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【人】 麻央今日はいつもより飲み過ぎちゃったかも。 でも愛衣ちゃんなら家でお水用意してるかなって、 あんまり心配せずに来ちゃった。 ね、何用意してくれてるの? 俺もね愛衣ちゃんにいいもの用意してきたよ。 (27) 2021/11/22(Mon) 22:32:17 |
【人】 麻央[ いつまでも玄関にいるのもよくないので 麻央は靴を脱ぎ彼女が用意しているものが 気になって、部屋の中へと押し進んだ。 麻央が持ってきたいいものは、 多分彼女に喜んでもらえるけれど、 それを麻央が渡すのは、彼女が先日の提案に 首を縦に振った時だけ。 だから、渡す前に返事を聞こうとするだろう。 ] (28) 2021/11/22(Mon) 22:32:47 |
【人】 麻央[ 撫でられた彼女の手を握り、 麻央は彼女にべったりとくっついていた。 酔ってしまったからか、 何かを隠すためだったか。 ケーキの存在を知れば彼女がどこまで献身的かと 口を押さえて驚きを隠せず、 嬉しそうな顔をするのだった。 ]* (30) 2021/11/22(Mon) 22:36:03 |
【人】 愛衣[ お互いに話さない。 私が家族のことを話せないのに 麻央くんは?なんて聞けなかった。 聞いたところで、幸せな家庭の話をされたら? 反応に困ってしまうのは明白だったから。 聞けるわけ、ないでしょう? それに。夢で現実の話するなんて無粋。 何も、間違ってないでしょう? ] (32) 2021/11/23(Tue) 23:28:24 |
【人】 愛衣────── [ 労わられているようにしか感じていない。 それがただのサービスだとは思っていない。 だから、愛情には、愛情を。 手料理なんて、と言われたら どうしようと最初だけは怯えていた。 認められたことがなかったから。 でも、美味しいと何度も言われれば 献身的に、何度でも。 求められるままに作っていた。 材料費とお礼を込めたお金は 受け取るか迷って、受け取った分、 心を込めて料理で返していた。 好きな人のために、何かをする時間は 今まで感じたことないほど幸せだった。 ] (33) 2021/11/23(Tue) 23:29:00 |
【人】 愛衣[ 恋人だって、本気で信じてるのは私だけ。 本当に恋人だったなら お金なんて要らないはずなのに。 愛を与えられなかったから 愛の定義が歪んでしまう。 ] (34) 2021/11/23(Tue) 23:29:48 |
【赤】 愛衣[ 高校生の頃。 お金のために、春を売った。 一度や二度でなく、何度も。 大切に守りたかったものを奪われた。 花は手折られて、花弁はちぎられて 蜜は余すことなく啜られて。 愛なんて、そこにはなかった。 ] (*1) 2021/11/23(Tue) 23:30:45 |
【赤】 愛衣[ 終わった後、ひとりになっても 涙なんて出てこなかった。 本当に絶望したとき、涙なんて出てこないんだ そう、実感した瞬間。 ] (*3) 2021/11/23(Tue) 23:31:40 |
【人】 愛衣[ お金をもっと作ろうとする行為を、 その選択肢を選んでしまうことを、 あまりに愚かな選択だと、 止めてくれる人なんていなかった。 ううん、本当はいたかもしれない。 でも、その声はもう、届かない。 ] (35) 2021/11/23(Tue) 23:34:11 |
【人】 愛衣────── [ 玄関から部屋へと招き入れれば 机の上に置いてあった水をちらりと見て。 彼が話す、いいもの、の内容が気になった。 ] いいもの?それって……? [ その正体を知る前に。 先日の提案の答えをせがまれる。 私の答えは―――――。 ] (36) 2021/11/23(Tue) 23:35:18 |
【人】 愛衣[ 普通なら承諾なんてしてはいけないのに。 承服しがたいことのはずなのに。 それでも応えたのは、王子様の、ためだから。 ] すき……? わたしもね、麻央くんのこと好きだよ。 [ やわらかな身体を押し付けるように くっついて、愛をもっと確かめようと。 背伸びして、ケーキを用意してるの、と 囁けば、嬉しそうな反応が返ってきて。 柔らかく微笑んで、今食べる?と 聞いてみれば、どんな反応だっただろう。 ]* (37) 2021/11/23(Tue) 23:36:24 |
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