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【人】 薬屋 テレベルム[白い砂の海の上。 日の沈む水平線を隣り合って遠目に眺めて、 そっと、彼女の腰を引き寄せる。 感謝の言葉はきっと、彼女と己の唇の狭間に溶けた。**] (328) 2021/12/17(Fri) 23:28:24 |
【人】 行商人見習い ポルクス この世に金で買えぬものの1つには、 人の心があるというけれど。 なれば心で何が買えようか? なれば金で何が買えようか。 (329) 2021/12/17(Fri) 23:30:30 |
【人】 行商人見習い ポルクス― 後日談:とある行商人は... ― [その時、弟子は他の商品の仕入れに行っており、 王都の貴族とも繋がりのある行商人は この街の大店の息子としてではなく、 弟子の”良い人”と時間を割いて話すことを決めた 弟子が両性なのは、親御さんから預かるときに聞いていた それでも、選ぶとしたら女性だとばかり思っていたので 多少驚いたことは否めない。 少しばかり考え、問いかけを1つ。 それは弟子にも与えたものであった。] (330) 2021/12/17(Fri) 23:30:37 |
【人】 行商人見習い ポルクス[正解は? ――青年の答えを聞いて、行商人は大笑いした] ははは、青い、青いなぁ。 いや、すまないね笑ってしまって。 うちの弟子にもこれを問いかけたことがあるんだ。 ――ポルクスには伝えていないが。 この問いに正解はあって、ないんだよ。 それを自分の中でどういう答えにするか。 それを信念として持てるか。 俺が求めていたのは、それなんだ。 [ひとしきり笑った、商人は。眦の涙を指で拭いて] (331) 2021/12/17(Fri) 23:30:52 |
【人】 行商人見習い ポルクス とはいえ、あって、ない。もののなかでも、 俺の答えはこう、さなぁ。 心で買えるものの1つが、人との絆だよ。 行商人なんだ。売り手と買い手、一期一会でも また会うことがあっても そこに嘘や虚構を混ぜては、いけない。 誠実にあれ。でもそれだけじゃあつかれる。 自分の弱さを見せられる相手、 自分がともに生きて支えたいと思う相手 それらを得て尚、人と繋がる強さを持つ そういうものを買えるのが、俺は心と思っているんだ。 馬鹿で不器用なうちの弟子を、宜しく頼む。 お前さんがいるなら。もうあいつも一人前だなぁ。 [そういって、商人はまた、大笑いしたんだとか。**] (332) 2021/12/17(Fri) 23:31:34 |
【人】 薬屋 テレベルム……? ??? …これは、一体…、シュワシュワしてる…。 [暫く店を休んで何処かに行っていたらしい話など、 話題は尽きる事も無いだろうけれど。 男はワインらしいがワインらしかぬ酒に興味津々だ。 豆で練らてたハンバーグを前にしたら 不安と恐怖の入り混じった警戒心を視線に籠めもするが その製法を聞けば恐る恐る口に運び、 おいしい、と素直な感想も零す筈。] (335) 2021/12/18(Sat) 0:10:48 |
【人】 薬屋 テレベルム[まるで、幸いを形にしたかのような女二人の戯れを 酒の肴にすれば、自然と幸せな笑みが溢れた。 男には元来、馴染みの友というものがいないから 平穏な彼女たちの交友は心が温まるものがある。 花が咲く話に口を挟むはほんの少しで満足してしまう。 雪が降り始める気配を窓の外に感じるも―― もう、以前までのようには、寂しくない。 魔術師の家は春爛漫の気配に包まれている**] (336) 2021/12/18(Sat) 0:10:57 |
【人】 薬屋 テレベルム――ラヴァンドラ。 [二人だけの世界以外でも、手をつなぐ事に慣れてしまう程。 いくつもの月を、年を越えたけれども。 彼女の手を、今は握る目的では無くて。 己の掌の上に預かる目的で。 …それから、その細く柔らかな薬指に 白い雪の結晶のように輝いた、 真珠の指輪を差し入れる目的で――…、 ] (338) 2021/12/18(Sat) 0:24:55 |
【人】 薬屋 テレベルム[羽織っていた白いローブを はさり――…、と下ろし。 彼女の頭部から掛けるようにして。 人魚の集落での『縁組』を真似たものだが この街の教会でも、似た姿は拝めるだろう。 幸せを歩みだした女は皆、 喪服にも似た黒いローブではなく、 こうして ――白いヴェールを纏う。] (339) 2021/12/18(Sat) 0:25:54 |
【人】 行商人見習い ポルクス― 季節は巡って ― [キエとシトゥラを誘って、パパのお話聞きに行く!と 我が家の娘2人は、『星集め サダル』の子供さんらと一緒に 噴水広場に向かったらしい。 おっとりと未だ腕の中で眠っている末娘を抱っこして 久しぶりに行商人の格好をしようとして ……む、胸と尻がきつい。と断念した俺は、 何時ものゆったりしたワンピースと、 貝紅により唇を朱に彩って、娘らに遅れて噴水広場へ足を向けた。 さくり、さくりと音が鳴る。降り積もる雪が 靴に踏まれた音。新雪ではなく、踏み固められたものが 氷となってならされるもの。 あちこちに飾られた電灯は、どうやら出資者がいるのだとか。] (341) 2021/12/18(Sat) 0:34:02 |
【人】 行商人見習い ポルクス[息は白く。祭りの喧騒賑やかな中。 話を聞きに来た子供らを膝に乗せ 唄うように、話をしている君がいた。 お店の休憩時間、こうして話をしている貴方がいる この景色は、自分にはとても輝いて見えているのだ。 ああ、いつも通りにお代は ゲイザーのパイでいい、なんて言ってる。 今日はどんな話を、したのかしら?] (342) 2021/12/18(Sat) 0:34:49 |
【人】 行商人見習い ポルクス ―― 今日はどんなお話? もしも終わってないのなら 旦那様 続きをお語りくださいな。吟遊詩人殿? [そぅっと後ろから近づいて声をかけ もし、こっちを振り向いたら? ――きっときらきら、美しいものを刻むその唇に 朱色を移して、微笑むのでしょう**] (343) 2021/12/18(Sat) 0:35:11 |
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