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【赤】 ルビーの花 アルレシャまず、体は仰向けに台の上に横たえられた。首に輪を嵌めずり落ちないようにしているが、シリコンを噛んで傷が出来ないようには配慮されている。 腕はやはり透明の覆いのつけられた箱の中へと入れられた。腕の下にはクッションがあって、力を抜いても壁に当たらない。 ただ、腕のすぐ横に何か……モーター式で駆動する、鋸刃のような大掛かりな器具が横たわっている。 それは腕よりも太く、差し詰めカートゥーンのドリルにも似た、でも全く違う……有刺鉄線のようにとげとげした何か。 足元には何かのペダルがあった。数は三つ。透明のアクリル玉覆われているが、膝下を全て入れないとならず、しかと膝が天井に引っかかって足を抜きにくい。 ペダルにはラベルが張られている。客席にもナフにも見えるように表裏にしっかりと。 そこにはこう書かれている。『200万ドル』『5000ドル』『4.65セント』。 ところで、貴方が暗殺を請け負った報酬というのはどんなものだっただろう? 実費に換算し、経費を差し引いて、感情的な値を差し引いて。 貴方の命の価値はいくらだった? 「ナフ、選択肢は三つ。あのペダルを踏んで解答するのよ。 ペダルを踏むと軽い電流が流れます。痛めつけるためではありません。ペダルから簡単に足を離さないようにするためです。 チョンっと踏んですぐに引き上げてはつまらないし、賭けにもならないでしょう? 貴方が己の価値を考えるの。正答はひとつだけ。命の価値はいくらでしょう、貴方の命の価値はいくらでしょう?」 動揺も冷めやらないだろうに、女はそっと囁くとすぐに客席の方を向いた。パチパチと拍手が二人を迎える。 スポットライトとカメラは正しくナフの方を向いて、貴方が主役であることを指すように惜しみなく飾った。 「皆様、固唾を呑んでお見守りください、じっとですよ……彼が怯えてしまわないように。 命の価値は、 命の価値は、 命の価値はーー」 (*11) 2021/07/08(Thu) 10:23:58 |
底知れぬ ニアは、メモを貼った。 (a24) 2021/07/08(Thu) 10:52:04 |
ハマルは、7 肉体or精神年齢が変わる薬 を賭けました。 (a25) 2021/07/08(Thu) 10:57:39 |
【赤】 ルビーの花 アルレシャ「命の価値は、5000ドル!」 笑い声がオーケストラの演奏を掻き消すようにこだまする。 ぴり、と電流が走るものの、細い針を刺したような鋭い痛みはあれど心臓を蝕むほどではないだろう。 けれども確かに足の動きは縫い止められるように硬直して、ペダルから足を離すまでには時間がかかる。 その、一呼吸深く肺に酸素を入れるように時間。たったそれだけの時間。 ギャルルルルルルルル! 凄まじい轟音を立ててモーターが回転した。 左腕を捕捉している回転鋸はまず最初に肌に棘を引っ掛けて、シーツを巻き取るかのように皮膚を引き剥がした。 真っ赤な肉が露出して、思い出したかのように遅れて鮮血が噴き出す。容器の中に血は溜まることなく、繋がれたチューブから台の下のケースに流れていった。 回転鋸は止まらずに肉を轢き潰し、フォークで何度もステーキを引っ掻くように細い粗挽きを作り出した。 端々に見える白い芯は骨だろうか? 辛うじて当たらないものの、身動ぎをして暴れたならばそれも同じように巻き込まれるのだと言うのは想像に難くない。 少年の腕は側面の半分の肉をごっそりと抉り取られ、もはや自分の意思で動かすのもむずかしいほど原型を無くしてしまった。 「おや、これはこれは。どうやら間違えてしまったようですね? 選んだのは中間。思い切りのなさが不安を生んでしまったのかもしれない、悲しいことです……。 さあ、ショウはまだ終わっていませんよ。ナフ、さあ、選び取りなさい。 貴方の命の価値は?」 (*12) 2021/07/08(Thu) 11:49:51 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル今日の朝食。昨日の思い出。明日の予定。 誰も彼もが朗らかに語るあたたかな日常の話。けれど、そんなもの赤の他人にとっては全てノイズでしかない。 様々な話題で溢れかえる賑わいの中を、黒い人影が縫うように突き進んでいく。四肢を包むダークスーツ。飾り気のない装いの中で、パステルグリーンの十字の髪留めが浮いている。 今日はもうディーラーの制服を脱いでいる。再び袖を通すことはない。 「……」 歓声をあげる賓客たち。空間を彩る合奏。ひっきりなしに行われる拍手喝采。 女は通信機から聞こえる饗宴の様子をBGMに、乗船客の中へと紛れ込んでいった。 /* 五日目冒頭に記載し忘れましたが、もしサダルと話したい方がいらっしゃいましたらご自由にどうぞ。口プロでもビンタするでも背中から刺すでもお応えします。置きレスでかなり低速なのはご容赦を。 (23) 2021/07/08(Thu) 12:08:45 |
