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【人】 よろず屋 シラサワ二日目のいつかの時。 祭り囃子は相変わらずに島に響き、 昨日と変わらぬ喧騒が皆を待っている。 島民はすぐに気づくかもしれない。 外から来たモノもそのうち気付くかもしれない。 あのブレスレットを配っていた 巫女のサクヤが姿を見せないことに。 それでも尚、祭は続いている。 そんな中、この男は今日も祭の中を歩いている。 朗らかな笑みはそのままに。 「今日も盛況やなぁ。」 会場入り口の狼像を見て、そう呟いた。 誰かに声をかけられれば、 すぐにその海のような瞳を向けるだろう。 (0) 2021/07/20(Tue) 22:20:25 |
よろず屋 シラサワは、メモを貼った。 (a0) 2021/07/20(Tue) 22:22:53 |
【人】 よろず屋 シラサワ「…………。」 慌てふためく五十鈴に青緑眼がそちらを向いた。 無言で、ただ、その海には確かに哀しみを湛えて。 それでも、口元には笑みを浮かべて。 「………やかましわ、五十鈴の娘はん。」 リェンが落ち着けと言う相手に、 男はそう言い放った。 無理した笑みの下、真意を隠し、男は言葉を紡ぐ。 その真意を問うならば? 「おつとめや。島のもんならわかるやろて。 "しゃあないこと"や。」 …それで五十鈴、君は納得するか? サクヤと親しいであろう君は。 (14) 2021/07/21(Wed) 2:39:50 |
【赤】 よろず屋 シラサワ/* とりあえず一旦赤会話纏めるわ。 魔術師 はこの会話見とるて思うて話すから、よろしゅうな、魔術師はん。 という訳で、改めて。 『囁き狂人』 のよろず屋 シラサワや。表の俺は道化やからな。言うて嘘はついてないで? "言うてないこと"はぎょうさんあるけどな。 時間的にまた俺のPLが寝るかもしらんけど… とりあえず、戸隠はんの置きレスはディスコでも見たけど また赤会話のロール再開する時に貼り直したらええやろ。 (*1) 2021/07/21(Wed) 3:27:40 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>19 「…なんや、サクヤはんが心配なんとちゃうんかい。」 とはいえ五十鈴の真意が言葉通りかは分からない。 「あぁ分からんかもしれんわ。 俺には"どっち"も大事なお客はんの1人やからな。 サクヤはんは特にこの島来た時から 俺の事、余所者にせんと接してくれたしな。」 誰とて大事な客という言葉に嘘偽りはなかった。 男が瞳の海に哀しみを湛える理由は、嘘を告げない。 「せやけど選ばれた言うんならそういう事なんやろ。 ……まぁ、言うて、もしかしたら美味しいモノは 後で食べる主義なんかもしれんしな。神狼はん。」 男はそう紡ぐ。 …こんなんただの詭弁や。 カミサマが選ぶ順序の嗜好なんぞわかるかいな。 それでもサクヤはん選ばれたんには理由があるんやろ。 (21) 2021/07/21(Wed) 3:50:46 |
【赤】 よろず屋 シラサワ/* 寝とったな。魔術師に対して一つ提案なんやが、 元の人狼にはこういうモノがあるで。聴狂人っていう役職で、 狼会話を聞くだけの狂人を確かめる為のモノや。 『合言葉』を決める っていうやり方がある。もしくは特定の行動をさせる事で確かめる。 例えばそうやな、此処なら『歩いた拍子に石を足で蹴った』 やらのさりげない行動をさせたりな。 (*7) 2021/07/21(Wed) 6:54:38 |
