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【人】 薬屋 テレベルム [妹は地に足をつけた人間に恋をした。 魔女との契約により麗らかな声を対価として二本の足を得て 郷里の海を捨て、どこかへ行ってしまった。 ひとりきりの肉親である兄は妹を探す為魔女を訪ねた。 引換にしたのは、寒空の色であり海色の珍しい瞳。 ――二つを明け渡すと妹を探せなくなるから片方だけ。] (206) 2021/12/09(Thu) 8:55:40 |
【人】 薬屋 テレベルム[国内から外では無いことは姉たちの話で予想をつけた。 地を転々として流浪の旅路を選んでみたものの 妹の消息は中々掴めるものでは無かった。 たどり着いた大都市では物や人が行き交う―― とくに祭りの時期は一層、と聞きつけて 裏街の一角で居住し生計を立てることにした。 現状、店に立ち寄る者たちから 有益な情報は得られていないものの。 路銀をろくに持たずこの身ひとつで海を離れた身であるため 稼ぎを得なければ旅も続けられなくなる事もある。 また資金をある程度蓄積できたならば 放浪の――人探しの旅を再開するつもりでいる。] (207) 2021/12/09(Thu) 8:56:42 |
【人】 薬屋 テレベルム[立て付けの緩い裏口の道から、野良猫が群れをなして一軒へ入っていく。 浅ましく鳴き立てる猫らは古ぼけた揺り椅子に座る店主の膝へ登り ローブの広い袖口やら裾やらから侵入し、肌を舐めたり齧ったり。] ―――またお前らか……。 [深い睡眠を邪魔だてされて不機嫌そうに声を荒立ててから、 我が物顔で居座ろうとする野良猫たちを服からも膝からも追い払う。 床へと放られた猫らは狩猟の血を引いた四足らしく俊敏に受身を取るも うち何匹かはどでん、と鈍臭い音を立てて転がった。 些か乱暴な対処に毛を逆立てて吠える盗人はいない。 皆、マタタビでも得たかのように床の上で浮かれ狂っている。] (208) 2021/12/09(Thu) 8:57:49 |
【人】 薬屋 テレベルム ………好きになれないな。 [海中の静けさ、寒さとは異なる地上の冬―――。 荒れ狂う波に雪の結晶が雹と交わり散ることあっても 未だに慣れぬ、土の上で迎える凍てつく寒さは。 憂鬱そうに口にするも、楽しみが無いわけでもない。 今年こそは人探しの情報を得れないかと希望もあるし、 割引で振舞われる名店のパイもひとつの楽しみ。>>L0 もともとの生涯が肉食では無い為、名物は遠慮するが 甘く仕立てられた林檎のパイは好むものであった。 海藻や貝といった海の幸ばかりを主食にしていただけに 地上に生えるものを口にする機会は足を得てからだが 果物という概念は男にとって未知なる幸いだった。] (210) 2021/12/09(Thu) 8:58:37 |
【人】 薬屋 テレベルム― 真珠堂 ― [さて、裏町の片隅に佇むこの一軒。 とってつけたような古ぼけた木板に店名を綴ってあるが 一見してなんの店かは分かりづらい。 表通りに居を構えないだけに、曰くある店のひとつ。 扱っているのは、秘薬とも妙薬とも呼ばれるものであった。] (211) 2021/12/09(Thu) 8:59:49 |
【人】 薬屋 テレベルム[妙薬は非常に香り甘く、使い勝手は多様。 だが、基本的には二種類のみの扱いになる。 ―――『 白 い真珠薬』無色透明の液体は微かに粘性がある。 蝋燭に垂らして火を灯せば気分は晴れやかに。 疲労を忘れさせ、不安は薄れ、心を癒す。 口にすれば多幸感に身が包まれる。 気分が上がり、悪酔いをしない酩酊に浸れるだろう。 その効用は一日と続くものでは無かろうが。] (212) 2021/12/09(Thu) 9:00:30 |
【人】 薬屋 テレベルム[ ―――そして、『 赤 い真珠薬』緋色の液体は『 白 』と同じように火で燻れば生命力を増加させる。 欲望を強め、精力的に。 『 白 』と異なり効力が強い故に口にする事は基本的に避けるようにと注意を促すが 客が薬をどう使うかは客次第でもあるから……、 体質次第だが―――過ぎたる媚薬となるのだろう。] (213) 2021/12/09(Thu) 9:01:23 |
