちゃん、よかったら友達とかと行ったらどうじゃ?


[ばあちゃんは封筒を開いて、あらあら!と目を輝かせた。
商店街の福引で当てた事を説明する。
有効期限の事を話しても、ばあちゃんの目はきらきらとしたままで、いや、寧ろにこーっとこちらを見つめている。なんじゃ、と居心地の悪い顔をしてしまえば、穏やかな声がふふと笑う]


 「このお宿、竜宮城って名前よ。
  引き当てるなんてさすがフウタちゃんね。

  亀のフウタちゃんが、お嫁さんの理恵ちゃんを
  連れて行ってあげたらどうかしら」


  りゅうぐうじょう………


[読めなかった漢字だが、行先は竜宮城らしい。
そこは昔話で亀が案内した、極楽の宮殿だとか]
(33) 2020/12/27(Sun) 4:51:03

【人】 因幡 フウタ

[いやばあちゃんの買い出しで当てたし、と遠慮しても、
でもフウタちゃんも買い物しなければ福引一回分にならなかったのでしょう?とか、貴方たちお式もしてないし新婚旅行という事にして行ってらっしゃいな、とか、優しく説得してくれる]


  ……ばあちゃんはいつだって優しいな……


 「フウタちゃんと理恵ちゃんが、
  わたしに優しくしてくれるからよ」


  ……ありがとう、ばあちゃん。


[返された旅行券を受け取ると、
ばあちゃんはにっこりと頷いた。
急いで残りの大掃除を片付けて、大晦日に泊まりに行ってはどうかと提案される。
二人だけで静かに年越しも素敵なのではないか、と。
ばあちゃんはばあちゃんで町内会で集まって年越しをするらしい。
己はほぼ賛成だったが]
(34) 2020/12/27(Sun) 4:51:29

【人】 因幡 フウタ

[さて、理恵はどこから話を聞いていたか]


  理恵。
  しんこんりょこう に行こう。

  えーと……
  ふうふになった祝いに、
  美味いもの食べて、大きな風呂に入って、
  一緒に寝て、
  思い出を作る……というものらしい。


[聞いていなければ経緯と、新婚旅行の説明も交えつつ、
自分も行きたいと思っている意思を伝えて誘ってみた。
OKならさっさと予約、大掃除、荷造りと準備に移ったのは、
亀らしからぬ素早さだっただろう。**]
(35) 2020/12/27(Sun) 4:51:33
村の設定が変更されました。

【人】 因幡 理恵

[肉食を強制されたわけでもないが、問いかけられれば>>27、「んー」まじまじと摘まんだ肉を見て、ぱくっと口に入れた。
 もぐもぐ時間をかけて咀嚼して、こくっと飲み込んだ。]


 味はするし、からしと違って嫌いでもない。
 じゃが、肉は食い物に見えん。


[魚も同じで、豆や豆腐は平気。納豆は別あれ腐ってるじゃろ。
 感覚的なものなので、それ自体が形を無くしていれば気にせずばくばく食べたりする。豚汁の汁もそうだし、豆腐と野菜のつみれに多少の鶏肉が混ざっていても平気。
 夫が甘いのをいいことに、わがまま放題言っては、遠慮なく吸収していった。
 酒は許してもらえなかったけど。
 「なんでじゃ美味いぞ」「力も出る」ぶぅぶぅ文句を言っては強行しようとするも、叶わないと知ると「……分かった。じゃあ片付けてくる」こそっと酒を抱えて盗み飲みを試みたり。]
(36) 2020/12/27(Sun) 19:00:19

【人】 因幡 理恵

[周囲の理解と協力により、押入れの要塞は数日の長きにわたって持ちこたえていた。
守っちゃ駄目なんだけど。
 すっかり渡すタイミングを見失ったクリスマス仕様のラッピングを、どうしようかなーと時折眺めたりしつつ、アルバイトの無い日は年末の大掃除に勤しんでいた。

 フウタが買い物に行った日も、ちょうど仕事が無かった。
 飽きっぽいほうだが、掃除は案外楽しい。特に雑巾ダッシュ。
 三角巾の下で耳をぴこぴこさせつつ、若干イっちゃった目でズダダダダダッとひたすら廊下を往復していると、「ただいま」耳がフウタの声を拾った。「フウタ!?」]


