人狼物語 三日月国


42 【突発完全RP村】実になりてこそ、恋ひまさりけれ【誰歓】R18

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【人】 マリィ  


  本当は、太ったっていいの。
  明日のことなんか何も考えないで
  この夜と朝の狭間に
  二人でずっと囚われていたい。


 例えあなたにそう言ったって、太陽は登る。
 「普通」の人達の、日常のための時間になる。

 星なんか見えない、美しい濃紺の空が
 じわじわ悪趣味なペールブルーに変わっていって
 やがて、眩しい太陽が端から顔を出す。
                    ]
(2) 2020/09/12(Sat) 14:26:14

【人】 マリィ  

[アタシはあなたに一度だって
 「美味しい」なんて言ったことは無い。

 でも、知ってる?
 冷蔵庫に取ってある唐揚げとかコロッケは
 お店の子達にすごく人気なの。
 コンビニでロールパンを買ってきて
 あなたが余り物と呼ぶこれを、挟んで食べてる。
 台風の日にコロッケが売り切れた時なんか
 そりゃあもうテンションだだ下がり。

 逆に揚げ物が多めに余った日のこと
 お店の子は「パーリナイの日」
 って勝手に呼んでる。


 ……時々アタシが持ち帰ってくる
 ちょっと良いフルーツの秘密は、そういうこと。]
(3) 2020/09/12(Sat) 14:26:40

【人】 マリィ  

[いつもの問いかけにいつもの答え>>0:115
 すっかりメイクも落として
 ただの男になったアタシは、
 眠りに落ちるまでの間だけ
 何もかも忘れられる。


 とっくに読まなくなって
 ソファの下に挟まっていた
 物件情報雑誌とか、
 今日空にしたグラスの個数。

 乱暴に組み敷かれた時の記憶。
 客の無神経な言葉に、愛想笑いを返した苦い味。]
(4) 2020/09/12(Sat) 14:29:14

【人】 橋本 雅治  


[今だけ全部忘れてしまって……
 腕の中の温もりを、ただ抱きしめるだけ。

 そうして、俺の一日は終わる。]
 
(5) 2020/09/12(Sat) 14:30:55

【人】 マリィ  

[けど、この生活の終わりは
 ある日突然にやってくるの─────]


  ……シェアハウス?


[お客さん切り出された話に
 アタシはつけまつげを盛った瞳をぱちくりさせる。
 LGBT向け不動産の営業マンだという彼は
 こくりと頷くと、カウンターの上に
 ばさりと資料を広げてみせる。]


  「ゲイセクシュアルだというだけで
   入居を断られるケースって多くって
   うちで扱ってるのはそういう方に特化した
   ジェンダーフレンドリー物件なんです」


[カタカナ語の多い彼の言うことには
 シェアハウス用の物件にゲイを集めて
 雑な言い方すれば、「ゲイ同士よろしくやれ」
 って感じな家らしい。
 近くに幼稚園や学校もないし
 新しい住宅街だから干渉してくるご近所もいない。]
(6) 2020/09/12(Sat) 14:31:47

【人】 マリィ  



  「……どう?いい情報でしょ」


[営業マンを連れてきてくれた、
 膝に落書きしたみたいなのっぺりしたブスは
 そう得意げに笑ってみせた。

 アタシの鉄板ネタを真剣に捉えて
 真面目に解決策を出してくれた子を
 邪険にするわけにもいかなくて
 アタシは曖昧に微笑んでみせるの。
 アタシの今の居候について知っている
 お店の子達は、何か言いたそうな顔で
 じっと此方を見ていたけれど、
 結局、何も言えやしない。]


  ……そうね、橋の下で暮らすより
  安全そうな物件ね。
  ありがとう、考えとくわ。


[営業マンの名刺と、間取り図内覧写真その他諸々
 茶封筒に仕舞って─────それっきり。]
(7) 2020/09/12(Sat) 14:32:20

【人】 マリィ  

[次の物件が見つかるまで。
 だけど、帰ればご飯があって
 朝でも夜でも無い昏い時間を分かつ人がいる
 ……それよりいい物件なんか、ない。


 結局、シェアハウスの情報の詰まった茶封筒は
 本棚の片隅に隠したまんま、二週間。
 アタシは今日も由人の「余り物」を食べる。]
(8) 2020/09/12(Sat) 14:32:43

【人】 マリィ  

[そんな罰当たりなオカマにも
 今日はひとついい事があったの。

 お店が休みだったから、ふらふらと
 近所の商店街を歩いていたんだけど
 たまたま福引で一等当てちゃったのよ!
 (福引ってポケットティッシュ交換所じゃないのね)