【赤】 よろず屋 シラサワ/* しゃあなしや。俺はあくまで狂人。 他三人のような特異な力は持ってへん。 時に笑い、時に泣き、道化のように振舞うことが仕事や。 まぁ、せやから纏めたり表で焚きつけたりで、 口で仕事しとんのやけどな。 ちょっと箇条書きにしよか。(口調を戻します) ・忘れ屋 沙華(皇狼)には記憶操作の能力がある ・右方舞 戸隠(智狼)には魔除けの呪いがかかっている ↓ ・三人全員で祠に行った。 ・沙華とシラサワは既に事の次第を知っている。 →もしかしたら過去別々に仕事したことあるのでは? ・現地に行った事で初回である戸隠が祠と共鳴するなりして 智狼として覚醒、意識朦朧になる。 ・現地には狼側の村人が居て、既にサクヤを連れて来ていた。 ↓ ・村人に促されるまま、狼として覚醒した戸隠がサクヤを…。 ↓ ・意識を取り戻したら辛いだろうと沙華が忘れさせたが、 翌日に思い出してしまった的なロールで〆 二人のやりたいことを統合したが、これでどうやろうか? (*8) 2021/07/21(Wed) 7:11:13 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>22 「…ちゃうで、俺は今も島の一部で余所者言われとる。 今はユヅルはんやモクレンはん、リェンはんみたいに 口きいてくれるんも増えたけどな。」 なので五十鈴が"ソトの奴"と言うのにも慣れてはいる。 それはそれとして、サクヤは島に来た当初から 偏見無く接してくれたというだけだ。 「……神狼はん、喰うつもりやったんかい。 確かにサクヤはんには難しいやろな、ええ子やさかいに。」 >>24 「沙華はん、おはようさんやな? てっきりもっとのんびりしとるかと思うてたわ。」 開口一番にこれなのだ。まぁ、ある意味それでも 毎年のことだと相手を分かっているからか。 笑みを崩してはいないが、その海眼には哀しみを宿して。 「…今年もあんたはんの仕事の時間が来たんやで。」 (25) 2021/07/21(Wed) 7:26:27 |
【赤】 よろず屋 シラサワ/* まぁ、あくまで俺のPLは人狼系自体はやるん初めてやけどな。 そういう類の動画を好き好んで見てただけや。 NG項目から中身割れとるやろうから、 嘘言うとらんのはディスコの会話から分かると思うわ。 (何かとお騒がせしました) 狂人の身分で偉そうに纏めたりしとるが、 役職的な仕事が無い以上、こういう雑事は こっちに回してもらえればええからな。 実際にやるんはあんたはんらやさかい。 第三者の方が冷静になれるやろ多分。 戸隠はんも問題無かったら魔術師に 『歩いた拍子に小石を足で蹴った』という行動を 要求しよか思うけど、どうやろ? (*11) 2021/07/21(Wed) 8:24:18 |
【人】 よろず屋 シラサワ「つれんこと言いよるわ。」 沙華の態度に一つ息を吐いて。 ゆっくりと瞬きをすると普段の笑みに戻る。 …毎年の事や。あんまり感傷に浸るんもな。 「まぁええ、沙華はんが調子変わらん方が助かるわ。」 そう言って、どこか遠巻きのシキや蝶間を見やる。 舞台で舞っている戸隠や、昨日と相変わらず屋台を楽しむ アザミにも聞こえるように、 祭り囃子の中でも良く通る男の声は、商売人の声だ。 「……さて、騒いでもうたな? サクヤはんは"選ばれた"んやが、 この『神狼大祭』の伝統やな。 このブレスレット持っとるもんの中から選ばれるんや。」 自分も身に着けている木製のブレスレットを見せる。 五十鈴はんが騒いだ。 リェンはんが祠の事言うた。 俺は沙華はんに仕事や言うた。皆同罪や。 隠し通せる訳あらへんやろ? ま、表向き綺麗に言うんは勝手にせぇ。 /* 各自ロールフックにどうぞ (29) 2021/07/21(Wed) 10:05:35 |
【人】 よろず屋 シラサワ島のもんで祭の詳細知らん奴がおるかは分からん。 もしかしたらよう知らんのも居るかもしれん。 ユヅルはんに関してはまだ若いのもあって 細かいは教えられてへんのかもしれんけど。 モクレンはんは……どうやろな。 印について知っとるなら、内容は知っとるか。 よう喋るし親しいしてくれるけど、 あんまわからん所もあるしな。 (30) 2021/07/21(Wed) 10:11:39 |
【赤】 よろず屋 シラサワ/* ちなみに俺は囁き狂人やけど、 表向きは煽動者か水仙鏡として動くつもりしてるで。 まぁやってることは煽動者感あるかね? (*12) 2021/07/21(Wed) 10:36:36 |