【人】 薬屋 テレベルム[秘薬の正体は男の 涙 と血液 だ。再生能力が非常に高い人魚の肉は効用高く、 今生では幻の逸品ともされる。 不老不死の霊薬。 生物の生態系を狂わせる禁断の食材。 当然ながら体液であっても妙薬となり得る。 金品を持ち合わせず旅に出た男の財産は身ひとつだったが この身こそが金を産むガチョウであったらしい。] (214) 2021/12/09(Thu) 9:01:57 |
【人】 薬屋 テレベルム邪魔…… [人の嗅覚では店の外まで匂いを感じる事は無かろうが、 獣の嗅覚は勘が鋭いらしい。 なぁん、 ――― と高い声を立てて足元に懐くこの猫のように**] (215) 2021/12/09(Thu) 9:04:37 |
薬屋 テレベルムは、メモを貼った。 (a49) 2021/12/09(Thu) 9:17:29 |
【人】 薬屋 テレベルム[こう寒いとこれ以上粗末な住居を寒いものにはしたくないが つい一刻前訪れた客が動物臭さに眉を寄せた事を思えば 現況が自由に出入りする店の換気をせざるを得ない。 雪のはらつく窓を半分開ける。 がたつく窓の鍵は錆つきが目立ち、開く際に些かコツも要るが 慣れてしまえば困るものでは無かった。 聖歌隊と呼ぶには曲選が流行をいくものだから不釣り合いで 半分酒でも入っているかのような歌声を聞き>>8 すこしだけ、今は昔の過去を過ぎらせる。 陽光の反射した青と金の境目の海原を眺めながら 浜辺で妹が伸びやかな声で奏でる音色が好きだった。 それから、隣で竪琴を静かに弾くのも。 ――平穏を尊ぶ日常、音色を愛する時間が、今は遠く。] (238) 2021/12/09(Thu) 13:00:17 |
【人】 薬屋 テレベルム あまり長く出歩くのは嫌だぞ俺は。 ……さすがに表の方の住居だろうなあ。 [雪景色――とまでの積もり方はしていないにせよ、 温暖な時期に比べて視界は悪い。 猫の首輪に住居の有無は分からず。 いっそ邏卒にでも押し付けようかと悩むところ。 唯一のヒントは首や顎を擽る毛並みが荒れていないこと。 ある程度は良い生活をしているのだろうから 裏街の飼い主に愛でられているとはあまり思えず*] (241) 2021/12/09(Thu) 13:03:04 |
薬屋 テレベルムは、メモを貼った。 (a52) 2021/12/09(Thu) 13:08:57 |
【人】 薬屋 テレベルム[職人が代価に掲げたうちのひとつ。 ――『黎明の方位針』に関心は奪われた。] ……そうだな、ならばこれを。 [金銭であればこのくらい、という相場を聞きうけ、 見合う限りの『赤い真珠薬』を持たせる事にした。 複数の小瓶に詰めた商品を手渡しながら、見送りにもう一言。] 人を……いや、人魚をひとり探している。 俺がまた旅に出るようならこの魔具を試してみるが――… ……もしあんたが何処かの地で 俺と同じ『種』に出会うことがあるのなら、 テレベレムがこの街で探している事を伝えて貰えまいか。 [商品として買い取られた『赤』に加え、 『白』をひとつ土産に付け足した意図は口にした通り。 それから、色彩豊かな髪を抱く背を見送っただろう。*] (274) 2021/12/09(Thu) 14:47:08 |
【人】 薬屋 テレベルム― 往来 ― ラヴァ、いいところに来てくれた。 実は少々困っている。 [いつぞの寒波>>267を思わせる底冷えする寒さの中 思考に窮した男を拾うのは、ひとりの黒ずきん。>>271 白衣に身を包む己と立ち会えば彼女はまるで対であった。 温暖の魔法は使えないが、今の己には猫という体温がある。 いつぞやの邂逅と異なるのは二人と一匹である所為か。 間の抜けた構図は笑い話にしかならないから、 花でも咲いたかのような笑顔を受けるのも無理は無いが 嘆息をひとつ落として、彼女を傘の中に入れるように歩み寄る] この猫がうちの店に迷い込んでいた。 何処かの家の猫だと思うが…探すのを手伝ってくれないか? [顔だけを白いローブから突き出した猫は ぬくぬくとしながらも、襟ぐりから短く鳴いた。] (283) 2021/12/09(Thu) 15:15:28 |