 「北海道ペア旅行券2泊3日」


 喜び勇んで本屋に駆け込んで
 ガイドブックまで買っちゃった。
 お互い休みなのって、年末年始くらいだし
 冬の北海道は死ぬほど寒いかもしれないけど。]
(9) 2020/09/12(Sat) 14:33:11

【人】 マリィ  

[でも、もし一緒に旅行に行けたなら────

 二人で「普通」に観光名所巡ったり
 こっちじゃ食べられないようなものに
 舌鼓を打ったり……

 冬の北海道なのに「寒いね」なんて言って
 手とか、繋いじゃったりして……

 アタシ達を誰も知らない場所で
 二人「普通」にデート出来るなら

 それってとっても最高だと思わない?]*
(10) 2020/09/12(Sat) 14:33:41
マリィ  は、メモを貼った。
(a3) 2020/09/12(Sat) 14:37:11

【人】 マリィ  

[何度も確認するみたいに
 ちらちらアタシを見るものだから
 思わず、ぷっと噴き出して]


  あんた以外に誰がいるのよ。


[そう、真ん丸お目目が見えやすいように
 前髪を優しく梳いたでしょう。
 お店の子たったひとりだけを
 連れてくなんて無理だし
 友達と呼べる人もいないし
 恋人だって、いない。

 今、たった二人で孤独を分け合える
 あなたくらいしか、一緒に行きたい人はいないの。]
(49) 2020/09/12(Sat) 23:04:24

【赤】 橋本 雅治  

[…………いや、言えたら良かったんだけどさ。


 
笑われたら、すごい凹むじゃん。
(*0) 2020/09/12(Sat) 23:04:55

【人】 マリィ  

[それから、前髪を梳いた指を
 ぎこちない笑みの浮かんだ頬へ>>41
 する、と滑らせる。]


  約束よ。


[約束を破ってるのはアタシのくせに。

 暁天に温もりを分かつだけの
 名前のない関係の由人を繋ぎ止めて、
 恋人ぶってみせてる。]
(50) 2020/09/12(Sat) 23:05:27

【人】 マリィ  




  あのね、調べたんだけど……
  空港からこの、……読めない、何コレ?
  のぼるべつ?なんか、温泉があるんだって。
  ここ。このホテル!
  色んな種類のお湯があって面白そう。


[お誘いしたからには、って
 調べてはガイドブックを広げて
 食事の合間にもお話したかしら。
 ホテルはどこにしよう、とか
 観光するなら何処がいいか……とか。

 アタシばっかりはしゃいでるのかなって
 最初こそ不安だったんだけど、
 本棚に新しいガイドブック見つけたりすれば
 いつものあの仏頂面の裏の感情を知って
 思わずにっこりしちゃうのね。

 ああ、良かった。
 この人も楽しみにしてくれてたんだ、って。]
(51) 2020/09/12(Sat) 23:05:51

【人】 マリィ  

[オクラや胡瓜の時期が終わって
 栗ご飯の美味しい季節。

 ある日の食卓は相変わらず美味しかったのに
 何だか、由人の様子がおかしかった>>43
 いつも以上に表情がない、というか
 由人の仮面を、何かが被ってる感じ。]


  ……この里芋とイカの煮物、
  なんかおばあちゃんちで食べた感じ。

  アタシ、中学で両親に勘当されてから
  ちょっとだけおばあちゃんちで暮らしてたの。
  ……懐かしいわ。


[珍しく、料理にポジティブめなこと(当社比)
 言ったりしたけど、どうだったかしら。

 ああ、これは何かおかしい、って
 気が付いたのはラジオが終わった辺り>>44
(52) 2020/09/12(Sat) 23:06:19

【人】 マリィ  




  ……眠れないの?


[問いかけるより先に出た答えに
 アタシは少し眉を顰めるでしょう。

 
そんなに、寂しいことがあったの?


 話を聞いてあげるのは出来るけど
 この口下手君に果たしてそれが有効かどうか。
 居候を初めた当初に思ったよりも
 由人は自分の殻に籠りやすい性質みたいで
 ……結局、語るより、共に居てあげた方が
 彼の心は癒されるんじゃないか、って。]
(53) 2020/09/12(Sat) 23:07:11

【人】 マリィ  




  一緒に寝るだけじゃ、ダメなのかしら。


[じっと由人の目を覗き込んで
 アタシは確かめるように尋ねたの。
 この意味が分からない程、子供じゃないでしょう。]*
(54) 2020/09/12(Sat) 23:07:43

【赤】 マリィ  



  もっと、近くに感じたら……安心出来る?


