人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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【人】 XIV『節制』 シトラ

──
玄関ホール・エーリクさんと


[ 放たれた手のひらは、瞬く間に血色を失っていった。
 それでも僅かに、確かに残る温かさが
 わたしはひとりじゃないんだって教えてくれていた。

 少なくとも嫌われてはいないのでしょう。>>1:451
 薄紫の瞳に視線を合わせて
 言葉を紡ぎながらそう思った。

 わたしの声が途切れる頃に
 彼の視線が床の方へと逸らされても>>1:452
 わたしは、彼の方を見つめたまま耳を傾ける。]
 

  知らない、ところに
  飛んでいって……しまっている、みたい
  
  すり寄り、たくて
  不愉快でも、ある……



[ エーリクさんの言葉を小さく復唱したのは>>1:453
 似通った感情を、わたし自身
 神様の声を聴いたときに感じていたから。]
 
(110) 2022/12/16(Fri) 17:21:19

【人】 XIV『節制』 シトラ

  

  ……まるで、自分の……中に
  自分じゃない、誰かが居て

  そのひとが、自分を……
  突き動かそうと、している……ような
  
  相反する、感情が 勝手に湧き上がって
  自分がわからなく……なってしまう、ような

  …………そういう、感覚 でしょうか


[ 己の身に沸き起こった感情を共有しつつ
 整理したい意味合いで、声に出す。
 証持つ皆が皆そう感じているのか、彼だからなのかは
 わたしにはまだわからなかった。
 
 今彼と話そうとしているわたしは、
 ちゃんとわたしシトラで居られている? ]
 

  わたしも、……考えなければいけない、ことも
  あまり時間が、ない……ことも
  わかっては、いる……ん、です、が

 
(111) 2022/12/16(Fri) 17:21:32

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ わからなくなって
 わたしの視線も、一粒の涙と一緒に床へ落ちた。

 焦りと不安に怯えながら
 神様への抵抗を示そうとするわたしの裏側に、
 囁きかけてくる誰かがいる。]
 
(112) 2022/12/16(Fri) 17:22:05

【人】 XIV『節制』 シトラ



  …………昨日、


[ 沈黙を破って切り出した単語は
 些か唐突に思えたかもしれない。

 離れていた手を、わたしの方から掬い取る。
 こういった行いは、
 アリアちゃん以外には滅多にしない ]


  昨日の、アリスさんを、お祝いする……歌
  エーリクさんとも、一緒に歌えて…………
  ……わたし、嬉しかった

  エーリクさんは、……どうでしたか
  楽しかった……ですか?


[ カルクさんが、伴奏をしてくれて
 チェレスタさんが、歌をリードしてくれて。
 足が竦みそうになったときには
 アリアちゃんとの練習の日々を信じて、
 歌詞を忘れてしまいそうになったときには
 ヒナギクさんの言葉を思い出した。>>0:628。]
 
(113) 2022/12/16(Fri) 17:25:02

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ ユグさんが人を集めてくれて
 より合唱団らしくなった合唱団の
 発表本番はとてもドキドキして、
 わたしの中で大切な想い出の一ページに刻まれていた。

 新しいことができるようになれば
 またこんな風に
 楽しい想い出を増やすことができるのかな、って

 そう思っていた、のに。]
 

  …………、

  みんな、仲良く……は 
  きっとむずかしい、って ……わかってます


[ 一方の希望を叶えるために一方への無理強いが必要なら
 どうしたって皆で幸せにはなれない。
 意見が分かれる限り、流れが澱み続けることは
 幼い頃から痛いほどに思い知らされてきた。

 わたし自身、クロさんとはまだぎこちないままだし
 わたしを好ましくは思っていなさそうなひととも>>1:172
 生理的現象が働いてしまってうまく話せない ]
 
(114) 2022/12/16(Fri) 17:27:00

【人】 XIV『節制』 シトラ


  
  でも、…………
  ……すこしでも

  悲しみの少ない方に……、って 
  そう……思って、います ……わたしは。


[ その為にはみんなで
 納得がゆくまで話し合う必要があることも
 頭では判っている。判っているのに、
 この心は未だ臆病なままだ。 ]*
 
(115) 2022/12/16(Fri) 17:27:37
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。
(a29) 2022/12/16(Fri) 17:50:58

