人狼物語 三日月国


137 【身内】No one knows【R18】

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視点:


【人】 旅人 J

 
[旅立って何度そう自分に問いかけたことだろう。
 答えは見つからない。]


  「また考え事? スープが冷めちゃうよ」


[ごめんと言いカトラリーを動かす
 女の視線の先には灰色の髪の子供が行儀良く座っていた。
 立った状態で抱き締めると胸の位置に顔がきて
 恥ずかしいやめてなんて暴れ出すほどに成長した我が子。]


  「そんなに僕って父さんに似ているの?」


[……そうね、と頷く。
 でももっと父さんの方が格好良いわ。
 というのは音に出して聞かせぬ心だけの声。
 子は日増しに面影を強くするが胸をときめかせるのは
 あの十字が刻まれたあのひとの顔だけだった。]
 
(27) 2022/03/27(Sun) 10:37:36

【人】 旅人 J

 
[子はアンペールの力を濃く宿した。
 いまは気の抜けた顔でパンを頬張っているが
 命知らずの輩が母に寄ってきた時などは
 勇ましく前に立ち守ろうとしてくれる。
 あまり目立ちたくないので
 流血沙汰になる前には抱えて逃げるのだが。]


  ジャン。次はどこに行こうかしら?


[旅の相談。
 立ち寄る町での給仕のバイトの稼ぎや
 返り討ちにした盗賊から拝借したものを路銀とする旅は
 具体的な目的もなければ緩やかなものだった。]
 
(28) 2022/03/27(Sun) 10:37:53

【人】 旅人 J

 
[パンを慌てて飲み込むのを
 ゆっくりでいいわと見守る。]


  「大陸って、他にもあるんでしょ。
   べつのところに行ってみたい。
   母さんの……しってるところとか……」


[連れて行くのは母も全て初めて訪れる地だったが
 そうではないものが見たいらしい。
 自分のルーツが気になるのだろうか?]
 
(29) 2022/03/27(Sun) 10:38:09

【人】 旅人 J

 

  ……。


[暫し悩む母を緊張した面持ちの子が見守る。]


  ……そうね。じゃあ船代を稼がなくちゃね


[前向きな返答に、子が表情を輝かせた。

 ああ、自分は。あのひとにこんな顔を
 させてあげられるひとになりたかったのだと。
 嘆かぬ日はないし、そんなひとと出逢い共に在るのを
 願うことしか自分には出来ない。**]
 
(30) 2022/03/27(Sun) 10:40:20

【人】 商人 J

[ 妻と子が去ってより男は魔術師との戦いに明け暮れた。
敵をそのまま生かしておく様な相手ではないと知っていた。
そして、奪われたもの≠そのままにしておくはずもないと知っていた。

男はただ力が欲しかった。
誰にも奪われることのないように。
人生の岐路で蚊帳の外に置かれることがないように。
力さえあればそうはならないと。

だが、失った。
力があっても失った。]
(31) 2022/03/27(Sun) 15:20:10

【人】 商人 J

[ アンペールの軍勢は魔術師を駆逐した。
討ち滅ぼせたかどうかは定かではないが、その支配が及ばなくなったのは確かだった。
そしてアンペールの落とし子もまた。]
(32) 2022/03/27(Sun) 15:20:34

【人】 商人 J

[ その後、アンペールの地がどうなったのか。
支配者も領主も失い、或いは他の新たな支配者を迎えたのか。
それは歴史が語ることになるだろう。

だが、魔術師を討ち払ったアンペールの落とし子、その名は伝わってはいない。]*
(33) 2022/03/27(Sun) 15:20:51

【人】 商人 J

 
 そうですね。

 船代、3人分お願いしますよ。
 
(34) 2022/03/28(Mon) 8:58:54

【人】 商人 J

[ 燻んだ銀というよりも灰色の髪、襟の高い黒い衣服に身を包んだ男は、色の濃い眼鏡をかけておりその奥の瞳を窺い知ることはできない。

薄い笑みを浮かべながら男は立っていた。
それは別に面白い何かがあるわけではなく、そうしていることが男の常であった。

胸元には、青く輝く宝石のブローチ。]
(35) 2022/03/28(Mon) 8:59:14

【人】 商人 J

 
 探してるものが……漸く見つかりました.


[ 口元の薄い笑みを崩さぬまま、男は女と子供を観察する。
色濃い眼鏡の奥で、見えない男の瞳が二人を見つめている。]


 驚くことではないでしょう。
 私が貴方達を求め、そして貴方達がここにいた。


[ 大陸どころか世界のどこにいるのかもわからない。それを探し出すのは細い蜘蛛の糸を辿るよりもずっと難しかった。]
(36) 2022/03/28(Mon) 8:59:30

【人】 商人 J

[ それからやや間を空けて、男は子供の前に置かれたスープに視線を移した。]


 さて、私の分はありますか?


[ 顔が崩れるのを堪えるために男は努力を擁した。
口元に浮かべた笑みが深く大きくなるのを堪えるために男は強い心を持って対しなければならなかった。]*
(37) 2022/03/28(Mon) 8:59:54

【人】 旅人 J

 

  ……っす、すぐに、用意するわね……っ


[固まっていた母子のうち先に動き出したのが母で
 背中を向けたのだが、手伝う、とついてきた子が
 「泣いてるの?」と涙をばらしてしまう。
 この部屋くらいならどこに隠しても
 彼の瞳には見つけられてしまうのだけども。]
 
(38) 2022/03/28(Mon) 9:45:48

【人】 旅人 J

 
[聡い子は、珍しく落ち着かない様子の母と
 顔を知らぬ、だが自分とよく似た容姿の父を交互に見て
 大体のことを察したようだ。

 話を、したい。船代は、予定より稼がなくちゃ。
 宿を少し大きいのに変える必要が?
 どうやってみつけたの。
 驚くことではないって、驚かずにいられるわけがない。

 何から手をつけてよいのかも、
 愚かな女にはわからなかった。

 ただ間違いなく、この混乱はWうれしいWことだった。*]
 
(39) 2022/03/28(Mon) 9:45:51