【人】 薬屋 テレベルム[これだけ交易の発達した都市の往来で随分な落し物。>>267 微かに息をしていなければ、それこそ生物では無かった。 自力で立つという事も、細腕に体重を預ける事も難しいが 手でも力でも無い方法で容易く身柄は預かられ>>268 魔力という糧を貰う事で、漸く口がきけるまでに気を持ち直し] ……悪かった。 [この地に訪れて初めての親切を受けた男は、 暖かなローブを借用したまま彼女の言葉に耳を欹てる。 己の出自、生業――それから目的を打ち明け 等価交換にて成り立つという特異な話や この街…否、人間が比重を占めている世界での知識。>>269 初めて知る事象が多く、暗闇の猫のように瞳を丸くしていた。] (285) 2021/12/09(Thu) 15:16:28 |
【人】 薬屋 テレベルム[優しい彼女の事だから甘えれば甘えるだけ 住まいを貸してくれそうなものではあったけれど 居心地の良さに目的を忘れかねないと揺らぐ己が居たゆえに。 とはいえ、時今にして、こうして治安の悪い場所にまで 足を運ばせてしまっているので 逆に居候であったほうが良かったかもしれず。] ……それにしても。 ひとりでこの辺り、歩かないほうがいいんじゃないのか? [色のついた傘で彼女の顔が周囲に隠れるようにしながら しんしんと降る雪越しに落とす視線は若干不安が混じる。 治安の悪さが牙を剥く先は――女性のほうが余程*] (288) 2021/12/09(Thu) 15:25:33 |
薬屋 テレベルムは、メモを貼った。 (a62) 2021/12/09(Thu) 15:30:58 |
【人】 薬屋 テレベルム ……それならいいんだが。 [身を守る手段の無いただの女では無い、 それは彼女の宣言通りであろう。>>298 賊も狙うならか弱い女の方が良いのは確かであるし。 無抵抗とはいかない、という自負を受け表面上納得はするが、 彼女の身を案じる心が砕けるにはやや浅い信頼だ。 彼女ほどに甲斐甲斐しい飼い主根性は無いにせよ>>296 己の『妙薬』のような手段を取られたらと気にかける。] わかった。だが今度、俺から会いに行こう。 あばら家のせいか冷え込むとあんたの家が恋しい。 [頼もしく微笑う魔術師は手練であるが、>>299 過ごしなれた彼女の住処を訪れる口実にもなろう。 せめて寒さが厳しい間―――基、宵が深い間は、と。 彼女の自尊心を傷つけない言い回しを選んだ心算で。] (302) 2021/12/09(Thu) 17:14:50 |
【人】 薬屋 テレベルム ……、へぇ。 [魔力を指に集約し、光の軌跡が伸びていく光景は、 淡くとも聖夜の輝きにも似て、視力のある瞳を細めた。 便利な魔法は高等な術式で無くとも、 容易に紡がれる手腕>>300は才覚と努力によるものだろう。 拾われた日も、居候として滞在していた間も、 幾度と日常的に目にしていた 多くの書物や器具>>295は 努力とライフワークの証左のようでもあった。 己の身体が稀有なものであっても、 そういった類の才覚や熱意は持ち合わせていない。 他者に分け与えられるほどの蓄積量>>294も然ることながら… 普段は普通の人間の女のように過ごしている彼女の 裏を知るひとりとして一種の尊敬に値する感情は、 寒色の瞳に驚嘆として顕れる。] (303) 2021/12/09(Thu) 17:15:19 |
薬屋 テレベルムは、メモを貼った。 (a66) 2021/12/09(Thu) 17:33:05 |
【人】 薬屋 テレベルム[得意そうに形よく上がっていた口元>>300が、 賞賛を受ければ見せられない顔色になるような>>320 彼女のそういう部分は能を持ち得ながらも傲慢ではなく、 善性を体現したようであり、もっと飾らずに表するのなら ひどく可愛らしく、愛でられるべきものに思えた。 膝の上で暴れまわる生意気な猫共と比べて―― ……などと余計な慣用句も不要だろう。] ………いや。 そうじゃ、ないかな。 [何処か耳に響いた音色にやはり首肯は返さない。 きっと、優しいからではない。 それこそ形容の出来ない感情から来る望みであっただろう。 この街らしく言い換えるなら、 『欲望』と名付けるのが正しい。] (330) 2021/12/09(Thu) 19:38:12 |
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