人狼物語 三日月国


147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】

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【人】 乙守 流歌


[ 初めの頃の心配はだいぶ影を潜めてきた。
  ……大好きが重なる幸せ。
  潮音もそうだといいな。 ]


  もう忘れないよ!
  手帳にもカレンダーにも
  スマホにも登録したもん。
  潮音がお祝いしてくれるの凄く嬉しいし
  楽しみにしてる。


[ 偶然にも誕生日と記念日が一緒なんて
  すっごくいい日になる予感しかしないね。

  ……と、そんな変わりない、
  今日の一日を終えるべく靴箱へ来たときのこと。]
(71) 2022/05/23(Mon) 23:11:26

【人】 乙守 流歌




  ……へ?
  う、うん。待ってるね。


[ くしゃって紙の音。>>58

  潮音の靴箱に何かが入ってることはよくある。
  回数は減ってはきたけれど
  まだまだ告白される機会はあるみたい……

  流石に手紙をくちゃくちゃにしてるところは

  少なくとも、私の前では
見たことないし

  今回は違うのかもしれないね。
  でも何の用事かは深くは考えなかった。]
 
(72) 2022/05/23(Mon) 23:16:07

【人】 乙守 流歌



[ 校内でスマホ出すわけにもいかないし
  ぼんやり運動部が走るのを眺めてたら、

  ……あれ、前のクラスの子。>>59
  確か化学の授業の班が同じだったことはある。
  彼女自身、大人しい子だったし
  特別仲良かったわけでもないけれど
  彼女にとって、お話しはクラスの皆の中では
  する方だったんじゃないかな? ]

 
(73) 2022/05/23(Mon) 23:20:59

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「ごめんごめん、そんなに真剣だとは思ってなかった。
 どうにかなるって、俺がいる。
 だから離れないようにしてて。」


彼女が本気で怖がっている様子に、
やはり笑いが込み上げてきてしまう。
背中を何度か叩かれても、
笑いを誘発されてしまうので、
テンガンは笑いながらこの館を散策する。>>61


(74) 2022/05/23(Mon) 23:26:52

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「ミンが作ってくれるものは何でも美味しいから
 どんなものでも大丈夫。
 こういうところだがら、台所もあるだろう。
 後で探すことにしようか。」


本当に肉を食べたかったかと聞かれると、
どうかわからない、と後々答えると思う。>>62
けれども彼女が作ってくれるものは
本当に、心の底からどれも好き。
家事は苦手ではないが得意でもないため
少ないながらも良いものを作ってくれる彼女に
とても尊敬の念をいつも抱いている。


(75) 2022/05/23(Mon) 23:27:17

【人】 乙守 流歌



 はわ、それは大変だ。
 少し待っててくれたら甲矢君も来……、

 って、ちょっとー?


[ あれ、聞いてない?
  引っ張られちゃった。

  なんだかふるふる震える感触。
  すごく責任感じてるのかな、

  もし逃げちゃったのが赤ちゃんだったら
  確かに心配だよね。

  多分友達だったら流歌を頭数に入れるなんて
  よっぽど緊急なんだねって笑う気がする。
  失礼だよね、むう。 ]

 
(76) 2022/05/23(Mon) 23:28:39

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「気持ち悪い?もうちょっと我慢して。
 これ?俺の触手。いや、なんか言い方おかしいな。
 俺の意思に従順な使役魔?
 別に5本だけじゃなくてもっと出せるけど、
 とりあえずはこうでいいかな……。」


気持ち悪いという言葉を彼女から聞くとは
想定していなかったわけではないのだが、
少し口元が緩んでしまった。>>63
彼女と物理的に距離を作れたので、
彼女の体にまとわりつくそれを冷静に教えながら、
自身は部屋の中にあった1人がけソファに腰掛けて、
彼女の体を拘束したままベッドに動かし膝をつかせれば、
さてどうしたものか、と考える。


(77) 2022/05/23(Mon) 23:30:08

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「ミン、俺結構我慢したんだ。
 勝手なこと言うなって言われそうだけど
 もう我慢の限界が来てしまったんだ。
 許してなんて言わない。言えるわけない。
 ………そうそう、その触手、凄いんだ。
 2種類の粘膜が使い分けられてさ、
 1つは服を溶かす粘膜、もう1つは……媚薬みたいな
 思考をおかしくしていく粘膜があるんだ。」


