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【赤】 会社員 雷恩[やはり下手を打った例えはルミに引っかかりを与えたが、 キスはその思考を消すのに十分な役割を果たしてくれた。 舌を絡めなくとも、唇を触れ合わせるだけで 唾液が行き来する。 甘いりんご飴を食べきれなかった自分だが、 あれよりももっと紅く艶めいたルミの唇を食む度に 広がる甘い味は中毒になりそうだ。 もっと。 もっと。 頭の中で逸る気持ちのまま、何度も重ねる。] (*0) 2024/05/15(Wed) 0:00:11 |
【赤】 会社員 雷恩[丁寧に時間を掛けて煮詰めたおかげか、 ルミの機転を少し奪うことに成功したようだ。 勝手に始まったカウントは止められないまま終わりを迎え] ルミが欲しくて待てなかった。 [責める声にしれっと言い訳をして笑う。 瞳を覆う手が外れた時、彼女は男の瞳が蕩けるように 甘く細められていることに気づくだろう。] 見ぃっけ! ……大人の声で言うと何か違和感ぱねぇな。 [2人のかくれんぼは、つまり鬼が交代するだけのもので、 児戯としての正しい形ではなかった。 だが「二人の遊び」としては最良だったと思う。 見つけても見つけられても 悔しいどころか2人とも笑っていた。] (*1) 2024/05/15(Wed) 0:00:41 |
【赤】 会社員 雷恩恥ずかしい? 恥ずかしがるのは俺にはご褒美なんだけど、 ん! なに、キスマじゃなくて歯型? 首の詰まってない服着なきゃな。 [痛みはそう強くない。 元来の、他者を傷つけることよりも自分の痛みを選ぶ ルミらしい力加減だった。 ここは肉食獣の出番だろうか。] 恥ずかしくなくなるまで「お兄さん」だけ 発声練習してればいーよ。 [白い首筋に噛みつく。 他の人にも施したことのあるキスマークではなく、 自分の歯並びの形をした、唯一無二の所有印を残して。 分泌が止まったかもしれない秘所に指を滑らせる。 再び滴るまでは、まずは下生えでも隠せていない 紅玉に触れ、肥大させるまで擦ろうか。*] (*2) 2024/05/15(Wed) 0:01:30 |
【赤】 従業員 ルミ[ 仮定話は実現しないからこそ考えてしまうことだ。 例えば自分が至って普通の過程であれば? 或いは彼があの時離れて行かなければ? 詮無いことに頭を回してしまうのは、 それが効率よく傷を抉れる方法からなのかもしれない ────幸せな夢はまるで麻薬だ。 ] うん、録音……えっ着信音?? [ 正気か?と言うように彼を見た。 病んでいる自分よりも飛躍した発想である。 まさか今までの女にもそういう対応を…? あるわけないと分かりつつも、 疑ってしまうのは致し方ない。 ] (*3) 2024/05/15(Wed) 10:38:32 |
【赤】 従業員 ルミ[ 無理矢理彼を襲った時は、キスをしなかった。 別に、キスに対して神聖視していたわけではない。 ただどんなおとぎ話もキスで幸せを迎えられるから。 それを知っているからこそ、 幸せにはなれない関係にキスなど要らないと思って。 けれど今は、 何の憂いも悲観もなくキスができる。 温もりを交わして甘さを分かちあって、 ──まるで実を食べたあの二人みたいに。 ] ……言い訳までずるい。 [ 言葉で主導権を握るのは得意だったはずなのに、 さっきから彼に奪われてはいないか。 上手く翻弄出来る甘い言葉も浮かばないから ぷく、と思わず頬が膨らんだ。 ] (*4) 2024/05/15(Wed) 10:38:50 |
【赤】 従業員 ルミ…………後でほんとに録音するんだからね。 お兄さんが自分から言ったんだもん。 [ 着信音にはしないだけの理性はあるけれども 録音しておけば証拠になる。 万が一約束が破られてしまった時、 これがあれば責め立てる権利を得られるはず。 ────というのは理由としては勿論、 単にひとりの時に声を聞きたいからだ。 今の彼を見ていると、 信用しても良い気がしているから。 ] (*5) 2024/05/15(Wed) 10:39:23 |