【赤】 よろず屋 シラサワ/* (許可が取れた為、それでは口調を戻します) 『魔術師』へ"合言葉"アナウンス 『歩いた拍子に小石を足で蹴った』 というロールをお願いします。出来ましたら本日中、遅くて二日目中にお願いします。 もちろんそちら様の文章から浮かない程度に改変頂いてOKです。 ※もしロールにするのが難しい場合、 我々狼陣営の誰かしらへ 秘話を送っていただけますでしょうか。 (*14) 2021/07/21(Wed) 11:29:38 |
【赤】 よろず屋 シラサワ/* 狼窓のセンシティブについては一旦ディスコで質問投げるわ。 可能な場合、赤でやるかやらないかについては、 魔術師はんが誰か分かってからでええんやないか? NG項目次第やと思うで? 俺もNLNGや言うて、自分の身に降りかからん限りは問題ないしな。 (*16) 2021/07/21(Wed) 11:37:01 |
【赤】 よろず屋 シラサワ/* GMからアナウンス出たな。赤会話センシティブOKやそうや。 まぁ墓下と見学から見えるそうやけど。 んで、よう考えたんやけど、 そもそもR18見るのも嫌やったら この村入ってへん気がしたんやな…… とりあえず、二人の返事聞いて 場面なりやろうか思うけどええやろか。 (*18) 2021/07/21(Wed) 14:39:18 |
【赤】 よろず屋 シラサワ『神狼の祠』へと至る道筋。 近付くにつれて、戸隠の歩みは遅くなり、 足並みがズレるのに、先導していたシラサワの足が止まった。 「…あぁ、…まぁ……"俺もそうだったな"。」 後ろを振り返り、沙華を見やる。 問題なく歩むそちらに、二人ともで無かった事は分かった。 「なんだ、沙華の方は経験済みなのか。 ちょっと期待してたんだけどな。」 ……シラサワの言葉は、 いつもの朗らかな特徴的なモノではなかった。 道化を脱ぎ捨てた言葉で、まるで別人のようで。 あぁ、そのうちに戸隠も理解するんだろうな。 神狼の恐ろしさを。この島の地獄を。 外の人間なのに、…可哀想に。 (*21) 2021/07/21(Wed) 15:20:41 |
【赤】 よろず屋 シラサワ沙華の張りつめた言動に海眼を細める。 まあ、その驚愕が見れただけしてやったり、 といったところかもしれない。 「確かにそうか、 二匹の"子狼"のお守りはちょっとな。」 道化を言いつけられた自分には 荷の重い話だ。 神狼は呼び起こす。 人間の根底に澱む衝動を、 飽くなき飢えと渇きを、引き摺り出す。 戸隠の歩みは止まらないだろう。 まるで祠に導かれるように、呼ばれるように。 見えるだろう? 灯をもった、飢えた同胞達が。 匂うだろう? 印に焼き付けられた、熟れた果実の匂いが。 「…可哀想に。忘れられたらいいのにな。」 戸隠を見て零した。 歩みを彼に合わせるように再開する。 (*24) 2021/07/21(Wed) 16:32:30 |
【赤】 よろず屋 シラサワ「ひとつ"喰えば"、まずは治まるさ。」 道化の男は謳う。 それは五十鈴が求める林檎のよう。 禁断の果実。楽園の知恵の実。 一度齧れば、追放者の出来上がり。 最早楽園には、二度と戻れない。 (*26) 2021/07/21(Wed) 17:56:11 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>32 モクレン >>33 沙華 >>36 ユヅル 「隠したかて、いつかバレるもんやろ? 神狼はんに直接問えるとは思わんけど…。」 情報は大切な"商品"だ。 言葉を紡ごう、経済を回し流通させるように。 遠くに居たモノは近くに。会話を始めたシキと五十鈴。 良い傾向なのではないだろうか? 商人とはこういうモノだ。周りを煽り、動かそう。 言葉という資金の循環を回そうではないか。 …島外の子かて、せめて覚悟ぐらい出来た方がええやろ? モクレンはんもユヅルはんも分かっとるみたいやな。 「ユヅルはんはやっぱええこやな…。 ちょっとぐらい反抗期起きてもええんやで?」 (46) 2021/07/21(Wed) 19:48:09 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>50 「かわええ子には旅させぇ言うやないか沙華はん。」 