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【人】 金海 叶冬ボクの思いは、 ……伝えました。 どんなふうに伝わって、 どんな思いをさせてしまったのかは もうわからないのかも しれません。 すごく悲しませて、苦しめて、 [ ボクを許して、とは言いません。 許さないって言うせなちゃんも、 もう居ないかも、しれません。 ……それでも ] (678) 2022/10/24(Mon) 19:41:34 |
【人】 未國 聖奈── 数日後・小鳥遊 ── これはさらに数日後の話。 文化祭が終わってからはもう10日から二週間、 随分と長い間休みをもらってしまったと思う 謎の高熱も、短期記憶の欠如も、 医師の検査や診察からはなにもわからず まあそのうち思い出すでしょう、という雑な判断で すっかりぴんぴんしているあたしは退院に至る。 多分そのころには、 3Aには入院していることは広まっているし 仲良しさんには、記憶がないことも打ち明けている (679) 2022/10/24(Mon) 19:50:58 |
【人】 未國 聖奈今日はそんな退院の日。 市民病院だから、別の用事で彼は現れたのかもしれない それともあたしのお見舞いに来てくれた? 「 あっ 」 まだベッドサイドにはスターチスの花が咲いている そっと前髪を指で整えてから あたしは、扉を開けてくれたその人に言う ─── 小鳥遊大地。 当然あの三日間の彼との記憶は、ない。 (680) 2022/10/24(Mon) 19:51:08 |
【人】 未國 聖奈「 今日ね。退院なんだ 」 すっかりあたしの顔は晴れやかで、 文化祭前と、変わらない表情をしていただろう。 「 ……誰かから聞いた? あたしね。記憶喪失なんだよ 」 大木や大槻あたりから聞いたかな。 それとももしかして知らなかった? 知らなかったのなら、かいつまんで経緯を説明して。 「 大変だったみたいだね、三日間 」 他人事みたいに、そんなことをいう。 (681) 2022/10/24(Mon) 19:51:20 |
【人】 金海 叶冬……ごめんね。 うまくいえないや。 でも、いつかちゃんと話すね。 ……ごめんなさい。 [ なんのことかわかりませんよね、 ごめんね、とも、付け加えて *] (684) 2022/10/24(Mon) 20:14:06 |
【人】 未國 聖奈かなちゃんは言葉を選ぶ。 選んだ結果、上手く言えなかったみたいで それも、かなちゃんらしいな、とあたしは思う>>684 かわいいかわいい幼馴染。 ごめんなさい、で言葉を締めるかなちゃんに あたしは首を横に振る。 「 あのね。 三日間のことも、 そこで何があったのかも、聞かない。 でも、かなちゃんのゆめが叶ったら あたしも一緒にお祝いさせてほしい。 応援してるよ。かなちゃん。 」 今のあたしにできるのは、それだけ。 一緒に夢を見るくらい許されるでしょう?って>>0:542 きっと。いつもの未國聖奈の顔ができているはず。* (687) 2022/10/24(Mon) 20:30:42 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地—— 三日目 —— [そのメッセージを受け取ったのは、 きっと早朝のことだった。>>-1056 気づいたのは、旧校舎に向かう前。 唐突すぎる? 君はそう思っていたかもしれないけれど、 俺はこの三日間、いつだって 割とずっと臨戦態勢だったよ、なんてね。 俺はいつだって、 『助けて』って声に弱いんだ。 君が求めてくれるなら、いつだって。 俺はふっと笑って、メッセージを返した。] (688) 2022/10/24(Mon) 20:31:17 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[勢いで送ってしまってから、 なんだこの迷惑メールみたいなメッセージ…… となったのは秘密だ。] そもそも、運って何だろうね? [俺にとっては、ジンクスみたいなものだけど。 『25%の賭けにおいて、俺は負けない』 っていう、絶対的な自信。 そういう、強がりみたいな気持ちを携えて、 俺はきっとこれからも生きていく。] (689) 2022/10/24(Mon) 20:31:48 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[俺は、君へ俺の運が伝染するようにと、祈った。 そして…… 同じ祈りを抱いてくれるよう、幽霊さんに頼んだ。] (690) 2022/10/24(Mon) 20:32:01 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[旧校舎を後にした俺は、屋上に転がっていた。 どれだけの時間が過ぎたことか。 多分始業の時間はとっくに過ぎてた。] ……やっぱダメかも――…… [格好つける相手もいない今だから言おう。 ぶっちゃけめちゃめちゃ胃が痛い。 のっそり起き上がり、屋上を後にする。 誰もいない廊下は、 少し遠くから扉越しに聞こえる授業中の先生の声を 微かに運んでくるけれど。 それどころではない。] (691) 2022/10/24(Mon) 20:32:17 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地—— 保健室 —— せんせー ベッド貸してぇ [その時保健室には先客がいたか。 俺は特別気にもせずに、先生に声をかける。 ベッド貸して、と言いながら、 座るのは先生の前の丸椅子だ。 先生と顔見知りのようになっているのは、 別に病弱だからじゃない。 委員会のおかげだ。] (692) 2022/10/24(Mon) 20:32:41 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[先生は俺を、小鳥遊弟、と呼ぶ。 兄ちゃんがこの学校に通っていたのは 12年も前のことだけど、 この先生は、異動に異動を重ねて この学校に帰ってきた先生。 初めて会った時、名乗る前から小鳥遊って、 呼ばれて、びっくりしたことがある。 12年前、兄ちゃんは保健室常連だった。 主に、やんちゃによる怪我で ] (693) 2022/10/24(Mon) 20:32:54 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 主訴、吐き気でーす 多分熱はないです。 [俺自身は、そこまで保健室常連でもなく、 サボりも殆ど経験がなかったから、 先生はとりあえず受け入れてくれる。 何かデスクワークをして入れる先生を、 間近でぼーっと眺めていても、 先生は放っておいてくれた。] ねぇ、先生。 [ふと、口を開く。] (694) 2022/10/24(Mon) 20:33:09 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 先生、幽霊って信じる? [尋ねたら、ペンを走らせていた、 先生の手が止まった。 しばらくの間の後、先生がこちらを見る。 本当に、そっくりだね、 …って、何とも言えない顔で言われた。] (695) 2022/10/24(Mon) 20:33:20 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[寝てくか、と先生に尋ねられるも、 結局落ち着きどころを見失った俺は、 早々に保健室を後にした。 それから……どうしたんだったか。 よくわからない。*] (696) 2022/10/24(Mon) 20:34:12 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[どうにかして慎ちゃんと合流し、 俺は早々にしゃがみ込む。] 慎ちゃぁん、俺、胃が痛い。 [いつもより低い位置から見上げて、 はは、と笑う。] 慎ちゃん、結局願い事どうしたん? 俺はね…… [手持無沙汰に、俺の話を語ろうか。 君はやっぱり苦笑するのかな。>>136 俺、君のその反応好きだよ。 なんだか、安心するんだ。] (697) 2022/10/24(Mon) 20:34:37 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[君は知らない、25%の意味 知るわけがない、語っていないのだから 俺の『運』とかそういうヤツは、 『25%』の上に成り立っているもの ……つまりね、 増えても減ってもいけないんだ まぁ、裏を返せば そうそう増えたり減ったりするもんでもないので 君の気持ちだけは、喜んで受け取るよ ところで昆布って定番じゃないの?うっそーん。 (699) 2022/10/24(Mon) 20:35:07 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[降り注ぐ光に、手を伸ばした。 君のくれた『幸運』は、当たり前だけど、 君の姿をしていたよ。 それから、君の返してくれた答えも。 『ありがとう、また明日』 ぐわっと胸の内から膨れた何かが、 そのまま熱いしずくになって、眦からあふれ出す。] 慎ちゃぁん、 そーまたち、帰ってくるってぇ、 [低い位置から傍らの慎ちゃんを、 泣きべそかいたまんま見上げて、 その袖を引いた。 声をあげて泣くことはもうないけれど、 この涙を飛べる術を、俺はまだ知らないんだ。*] (700) 2022/10/24(Mon) 20:35:23 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地── 夜 ── ただいま、兄ちゃん。 [帰宅して俺は、仏壇に手を合わせる。 深夜に帰宅しても、両親は何も言わない。 俺が帰ったのを確認したら、就寝する。 交わす言葉は最小限。 ただいま。おかえり。 それだけ。] (701) 2022/10/24(Mon) 20:35:36 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[誰に話すことでもない、秘密がある。 両親は俺に対して、寛容なんじゃない。 興味がないってコト。 別に、問題はない。 ただ……例えば、もうしばらく、 母さんから名前呼ばれてないなぁ、とか、 そんなこと。 最後に聞いたのは、中学生の時。 間違えて、大空って呼ばれて俺、 一瞬ポカンとしてしまった。 俺が反応するより先に、 ショックを受けた顔したのは、母さん。 反射的に、そんなに似てる?って、笑ったら。 母さんが泣いた。 父さんは俺を責める顔したけどさ。 じゃあ俺、どうしたらよかった?って。 聞く相手なんか、どこにもいない。] (702) 2022/10/24(Mon) 20:35:51 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 やっぱりさ。 幽霊に、叶えられる願いなんて、 ないよね。 [誰もいない仏間で、俺はポツリ。 最初の結論に辿り着く。>>0:64 結局俺は、『願い事』を口にしなかった。 理由は簡単。 本当の願いは、俺自身わからなかったから。 中途半端な願いを口にするくらいなら…… 選んだのは、俺自身。] (703) 2022/10/24(Mon) 20:36:09 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 兄ちゃん。 [仏壇の中の四角いフレームの縁を、指先で撫でる。 遺影の中の君は、 俺とおんなじ顔で笑っている。] 三日間はさ。短いよ。 短かったよ。何にもできないくらい。 [俺は、きっと彼らなら、 俺が何もしなくても、正しい未来を選べたこと、 知っていた。 俺の手助けなんか、きっといらなかった。 違う。 ]選んだ道が何であれ、それが正解だった。 他人が口挟むことじゃない。 (704) 2022/10/24(Mon) 20:36:25 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[自分の幸せが見つからないなら、 せめて大切な人には幸せであって欲しい。 そこに、自分が存在していなくても…… それってそんなに、おかしなことだろうか?] (705) 2022/10/24(Mon) 20:36:41 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地── 数日後、病院 ── [人伝に、噂を聞いて。 行くのが少し遅くなってしまったのは、 なんとなく、 他のお見舞いと、鉢合わせないように。>>679] や。 迎えにきたよ。なんてね。 [俺は、いつもの顔して笑う。 笑いながら、君に飴を差し出した。 もう退院するって君に、 大仰なお見舞い持ってきても、仕方ない。 渡すなら、日常への片道切符を。] (706) 2022/10/24(Mon) 20:36:55 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[君は記憶喪失。 それも、『あの』三日間だけ。 それはつまり…… 君は誰かの願いか、その代償に、 記憶を手放した、と考えるのが容易い。 ……存在ごと消えるよりは、随分平和だ。 君の語る顛末と照らし合わせれば、 ますますその事実は浮き彫りになる。>>681] ま……大変なやつも、いたかな。 [君が他人事みたいに言う、 いや、今の君にとっては他人事なのだから、 それが当たり前とばかりに、 俺もさらっと返した。 三日間。 長かった?と、君が問う。>>682] (707) 2022/10/24(Mon) 20:37:09 |
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