 お帰りなのじゃフウタどうじゃしっかりおつかいに励んだか理恵はすごく床をきれいにしとったぞキレイと言えば頼んどった「亀齢(日本酒)」はあったかあれはすごいらしいぞ口に含むととろっとした口当たりから続くふるうつの香りが鼻を抜けて後口はしっかり酸とピリ辛の余韻があるらしくてな辛口なんじゃが飲み口はとても軽いんじゃとどうじゃ美味そうだと思わ


[ハイになりながらズダダダダッと駆け付けると、ちょうど「連れて行ってあげたらどうかしら」のあたり>>33だった。]


 りゅうぐうじょう……


[ぴたっと足が止まる。
 何やらその後もおばあちゃんがありがたいこと>>34を言ってた気がするが、懸念に気を取られてまともに頭に入ってこない。
 フウタが振り向くと、じりじり後ずさりして「理恵りゅうぐうじょう知ってる」「ご先祖様から引き継ぎしてる」「そこ海の中じゃろ」「海は嫌じゃ」「息ができん」「みずぎは寒いし」「うらしまは気合で乗り切ったんじゃろが」「理恵は無理いや無理とまでは言わんが」「全然怖くないけど」「ほんと余裕じゃが」矢継ぎ早に言い訳を並べたが、フウタの説明>>35を受ければ「……つまり陸にあるのか?」「大きな風呂ってぷうるみたいに深くないか、足はつくか?」「本当に海じゃないんじゃな?」「風呂はフウタとも入れるのか?」おばあちゃんの前とか気にせずに混浴可か確認して、「なら行く」コクコクと頷いた。]
(37) 2020/12/27(Sun) 19:02:43

【人】 因幡 理恵

[その後。
 荷造りをしながら、ふと尋ねた。「りゅうぐうじょうは寒いのか?」
 フウタかおばあちゃんから肯定の言葉が返ってくれば、ぱっと顔を明るくして、「待ってろ!」ズダダダダダッと押入れに走った。
 めちゃくちゃに尻尾を振り回しながら、渡しそびれていたのがありありと伺えるプレゼントをフウタの胸にぐいぐいと押し付けて、「これも! これも持ってけ!」「あったかいらしいぞ」「実は見越してた」

 プレゼントは、深い緑色のマフラー。カシミヤ製のそれはだいぶんいい値段だったが、そこは駄菓子屋の福利厚生パワー、フリーターの理恵でも支払えた。
 ……値段以前の問題として、プレゼントを選んだ経験のない理恵がマフラーにたどり着くまでに、多くの人間の
徒労
協力があったのだが、それはまた別の話。]**
(38) 2020/12/27(Sun) 19:05:30

【人】 因幡 フウタ

[理恵は肉を嫌っていたのではなく、
単に食べ物として認識し難かっただけの様だ。>>36
確かに肉の溶け込んだ汁は啜っとったな、とか、
俺も畳は食おうと思わんしな、ちょっとわかるかもしれん、
とか小さく頷いた。
だからハムをどけられたりしても>>18、文句は言わなかった。
それは飾りの意味も大きいものだし。
美味しそうに野菜を頬張ってくれる理恵のその笑顔だけで略

酒には口を出したけど。
けどそれだって追い掛けて「本当に片付けたか?」と確認する様な真似はしなかった。
他人が聞いたら甘いとか言われそうだが、
俺は別に普通の事をしているだけだと思っている]
(39) 2020/12/28(Mon) 3:20:41

【人】 因幡 フウタ

[そして福を引き当てて来た日。
家の扉を開けたところから、遠くにどたばたする音>>37が聞こえていたけれど。
きれいに理恵の事をスルーしてしまったが、
急にりゅうぐうじょうの話を持ち出しても理恵は怒らなかった。
というか怯えさえ見えた。
それから虚勢を張りながら、お得意のとんちきを披露する。
ひとつひとつに突っ込むのはもう諦めた]


  そうか。 よかった。


[「竜宮城は陸にあるぞ、たぶん」「風呂はどうじゃろ、深いかもしれんが浅いところもあるじゃろう」「海ん中ではないぞ」とそこまで真顔で、けれど理恵を安心させようと宥める様な声色だったが。
一緒に風呂に入れるかと問われると、「ええと……あ、あぁ」と、ちょっと気まずい顔になった。宿の構造を知っている訳ではないから確証がないというのもあるが、ばあちゃんの前だぞお前、という照れが強い。
けれど良い返事が返ってくれば、ほっとして笑みを零した]
(40) 2020/12/28(Mon) 3:20:45