全くもって油と水。 とことん気質が合わないのか、喧嘩するほどなのか。 まぁ、ある意味変わらないやりとりに安堵しているとも。 扇子をパチンと畳み、帽子のツバを突きあげる。 「商人は美味しいとこ摘まむもんやで。 そないな言うて…この状況で、何の責任が取れるんや。 状況としては皆同じやろ。 何知っとるか違うぐらいで。」 あの状況で不確実な断片だけで混乱させるより、 どういう状態か説明した方がマシではないか、と。 言葉と言葉で斬り合う。 「まぁ、足りんもんがあったら うちの店から出すぐらいはするけどな。」 (51) 2021/07/21(Wed) 21:30:28 |
【赤】 よろず屋 シラサワ「…俺も、あんなんだったんだろうか。」 戸隠を見て、男は沙華に聞こえるよう、そう呟いた。 「今年ばかりは全員島民だと思ってたよ。 島長も神狼様も、惨いことをするね。」 ああ、無責任か。どうにか出来る責任を持てるなら、 こんな状況になっていないよ。 俺も、沙華も、…この子も。逃げられないんだ。 ▶ (*32) 2021/07/22(Thu) 2:07:58 |
【赤】 よろず屋 シラサワ──島民には、島長を筆頭に神狼を崇める一派がいる。 祠の出入り口で三人を出迎えたのは、 そういった複数の島民だ。 中へ通される。リェンは言っていた、"何も無い"、と。 いいや、あるのだ。 神狼の遣いと呼ばれる"狼"には、 今の戸隠のように、頭へと刷り込まれる。 シラサワのようなモノには、一派から教え込まれる。 さぁ、新たな"狼"の誕生を祝おう。 島民が囲む白い布に横たえられた柔肌に吸い寄せられるように、 戸隠が覆い被さるのを見ている。 どれだけ掟だ風習だ伝統だと言っても、 いざ当事者になれば、少女も少なからず抵抗するだろうか。 島民が腕と脚を押さえたのが見えた。 使いが舞でなく肉を要求するのなら、そうなるのだろう。 (*33) 2021/07/22(Thu) 2:09:10 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>52 ユヅル >>54 沙華 「急に引きなさんなや、押した手ぇがどっか行くわ。 どないしたんや沙華はん?」 跳ね返ってくると思って出した言葉が そのまま受け入れられてしまうと拍子抜けだとばかり。 「充分か……俺はな、物事を知らんで怪我して それを後悔するぐらいなら、 知った上でなんなりした方がええ思うとる。 その上で怪我するんやったら、まだ納得いくやろから。」 そう、海を瞳に湛える男は言う。 無知が罪だとまでは言いたい訳ではない。 知ることは誰にだって権利としてあるのだと。 「不躾なんはわかっとる。これはあくまでうちの信条や。 せやし、俺が言うんはただの戯言。 聞く聞かんはユヅルはんの自由やからな。」 (56) 2021/07/22(Thu) 2:24:28 |
【赤】 よろず屋 シラサワ薄暗い祠に響く、鈍くも熱い、粘つく水の音。 そのうち島民が捕まえていた手脚は離され、 少女は熱に呑まれるまま、眼前の狼に縋るより他無い。 もしかすれば、地の白布を染めるのは、 白でなく、初めて牙を突き立てられた傷口からの赤色か。 ああ、人も結局して獣なのだ。 ▶ (*36) 2021/07/22(Thu) 10:16:18 |
【赤】 よろず屋 シラサワ「…"ありがとう"。沙華」 異様な雰囲気の中に混じって告げられる、 澄んだ海の煌めきたるや。 「記録をしている沙華がそう言うなら、 俺も同じだと、信じられるよ。」 言葉を向けられた沙華以外、 誰も道化の言葉など聞いてはいないだろう。 最初は眼耳を疑ったモノだ。 毎年犬猿の仲のようなやりとりをする沙華と、 こうして仕事をすることに。 己は狼ではなく、ただの人間として二人の隣に在る事に。 「救いがあると? 俺はもう、諦めているだけだよ。 沙華の言うような"御伽噺の主人公"を、 ……でも、沙華がそう言うだけで、救われてるさ。 沙華ぐらいだからね。 