[親指の腹でそっと由人の唇をなぞりながら
 アタシはまた質問を重ねる。
 恋人でもない人とキスするのは嫌って人
 結構多いから、そのつもりで。

 唇を重ねてもいいなら
 孤独を分かつ者同士、おっかなびっくり
 触れるだけのキスをするの。
 唇の形が分かったなら、もう少し深く。
 温もりを確かめるように
 舌先同士を擦り合わせて。

 ダメ、と言われたならそれはそれ。
 いつも通りハグをしながら
 狭いベッドで眠りにつくでしょう。]
(*1) 2020/09/12(Sat) 23:08:22

【赤】 橋本 雅治  

[重ねた唇は、多分同じ歯磨き粉の味。
 だけど、思ったよりも高い粘膜の温度とか、
 少しだけかさついた唇の感触とか、
 また知らない由人が見えてくるみたいで。

 腕の中に抱きすくめて、
 舌先で歯列を割ると、中はもっと柔らかくて熱い。
 ミントの清涼感なんかよりよっぽど強い、
 生々しい味蕾の粒の感触。

 ああ、この舌が「美味しい」と思ったもの
 アタシは毎日一緒に食べてるのかな、なんて。
 そう思ったら、もっと深く知りたくなった。]
(*4) 2020/09/13(Sun) 13:03:28

【赤】 橋本 雅治  

[乾いた由人の声が、“俺”を呼んでくれた。
 初めて、呼んでくれた!]


  ゆうと。


[少しだけ甘えるみたいな口調で
 口の中で由人の名前を転がすと
 なんだかとっても安心する。
 ふと目があったから俺は「大丈夫だよ」って
 慈しむような目を向けただろう。

 由人の目の前にいるのは
 いつもの化粧もなく、
 ありのままの男の顔した俺。]
(*5) 2020/09/13(Sun) 13:03:50

【人】 橋本 雅治  



  あ、


[ぐ、と胸を押しのけられて
 俺は微かに揺らめいた>>61
 抱き竦めていた腕が離れて
 あんなに近かった体温が、もうこんなに遠い。

 待ってよ、とか、どうして、とか
 言葉らしい言葉が何も出ない内に
 由人は部屋から出ていってしまう。

 さっきまでの空気が嘘みたいに
 真っ暗な部屋にぽつん、と一人残されて
 口の周りを汚す唾液が冷めていくのだけが
 今しがたの熱の左証だった。]
(84) 2020/09/13(Sun) 13:06:24

【人】 マリィ  

[一番拒まれたくない人に去られた衝撃は
 ゆっくりじわじわ、ざわつく心に染みていって]


  ─────は、


[自嘲の笑みが、零れた。

 由人が帰ってきた頃には、ソファーの上に
 でかい図体を丸めて寝ているアタシがいるでしょう。
 寝るには狭い座面に、
 人と分け合える空間なんかない。


 だけど朝が来れば由人は何事もなく
 お店に立つでしょうし、アタシも同じ。
 家に帰れば何も無かったみたいに
 「まあ相変わらず茶色い食卓ね!」なんて
 褒めもせずにご相伴預かるのよ。]
(85) 2020/09/13(Sun) 13:07:15

【人】 マリィ  

[結局、シェアハウスの話をしに
 営業マンは時折店に顔を出すから
 毎回曖昧に答えて終わる。

 いっそ「じゃあ機会があれば……」って
 引いてくれてもいいのに。

 それを見たお店の子にも
 「ママ、これ今誰も幸せにならないパターンよ」って
 目も合わせずそっと囁き落とされたりして。

 アタシは聞こえないふりして
 OLちゃんの愚痴に相槌を打つの。]
(86) 2020/09/13(Sun) 13:07:44

【人】 マリィ  

[例えば─────

 「美味しい」って言っちゃったら
 由人はきっと嬉しいでしょう?
 あの無愛想な顔に笑みっぽいのを浮かべて
 耳の端とかちょっと染めちゃったり、ね。

 それを毎日言って、
 ある日突然アタシが消えてしまったら
 その後どうやって生きていくのよ。

 「愛してる」って言っちゃったら
 由人はなんて言うかしら?
 キスは受け入れてくれたけど
 結局、ダメだったじゃない。

 アタシは何言われても平気。
 そう、言い聞かせているうちは。
 ……だけど、人間だから傷付くし血も出るわ。

 もし「無理」って言われたら
 アタシこの先どうやって生きていけばいいのよ。]
(87) 2020/09/13(Sun) 13:08:45

【人】 マリィ  

[そんなことを言ってるうちに
 栗の季節は過ぎて、
 白菜とかネギの美味しい時期になった。
 コロッケのラインナップに
 カニクリームコロッケが入ったり
 ハンバーグのソースもきのこから
 デミグラスに変わっていく。