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 羊飼いとして放牧をして
 刈り取った毛で編んだ毛織物で
 生計を立てていたらしい両親の寝室には、
 今思えば辺境の地の酪農家には似つかわしくない
 数えきれないほどの書物が並んでいた。

 すべてに目を通していたのか、というと
 決してそうではなかったようだった。
 各地に伝わる箱庭の伝承や聖書を搔き集めて
 どちらかというとお守りのように位置付けていたのだ。

 故郷で暮らしていた頃
 両親は、わたしに文字を教えなかった。

 本気で必要がないと思っていたのかもしれないし
 読めない方が良いと思っていたのかもしれない。
 生も死も善悪も何もわからなかった幼い子に
 苦しみを負わせまいとしてくれていたのかもしれない。

 洋館に来て、文字を教わるようになって
 初めて教典の内容を知ったとき、
 得体の知れなかった罪悪感がはっきりと形を成して
 わたしはその場に泣き崩れてしまったから。

 ……そういえば、クロさんが洋館にやってきたのは
 わたしが教典を読める程度の識字力を得て
 間もない頃だった。]
 
(148) 2022/12/16(Fri) 20:02:43

【人】 XIV『節制』 シトラ

──回想・白と黒



  …………っ、
  ご……ごめん、なさ……


[ 『あんまり泣かないでよね』>>1:322
 その一言でまたじわりと視界を滲ませてしまったわたしを、
 あの時、彼はどう思ったんだろう。

 別に何も思わなかったかもしれないし、
 純粋に慰めようとしてくれただけだったのかもしれないし
 これ見よがしに泣くな、って意味だったなら
 呆れられてしまったかもしれない。
 改めて尋ねるような勇気は持ち合わせていなかったから
 真相はクロさん本人にしかわからない。

 ひとつ歳を重ねて、歳ばかり大人へと近付いて
 ……元々クロさんよりも年上らしいのに
 みっともない、って思われたかな。

 クロさんにも、泣きたい時はあっただろうな。

 寿ぎの言葉を一言残して
 そそくさと去ってしまったクロさんの背中を見送った後。
 夜眠る前、一日を振り返る日記に新しい一年の目標として
 「あんまり泣かない」を書き加えた。]
 
(149) 2022/12/16(Fri) 20:03:16

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ ──にも関わらず
 その翌日には何事かでわたしは泣いたし、
 ご存知の通り今も泣き癖は治っていない。

 けれど、あの日以来
 それまでと比較すれば、泣く回数は減ったように思う。

 気付くとすれば一番傍に居てくれた
 アリアちゃんくらいであろう、
 ほんの些細な変化でしかなかったかもしれない。
 それでも、わたしにとっては革命だった。

 わたしの涙を吸い尽くしてくたくたになった白い犬ローティカよりも
 格段に吸水力の高いもふもふの白ひつじは
 わたしを見張ると同時に慰めてもくれている気がしたし、

 少なくとも彼が同じ場所に居合わせるときには、
 可能な限り堪えるようになったのだから。]*
 
(150) 2022/12/16(Fri) 20:04:55

【人】 XIV『節制』 シトラ

── 回想・もうひとつの居場所



  あ、ぅ…………
あの、その…………



[ 『可愛い』なんて
 誰かに言われたのは>>132
 その時が人生初だったんじゃないかな。

 村では聴き馴染みのない形容詞だったその言葉が
 なんだかとても気恥ずかしく感じられたことと、
 カルクさんが優しい人で本当に良かった、と
 心の底から安堵したのを昨日のことのように憶えている。]
 

  ご、ごめん……なさい、本当に
  では……カルク、さん…………、と。


[ い、言えた……!
 ……って、顔に出てしまっていたかもしれない。
 差し出した掌にカルクさんが乗せてくれた飴玉は、
 とびきりあまいとろける林檎の味がした。>>132

 その美味しさと、気遣いの言葉と>>133
 静謐だけれど温かい祈祷室の空気に
 それまで堪えていたものが両眼から溢れ出てしまって、
 そんなわたしのこともカルクさんは見守ってくれた。]
 
(166) 2022/12/16(Fri) 21:55:23

【人】 XIV『節制』 シトラ



  あ……、

  ……ありがとう……ござい、ます
  お世話に、なります…………


[ もし何か辛いことがあっても、
 悲しいことがあっても、
 敢えて口に出すつもりは最初はなかった。
 涙は止められなくても、弱音を吐く資格は
 わたしにはないと思っていたから。