どうしてそれを知ってしまったかは、
人間相手ではなかったので割愛。
敵に使ったらまさか仕留め損なって、媚薬効果のせいで
追いかけられそうになったなんて笑い話はできない。
そんなことより、彼女の腹部に絡みついていた触手は
彼女の胸をにゅるりと撫でるように動いていく。
主人の思考と意思がそれの動きに反映されるから。*


(78) 2022/05/23(Mon) 23:33:01

【人】 乙守 流歌


[ 下駄箱に鞄置いたままだから帰ってないの、
  潮音だってわかるよね。

  時間がいりそうなら後でちゃんと連絡しよう。
  私は彼女に連れられるまま、裏庭の方。

  普段は生徒もあんまり近づかない。
  日当たり悪いし、物陰になってるからか
  なんだか悪っぽい人も時々いるし。

  近づかないに越したことはない場所なんだけど
  草木がぼーぼーしてたりするし
  ここから体育館の裏までいっちゃったりしたら
  それこそ逃げた動物を捕まえるの、いよいよ大変そう。 ]
(79) 2022/05/23(Mon) 23:34:47

【人】 乙守 流歌



 ええと、……何が逃げちゃったんだっけ?
 大丈夫。一緒に探すよ!


[ 彼女に確認のため、も一度声をかける。
  なんだか随分奥の方来ちゃったけど
  ……大丈夫かな? *]

 
(80) 2022/05/23(Mon) 23:37:51

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

 
  
  本当? だったら、嬉しいけど。
  ……うん、久しぶりにキッチンが使えるのは嬉しいかも。
  そうだ、水は出るのかなぁ……。


[何でも美味しいは作り手としては嬉しい答えだ。
何が食べたいと聞いて何でもいいと言われるのとはまた違う。
ならば、腕によりをかけて作らねばと思う反面で、
キッチンの心配などする辺り、まだ余裕はありました。
…………その時は。]
(81) 2022/05/24(Tue) 0:17:45

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ


[触手?使役魔?
理解の出来ないキーワードが飛び交う。
だって、そんなの一緒に旅をしながら一度も見せたことなかった。]


 ……使役魔って……、
 じゃあテンガンがこれをさせてるってこと!?

 なにそれ、離してっ……!!
 離させてよ……!!


[ぐっと腕に力を込めて引き抜こうとしても、
ぬるりと滑って再び捉えられるだけで意味がない。
腕と両足を拘束されたまま、成すすべもなく
ベッドに運ばれてギリ、と唇を噛んだ。]
(82) 2022/05/24(Tue) 0:17:57

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[膝をついたまま睨めあげるようにテンガンを見据える。
高みの見物のようにソファに腰を落ち着けながら、
こちらを見下ろす様子に思わず怯えてしまう。

何を考えているのか、何をされるのか分からずに。
ただ震えていた。]


 限界ってそんなの……、
 だからって、こんなやりかた許されるわけないでしょう?

 ……お願いだから、外して……
 って、ひゃっ……あ、うそうそっ……、
 ……やだっ、うごかないでっ……!!


[ぬるりと触手が衣服の上から胸を撫で回す。
まだ衣服は溶けてはいないけれど、彼の言う通り、
本当に服を溶かす粘膜というのがあるのなら、時間の問題だ。
焦りに声が上ずって、ベッドの上でじたばたと腕をもがかせた。*]
(83) 2022/05/24(Tue) 0:18:12

【人】 闇の精霊 アルカード

―― 図書館 ――

[この学園には『図書館』或いは『資料館』と呼ばれる建物が幾つか存在している。
あの夜、我とあの娘が出逢ったこの建物もその一つらしい。

元はある貴族が趣味で蒐集した稀覯本をまとめた私設図書館で、
その貴族の死後、建物は蔵書ともども学園内に寄贈され、
学園内の敷地内に移築された。と、建物内に置かれていた資料には記されている。

そしてその貴族が集めた稀覯本の中に
我の欠片が変じた書物>>0:178が入り込んでいたようだ。

昼間でもほんのりと薄暗く、
古い書物の匂いが心地良いこの場所は我にとっては心地良く
(娘からは「お気に入りの場所なんですね」と言われた)

