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【赤】 店長 ジンん―― [指摘してすぐ止まる感情の波なら、きっとこうなる前に火を止めていた。 別れ際の口づけは長く、酒精に蕩けた呼気すら全部相手にあげてしまうような時間。 重ね合った分、離れがたく。 立ち上がる姿を追いそうになったけれど、僅かな理性で止めた。 空虚になった指が、グラスを持つ。空のグラスにワインを注ぎつつ。] (*3) 2021/05/23(Sun) 1:35:14 |
【赤】 店長 ジンパイにするときにスパイス入れるなら、ベースの卵はシンプルに胡椒だけでもいいんじゃない? アレンジはその後ってことで。 あ、でもしっかりめに胡椒効かせてほしい。 [最後の一言はただの好み。言うだけ言って、調理は麦に任せよう。 全体に罅を入れて卵をむく、そんな手付きも見てるだけ。 人の料理する様子はいい肴。スモークサーモンもうまい。] (*4) 2021/05/23(Sun) 1:35:27 |
【赤】 店長 ジン戻ろーよ。 いろいろ広げたし、あとここだと狭い。 [卵サラダ作るのを眺めて、酔いを深め。 ああ、気分がいいなあ。猫のようにうっとりと目を細めた*] (*5) 2021/05/23(Sun) 1:35:40 |
【人】 店長 ジン――そしてまた夜は来る―― さてと。 [コーヒーのマグカップを置いて、のったり立ち上がる。 今日の黒板にはまず人参を書こう。京人参の真っ赤なものと、島人参の黄色が美しいのが両方入っている。 それからとうもろこしに、スナップエンドウ。甘みの強い野菜が揃う。 魚介類は今日は岩牡蠣がよさそうだ。レモンを絞ってそのままでも行ける。あとは身厚でやわらかそうなモンゴウイカ。 負けず劣らずやわらかそうな、桃色の美しいハーブ鶏。 今日の主役は彼らに頼むことにしよう*] (5) 2021/05/23(Sun) 2:10:51 |
【赤】 店長 ジン[手はふたつだから、グラスとボトルを持ったら埋まってしまう。 サーモンとオリーブは2往復め。ついでに野菜室開けて、ウイスキーを物色。] 混ぜると酔い回るよ? [注意はするものの、飲まないとは言っていない。 チェイサーに使っていたグラスに、ロックアイスをがらがらと。 タリスカーのキャップを開けて、ワンフィンガーくらい注いだ。 磯くらいピート香が強く、そして甘い。特に水が入ると一気に柑橘のようなやや苦い甘さが広がる。 チェイサー片手にロックでゆっくり氷を溶かしながら飲むのが好き、だが。] (*12) 2021/05/23(Sun) 2:50:55 |
【赤】 店長 ジン舐めるくらい、ゆっくりな。 キツかったら水割りにして飲んで。 [チェイサーグラスはさっきまでのワイングラスにしよう。 白ワインを一息に飲み干して、カラフェの水で満たした。 これもそろそろ、新しい水を入れてやるべきか。] (*13) 2021/05/23(Sun) 2:51:07 |
【赤】 店長 ジンま、さっきまでが狭すぎたとも言うけどね。 [入れてやるべきかと思ったけれど、一度座るとなかなか立たないのが酔っ払いだ。 ソファの背もたれに体重預けて、溶けるように重なり合っている。 眼鏡は移動するからかけていたけれど、外されるなら抵抗しない。] お好きにどーぞ。 俺にもちょうだい。オリーブ付きで。 [ただ、外されて見えないからって、甘えるようにねだる。 口を開ければ、ウイスキーに似合いの塩気が得られるか**] (*14) 2021/05/23(Sun) 2:51:23 |
【人】 店長 ジン[黒板を掲げてしまってから、はっと思い出して手を伸ばす。 『すいか 冷えてます』右下に小さく絵。 あとから追記したのでちょっと字がよれたが、気にしない*] (6) 2021/05/23(Sun) 9:25:11 |