 話すのは得意じゃなかったから
 無理に話さなくてもいい、の一言が
 祈祷室の敷居を跨ぐ難易度を下げてくれた。

 わたしが悲しい顔をすることで
 本当にみんなを悲しませてしまうのなら、
 それはとても申し訳ないと思った。

 だからといって、
 喜怒哀楽すべてが涙に直結してしまう性格は
 そう簡単に治るものでもなかった。]
 
(167) 2022/12/16(Fri) 21:55:37

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ いつから、だっただろう。
 アリアちゃんのお土産をお使いしながら
 お土産話も一緒にするようになったのは。
 沈んでいる日には決まって面白いお話をしてくれた。
 そうして話してもらったお話は、
 次にやってみたいことを決めるきっかけにもなった。

 悪夢に魘された夜は、
 落ち着いたら部屋に戻ろうと思っていたのに。
 柔らかなお香の香りと、
 頭や背中を撫でてくれる大きな手の温もりは
 元々睡眠の不足していた身にそれはもうよく効いた。

 ふっと気付けば窓から陽の光が射していて心底驚く、
 そういうことが、一度や二度じゃなかった。

 初めて悪戦苦闘しながら淹れた紅茶は>>134
 初めてにしては概ね上手く淹れられていたと思う。
 というのもカルク先生が横に立っていてくれて、
 危なっかしい場面はすべて回避できたからだ。

 食堂で一人で復習を試みてみれば
 熱湯をポットから溢れさせて
 ちょっとした騒ぎになってしまったり、
 まともにお湯を沸かせるようになっても今度は
 何かが物足りない味わいに仕上がってしまったり、と
 満足のいく、美味しい紅茶への道程は長かった。]
 
(168) 2022/12/16(Fri) 21:55:48

【人】 XIV『節制』 シトラ



  あっ、あの……今日は
  わたしが、紅茶を……淹れて、みても
  いいですか…………?


[ そんな申し出を思いきってしてみたのは
 陽が高くなるまで祈祷室で眠り込んでしまった、
 ある昼下がりのこと。

 ティーセットを借りて、練習通りに紅茶を淹れて
 仕上げに、メルロンをカップの上に乗せた。
 その下には、輪切りにしたシトラスと
 薬草園で摘ませてもらったローズマリー ]
 
(169) 2022/12/16(Fri) 21:56:55

【人】 XIV『節制』 シトラ



  ……ど…………
  どう、ですか…………?
 

[ 組み合わせは、本を読んで学んだものをベースに
 アリアちゃんの薬草園を眺めて思い付いたものだ。
 
 つい一週間前に開かれたチェレスタさんを囲むお茶会で
 紅茶を淹れる役をしたい、と思えたのは
 この時の経験が少なからず自信に繋がっていたからだった。]*
 
(170) 2022/12/16(Fri) 21:57:27
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。
(a38) 2022/12/16(Fri) 22:04:42

【人】 XIV『節制』 シトラ

──現在・玄関ホール



  ありがとう、ございました
  エーリクさん
  わたしと、お話……してくれて

  おかげで、すこし
  気持ち……落ち着け、られました

  ……わたし、


[ 期限は刻々と迫り来る。
 エーリクさんも、話しておきたいひとが居るはずだ。
 お話がひと段落ついたところで、そっと手を離した。

 顔を上げれば、視界が広がる。
 常と何ひとつ変わらない笑顔のシンさんが>>1:436
 カルクさんの手を取っているのが目に入る。>>139

 いつか眠れなかったわたしを
 優しく撫でてくれたそのひとが、
 今は何故だか小さく見えた。
   その柔和な笑みの底にどんな想いを秘めていたか
   まだ何も知らないわたしは、


    世界の醜さも美しさも
    まだそのすべては知らない、わたしは。]
 
(203) 2022/12/16(Fri) 23:24:08

【人】 XIV『節制』 シトラ



  やっぱりわたし、
  世界に滅んでほしくない……!!


