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【人】 工藤 彩葉[まず、私はかなちゃんに、中学時代の話をした。 事情は違うけど、かなちゃんと同じようなきっかけで 仲良くしてた つもりだった 同級生がいたこと。荷物とか、プリント届けたりとか。 お昼を一緒に食べた回数は、 多分かなちゃんよりも多かった。 だって先生に頼まれてたから 彼女は見えないところでいじめられていて。 だんだん、保健室登校の日が多くなって。 なんでも言ってね、友達でしょ、って そう言ってみたけど、答えはなくて。 もしかしたら、私も安心していたのかもしれない。 だって、私に何ができるかわからなかった。 その関係を、私は 傲慢にも 友達と呼んでいたけど。彼女にとってはそうじゃなかった。 私の『一番』は他にいて、 そうじゃない友達だって、何人もいて。 彼女には、――――…… …やっぱり事情は違うけど、彼女は最後、 今のかなちゃんのように学校をやめると言った。 そんな、面白くもない話。] (588) 2022/10/24(Mon) 4:52:56 |
【人】 工藤 彩葉それで、言われたの。 私のしてきたこと…全部、何もかも、 最初から気に入らなかったって。 本当はずっと、私のことが嫌いだったって。 ――かなちゃんをね、 その子と重ねて見てたわけじゃない。 そんなつもり、全然なかったのに。 …でも、気付いたら、 あの時のこと思い出しちゃって…私…… (589) 2022/10/24(Mon) 4:52:59 |
【人】 工藤 彩葉…………かなちゃんは、 私のこと嫌じゃなかった? 嫌に、ならなかった? 今、話していて、 [ずっと言えなかった理由はこれだった。 お前なんか友達じゃないって、 そんな資格はないんだって、 いつか言われるんじゃないか。 いつも考えてしまって。 だから、これ以上近付けなかった。 でもこの先に進むなら、言わなくちゃいけない。 掠れた声がこんなふうに、震えてしまっても。] (590) 2022/10/24(Mon) 4:53:01 |
【人】 工藤 彩葉もし、嫌じゃなかったら…… 私も、かなちゃんのことが好きだから。 こちらこそ、これからも。 友達でいてください。 [幽霊じゃなくて友達に叶えてほしい 願い事をひとつ、かなちゃんへ。] (591) 2022/10/24(Mon) 4:53:04 |
【人】 工藤 彩葉[…かなちゃんが頷いてくれたなら。 私は緊張で詰めていた息を吐きだして、 情けない顔で笑いながら、 それでもありがとうって言ったと思う。 グループ以外の連絡先も交換しようね。 くだらない話でいいから、いくらでも話をしよう。 それで私は、こう言うの。] …かなちゃん、今度、 調子のいい時に。 一緒にカラオケに行こうよ。 それで私、ユメリンの曲覚えてくるから、 かなちゃんと一緒に、歌いたいな。 ……駄目? [かなちゃんの方が、知らなくても。 私はかなちゃんの歌声を知っているから。>>527 その時がきたら、私もかなちゃんの声が好きなこと、 あらためて伝えられるかな。 え?もしかして、配信されてないとかあります? そこに持ち込み音源がありますよね] (592) 2022/10/24(Mon) 4:53:07 |
【人】 秋月壮真― 三日目・朝(秋緒) ― [ 時間は止まらない。 決断を迫る期限は目前だ。 だから人は最後まで 足掻き、迷い、揺れるのだろう。 願いが決まったとしても────。 正解を求めてしまうのが人だから。 ] (594) 2022/10/24(Mon) 5:38:52 |
【人】 秋月壮真好きと嫌いの両天秤 大分揺れているね 今回の願いで偏ってしまったかな 秋緒の願いは素敵だと思う でもね、これは俺の考えだけれど 君が幸せを願う人は…… ……君の姉は願われるより 君に 幸せにしてもらいたいんじゃないかな そして君はその想いもあるし 伝える手段だってある 叶えることができてしまうんだ それはきっと姉の幸せで 君の苦痛なのだろうね (601) 2022/10/24(Mon) 5:40:03 |
【人】 秋月壮真君の姉が 君以外で幸せになって 秋緒は嬉しい? 嫉妬するだろ え、しない ……のかな? 俺とってもするんだよね 秋緒は大分拗らせているからね 素直になるのは君の性格もあって 難易度は高そうだ だからこそ、今の君が見れて 俺は嬉しいと思ってるよ (603) 2022/10/24(Mon) 5:41:29 |
【人】 秋月壮真君の願う幸せは どこまでが”幸せ”なんだろうね こんな話するとまるで授業みたいだけどね 何にも脅かされず 危険な目にも遭わない 悲しい想いもしない 傍に好きな人がいる 大切な人がいる 声が届けられる 愛を伝えられる 共に共有できる 人の言う幸せの形とはいろんな形があるね 君の幸せの形は何かな 君の思う姉の幸せの形はなんだと思う? (605) 2022/10/24(Mon) 5:41:55 |