サダルは、エンヴィーは、奔って降りた舞台の様子を聞いて口元を歪めて嗤っている。 (a26) 2021/07/08(Thu) 12:16:02 |
【赤】 ルビーの花 アルレシャ少年は悲鳴をあげ、血飛沫は容器の口から少年の顔へ、胴体へも血を飛ばす。そばで補佐する女も例外ではない。 真っ赤な衣装に更なる絢を重ねながら、少年がよく見えるように顔の血を拭ってやった。美しい顔を皆に見てもらえるように。 少年の勇気を讃えでもするかのように、客席からは拍手喝采が上がる。見世物としてはとても喜ばれているらしい。 一度の痛みを与えられても、ショウは平然と、終わらない。 「命の価値は4.65セント! さあ果たして彼の選択は……おや!」 まるで道端に美しい花でも見つけたかのように声を上げる。それはすぐにやはり、モーター音にかき消された。 高速で回転する刃が少年の残った腕を引き裂いたのだ。 刃には糸のように細い血管や神経が絡み、カツカツと引っかかる音を立てながらそれでも止まらずに奔らせる。 チチ、と火花でも散らすように鳴っているのは、肩まで繋がる組織を巻き取って引きちぎる音だ。 電流に呼び止められた脚がようやくペダルから離れる頃には、両腕は揃いの傷を抱えていた。 「さあ、残るペダルは後一つ。 皆様はどう見受けましょう、これにも仕掛けがあるのかどうか? いいえ、神は彼を見放さず天上へと迎え入れてくれるでしょうか。 拍手でお見送りくださいませ、彼の勇気ある第一歩を! 命の価値は━━」 最後のペダルは、『200万』。それは彼の命の価値に、見合っているだろうか? (*13) 2021/07/08(Thu) 12:42:39 |
妄想癖 キエは、メモを貼った。 (a27) 2021/07/08(Thu) 13:25:08 |
妄想癖 キエは、メモを貼った。 (a28) 2021/07/08(Thu) 13:29:16 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>24 ニア 「おや、ニア様。ごきげんよう。お察しの通り私も今日はお休みなんです。 ニア様は本日もお変わりなく、そしてゲイザーさんも変わらず美味しいパイを焼いているようで何よりです」 にこやかに返す。仮面を暴こうとしない限り、女は実行犯としての素顔を晒さない。 「ええ、構いませんよ。これから暑くなるこの時期アイスがとても美味しく感じられますものね。私もご一緒します。 ……ふふ、大丈夫。ちっとも駄目なんかじゃありませんとも」 快く頷いた。 女は連絡を入れた者たちがどういう動きを見せるのか、わざわざディーラーの仕事も休んで時間を作った。 "噂"に関して動いても動かなくても、どちらであっても本当に構わない。ただ、彼らは名前も知らない有象無象沢山の乗客がいる中でも特に、運が悪ければ公開抽選で引きずり落とされていたかも知れない人たちだ。 どういう者なのか興味があった。人を羨む"嫉妬"の女は、人を見る事が好きだった。 (27) 2021/07/08(Thu) 13:32:42 |
【赤】 ルビーの花 アルレシャ最後のペダルが踏まれたならば、踏む勇気があったならば。 パン、パン! と甲高い破裂音が鳴り響くことだろう。 それはチープなクラッカーだった。祝祭の始まりのような音が鳴り響くと、両側から従業員が進み出る。 「命の価値は……200万ドル! これこそがみなさまが此度の演目に投票し積み上げた金額になります。法外とお思いでしょうか、いいえみなさまの愛あればこそ! 良かったわね、ナフ。彼らはみな貴方のファンなの。戻ってくるのを待っていたのよ。 おめでとう、貴方の価値は200万ドル。貴方は皆に選ばれたのよ……」 賓客に、少年に。それぞれにポジティブな言葉を投げかける。 客席の中には貴方を見てうっとりと頰を染める貴婦人があれば、熱烈な愛の言葉を叫びかける紳士もあった。 貴方は求められているのだ。貴方が求められているのだ。 貴方に払われた価値は200万ドル。貴方の大切なものを守るのに、不足することはないだろう。 貴方自身は守れないけれど。 「"前座"はこれまで。いよいよナフには極上の踊りを踊っていただきましょう。 その為にも、彼が寵愛に満たされるさまを、ご覧くださいな」 血に塗れた台は斜めに傾けられ、体のよく見えやすいように。今度はうつ伏せに転がされ、顔は客席の方に向いた。 ペダルは運ばれていき、両腕の器具は取り外される。すぐさま傷口は清潔な布に包まれ、みるみる赤く染まった。 きつく肩口は縛り付けられて、パフォーマンス以上の出血がないように施される。当然だ。殺す意味などない。 かれの命には価値があり、値打ちがつけられ、金を生むのだ。 必要なだけの輸血も施され、命を失わず、気を失わないようにしっかりとケアがされていく。 