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【人】 魔術師 ラヴァンドラ『 あんたが他者に与えられるほど魔力を持っていなければ 俺は死んでいた生き物だ。 』>>2:-87 ………… …… けれど、魔術師らしからぬ私を あんなに疎んでいた私自身を 肯定してくれた、彼の言葉が頭を過った。 (73) 2021/12/15(Wed) 10:31:29 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ―――― ふ、と息を吐く。 「 でも、ひとつだけ …… 高位魔術師の私にしか解けない方法でなら 貴方を、助けられるかもしれない 」 指先が俄かに冷たくなって、 女は立ち上がり、手近な箱の中へ入れておいた 空っぽの魔石を取り出した。 ―――― あまりにも魔力が増えてしまった時は ここへ魔力を注ぎ、体内の魔力を調整するのだ。 魔力が毒である彼女を、この方法で救うには この魔石に全てを注いで ―― (74) 2021/12/15(Wed) 10:31:41 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ「 その恨みと憎しみ、全部ひっくるめて ―――― 貴女の呪いを私が貰う。 」 魔術には魔術を、 ―― より強い魔術師だけが用いる諸刃の剣。 全てを女の体内で消し去ってしまう =B 選ぶか選ばないか、 それとも体の限界まで解呪方法を探すことを望むのか。 ………… 女は無言で彼女を見詰めた。* (75) 2021/12/15(Wed) 10:32:59 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ誰とも違っている垂れた兎の耳も、 誰かを傷付けることが容易な魔力の量も ―― 負った傷や消したいと希った過去は捨てられないけれど 彼がその全てを愛してくれるのなら、きっと …… 自分で自分を許してやれるような気がして。 きっと彼のように甘やかな愛し方も 陽だまりめいた言葉も、まだ分からない。 けれどこの先の道で彼が笑えるのなら 寒さに震えることが無いように、 ―――― … 抱き締めることは、きっと。 (*54) 2021/12/15(Wed) 12:22:49 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラこれ以上甘やかされては、本当に駄目になってしまう。 だから女は、裏街を歩くのを窘める優しさも 彼から手向けられる甘やかさ以上の過保護を投げたのだ。 ―― いつか失うことを恐れて、 その未来が訪っても、ひとりで生きていけるように。 「 ひゃぅ……っ! ゃ、たべないでってば……っ 」 彼を蹴ってしまわないように注意していたのに、 指先を甘噛みされるくすぐったさへ、肩が跳ねる。 脚へ施される愛撫は柔らかな捕食行為のようで すっかり余裕を失った兎は、最早言葉のみの抵抗を。 (*55) 2021/12/15(Wed) 12:22:53 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ強請るように食んだ指先を、そっと解放し …… どう受け取って貰っても構わない、と 女は甘えを声音に乗せ、それから。 「 ぁ、……う…… 」 かわいい、という言葉にさえ喜んでしまう心と体が 何故だかひどくどうしようもなくて。 焦らしているのかと錯覚する程、緩やかに下着を降ろされ 触れられてもいないのに 女の下腹部はやはり甘く疼いて、蜜を滴らせる。 (*56) 2021/12/15(Wed) 12:23:14 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ「 ――――― ッ、ゃ ひぁ、あん……っ! 」 耳を塞ぎたいような水音がいやに響いて、 とうに蕩けきった膣口へ、彼が舌先を潜り込ませれば 女は理性の焼き切れたような甘い声を上げた。 なんでも好きにしていい、と言ったけれど ―――― … 綺麗な生き物であるはずの彼が。 この世界から守って来た彼が、女の欲を暴いているのを見れば 何故だか逃げ出したいような気持ちにもなってしまって。 (*57) 2021/12/15(Wed) 12:23:18 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラそれなのに、彼の舌が膣口を舐るように動き 指先までもが敏感な陰核へ触れてしまえば、もう。 食べられるばかりの兎は、 快楽に思考も理性も溶かしていく他ないのだけれど。 「 ンぅ……っ、ふぁ、あ んん……! っや、さわるの、やぁ……っ 」 乱れる姿を見せたくなかったはずなのに、 ―― 幻滅されるのではないか、なんて不安ごと そんな気持ちは、快楽と共にどこかへ行ってしまって。 すきにしていいと甘えたのと同じ口で 女はやはり、自分を責め立てる彼へ強請るのだ。 (*58) 2021/12/15(Wed) 12:23:22 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ「 も、きちゃう、……イっちゃうからぁっ きもちいいとこ さわるの、とめて……ッ! 」 散々甘やかしてきてくれた彼ならば、 ―― ご褒美をくれるとさえ言ったのだから。 きっと、快楽に震える兎ひとりの願いを 聞いてくれると思って。* (*59) 2021/12/15(Wed) 12:24:25 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ―――― 夕刻/自宅 ―――― 幼気な少女の落ち込んだ声音は、存外心を刺した。>>89 気丈に振る舞うその様を見れば見る程、 女はなにが正解なのか理解らなくなってしまう。 現実を突き付けないのが正しかったのか? 優しい偽りに触れさせれば良かったのか。 ―― けれど女は、やさしい嘘なんて識らない。 怖い夢を見たの、と泣く子どもにも 道に迷ったの、と哭く子どもさえ 涙を止める方法一つも知らない。 (101) 2021/12/15(Wed) 20:32:51 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ「 …… ………… 別に、何にもならないよ。 魔術師だもの ―― 呪われることには、慣れてるし 」 箱入りの少女はきっと知らぬことだろうが、 魔術師というものは敵の多い生業なのだ。 実際に彼女のような呪いを掛けられたことはないけれど そう言った方が、肩の荷も下りるものだろう。 真実ではないけれど 虚偽でもない。 躱すように言葉を紡ぎながら、女はちらと視線を彷徨わせ 知り合いらしき会話を交えていた人魚を探した。 穏やかでは無いこのやり取りは、 出来れば彼には聞かせたくないものだから。 (102) 2021/12/15(Wed) 20:32:55 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ「 …… 例えこの方法で私が傷付いても、 それは貴方のせいじゃない。 安心してよ、――――私、強いから 」 魔力の一切を無くした状態で呪いを取り込めば、 流石に女とて血くらいは吐くかもしれないが。 心配性の人魚に幾度も返したのと同じ言葉で 女は安心させるように微笑んだ。 「 私の心配より、 自分のことだけ考えた方が良いと思うな? 」 そうして、彼女の両頬へ ――やわく手を添わせ。 (104) 2021/12/15(Wed) 20:33:10 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ誰かになにかを求めたことは殆ど無くて、 ―― けれど、彼だけは 彼の全てが欲しいのだ、と 訴える心のまま、兎は甘えた言葉を零す。 とめて、と紡いだ反応は生娘さながらだというのに 蜜口からは絶え間なく愛液が滴り落ち 彼の舌をもっと奥へ迎え入れようと媚肉が動く様は 淫らに蕩け切った女の貌で。 「 ッひぁ、あ、ンぅ……っ 」 膣の奥を泳いでいた舌が抜き去られる感覚に 腰を甘く震わせ、瞳を潤ませた。 (*75) 2021/12/15(Wed) 22:40:00 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラきゅぅ、と収縮を繰り返す媚肉は はしたなくこの続きを強請るよう。 ―――― 熱を帯びた吐息を零した女が彼の方を見遣れば、 引いた糸が彼の顎までも濡らしているのを捉えてしまい 元々赤かった頬は、林檎のように真っ赤に染まって。 「 だ、って……こんな、すぐイっちゃうの はずかし、 」 少し前までは、男と女の気配さえ無かったのに。 …… それが人魚の賢明な努力の結果であるとはいえ 自分の淫らさが露わになってしまうみたいで。 ―――― 彼に、全部を剥がれていく、ようで … (*76) 2021/12/15(Wed) 22:40:04 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ「 んにゃ、ぁっ!? 」 意識をすこし余所へやっていたせいか、 膣へ指が差し入れられる感覚へ身体を跳ねさせ 同時に猫のような鳴声があふれてしまう。 「 ―――――― ッふ、ぁ…… ずる、ぃ……っ 」 落ち着くまで待ってくれると思ったのに。 理性もなにもかも捨てて、彼だけを求めるような 浅ましい姿を晒さないでいたかったのに。 ―――― そんな風に甘やかされては>>-353 何を言う気も、すっかり奪われてしまって。 (*77) 2021/12/15(Wed) 22:40:14 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ彼が眸だけで微笑ったのは気付いていたけれど これなら良いのかと言いたげな微笑への 咎める言葉も態度も、シーツの海へ沈めてしまおう。 「 や、ぁン、ふぁ ああ……っ! 」 繋いだままの手をぎゅうと握り締め、 与えられる快楽を受け入れる顔は甘やかに蕩けて。 ―――― ふわ、と身体が浮くような、 背筋にぞくりと痺れが奔るような感覚に襲われれば 快楽を逃すように頭を微かに振ろう。 (*78) 2021/12/15(Wed) 22:40:18 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ彼の指先が女のざらついた天井を撫でた瞬間に、 ぱち ―― と視界には光が飛んだ。 制止を掛ける言葉の余裕さえ奪うように 陰核を舌で嬲られ、弱いところを擦られては 限界を教えるように、彼の指を媚肉がきゅうと締め付ける。 「 んゃ、あ、ッひぅ う……っ! 〜〜〜〜〜っっっ!! 」 ――――― びくん、と一際大きく身体が跳ね、 それから女はくたりとシーツに身を投げ出した。 (*79) 2021/12/15(Wed) 22:40:22 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ「 ……っは、ぁう……ん…… 」 きゅん、と疼き続ける腹の奥がいっそ痛い程で。 膣内にいる彼の指を最奥へ誘おうとするように 達したばかりの媚肉はきゅうと収縮を繰り返す。 ………… 思考がぼやけて、 彼のことしか考えられなくなってしまう。 はふ、と欲の色に彩られた吐息を零した女は 力の抜けた足を必死に動かし、 膨らんでいる彼の欲を、す … となぞった。 (*80) 2021/12/15(Wed) 22:40:30 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ―――― 綺麗だ、と呟く声がやわく降り注いだ。>>*88 これが閨での世辞ならば女とて受け入れただろうが、 この人魚はきっと建前や嘘などではなく 恐らく本当に女へそう思っていると、理解ってしまって。 「 …… っ… 」 快楽という甘い毒に浸された思考も喉も、 じゃれるように言葉で噛み付く余裕さえ失われ。 代わりにむずがる幼子めいた仕草で緩慢に頭を振り、 意趣返しのように、彼の昂ぶりを足で撫ぜる。 ―― これ以上愛撫だけで達してしまうと、 いよいよ最後の理性まで焼き切れてしまいそうだから。 (*94) 2021/12/16(Thu) 12:02:36 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ「 ―― だ、って きもちよくて、しんじゃいそう…… 」 常は凪いだ海のように穏やかな瞳が丸く開かれ、 困ったように苦く笑う彼の顔を見捉えれば 兎はどこまでも甘えた弱音を吐き零した。 全てを蕩かされても、良いのだけれど。 好きな人との初めてを碌に覚えていない、というのは 惜しいものだと女は思うから。 ―――― おねがい、きいて? と 欲を煽るように目の前の彼へ微笑んで。 (*95) 2021/12/16(Thu) 12:02:40 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラそう、だから ―― 女はてっきり、すぐに彼の熱が入ってくるものだと そんな風に思っていたのだけれど。 