【人】 因幡 フウタ



 「今は沖縄以外はどこも寒いかしらね。」


[とは、理恵の問い>>38へのばあちゃんの返答だった。
聞くなり笑顔になった理恵はどこかへ駆けてゆく。
うさぎらしい突飛な動きにばあちゃんがくすっと笑った。
ばあちゃんに買って来た物の確認を頼んでいる間に、足音が戻って来た]


  なんじゃなんじゃ


[尻尾が見えずとも超ご機嫌といった風の理恵が、ぼすっと何かを押し付けて来た。ばあちゃんが「あら、プレゼント?」と控えめに覗き込んで来て、確かにそんな包みじゃな、と思った。
よくよく見てみれば色やデザインがクリスマスの包装か]


  …………開けて良いのか?


[数秒固まってしまったのは、
喜びからと言っていいだろう。
だってこんなの、理恵から贈られると思わないじゃないか。
嬉しさが何倍にも勝っていたものだから、
渡しそびれていたなんて察せない。

ここで開けたら駄目だと言われたって開封して、
飛び込んできた渋くも美しい色に僅かに目を見開く]
(41) 2020/12/28(Mon) 3:21:25

【人】 因幡 フウタ

[あぁ、綺麗な色だ。
理恵の好みとは思えない。
こんなの、俺に似合う色をと探してくれたんだと自惚れてしまいたくなる。
手に触れると指先からとろける様な滑らかさで、
持ち上げると浮いてしまいそうな軽さだった。
なのに首に巻くとしっかり、優しく温めてくれる]


  理恵……こんな良い物……


[人間の身に纏う物の価値は、正直未だにわからない。
けれどこんなに気持ちのよい布は生まれて初めて触れる。
そんなに稼いでいる訳でもなし、
そもそも慣れない仕事を頑張って手に入れた金でこんな高そうなものを買ってくれたんだと思うと、感動するなという方が無茶だ。

抱き締めたいのを、ばあちゃんの手前、抑えた。
花嫁姿の理恵を見た時には感極まって抱き締めてしまって、ばあちゃんに「お着物着崩れちゃうわよ」とたしなめられた。
今はたしなめられたりしないだろうけれど、
ばあちゃんの前でそう何度もタガを外す訳にはいかないのだ。

ありがとう、と笑って、]


  良い旅行にしよう。


[そう約束した。*]
(42) 2020/12/28(Mon) 3:21:53

【人】 因幡 フウタ

[理恵に頼まれていた亀齢とやら。
ふがふがと入れ歯を外したりしながら喋る酒屋の店主に教えられて買って来た。
俺にはよくわからないので「合ってるか?」と理恵に手渡して確認してもらった。
合ってるか?と聞いておきながら、
まぁ合ってなくても呑むだろうともう興味が逸れて、
理恵がぴかぴかにした床の方を褒めた。

それからばあちゃんに電話のかけ方を教わりながら、
竜宮城へ予約の連絡を入れた。
出してもらう料理の肉とか魚は一人分で良い、そのかわりもう一人の分は美味い野菜を増やしてほしいと希望を伝えた。
快諾してくれた宿の人に頭を下げる。
「電話でもお辞儀とかしちゃうわよね」とばあちゃんが笑って、ちょっと照れくさかった。


その日の夜、
布団敷き係を辞任した理恵を見て、
ようやく守られていた押し入れの秘密に気付いたりしたのだった]
(43) 2020/12/28(Mon) 3:43:08

【人】 因幡 フウタ

― 閑話休題。旅行までのとある日 ―

[午前中で終わったが、引っ越し屋の仕事納めの日だった。
引っ越しというより、荷物の整理をこなした。
これから運転をする奴も居たので「お疲れ!」と缶コーヒーで乾杯した。

車の中で一人が「聞いてくれよ〜」と絡んで来た。
聞けば、クリスマスに懇意の相手に贈ったプレゼントがあまり喜ばれなかったらしい。「どこどこのブランドのネックレスなのに」「あそこってあんまり女子受けしないんじゃなかったっけ」「都市伝説だと思ってたぁ」「俺もかわいいと思うんだけどなあ」……よくわからなくて話に入っていけない。

「因幡も嫁さんに何かあげたのか?」と聞かれたので、
ちょっと手の込んだサラダを作った、と正直に答えた。
嫁は野菜よく食べるからな、と付け加えても、
女子か!かわいいな!信じらんねぇ!と驚かれた。
別にいいじゃろとそっぽを向いたが、「……いや逆にありかも」と、ブランドネックレス男はぶつぶつ言い出した。
確かに好きな物を渡してるんだもんなとか、趣味じゃないとか困るって反応にはなりにくいかもなとか一人で分析している。