ならば、なぜまだ、見世物台の上に? 「刮目ください、彼の美しい顔を、身体を。彼に称賛を。 これよりみなさまに、『エンジェル』の誕生をお見せいたします」 (*14) 2021/07/08(Thu) 13:33:35 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>28 そうでしたねニア様 一瞬薬を盛られているのではないかと疑ったが、公の場であまり疑うのも印象が悪い。 女はカトラリーを持ってパイを一口食べようとし…… 「…………あ、あのー、ニア様? ところでこれ、なんて名前のパイでしたか?ゲイザーさんはなんて?」 ちょっと思い出した。 パイを食べてアチチになり自室で服を脱ぐ羽目になった事を。 ゲイザーから忠告を受けていたのでバーナード脱衣事件の二の舞は防げたが、今回は何も聞いていない。 恐る恐る、問いかける。 (29) 2021/07/08(Thu) 13:53:02 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>30 ニア 「ゲイザーさん?ううん……私はパンダというより、人懐っこい中型犬にも見えますが……。 ……それはさておき。 皆さんが食べていらっしゃったのなら……まあ……」 おずおずとスペシャルアニマルパイを口に運ぶ。 不思議な効果にはドキドキするが、新人クルーの腕は本物だと知っているからだ。 結果は…… (2)1d3時間の間、百足animalのの特徴を手に入れた。 (31) 2021/07/08(Thu) 14:25:29 |
サダルは、うわあああああ!!!!!!!!!!! (a29) 2021/07/08(Thu) 14:25:43 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>31 ニア 「ニッ、ニアさん私帰ります!帰らせてください!お願いします!こんなんじゃお外に出られません!」 ポーカーフェイスもどっかいった。 なお、特徴を書こうとしたのだがPLが検索しようとして体調不良を起こした為どこにどのような特徴が現れたのかは割愛させていただくものとする。 (32) 2021/07/08(Thu) 14:28:19 |
サダルは、うえええんとなっている。うえええん。 (a30) 2021/07/08(Thu) 14:34:38 |
【人】 底知れぬ ニア「 アア アアアア 」「割とすぐに効果は、その切れるとおもうので」 「そういえば動物の中に虫が含まれてるのヤバいッスね」 ……しゅん。 ムイくんへの差し入れにしとくッスかね。 /* PLさんホント御免なさい。 (34) 2021/07/08(Thu) 14:38:27 |
ニアは、サダルを宥めて謝って、隠しつつお部屋に送っていった。 (a31) 2021/07/08(Thu) 14:39:24 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>33 ニア 「や、やだ……」 やだった。 なんでアニマルパイで百足が……と言いたげだ。 「……う、うう……スーツで殆ど体が隠れていますから、特徴も見えませんし出歩けないことはありませんが……。 プールは私ニア様を見守るだけになってしまいますね、私その……あまり人に見せられるような体をしていませんので。 ゲームはカジノでよく見かけるものとか……ああ、麻雀とかも好きです。昔付き合いでやらされていましたから」 もごもご言いながら答えた。何かのコメントについては意図的に無視をしているが。 /* フルスイング中澤の息子ですが、どうかお気になさらず。ちなみにこれ見たゲイザーPLさん宛に念のため記載しておきますが、万が一気を病んでしまった場合気を病まないでくださいね。 PLは爆笑しています。サダルのツキがなかっただけです。びっくり〜 (35) 2021/07/08(Thu) 14:45:30 |
サダルは、みょいんみょいんと電波を出した。助けてスロウス!!! (a32) 2021/07/08(Thu) 14:45:51 |
サダルは、どっかの29歳徹底的にぶち犯されてくれないかな……と舌打ちしている。 (a33) 2021/07/08(Thu) 14:46:30 |
ニアは、サダルなら一人でいる方がしんどいかも、と思った。 (a34) 2021/07/08(Thu) 14:48:12 |
サダルは、墓下君たち呑気に構えやがってこのやろ……みたいな空気を出している。 (a35) 2021/07/08(Thu) 14:55:10 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル (37) 2021/07/08(Thu) 14:56:57 |
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