特に娘から呼び出されることがなければ、
我は日がな一日此処で書を読んで過ごすことが多かった。]
(84) 2022/05/24(Tue) 0:22:03

【人】 闇の精霊 アルカード

[今、我が読んでいるのはこの世界の成り立ち。
『神話』とか『おとぎ話』と呼ぶほうがより正確か。

あの娘が前の世で「乙女ゲーム」と呼んでいた物語にも、
同じ『神話』という名の設定が存在することを我は知らない
]


 はじめに、虚無が在った。
 星がひとつ、虚無の海に落ちて世界が生まれた。

 神々のうち、ひとりの娘が言の葉を紡いだ。
 「光あれ」と。
 その一声で、万象は光に照らされて
 そして世界は産声を上げた。

 そうして、ただただ闇ばかりであった世界は
 光に照らされ、世界には数多の精霊と命が生まれた。
 闇に満ちた虚無の海より、
 言の葉から万物を生み出した娘は
 光の女神として、今も世界を見守っている――…。
(85) 2022/05/24(Tue) 0:25:30

【人】 闇の精霊 アルカード

[なるほど。
今の世ではこのように伝えられているのか]


 ―――…くだらんな。


[呟きながらぱたりと書を閉じたのと、
娘がこの建物の扉を開く音が聞こえたのはほぼ同時だった。]


 遅いぞ、もう既に(2)1d6冊目を読み終えてしまった。


[此方へ近づいてくる"光"に此方の位置がわかるよう、声をかける。
それなりに長く生きたが、あの娘ほどわかりやすい魔力を放つ者も珍しい。

特に最近は初めてまみえたときのような翳りが消えて、
我にはよりいっそう眩しく"視える"。

それはさながら、地上で輝く星のようで、
―――…同時に、はじめて娘に触れたときの、
ひりつくような、灼けるような感覚もなお強くなる>>0:184
]
(86) 2022/05/24(Tue) 0:26:33

【人】 闇の精霊 アルカード


 …ああ、これか?

 珍しいな、お前が我が読んでいる本を気にするとは。


[此処に在る書物の中では、比較的平易な部類というのもあるか。
或いは、娘自身にも馴染みのある話ゆえか。

いずれにせよ、我らの成り立ちについてあの女から人の子らにどのように伝わっていたかというのは興味深い。
腹立たしさが全くないとは言わないが]
(87) 2022/05/24(Tue) 0:29:30

【人】 闇の精霊 アルカード

 
 
 それよりも、だ。
 ほら、行きたいところがあるのだろう?
 案内せよ。

 
[言いかけて手を差し出したところで、ふと気づいて。

――両の手の甲を交互に撫でれば、
次の瞬間、我が手にそれぞれ白い手袋が嵌められているのが
娘からも見えただろう。

手袋を嵌めた手で娘の手を恭しくとってみせれば。
先程のような冷たさを、感じることはないはずだ。>>38]
(88) 2022/05/24(Tue) 0:31:13

【人】 闇の精霊 アルカード



 せっかくだ。
 後に時間を取りたいからな。 
 ……我の手をしっかり握っていろよ?
 決して離れるな。


[図書館を出るのと同時、
娘の手を取ったまま――タンッ、と軽く地面を蹴り上げる。

それと同時にふわりと、娘と共に空中へとその身を浮き上がらせた。]


 馬車に乗るより此方のほうが早いからな。


[言いながら高度を上げていく。
鳥が飛ぶのと同じか、それよりもやや高い位置まで辿り着けば]
(89) 2022/05/24(Tue) 0:32:32

【人】 闇の精霊 アルカード


 ああ、案ずるな。
 只人の目からは我らの姿は見えぬ。
 我らは今、風と同じものへ変じているゆえ。

 ……要は魔法だ。
 細かいことは気にするな。


[理屈としては色々あるが正直説明が面倒になったので、
早々に魔法の一言と笑顔で片づけることにした。

実際のところ、肝心なことは。

この空中散歩がどのような原理で実現されているかではなく。
我らがこれからの半日を如何に楽しむかだ。
そうだろう?]*
(90) 2022/05/24(Tue) 0:36:37

