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【人】 琴羽の天狗 時見[何やら手にもこもこした物を持った琴羽と共に 宿の部屋へと案内され。 窓から見える彩度の高い紅葉の景色やら 宿の者の心尽くしのおもてなしに すっかり旅気分も高まって。 どれ一つ仮装でもしてみるかと 琴羽に背を向け、着衣を落とす。 そうして最後にバサリとマントを羽織り 何気なく振り返れば────… 着慣れない衣装に、 悪戦苦闘している琴羽がいた。 いや、あれは衣装、なのか? ]なんというか、布地の面積が少ないというか 目のやりどころに困るというか…… (54) 2020/10/21(Wed) 23:31:16 |
【人】 琴羽の天狗 時見ね、ねこ……? [思わず疑問形になってしまったのも 無理なからぬ事だろう。 頭の上に見える三角形の耳や 腰の後ろにちらちらと見えるしっぽは 確かに猫のそれではあるのだが…… 俺はさぞや恐ろしい顔で 凝視してしまっていたに違いない。 それ程までに、ふわふわとした毛皮は 彼女の細身の肢体の曲線美を 絶妙に際立たせていて。 例えて言うのなら、 ジュワリと適度に火を通した 肉汁滴る霜降り肉に、 更にわさび醤油を添えたというか──… 一瞬で理性が飛びかけたというか……] (55) 2020/10/21(Wed) 23:40:40 |
【人】 琴羽の天狗 時見[いや、何を考えているのだ時見……ッ! この旅は琴羽の慰労。 慰労なのだ。 ぐっと血を吐く程に奥歯を噛み締め、 帽子を落とした前髪にぐしゃりと手を添える。 そうして白の髪をオールバックに整えれば 曲がりなりにも吸血鬼のマネごとができただろうか。 (本当はそうやって自らの掌で あえて視界を遮らない限り、 延々と琴羽を見詰め続けてしまいそうだった事は 気付かれていない事を切に願おう)] やはり出掛けるのは…… あぁ、いや、なんでも無い。 だが、その、なんだ。 寒いといけない。これでも羽織れ。 [他の者の目に触れさせるのもまた どうにも耐え難かったのだが。 此処は彼女の母の故郷であり、 楽しみにしていた散策を禁止するなど できるはずもなく] (56) 2020/10/21(Wed) 23:54:45 |
【人】 琴羽の天狗 時見[苦肉の策として、 自分が普段着ていた学生服のマントを 彼女の肩にかけたのだった] ほら。これでお揃いだ。 [目元で笑いかけ、 琴羽へと手を差し出す。 まずはこの祭りの由来らしい 破牢院とやらに詣でてみようか。 そんな話をしながら、 二人肩を並べ湯煙の温泉郷へと繰り出した。 見るもの、行き交う人々全てが珍しく。 石畳の通り沿いにしばし歩けば────…] (65) 2020/10/22(Thu) 0:01:03 |
【人】 琴羽の天狗 時見破牢院は…… 何処にも存在しない、だと……? [観光案内の看板を前に、 思わず首を捻る。 てっきり神社か何かの名だと思っていたのだが。 とすれば、この祭りの来歴は一体……? 火のない所に煙は立たぬ。 俺が霊峰より生じた様に、 この祭りの起源もまた、 神に近しい"何か"あるはずだと思うのだが。 そう、首を捻りつつも] (68) 2020/10/22(Thu) 0:05:28 |
【人】 琴羽の天狗 時見まぁ、見つからぬのなら仕方無い。 とりま温泉グルメとやらを楽しむか。 琴羽。 目を瞑って口を開けてみてはくれないか? [そうして彼女の口に放り込んだのは…… 1.大当たり!ふかふかの温泉まんぢゅう 2.猫舌には大敵!?あつとろの温泉卵 3.秋の味覚。名物のかぼちゃプリン 4.大自然の味。スライスかぼちゃ 5.琴羽にはこれだろう?俺の人差し指 6.全部いっとこうか!*] (71) 2020/10/22(Thu) 0:12:52 |
琴羽の天狗 時見は、メモを貼った。 (a6) 2020/10/22(Thu) 0:15:38 |
【人】 琴羽の天狗 時見[当の本人は温泉街の物珍しさも手伝ってか それとも元々気付いていないのか マントの裾からしっぽを垂らし、実に、楽しげで。 よかった、と、眉根を下げる俺の手を にぎにぎ。 と。 もっふもふかつぷにぷにな猫の手が握ってきた。 こ、これがあれか。 肉球 という奴か……!?思わず少しばかりにぎにぎと握り返せば なんとも言えない弾力が掌に感じられて。 つい永久にむにむにしそうになるのを 必死で押し止めるのだった] (165) 2020/10/23(Fri) 23:28:15 |
【人】 琴羽の天狗 時見[石畳の往来の真ん中で足を止め。 琴羽の頬に手を添える。 そうして、少しばかり屈み込み 唇同士が触れる程の近さですり、と。 …────互いの鼻先を触れ合わせたのだった] ……猫同士は、 こうやって挨拶をするらしい。 [他愛も無い意趣返しだとばかりに にぃと笑うと再び散策の歩を進める。 まぁ、本当は挨拶というよりも。 野次馬達へ見せつける為の 俺なりのマーキングでもあったのだが] (168) 2020/10/23(Fri) 23:57:25 |
【人】 琴羽の天狗 時見──ふむ。元が野菜とは思えない程、 まろやかで美味だな…… まぁ、それ以上に……、っと。 [匙で放り込まれた甘味を咀嚼し ぺろりと口の端を軽く舐め。 秋の恵みを享受するのだった。 ……かぼちゃプリン以上に。 にゃーんとそれを差し出す琴羽の方を 美味しそうだと思ってしまったのは 致し方ない事だろう。 ちゃんと最後まで言わなかった分、 自分もまた成長しているのだ。多分] (173) 2020/10/24(Sat) 0:54:35 |
【人】 琴羽の天狗 時見…──む。悪いな。 [その菓子の名の通り、 甘い甘い時間が二人の間に流れたのだった。 そうして、ふと気が付けば────…] (175) 2020/10/24(Sat) 1:10:57 |
【人】 琴羽の天狗 時見 いつの間にか、 随分と霧が立ち籠めてるな……? [霧なのか、湯煙なのか。 硫黄の匂いが強くなり、 あたりは真っ白なもやに包まれていた。 すぐとなりにいるはずの 琴羽の姿すら見えなくなり] (176) 2020/10/24(Sat) 1:17:23 |
【人】 琴羽の天狗 時見[…──これは、不味い。 この気配は。 この、あやかしである自らの身に馴染む空気は。 逢魔が時にも似た、彼岸と此岸の境を感じ] ……何処だ、琴羽! [抱き寄せようとした俺の腕は、 虚しく空を切ったのだった。 ────いつの間にか、琴羽の姿は白き闇に紛れ消え] (177) 2020/10/24(Sat) 1:27:04 |
【人】 琴羽の天狗 時見…──ッ……! [ぬくもりはまだ残っている。 微かに琴羽の存在も感じる。 まだ、そう遠くには行っていないはず。 けれど。 祭りに紛れていた。 琴羽を見詰めていた人外達の気配もまた ごく近くに感じられて] (182) 2020/10/24(Sat) 1:28:42 |
【人】 琴羽の天狗 時見俺のマントを深く被り、願いを強く心に持て! 自分が何者かを、忘れるでないぞ……! [そう叫んだ俺の声は、果たして彼女に届いただろうか──…*] (184) 2020/10/24(Sat) 1:30:50 |
(a8) 2020/10/24(Sat) 1:43:35 |
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