 飛行機もホテルも予約して、
 ガイドブックも付箋だらけになった。
 北海道旅行の日程は、指折り数えられる程
 ぐっと近くなっていたでしょう。


 アタシは結局、来年までシェアハウスの話を
 ずるずる持ち越す気でいたし、
 あれからアタシから由人を求めることも無かった。
 「何も無かった」みたいなフリするのだけは
 アタシ、とっても慣れっこなんだもの。]*
(88) 2020/09/13(Sun) 13:13:04

【人】 マリィ  

[ベッドで一緒に寝なくなって
 「眠れそう?」って聞かなくなって……
 でもそれ以外はいつも通り。

 旅行の話もするし、料理も食べる。
 相変わらず家にも置いてもらえてる。

 だけど、見えないどこかに
 亀裂でも入ってやしないか
 アタシは内心気が気じゃなくて。

 …………本当に、惨めで。]
(151) 2020/09/14(Mon) 11:40:05

【人】 マリィ  



  ……なぁによ。


[旅行の前日、本も読まずに
 アタシのことじっと見つめる由人に
 さすがに気まずくなって口を尖らせるの。

 つくねのしゃりしゃりふわふわした食感に
 そっと目を細めていた矢先のことだったもの。
 うっかり目が合っちゃって
 耳までかぁっと熱くなる。]


  見蕩れてたなら、そう言っていいのよ。


[誤魔化すみたいに、ウィンクひとつ。
 「別に」なんて気のない答えが返ってきても
 「照れ屋なのね」って笑うだけ。]
(152) 2020/09/14(Mon) 11:40:37

【人】 マリィ  

[そうして、生まれて初めて
 北の大地に降り立ったアタシの第一声───]


  さっむ!!
  てか思ってたより都会!!



[空港と商業施設とホテルとが合体した
 広い空港を前に、うっかり声が出てしまう。
 外は晴れてはいるものの、
 日の温もりなんてものは感じない。

 さくさくひとりで受付まで
 歩いていこうとする由人を追って
 はぐれないように手を繋ごうとするの。


 普段の化粧も衣装もない、
 ありのままの男の姿で
 今アタシはあなたの隣に並んで立ってる。]
(153) 2020/09/14(Mon) 11:41:31

【人】 マリィ  

[寒さから逃げるように
 真っ青なレンタカーの助手席に逃げ込むと
 ほわ……と暖かな風が車内を温めてくれる。]


  チーズ作ったり、ピザ作ったりできる
  工房だったっけ……?
  いいじゃない。暖かいもの食べたいもの。


[その提案に小さく頷くと
 そっと白銀の景色からの景色に
 視線を向けるでしょう。

 もしかしたら「旅行もやめよう」って
 言われたらどうしよう、って思ってた。
 だけど今この凍るように寒い場所に
 由人と二人きりでいられている。]


  安全運転よろしくね。


[そう言ってアタシは笑ったけど
 もしこのまま事故で二人とも死んでも
 それはそれでいい終わり方な気もして。]
(154) 2020/09/14(Mon) 11:42:00

【人】 マリィ  

  ー 富良野のチーズ工房 ー

[ラベンダーの季節はとっくにすぎて
 夏には一面紫で染まった丘陵も
 今は一面の銀世界。
 目的の工房はそんな真っ白な世界の中の
 白樺で囲まれた林の中にあったでしよう。

 絵本の中の1ページみたいな
 何だか可愛いお店の中に入ってみると
 正面にどどん、と等身大の牛のオブジェが
 お出迎えしてくれる。
 ここでは手作りのチーズやアイス
 釜で焼くピッツァが作れるらしく、
 受付のお姉さんは男ふたりの客に
 嫌な顔もしないで色々説明してくれた。]


  ねえ、由人ピザ作るのやってみてよ。


[そう悪戯っぽくおねだりしたら
 どういう反応が返ってきたかしら。
 カッコイイじゃない、ピザ生地回すの。]
(155) 2020/09/14(Mon) 11:42:25

【人】 マリィ  

[一緒にやろう、って言われたら
 なんて答えようかしら……。]


  由人が作ったのが、食べたいの。


[って普段絶対言わないこと
 口を滑らせちゃうかしら。
 だってアタシ、普段より静かだけど
 心の中はそれはもう大はしゃぎなんだもの!]*
(156) 2020/09/14(Mon) 11:43:03
 




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