【人】 秋月壮真俺は君達二人を見てわかることがあるよ 答えは教えてもいいんだけど…… 君はもうわかってるんじゃないかな でも秋緒は素直じゃないから だから俺から提案してみよう 願い事を言う前にさ 秋緒に少しだけやってみてほしいことがあるんだ 勇気が出たらでいいよ 君のお姉さんに言葉で言えないのなら その指を掴んでみるといい それだけできっと変わるよ (606) 2022/10/24(Mon) 5:42:15 |
【人】 秋月壮真[ 血の繋がりは 本能として組み込まれている強固なもの どうやったら切り離せるだろう どちらかが消える? それしか方法はない そんな悲しい世界ではないはずだから。 思いが形にできれば……。 ] (607) 2022/10/24(Mon) 5:42:24 |
【人】 秋月壮真願えば幸せは保証される 幸せを願ってくれる相手がいるのは そのもの自体が幸せなことだね さて、君のお姉さんは 作られた幸せで満足する子かな 試せそうなら試してみてほしい 俺の言ったこと、やってほしいこと 願い事は与えられたチャンスみたいなもの だから必ず願う必要はないんだよ (608) 2022/10/24(Mon) 5:42:47 |
【人】 秋月壮真今すぐに答えが出るようなものじゃない 今が朝でよかった これからだよ秋緒 君の今日はこれからだ [ だから考えて、動いて 君の行動に間違いはないのだから。 ]** ( 君の思い出す姉の姿が 常に笑顔であることを俺は願うよ。) (609) 2022/10/24(Mon) 5:43:04 |
【人】 世良健人─ 回想:2day 放課後(壮真) ─ …咎が消えなくても 壊れてしまっても それでも君といられるのなら それ以上に選びたいことなんてない 逃がさないで ねえ 俺は今、壮真の手の届くところにいるよ [ 追いかけてみて捕まえたと思っても 一歩引かれてしまうのが怖い その一歩を進んだ先に 今の秋月壮真はいないから 絡めて 溺れさせて 君からは離されないように 俺はきっと必死でいる。 ] (610) 2022/10/24(Mon) 10:00:29 |
【人】 世良健人─ Last day:校舎裏 ─ ……………… とうさん、 [ 出るのが遅い、と。 開口一番に聞こえてきたのはがなるような声だった。 今まで一度だってかけてきたことなんかなかった 既読すらつかないと思っていたトーク画面に 不在着信の文字が見えただけでも目を疑ったのに 父さんってこんな声をしていたっけ 心臓がばくばくと音をたてて止まらない 煩くて吐き出して潰したくなる ] (611) 2022/10/24(Mon) 10:01:37 |
【人】 世良健人 …え、 …そんなに、深い意味とかはなくて…俺も、……その、…卒業近いし お礼くらい しないとかなって…そう [ ………言い訳が苦しすぎる。 電話越しにくしゃり、と髪を掴み頭を抱えた。 突然どうした、なんて言われても 旧校舎に行ったら幽霊と出会って 大小様々に話をして 聞いて その最後 俺は 家族のことを知ろうとしていなかったのか、とか 昨日壮真に言われたことが 起きてもぐるぐると頭を巡って それでも知ることなんて出来ないから どうあっても終わりにしてしまおうと思っただなんて どこから説明したって信じてもらえるわけない "なんでもない"といってはぐらかすしか ] (612) 2022/10/24(Mon) 10:02:30 |
【人】 世良健人うん、…うん、そう 、… なんでもないから [ はぐらかす度に呼吸が震える。 声が、喉までつかかって 行き場を見つけたどうして、が 呑み込まなきゃ 呑み込まないと わかっているのに 胸が締め付けられて 言葉が零れ落ちた。 ] (613) 2022/10/24(Mon) 10:03:12 |
【人】 世良健人……あの、さ。父さん ────どうして、電話してくれたの [ 硝子の破片がちらばった部屋に 足を出して 踏みしめる 血が出ると思い込んでいたそれは 俺が硝子だと思い込んでいた多くのものは 精密に俺の手で描かれた偽物だったのだろうか ] (614) 2022/10/24(Mon) 10:03:40 |
【人】 世良健人 『 ───……。 』 [ 何かを言いたげに口篭った息遣いと 迷い言葉にもならない音が続いて ようやく続いた 『心配になった』 の言葉にぐにゃりと足場が歪んだような気がした。 声にならない。 頭が沸騰して脳が焼き切れそうだ、 都合のいい夢でも見てるのかもしれない、 そうでなかったら、こんなこと ] (615) 2022/10/24(Mon) 10:04:05 |
【人】 世良健人……そうなんだ ありがとう ごめんなさい 本当になんでもないよ …また 電話して、いい? 邪魔はしないから 邪魔でなかったら、 [ トーク画面に増えた [音声通話 13:56]の表記 『いつでもかけてきていい』の言葉 増えるはずのなかった家族のすべてに増えた 二つの現実を抱えて 電話を切った。 これ以上増やしてしまったら 怖くて動けなくなりそうで ] (616) 2022/10/24(Mon) 10:04:36 |
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