 
(204) 2022/12/16(Fri) 23:24:25

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 俄かに、先程より館内が騒々しくなったのを感じた。
 
 お世話になってきた職員さんたちが
 険しい表情で洋館内を駆け回っている。
 何でも、火急の報せが入った、とか。]


  …………それ、って、


[ とてつもなく悪い予感がして
 思いきり床を蹴って真っすぐに駆け出した。
 広間の方へと向かう途中、
 ヒナギクさんとはすれ違えただろうか。>>202
 
 向かう先は薬草園、あの子の、アリアちゃんの元へ ]**
 
(205) 2022/12/16(Fri) 23:24:28
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。
(a44) 2022/12/16(Fri) 23:28:04

XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。
(a61) 2022/12/17(Sat) 5:56:51

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 一分でも、一秒でも早く会いに行きたい。
 傍に行って、顔を見て、話をしたい。

 アリアちゃんはどうしたいと考えているのか、
 どうしてフォルスさんの答えに興味を持ったのか。
 たとえ選ぼうとする道がわたしと違ったとしても
 アリアちゃんの想いだけは、知らないままで居たくない。
 
 わたしの気持ちも、選びたい答えも
 あなたには伝えておきたい。
 伝えておかなければいけない。

 わたしが今こうしてここに居られるのは
 アリアちゃんがずっと傍に居てくれたからなの。 ]
 
(377) 2022/12/17(Sat) 22:52:23

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ お世話係のひとたちやメイドさんたちに
 時折ぶつかってしまいそうになりながら
 磨き上げられた廊下を駆けた。
 ……誰かから逃げ出そうとするではなく
 追いかけるために走ろうとするのは、
 わたしとしては珍しい行いだったと思う。
 
 洋館で暮らすようになるまで
 閉じた箱の中で暮らしてきたわたしは、
 走る、という行為をほとんどしたことがなかった。
 ゆえに、走ろうとすればすぐに転びそうになった。

 転んでしまえば人を巻き添えにしてしまうか
 調度品を壊してしまうかで誰かに迷惑を掛けてしまう。
 そう思うからこそ、進んで屋内を走ろうとはしなかったし
 そもそも走る必要がなかった。

 わたしが傍に行きたいひとは、いつだって
 わたしに歩幅を合わせてくれていた。]
 
(378) 2022/12/17(Sat) 22:52:35

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 彼女の居る薬草園を目指して見据えた前方
 不意に、鮮やかなオレンジが迫ってくるのが見えた。

 少し前、
 怯えていたアリスさんと一緒にどこかへ行く姿を
 滲んだ視界の端で捉えてはいた。

 アリスさんは大丈夫かな。
 ヒナギクさんは、どうしたいと思っているんだろう。
 
 彼女とも話をしなければ、と意を決して
 わたしが息を吸い込むより、
 あちらの呼び掛けの方が早かった。>>238 ]

 
  ヒナギクさん……!

  わ、わたしは、薬草園へ
  アリアちゃんの、ところに 行こうと……っ

  ……してた、んですが


[ 勢いに気圧されるがまま質問に答えつつ
 足を止めて乱れた呼吸を整える。]
 
(379) 2022/12/17(Sat) 22:53:27

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ わたしも急いではいたけれど、彼女の焦りようからは
 ただならない気配が感じられて ]
 
  
  ……な 何か…………あった、の?


[ アリアちゃん以外には滅多に出ない
 素の口調になってしまった。
 
 異常気象、地震、陥没、建物の倒壊、津波、嵐。
 世界をその目で見てきた彼女の口から伝えられる、
 いま世界中で起こり始めている崩壊の序章。

 背筋に、冷たい汗が流れ落ちてゆく ]
 

  そんな…………
  もう、……始まって、いるの


[ 絶望的な気持ちで窓の外へと視線を移す。声が、震えた。]
 
(380) 2022/12/17(Sat) 22:54:21

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ それなら猶更早く行かなきゃ。
 何もかもが手遅れになってしまう前に。

 ヒナギクさんが他のみんなにも
 報せを伝えて回ろうとしているのを知れば、
 出会えたひとにはわたしも伝えます、と言い添えて ]


  は、い
  また、後で…………!


[ 彼女と別れ、再び廊下を駆け出し始めてから
 ヒナギクさんの言葉が一週間前に聴いたそれと
 同じだったことにふと気付く。>>241

 あのときは、
 こんな気持ちで同じ言葉を聴くことになるなんて
 少しも思ってはいなかったのに。 ]*
 
(381) 2022/12/17(Sat) 22:54:26

【人】 XIV『節制』 シトラ

── 薬草園



  アリアちゃん……!!
  アリアちゃん、あのね、わたし……!