俺にぶつかって来てくれるのは。」 (*37) 2021/07/22(Thu) 10:17:20 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>57 「寒い中温まる火ぃ大きいしたい思うただけやで。 俺が水かけんかて、誰かがかけてまうからな。 まぁ、うちが選ばれたら"次の日の二人" 一緒に面倒見るぐらいはするわ。」 そもそもに今日神託に選ばれてしまえば、 このシラサワという男はただの放火魔と成り果てる。 きちんと色々責任の取り方を考えた所で、 途中で道を塞がれてしまえば、 どう足掻いても成立のさせようが無いのだ。 だからと言って、何も知らず小さな火を見つめるよりも、 祭なのだから花火を見た方が良いだろう? 様々な角度から見える花火を、だ。 男なりの器用で不器用な親切心だった。 (58) 2021/07/22(Thu) 10:37:01 |
【赤】 よろず屋 シラサワ澄んだ海を湛える瞳を濁すような、灰色の髪。 肌の露出を控える服装と見た目は、 己が真意を隠したい表れでもあるのか。 「そりゃあね、知り合いが誰も居ない島に、 訳あって単身商売しに来てるんだ。 不安を表に出してちゃ商売にならないだろ? 堂々と構えてないと、商品にまでケチをつけられる。 俺自身も商品なんだよ。」 まぁ、中身の分からないパンドラの箱か。 逢った時から真っ向と開けようとしたのは。 「……仲間が沙華じゃなかったら、 此処まで言わなかっただろうな…。」 やはり今年は何かが違う、と。 (*39) 2021/07/22(Thu) 15:55:58 |
【赤】 よろず屋 シラサワ沙華の言葉にはふと自嘲のような笑みを零し、 その背を見送った。 既に目覚めた狼にも、渇きと飢えはあるのだろうか? この余所者の記録さえ残そうとしてくれている、 心優しき薄桜色の狼にも。 次の夜に、誰かを喰らうはどちらだろうか。 徐々に徐々に、男は島に馴染みはしてきている。 現にユヅル、リェン、モクレンのようなモノもいる。 言葉を装うのは、 そちらの方が、島民それぞれが自分にとって どういう対応をするか分かりやすいからである。 まるで、酸を調べる青い紙。 …ああ、慎重なのだよ。この男は。 海の上に流れる薄氷を歩くように。 (*42) 2021/07/22(Thu) 17:39:41 |
【赤】 よろず屋 シラサワぬちぬち、ぐちぐちと、輪の中で水音は続いている。 一度突き立てられた牙。 そのうちに彼女の産む音にも、 快楽の嬌声が宿り始めることだろう。 君が彼女の胎の道を、開いたのだから。 未だ混乱しているとはいえ、最早戸隠の脳裏には、 神狼から、これから何をするかが刻まれているのだろう。 受け入れるのには時間がかかるかもしれないが。 「…腹ぁいっぱいになったか? 戸隠はん。」 傍の島民が持つ布束の一つを取り、 言葉の装いを戻した男が、地に崩れる戸隠の元へ歩み寄る。 触れる事が可能なら、爛れた身体の残熱を拭おうとする。 乱れた綺麗だった舞服を正そうともするかもしれない。 (*43) 2021/07/22(Thu) 17:53:39 |
【人】 よろず屋 シラサワ>>59 沙華 >>60 五十鈴 >>61 シキ 「伊達に商人やってへんで? ええねん、どうせ答えの出ぇへん問答や。 全員が同じ方向なんぞ向けせんのやからな。」 そう言って男はにっこりと笑うのだ。 ある程度の反応は織り込み済みではある。 「そらぁありがたい話や。 せいぜい派手に束ねた線香花火、見せたるで。」 意外やったんは沙華はんが一度引っ込んだぐらいやな。 「放火と花火の点火は違うやろ? 俺は別に、他所様の家焼こう思うとらんで?」 聞こえた悪態に、青緑眼だけがそちらを向いた。 ブレスレットを着けているモノは皆当事者だ。 火を付け、そこに材をくべれば、色は変わる。 シキのその瞳に宿る色もまた、そうやって変わっていく。 (62) 2021/07/22(Thu) 18:32:29 |
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