【赤】 店長 ジンん。 [口腔に感じる塩気に、ウイスキーをひと舐め。 唇を舌で拭って、ご満悦。 指先が下唇をくすぐっていたなら、きっとそれごと。] 俺が先に潰れなかったらねぇ。 [口元はもう締まりがないし、滑舌もとろけてきてる。 シュロプシャーブルーを削り、氷の溶けた表面を吸い取るみたいにぴちゃりとタリスカーを味わう。 このままぐずぐずと崩れていって、ふたり眠ってしまうのも悪くない。 パイが焦げる前に、電源だけは切らないと拙いけど。] (*36) 2021/05/23(Sun) 14:03:52 |
【赤】 店長 ジン麦。 [小鳥がついばむような、子供がじゃれ合うような触れ合いの隙間で、名前を呼んだ。 視線がこちらに向いたなら、うっとりと目を細めて。] 麦、かわいーねぇ。 [よしよし、と猫にでもするみたいに、わしゃわしゃ髪を撫で回す。 いーこ、いーこ*] (*37) 2021/05/23(Sun) 14:04:09 |
【赤】 店長 ジンえー、いいよぉ。 寝かしつけて。 [一挙手一投足、笑みの種になる。 ふわふわふくふく笑って、思考は融けていく。] 麦がしてくれんなら、別に。 [そう、そう言って笑っていた] [返事があって、それが幸福を助長する。 クッションでは得られない感情で満たされていく。] (*45) 2021/05/23(Sun) 15:55:27 |
【赤】 店長 ジン[返事があって、それが幸福を助長する。 クッションでは得られない感情で満たされていく。] ん。 すきだよ。 [酒精に蕩けた思考が、導かれるように、問の罠に乗るように、好意を紡ぐ。 好きかと問われたから、そうだと答えた。嫌いではなかったから。そんな程度の甘い意識。 グラスが手から離れるのは名残惜しかったが、すぐに構う先を得れば今度はやさしく、梳くように髪を撫でた。 慈しむ手付きも、それがまるで自然な行為かのよう。] (*46) 2021/05/23(Sun) 15:55:57 |
【赤】 店長 ジン[だから。] ――――……、 [きし、とソファーが軋んで、視界が麦で埋め尽くされて、影が落ちて、顔の真横に腕が伸びてきたとき、こくりと緊張に喉が鳴った。 すき、という二文字を紡いだことに後悔はなくとも、その意味を軽視したかもしれないと内心思った。 僅かの時間。酔いが醒めそうな間。 どく、と心臓が跳ねた瞬間――] (*47) 2021/05/23(Sun) 15:56:12 |
【赤】 店長 ジンん。たべる。 食べさせて。 [空気はまた緩んで溶けて、知らず詰めていた息を吐く。 焼き立てのパイは、酩酊を叱るみたいにスパイシーだ*] (*48) 2021/05/23(Sun) 15:56:31 |
【赤】 店長 ジンん。 [指先でつままれたパイを受け取ろうと、欲しがりの口を開ける。 食べ頃まで冷めたパイは、さくりと軽快な音を立てて卵の甘みとスパイスの香りを運んでくる。 熱を孕みやすいフィリングはまだ少し熱い。やけどしない程度にゆっくり食べるから、その間に目の前の麦とも何度も目があった。 その度、ほつ、ほつ、とやさしい雨が降った。 額に落ち、眉間に落ち、鼻に。] (*56) 2021/05/23(Sun) 17:11:14 |
【赤】 店長 ジンためして、みる? [おいしいかと聞かれたから、自分で確認すればいいと。 揺れる身体に手を伸ばし、首裏に絡めて引き寄せる。 鼻にまでしか落ちてこなかったキスを、こちらから唇へ。 くち、と水音がするほど、ひと食み、ふた食み、重ね合わせ。] ……――ふ。 [とろりと笑って、それから離れよう。] (*57) 2021/05/23(Sun) 17:11:30 |
【赤】 店長 ジンそろそろ水、汲みにいかないとねぇ。 ……っと、 [引き寄せたくせ、抜けるのもこちらから。 カラフェを持って立ち上がろうとして、一歩たたらを踏んだけど。 ぺた、ぺた、床を確かめるように、ゆっくりシンクの方へ*] (*58) 2021/05/23(Sun) 17:11:45 |
【赤】 店長 ジン[口づけの残り香を反芻しながら、水を汲む。 流れる水音がとぽとぽと心地良い。] ♪ [ああ、酔った、酔った。アテもうまいし、かわいく慕ってくれる相手もいる。 思わず鼻歌交じりになんてなる、のだけど。] (*66) 2021/05/23(Sun) 18:36:24 |