  ……あれ、……いない…………?


[ 息を切らして辿り着いた生い茂る緑の中、
 探し人の姿はどこにも見当たらない。
 いつも彼女が座っている椅子には、彼女の代わりに
 小さな黒板が立てかけてあった。>>126 ]


  …………どこに行っちゃったのかな
  探しに……ううん、
  また入れ違いになっちゃうかもしれないし

  ……入れ違って、ばっかりだね


[ メッセージを信じて、迷いながらも腰を下ろす。
 まだ名前と効能を覚えきれていない薬草達からは
 アリアちゃんの部屋と同じ匂いがした。]
 
(382) 2022/12/17(Sat) 23:06:12

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ もしかすると、あのひとの
 あのひとたちのところに行ったのかもしれない。
 一番に思い浮かんだのはクリスタベルさんの顔だった。

 クリスタベルさんに出会って
 アリアちゃんの背に隠れつつ初めましてをしたとき、
 その挨拶に衝撃を受けたのは今でも忘れない。

 穏やかな笑みを湛えたそのひとは
 それまでのわたしが思いも寄らなかったような存在で、
 自分の生きてきた世界の小ささを
 思い知るきっかけのひとつともなった。

 ──クリスタベルさんが倒れたときのアリアちゃんは
 わたしがそれまで知らなかった表情をしていて、

 彼女の為に何もできない自分の無力さを
 殊更に歯痒く思ったのも、忘れない。
]
 
(383) 2022/12/17(Sat) 23:06:56

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 玄関ホールで神様の声を聴いた後、
 クリスタベルさんとゼロさんが話しているのは見ていた。
 けれど、その会話の内容は頭に入っては来なかった。

 わたしが呆然としている間に
 気付いたらクリスタベルさんの姿は消えていた。
 その身を案じたアリアちゃんが
 様子を見に行ったのだとしても、何も不思議はない。

 ──そう、アリアちゃんには
 アリアちゃんのやりたいこと、すべきことがあるはずで。

 限られた時間をわたしにばかり使わせることを
 申し訳なく思いながら、
 ずっとその優しさに甘えてきてしまった。]


  ………………、


[ こうしてひとりで緑に囲まれていると
 世界の崩壊が始まっているなんて嘘みたいだ。

 いくつもの想い出が詰まったこの場所も、
 明日には崩れ落ちてしまうのかな。

 ここは静かだな、と現実から逃避しかけたそのとき
 背後からひぇ、と声が聴こえた。>>269]
 
(384) 2022/12/17(Sat) 23:07:45

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 振り向いて目に飛び込んできたその姿に
 反射的に、鼓動が跳ねる。]


  …………っ、クロさん


[ 声にこそ出さなかったものの
 わたしの内心も「ひぇ……」だった。

 どうして。彼が。ここに居るのか。
 咄嗟に身構えて表情を強張らせた後で
 用があるのはアリアちゃんではないかと思い至れば、]


  ……え
  わたし、……ですか?

  構いません…………が


[ 驚きに見開いた瞳を大きく瞬いて向き直った。
 一度きちんと向き合って話をすべきだと、
 頭ではずっとわかっていた。

 魂を揺さぶるこの感情は わたしの知らない誰かのもので、
 わたしは、クロさんのことを
 クロさん自身のことを何ひとつ知らない。]
 
(385) 2022/12/17(Sat) 23:08:51

【人】 XIV『節制』 シトラ


[ 本当は話したいことも
 尋ねたいことも、いくらでもあった。
 もしも解りあえないとしても
 だからこそ話をすべきだとも思っていた。

 こんな状況に置かれるまで、勇気が出なかっただけ。]


  えと……
あの……
その

  ──何から、お話しましょうか


[ 窺うように、彼の方をじっと見つめる。
 きちんと揃えた両膝に両手を置いて。]**
 
(386) 2022/12/17(Sat) 23:09:09
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。
(a90) 2022/12/17(Sat) 23:15:33

 




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クリスタベル
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チェレスタ
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明日へ行こう

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|・ロ・)ヒャー

シン
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ヒナギク
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プロセラ
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│ε:)

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