【赤】 従業員 ルミ[ 性の匂いが漂う部屋で、 幼い頃の清廉さを連れ立った児戯ひとつ。 手を離したおかげで見えたのは 甘さに蕩けながら細められた彼の瞳。 ] かくれんぼ、違和感ある? ふふ。 わたしは懐かしくて楽しいけどな。 [ 2人きりのかくれんぼ。 今も昔も変わらないふたり遊び。 正しい遊び方では無かったのだろう。 けれど他の子なんてわたしには要らなかった。 正しくなくても良かったよ。 ふたりで笑えていられたら、それだけで ] (*6) 2024/05/15(Wed) 10:39:42 |
【赤】 従業員 ルミ[ 戯れとは本来きっとそういうものだ。 彼以外と遊んだ経験にそもそも乏しい自分が言うと 負け惜しみのようになるかもしれないが。 ] キスマークつけるの、上手くないんだもん ……ほとんどしたことないし [ これは本当だ。 セックスの経験は同年代より多そうだが ただの義務感に愛の証は必要なかった。 痛くないようにと気遣って噛むのは、 どうしても痕が薄くはなるけれども。 満足そうに彼の“首輪”を見つめ── ] (*7) 2024/05/15(Wed) 10:40:14 |
【赤】 従業員 ルミっ、……あ、 ……お兄さんも噛んでくれたんだ? 首の見えない制服、あったかな…… [ 無かった気がする。 メイクをするついでに隠せるだろうか。 つけないで、とは言いたくないし思ってもいないが バレると普通の仕事場よりも面倒だ。 彼の噛み跡と自分の噛み跡をなぞり、 「おそろい」と笑う。 噛まれる瞬間の僅かな刺激にすら下腹部が熱くなるのを 隠すような、無邪気な顔で。 ] ……だいすき、お兄さん [ 他の女なんてもう忘れてしまうくらい、 わたしとしか経験出来ないことをしようよ。 人は自分の知識というフィルターでしか 世界を見られないって言うでしょう? お兄さんの人生には、 わたししかいないって、思ってね。 ] (*8) 2024/05/15(Wed) 10:40:47 |
【赤】 従業員 ルミ[ ────決して被虐趣味がないのは こちらとて同じなのだけれど。 そう、それだけは胸を張って言えるのだが。 じゃれ合うような戯れを挟み、 快感を与えられていない時間を経てなお 僅かに蜜が奥から滴っていることには どうか気付かないフリをして欲しい。 ] ────ッふぁ、や、ンん……っ! ぁ、っなに、……ッ [ びく、と腰が跳ねる。 今までで一番強く、神経に電流が奔ったような そんな刺激が甘く脳を痺れさせた。 瞳が生理的な涙で潤み、混乱の色に混ざる。 声があまくこぼれ落ちて咲く度に、 擦る指の動きに合わせて 秘芽は少しづつ硬さを増した。** ] (*9) 2024/05/15(Wed) 10:41:06 |
【赤】 会社員 雷恩[薬を盛って既成事実を作ろうとした程に 強く執着を見せていたルミを持ってしても、 録音した自分の宣言を着信音にするという考えは 斬新だったらしい。 勿論、今までの彼女に提案されたこともなければ 自ら言ったのもこれが初めてだが。 経験のないことなのにどうしてこんな考えが 出て来たのかはわからない。 自覚がなかっただけで、実は自分の中にも ふつうとは言い難い恋愛観が潜んでいるのかもしれない。] (*10) 2024/05/15(Wed) 22:45:49 |
【赤】 会社員 雷恩いいよ、録音でも録画でも。 そうだ、写真は二人でたくさん撮ろうな。 昔母さんの携帯で撮って貰ったの、 現像してないし機種変してるしで 残ってないかもしれなくて。 もう子どもには戻れないけど、 これからの人生で今が一番若いんだし。 [セックスの際にキスをするのは男にとっては 自然な流れだ。 だからルミにとってキスがセックスの回数よりも 少ないことを想像すらできない。 録音の話から写真の話に話題を移しながらも、 かくれんぼのカウントを早口で切り上げた言い訳に 頬を膨らませたルミに笑う時も、 ごく当たり前の流れのようにキスをした。 まるでそれすら会話を成立させる言葉のように。] (*11) 2024/05/15(Wed) 22:46:09 |