【赤】 店長 ジン[ソファに戻れば、麦がひとり。] ……どうした? 気分悪い? 水飲めるか。 [背を丸めて頭を抱える様子を見れば、はっとする。 ちょうど水を汲んだところでよかったと、グラスに水を注ぐ。 酔いがさあと醒めるような心地。しゃがみ込み、眉を寄せて麦の顔を覗き込もうと*] (*67) 2021/05/23(Sun) 18:36:52 |
【赤】 店長 ジン[酔いというのは、自覚なく進行して、急激に落ち込むことがあるから。 顔色を窺って、もし気分が悪いなら休ませようと、そうした考えで下から覗き込んだ、が。 なんでもない、という口調が思っていたより何でもなさそうで、瞬いた。 立ち上がって、グラスを渡すだけ渡す。その瞬間の、片手の行き先。酔い以外の原因で、赤らむ頬のいろ。] ――? [浮かんだ疑問符は、小声の告白によって解消される。] (*77) 2021/05/23(Sun) 19:40:08 |
【赤】 店長 ジンあっはは! そーか。 いや、ごめん、それは謝るのは俺の方だなぁ。 若い若い。嫌になんてならないから、冷ましといで。 [立てる?と手を伸ばす。 支えが必要なら、先程の礼とばかり支えよう。 好意を抱いているという相手に、許されているからと絡み酒したのはこちらだ。 ほぼ全責任が俺にあると言ってもいい。 トイレまで見送ったら、ぽすんとソファに全体重預けた*] (*78) 2021/05/23(Sun) 19:40:27 |
【赤】 店長 ジンやー……そうか、そうだなぁ。 ["そういう"対象として見られていることを、改めて実感した気がする。 チーズをナイフの先で深めに削る。 大きめの欠片で口に入れて、塩気に任せてグラスを一気に呷った。] っ、あー、効く。 [ぐらり、頭の芯が揺らされるような衝撃。 突き抜けるアルコールは、苦い。] (*81) 2021/05/23(Sun) 20:15:19 |
【赤】 店長 ジン[麦が戻ってくるようなら、一度クールダウン代わり、チェイサーで乾杯しよう。 冷たい水を飲み干して、アヒージョの残ったオイルにバケットを浸して。 さて、何を話そうかと言うタイミング。] ねえ、麦はゲイなの? [単刀直入直球で聞いてしまってから、言葉足らずかと慌てて言葉を継ぐ。] (*82) 2021/05/23(Sun) 20:15:36 |
【赤】 店長 ジンああいや、それが嫌とかそういうんじゃないんだけど。 単純な興味? 関心? いやこれも変な言い方だな。 女の子も好きになるのか、そうでもないのか、まったくもって生まれてこの方俺のこと以外は考えてなかったとか、なんかそーゆー……言うなれば恋バナがしたいってやつよ。 [酔っぱらいの定番トークではないか。 自分より過去を知りたい、そんな興味。] (*83) 2021/05/23(Sun) 20:15:51 |
【赤】 店長 ジン……俺が一目惚れしたのも男だったから、なんか一目惚れって特別な効果でもあるのかと思って。 [さらりと、こちらの暴露も挟んでおいたりして*] (*84) 2021/05/23(Sun) 20:16:08 |
【赤】 店長 ジン別に、なるななんて言わないよ? 男同士、生理現象なのは知ってるしねェ。 謝ったのは、俺が軽率だった、って思ったの。 俺はァ、麦がね? 俺を好きってのは聞いたから、麦ならべたべた構ってもいいかなァ、とかさ? 好きなら、我慢させたくないな、とか。そーゆーんで、絡みすぎたって思って。 そんなん、しんどいじゃん。 [例えば俺に、もう若さの昂りを受け止めてしまうだけの割り切りか好意があれば、いっそ良かったのかもしれない。 隠された張り詰めを、この肚の中に叩き込んでもいいと言える度量があれば。 けれど息を呑んでしまった。欲情の気配に緊張を覚えた。 そんな相手に、自分なら手を出せない。――きっと、麦も。 ならば耐えるしかないのに、相手が煽り続けるなら、地獄。] (*133) 2021/05/24(Mon) 0:51:59 |
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