さあもう解決したかなこの話題も終わったなと思ったら、
続きがあった]
(44) 2020/12/28(Mon) 4:56:17

【人】 因幡 フウタ

モブ「でももっと色っぽい物プレゼントしたりしねーの?」
亀「い、色っぽいもの……?」
モブ「アクセサリーも良いけど、若いんだし下着とか?」
モブ2「あ、丁度そこ百貨店あるじゃん行こーぜ(車を停める)」
亀「え、おい、ちょっと待て……(無理矢理連行される)」
モブ「こんなんいいんじゃね」
モブ2「いやりえちゃんはこっちだろ」
亀「………買わんからな」
モブ「何で?着てくれねーの?こういうの」
亀「お前らが選んだものを理恵に着せたりするか」
モブ2「だったらお前が選んだらいいんだよ!」
モブ「そうそう、これとか」
モブ2「結局意見してんじゃんワハハ」
亀「………」
モブ「あれ?てか因幡照れてんのか?こういうとこ初めて?」
亀「……そうそう来る訳ないじゃろこんなところ……」
モブ2「そっかそっか、悪かったな(楽しそう)」
モブ「じゃあ違う路線で行くか。あっちの店とか見てみねー?」
亀「……ああいうの、女は喜ぶのか?」
モブ「まぁ大抵は好きだと思うけどな」
モブ2「見るだけ見よーぜ」

亀「………へぇ………」


[何やら旅立ち前に収穫があった様です]
(45) 2020/12/28(Mon) 4:56:28

【人】 因幡 フウタ

― そして竜宮城へ ―


  じゃあ、行って来ます、ばあちゃん。
  よいお年を。


[笑顔で見送ってくれるばあちゃんに挨拶をして、理恵と二人、昼頃に家を出る。
向こうは寒くなるみたいだから、とばあちゃんは理恵にもこもこのオレンジ色のマフラーを巻いてやったか。

亀甲模様のシャツにカーディガン、黒のロングコートという出で立ちは、いつぞやのデートの時と同じもの。
新たに理恵からもらったマフラーの緑色を加えて、
まっしろな理恵の隣を歩く。
まだこの姿になってから日も浅いので、見慣れてはいない。
外だと冬の日差しを反射して余計にきらきら眩しいが、
ちらちら見てしまう癖が未だに抜け切らない。

ぼけっとして道や乗り換えを間違うといけないので、
事前に用意したメモを片手に握りしめて先導する。
駅から電車に乗って、途中から鈍行で随分長い間揺られていた。
暇だったけれど、何もする事が浮かばなかった。

途中うっかり寝てしまって、はっと目が覚めて乗り過ごしたかもと青ざめた。
まだまだ目的の駅まで遠いとわかると、
はあああと苦々しく息を吐いたりした]
(46) 2020/12/28(Mon) 4:58:55

【人】 因幡 フウタ

[竜宮城のある町に辿り着いたのは昼下がりだったが、
ちらちらと雪が降ってきているせいで薄暗い。
人影はまばらだったけれど、名物の店などの近くには結構人が集まって見えた。

色んな宿が立ち並ぶ温泉街を奥へ進んで行けば、
大きな池?湖?に橋がかかっていて、その真ん中に小さな島みたいな陸地がある。
そこに建っているのが、どうやらりゅうぐうじょうの様だ。
なるほど、海ではないけど水の中に建つ宮殿になっている。
水の中に亀が見えた気がして驚いたけれど、多分あれは作り物だ]


  とりあえず荷物を置いてから、
  町を歩いてみようか。

  疲れとらんか?理恵。


[気遣いつつ和風?中華風?な宿へ足を踏み入れれば、
係の人に手厚く迎え入れられる。
通された部屋は広々としているのに寒くなくて驚いたが、
仕事でしか触った事がないベッドの存在にも惹かれた。
大きな窓の方に御簾がかかっていて和を思わせるのに、
ベッドはこの部屋に妙に馴染んでいた。

己ですらベッドには思わず腰掛けたが、
理恵はベッドを見てもおとなしくしていただろうか。**]
(47) 2020/12/28(Mon) 4:59:01
因幡 フウタは、メモを貼った。
(a4) 2020/12/28(Mon) 5:02:37

因幡 フウタは、メモを貼った。
(a5) 2020/12/28(Mon) 5:12:04