「 ン、……んぅ……っ 」 未だに絶頂の余韻が抜けない子宮を甘やかすように 彼の掌が柔く下腹部を撫でるのなら。 身体を微かに跳ねさせ、掠れた喘ぎ声を零しながら きゅう、と足の指先でシーツを寄せた。 彼はただ、落ち着かせてやろうと思ったのかもしれないが。 どこを彼に触られても快楽を拾ってしまう今では、 寧ろ中途半端に熱を燻られるようで、――……。 (*96) 2021/12/16(Thu) 12:02:43 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ―――― … 涙に濡れた睫毛を瞬かせる。 あの日ここを出て行った後姿も、 この家で共に過ごしていた間も、 彼はまるで欲を感じさせない素振りで過ごしていたから。 人魚とは斯くも綺麗で、欲とは無縁の生き物で。 ―― だから、一片の曇りも無く妹へ会わせてやりたい。 彼の本当の使命を知らなかった女は、確かにそう思っていた。 私なら、貴方を置いて何処にも行かないのに ――――― そんな羨望も。 (*97) 2021/12/16(Thu) 12:02:45 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラけれども、それは女のお気楽な勘違いで 手を出そうとする様子が無いのなら良いか、と 薄い部屋着で部屋を歩き、自室へ平然と招き入れたのは …… もしかすれば中々に手酷い仕打ちだったかもしれず。 「 ふぁ、っぁ……ン、ぅ、 」 彼の熱が秘部を焦らすように摺り寄せられれば、 何度目かも分からない、蜂蜜めいて甘い声を零し。 混ざり合った互いの欲の証が、はしたない水音を立て 鼓膜を震わせるのに ―― 耳が揺れた。 (*98) 2021/12/16(Thu) 12:02:49 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ「 ――――― ッひぁ、……ふ、ぁぁ……っ! 」 薄い腹の中に、火傷してしまいそうな熱が入ってくるのを 女は自分を組み敷く男の手を握りながら受け入れた。 一息に、欲のまま媚肉を暴いても自分は許すのに どこまでも自分を優先しようとする、その甘やかしが 行き場のない熱と喜びを生むのだから、 己も大概どうしようもない生き物なのかもしれない。 「 っひゃ、ぁん……ッ! 」 背中に彼の腕が回され、女の身体が掻き抱かれれば 中を埋めていた熱杭がその弾みで とん、といたずらに奥を突くのに、涙を流し。 (*99) 2021/12/16(Thu) 12:02:52 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ重なった唇がすぐに離れてしまったのを、 少しばかり寂しい気持ちで見送り。 覗き込んでくる美しいばかりの海色へ、頬を緩めた。 「 ……ん、…… だい、じょうぶ……。 ――――― ふふ、 テレベルムのぜんぶ、もらっちゃった…… 」 空いている手で、熱を呑み込んだ己の腹へ触れる。 僅かにぽこりと、彼の形をなぞるように膨らんだ腹を ふにゃりと緩んだ頬のまま、半ば無意識に撫ぜて。 (*100) 2021/12/16(Thu) 12:02:55 |
【赤】 魔術師 ラヴァンドラ「 うごいて、いいよ……? がまん、するの ………… つらいでしょ……? 」 ね、と悪戯をするように ―― 或いは欲を煽るように。 彼の首筋へくちびるを寄せ、 そのまま甘いチョコレートブラウンの肌へ ちいさな独占欲の証を咲かせた兎は。 全てを受け入れるあまやかな顔で、微笑んだ。* (*101) 2021/12/16(Thu) 12:04:17 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ魔術師は、少女の吐露を静かに聴いていた。 言葉を挟めば消えてしまう気がして どんな慰めも傷付けるのではと恐れて。 虚 偽 欺瞞 絶望 喪失後悔 切望 諦観 渇望 綯い交ぜの感情は嵐に荒れる海さながらで 少女が溺れてしまわぬか、些か不安だが。 ―――― けれど女の心配を横目に 雛鳥は、きちんとその言葉を、口にした。 (162) 2021/12/16(Thu) 13:44:20 |
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