【赤】 会社員 雷恩懐かしいか。 ……まだガキの俺には勝てないってことだな。 [自分にとってもあの頃の二人だけの遊びは大切な思い出だが 懐かしさに浸られて、今の淫靡な雰囲気が薄れることを 恐れてしまう。 少しだけ複雑な顔をしながら、ルミの手をとって 喉仏に触れさせた。――「大人の男」の象徴に。] 上手かったら凹むから。 [キスマークが上手いということは、誰かの肌に実践を 重ねたということだ。 自分の過去を棚に上げて、ルミに経験が少ないことで 喜ぶのだからタチが悪い。 過去をちらつかせない為に、これからも互いに初心者の 行為を探っていくことになるだろう。 揃いの歯型を指でなぞって真似をする。 「俺も」と同じ言葉を返しながらも、 この短い時間に更に育った気持ちは喉から零れて。] (*12) 2024/05/15(Wed) 22:46:50 |
【赤】 会社員 雷恩――すきだよ。 [繰り返される言葉は脳に刷り込まれ、 他の言葉を追い出してしまう。 それでいい。 捏造、上書き、洗脳だって、 2人が納得するならそれが「正解」で「唯一の道」だ。] (*13) 2024/05/15(Wed) 22:47:21 |
【赤】 会社員 雷恩[触っていない刹那にルミの裡で起きていた現象は 指を埋めてみなければ暴くことはできない。 それを確かめるよりも先に新たな快楽を与えたいと願った。] なにって、まさか初めて触られる訳じゃないだろ? [セックスでクリトリスを触らない男なんて存在するのか。 それとも、これまではそこは快を産む場所として 目覚めていなかったのか。] ちゃんと濡れてるから、擦っても痛くないと 思うけど……強過ぎたら怒って。 [機能不全ではないことは、膨らんだ秘芽の堅さで知れる。 指で挟める程に育ったら、扱くように指を前後させて。 小指で秘唇を撫でては水分を追加してより強く擦った。] (*14) 2024/05/15(Wed) 22:47:53 |
【赤】 会社員 雷恩可愛い。ルミ。 ……感じてんの、すげーかわいい。 そのまま俺だけが見れる顔してて。 [小指でつつく感じ、随分とぬかるんできた気配がある。 小指では届かない箇所の蜜を探りに、秘芽への刺激を 一旦休んで人差指をそっと差し込んだ。 抵抗が柔いようならば中指も纏めていれて、 内壁を馴らしていく。*] (*15) 2024/05/15(Wed) 22:49:13 |
【赤】 従業員 ルミ[ 録音を着信に設定するのはいわば合法である。 非合法の中でいかに彼へ自分を刻むか──という 最悪の思考ならばいくらでも巡らせられるが、 " 相手に許される "ことが前提の行為の発想はない。 深く考える前に、移ろう話題へ意識を向けた。 うん、と嬉しそうに微笑んでひとつ頷く。 ] 写真撮りたいな、お兄さんと。いっぱい。 ……うれしい。 仕事以外で写真なんか撮らないし。 昔のやつは……残ってればそりゃ嬉しいけど。 でも、なくてもいいよ 目に見える過去があったら、 今を見失っちゃうかもしれないから。 [ 戻れない過去の幻覚を見ることが、 常に幸福を運ぶとは限らない。 ] (*16) 2024/05/15(Wed) 23:45:52 |
【赤】 従業員 ルミ[ " あたりまえ "の基準がそれぞれ違うように、 なにもかもが揃いの人間などいない。 なにもかもが人と違うように出来ているのに、 ひとりで生きていけないのは、どうして。 キスすらも音のない言葉として交わせる。 人は、言葉を声にして伝え合う方が出来るのに 唇を重ねて、声を奪って、愛にする。 ────ひとりでは気付けないことばかりだ。 ] 勝つ? ……昔のお兄さんも、今のお兄さんの一部でしょ? [ 複雑そうな色を浮かべた顔を見て、首を傾ぐが。 昔は無かった喉仏へ触れさせられると、 その差に気付いて、視線を彷徨わせた。 ] (*17) 2024/05/15(Wed) 23:45:58 |