【人】 落星 クロウリー



[望みは叶えられた。彼に、許されたからだ。
奥底の意図を考えずいられないような優しさの中に
本物の機嫌の良さがあった、のだろうか。

今やその手に縋る以外の選択肢を失った幼い私が、
欲するままに命を続ける為には
悪魔の感情の在り方こそが第一となる予感がこの時既にしていた。
それは父と二人で生活した日々よりも、ずっと重大な意味を持って。]

「……インタリオ様」

[命じられたままに口にし、数度瞬きを早めた。
人の名前としては慣れない響きを持っている。

何もかもから見捨てられた夜闇で、彼と出会ってからの
一生分の人生の動きを激流として受け止めたような時間の中。
己の身体を蝕んでいたもののことも、既に頭にない子供では
悪魔なのだから当然なのかもしれない、と。この時は思うばかりで。]
(91) 2022/05/24(Tue) 2:32:07

【人】 落星 クロウリー



[人類が与えた名の数々に纏る逸話は
何処までが創作で何処までが真実か、はたまた全てが虚空なのか?
考えるだけで壮大な話であった。
彼が我々の歴史にどれ程昔から関わっていたのかも、また。

悪魔が「インタリオ」となる迄の話を聞くことを許されてからも
更に永き時間が経った今すらも、知ってはいないだろう。

人間は同胞の正体すら容易に見失う
私は、大いなる存在を自己の狭小な視野を持って決めつけはしない。

かつては見捨てられぬよう教えられるもの全て理解する為に、
館を出てからは人間達を誘い役目を全うする為に、
そして、多くの魔術を探究する為に。
思考の使い道は他に幾らでもあったのだ。

そうあらなければいけない、でなければ生きられない。]
(92) 2022/05/24(Tue) 2:32:30

【人】 落星 クロウリー



[教会の教えでは神の血と肉とされた日々の糧も、
生きていることを忘れてしまいそうな悪魔の箱庭で与えられては
ただただ得体の知れなさを感じるばかり。

その感覚すら大した時間は掛からず忘れていき、
夢中で貪るだけとなった子供の頭に祈りの言葉はもう無かった。

今までの日々を否定する言葉を、唯一の庇護者に教え込まれ
いかに人間が操りやすく騙されやすい生き物なのかを知り、
世界の法の外にある術を身に着けていけば、当然だろう。

透明な水が黒く穢されるように
無学な農奴の子供は、容易に悪魔の与える思想に染まっていった。

変わっていく見目を主の寵愛の証であるとし
己の白い肌に恍惚と触れ、感謝して見せたこともある。

名を授かる光栄に悦び忠誠を誓った時には、
跪く動きも手を取り口づける様も
かつての少年の面影無く、仕える者のそれとして優雅に。]
(93) 2022/05/24(Tue) 2:33:08

【人】 落星 クロウリー



[私は確かに教え仔として優秀であった筈だ。
彼を真似るように歴史の陰に潜み人々を動かしていた時も、
ある男を誑かして、翠の星の元となった団体を立ち上げさせた時も
主宰となってからだって──沢山の魂を貴方に贈った筈だ。

今だって分かっている。
下僕の目には全知の存在として映る悪魔が、
己の箱庭でこちらを放っておく時には意味があると、覚えている。

食堂へ向かい、貯蔵庫に足を運んで一番奥のワインを、
主が気に入っている美しいワイングラスを。
一刻の無駄も無いよう、両階段は必ず近い左側から。

見えてくるのは、風があれば繊細に揺れそうな大理石の婚礼衣装
首無しの哀れな花嫁を前に曲がり、その書斎へと。

道中──少しの違和に眉を顰めたが
主と改めて対面した時には微笑みを形作り、感情を悟らせない。*]
(94) 2022/05/24(Tue) 2:33:50

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



[ 書斎の扉は下僕が訪れれば音も無く開かれる。>>94

  中は闇に包まれ、背の高い本棚が所狭しと並ぶ
  世界中の、既に過去のものとされた言語の書物が揃っている。
  人類が使用したことのない言葉で綴られたものも含み、
  時代により材質に差があるが全て劣化などは無い。

  それらの全てが、
  魔術、悪魔、邪教、人ならざる存在たち、あらゆる邪悪に関する本
  中には――――……館の主の信仰者達が綴ったものも存在した。

  教育に使用した、人類との接触に必要な術に関するものは>>93
  かつて魔術師が使用した部屋に保管されている。

  合間を縫って灯りが漏れる奥へと進んだ先に、
  L字を象るような形でダークブラウンの机が置かれていた。
  大きな窓からは枯れ木に実る紅色の連なりを見下ろせる
  向こう側に、奈落の裂け目も確かに存在するのが分かるだろう。 ]
(95) 2022/05/24(Tue) 2:43:59

