【人】 死神のジン ナディル『ねぇ、ナディルは、願いを叶えるんでしょう? それって、誰でもいいの? 天使でも、対象になるの?』 以前よりも随分小綺麗になった神殿の礼拝堂で ラナーはどこか急き立てられるように早口だった。 俺が『願いを叶える』のは人間だけだ。 天使は対象じゃない。 答える前に、矢継ぎ早に言葉が継がれてゆく。 『それには対価が必要? あんたの罪を教えれば、対価になるかしら?』 (27) kintoto 2021/09/18(Sat) 23:26:02 |
【人】 死神のジン ナディル対価なんて貰っても、どうしようもない。 俺は人間の為に造られている。 そもそも罪が対価になんて─── 『あんたの罪は、───』 耳を塞ぐまえに、いや耳を塞いだとしても ラナーの言葉は真っ直ぐに突き刺さった。 ああそう、それが──俺の罪か。 成程……成程ね。 それは確かに俺の罪なのかも知れない。 けれどそれが俺の罪だと 、、、、、、、、、、、、 そう、神が告げたのならば。 あの方はなにも──俺のことなど 、、、、、、、、、、、、、、 何ひとつわかってはいないのだ。 (28) kintoto 2021/09/18(Sat) 23:27:49 |