【赤】 従業員 ルミ[ 記憶の中で笑う少年は大人になった。 恋も愛も、惚れた腫れたも分からない幼さから 性の匂いを纏う男性の色を纏って。 ] …………む。 へこんでるお兄さん見たかったな。 [ 上達しておくか、天性の才でもあれば良かったか。 ここで「下手で良かった」と思う健気さより、 彼の傷を抉ることを選ぶ狡猾さを覗かせて。 愛のないセックスに所有痕など縁遠いのだから どのみち無理な話ではあっただろうが。 しかし当てつけのように過去を匂わせたい訳でもない。 互いを初めてに位置づけ続けられれば、 他害も自責もいずれ落ち着いていけるだろう。 ] (*18) 2024/05/15(Wed) 23:46:03 |
【赤】 従業員 ルミ[ きっとこれは健全な形とは程遠い。 けれど、おとぎ話だってそうではないのか。 この人しかいないと思い込むような鮮烈な出会い。 助けてくれた狩人や小人ではなく、 一目ぼれした死体に口付けた王子様。 しかし物語では取りざたされることはない。 だって、ふたりが納得して手を取ったから。 そこに必要なのは世界の総意などではなく、 王子と姫の二人の意思なのだ。 ] ────わたしはねえ、愛してるよ お兄さんのこと。 [ ずっとずっと──" わたし "になった時から。 公園でひとりで息をしてたわたしはもういない。 目を焼くような眩しい雷を見た時に 今のわたしはうまれたの。 ] (*19) 2024/05/15(Wed) 23:46:07 |
【赤】 従業員 ルミ[ ふる、とセパレートした睫毛を震わせる。 大人になったふたりにしか交わせない愛を紡いだなら、 もうそこに児戯の拙さは残っていない。 ] ……ん、んん、……いなかった、よ 今までは、本当にただ、挿れるだけというか。 慣らそうとしてきたひとはいたけど 反応ないから、すぐ飽きてやめてたし…… [ 自分はただ天井を見ているだけの時間だった。 今思えば演技でもしてやれば良かったのだろうが、 そこまでセックスに対する熱意はなかった。 したいって言ってるのを拒否してないから良いでしょ、と 事後に言い争った記憶もある。 さすがにそんなことまでベラベラと話さないが。 ] (*20) 2024/05/15(Wed) 23:46:13 |
【赤】 従業員 ルミだ、だから、……ぁの すきにしていいよ、ほんとに…… [ もう十分" きもちいい "の感覚は味わっている。 丁寧なセックスにどうすればいいか分からなくて、 本当にまだ挿れなくていいの? と 伺うように彼の顔を見たけれど。 ] ────? うん……、 [ 擦っても痛くないとおもう。濡れてる。 ワードを繋げ、勝手に今からの行為を予想し、 分かったと頷いて。 ] (*21) 2024/05/15(Wed) 23:46:21 |
【赤】 従業員 ルミ────ッひぁ、あ、ンぅ……っ …ふ、ぁ 、ッん、んん〜〜……っ! [ 言葉は意味を持たない音になって零れ落ちる。 目の奥が弾けるような刺激が奔り、 髪を振り乱しては彼の首へ縋りついた。 いたい、ほうが、まだマシかもしれない。 いっそ怒るくらい身勝手に強くしてくれたら、 頭がぐちゃぐちゃになることもなかったのに。 ] ぁふ、ゃ、ん……あ、ぁ……っ [ こぷりと下腹部から何かが溢れる感覚があって。 熱い腹部も、跳ねる身体も。 言うことを聞かない理性ごと溶けてしまいそうだ。 ] (*22) 2024/05/15(Wed) 23:46:25 |
【赤】 従業員 ルミ──すき、おにぃさ、……すき……っ [ ぬかるんだ膣内に彼の指が入ってくる。 きゅう、と締め付けて、奥へ迎え入れるように 媚肉が蠢き収縮を繰り返した。 まともな文章を紡げないかわり、 彼を抱き締めながら好きだと幾度も囁いた。 快楽でどんなに訳が分からなくなったって、 あなたのことだけは分かるから。** ] (*23) 2024/05/15(Wed) 23:49:42 |
【赤】 会社員 雷恩[自分の与り知らぬところで撮られたり録られたりするよりも きちんとピントのあった、ノイズのない純度の高い 「公式」を持たれる方が健康な行為だと思っていたが、 ルミの反応を見る限り、公式よりも非公式に燃える タイプなのかもしれない。 分かり合うにはまだまだ時間と言葉が必要そうだ。] (*24) 2024/05/16(Thu) 11:38:07 |
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