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



[ 胸像に掛けられた大粒の真珠のネックレスを覚えているだろうか。
  少年が館に来た頃、
  今一番のお気に入りであると悪魔が語ったものだ。

  近くで祈りの形に手を組むと、
  滲むように黒が沸き出て、見る見る内に黒真珠へと変わる。
  戯けながら悪魔自ら神僕の真似事をしてみせた。

  やってみるように、と言えば彼はどう思っただろうか
  するしか無かっただろう、主が命じたのだから。
  お前はそれに縋る以外の選択肢を捨てたのだから。>>91

  よく言うことを聞き、教えられたことを吸収していき
  貪欲に糧を取り込んだ少年を、
  悪魔は触れ合いで言葉で、さも可愛いとばかりに振る舞った。

  その演技に絆されただの子供に戻ることはなく
  与えられる役目の為に成長していく姿を、確かに見ていた。>>92 ]
(96) 2022/05/24(Tue) 2:44:25

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



アレイズ=クローリー


[ “Arrays-Crawly地を這う配列達

  過去と現在が重なるように、その名を呼ぶ。

  人間の頭では追い切れない過去を語らない悪魔は、
  その名の意味も語ることはしなかった。
  だが、無知な少年の面影を殺した魔術師には伝わった筈だ。

  例え館に揃うコレクションとなるには相応しくない魂であっても、
  主の所有物であることに変わりはないのだと。
  そう定義されても尚、
  地を這い見下される立場たるお前は、悦ぶしかないのだと。

  悪魔は祝福など授けない。
  これは手を離れることとなる魔術師の心を縛り付けた枷である。

  忠誠を誓う従者の喉を、黄色の爪が擽った日が遠く過ぎ去れども
  その錠前は今も外されていない。 ]
(97) 2022/05/24(Tue) 2:45:20

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



莫迦な仔。
人間に虐げられてきた君に、飲み物一つやらない主だと思った?

[ 共に杯を傾けたこともあっただろう、と。
  悪魔はおかしいとばかりに小さく笑って見せた。

  掌が宙を仰ぐように片手を傾けると、
  もう一つ、従者が持って来たものと同じグラスが現れた。
  その手が再び降ろされると、
  机の端、空いたまま佇んでいた椅子が勝手に引かれる。

  二つに注いだ後、座すことを許そう。 ]
(98) 2022/05/24(Tue) 2:45:50

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



[ 過ぎ去りし華美の王朝時代を思わせる意匠のグラスは、
  血液めいた酒を注がれる程に、それそのものが真紅へと変わる。

  赤き水面を揺らし、白い喉が飲み干してゆく。
  その合間にぽつりぽつりと、悪魔は思い出話を始めた。 ]

覚えていないのかな
ほら、君が随分活躍してしまって、
血相変えたオレが連れ戻しに来たこともあっただろう

あれは中々逸材も揃っていたんだけどね
質の悪い魂も、それ以上に多かったな……

[ アレイズとなった魔術師を地上に戻したのは、
  その生きるべき年月が過ぎ去り、魔女狩りが最盛期を迎えた頃。
  短い期間に多くの争いが起きた時代であり、
  彼にとっては忠誠心を示せる良いタイミングであった。

  だが、あまりに多く魂を送ってきた時は
  剪定の助けをしろと彼の傍らに体現したこともある。 ]
(99) 2022/05/24(Tue) 2:47:51

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



ああ、そうだ
これは返しておかないといけないね

[ 二杯目も半ばに減らした頃だろうか。
  話が途切れた沈黙に、思い出したように机の上の装身具を取る。
  冷たい手が彼のそれに重なり、しっかりと握らせた。

  ブローチが置いてあったそこには、
  シェードの中で蝶が羽撃き続けるランプの他に、
  魔術師が訪れるまで開いていたらしい本がある。

  これは人の世で、数十年以内に記されたものである。
  アレイズはよく、知っている筈だ。 ]**
(100) 2022/05/24(Tue) 2:48:13