秋月壮真は、メモを貼った。 (a8) 2022/10/17(Mon) 3:21:22 |
【人】 工藤 彩葉[願うことはしても。 これまでの私は、ふわふわとしか考えてなかった。 まだ時間はあるからって、 先送りにしてきたんだと思う。 時間切れはどんどん近付いてくるのにね。 そうだね、相棒なんて関係にもなれば 呼び方よりも、もっと尊い何かがそこにあり… なんの話だっけ?]* (57) 2022/10/17(Mon) 6:01:06 |
【人】 工藤 彩葉― 一日目:深夜から、八時間前への電話 ― [私は、それでもやっぱり落ち着かなくて。 ベッドで何度目かもわからない寝返りを打ってから、 ついに、遠い国へ電話をかけてしまった。] おばあちゃん。 …ごめんね、忙しかったかな。 これからごはんの支度するところ? そう?平気? …ううん、なんでも。少し眠れなくて。 こっちはもうみんな寝てる時間だから… ふふ、そう、話し相手募集してたの。 元気にしてた? …そっちは何も、変わりない? (60) 2022/10/17(Mon) 6:11:15 |
【人】 工藤 彩葉ううん、いいの。 私のことわからないでしょ、 おじいちゃん。 混乱させたくないから…、うん、大丈夫。 …おばあちゃんも無理しないでね。 声聞けてよかった。おやすみなさい。 [一つの言葉に、安心と落胆の二つがついてくる。 そうして砂時計の中身が落ちるのを、 私はこれまで、ただ見ているだけだった。]** (62) 2022/10/17(Mon) 6:11:22 |
工藤 彩葉は、メモを貼った。 (a9) 2022/10/17(Mon) 6:19:41 |
【人】 未國 聖奈「 ね、実感わかない。 だけど思った以上にオオゴトだしやばいし ちゃんと考えたほうがいいのかも、って感じ 魂取られるかもって噂もあるよ やだなあ、カレーパンの代わりに魂取られるの 」 噂って、こういうところから尾鰭がついて広まってくし ほかでもないあたしみたいな人間が広げてくんだなって ……当のあたしは気づくこともなく、 魂取られる説を、勝手に周りに広げていくのだ (64) 2022/10/17(Mon) 7:44:07 |
【人】 未國 聖奈魂賭けられる願い事なんて、ひとつもないよ 「 願い事、ありすぎて困るよ 」 どっちだって本音。 心の内側と、建前をごちゃまぜにして、 あたしは残りのカレーパンを口の中に放り込んだ。 ** (65) 2022/10/17(Mon) 7:44:30 |
未國 聖奈は、メモを貼った。 (a10) 2022/10/17(Mon) 7:48:22 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地―― 1d朝の廊下 ―― ……はよ。 [おはよう。 かけられた言葉に、曖昧に返す。>>1:479 大丈夫じゃないよな、って。 わかってるよ、って感じで、君が言う。 だから俺は、 大丈夫、って言わずに済んでしまう。 ……甘やかされてるなぁ、って気分。 本当に、酷いやつだよ、君は ] (66) 2022/10/17(Mon) 7:54:38 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[謝らなくていいよ。 君のせいだとは思っていない。 君に誘われたのは事実だけど、 他の誰かにも誘われた気がするし。 俺はこれでも、 自分の行動には自分で責任を持つ方なんだぜ。] (67) 2022/10/17(Mon) 7:54:47 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[突然取られた手に、その持ち主を見やる。>>1:486] ――――え? サボる…? [まさか君からそんな単語が飛び出すとは。 瞬くのもつかの間、君は甘い誘いをかける。 正直、授業なんか受けてる場合じゃない、 みたいな気持ちはあった。 鼓膜を揺らした囁きに、 思わずくすぐったいような心地がして、 小さく笑ってしまう。 それは、是の返事と同義だ。] (68) 2022/10/17(Mon) 7:54:59 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[誘われるままに、向かったのは屋上。 こんなの先生に見つかったら、 絶対怒られるじゃん。 そう思ったら何だかおかしくなってしまって、 俺はつい、胸を弾ませた。 君が慣れたように、日陰へと向かうのに、 俺も着いて行って、 壮真の隣に腰を下ろした。>>1:488] (69) 2022/10/17(Mon) 7:55:09 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 ……つまらない話だよ。 子守唄にもならないくらい。 [まるで寝物語を要求するように、 君が俺を促す。>>1:490 爽やかな風が吹く。 秋の空は高く、鱗みたいな雲が流れている。 捕まっちゃったなぁ、って気持ちと、 やっと……という気持ちがないまぜになって、 ……ずるいなぁ、って、なんとなく思うんだ。] (70) 2022/10/17(Mon) 7:55:22 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 俺にはね、兄ちゃんがいたんだ。 12歳年上の兄ちゃん。 物心ついた時から兄ちゃんは、 俺のことをめちゃくちゃ可愛がってくれててね。 『俺の救世主』とか、言うんだよ、俺のこと。 普通天使とかじゃん?言うとしても。 いっくら可愛がってるって、言ってもさ。 (71) 2022/10/17(Mon) 7:55:37 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 意味が分かったのは、 俺が小学生になるくらいのころだったかな。 俺、本当に、兄ちゃんの救世主だったの。 俺は、文字通り、 兄ちゃんの救世主になるべく生まれたんだよ。 [そう、 俺が『俺』じゃなきゃいけなかったのは、 俺が兄ちゃんの救世主だったからだ。] (72) 2022/10/17(Mon) 7:55:49 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 兄ちゃんは、血液の病気だった。 薬での治療には限界があって、ちゃんと治すには、 骨髄とか、まぁそういうヤツの移植が必要だった。 骨髄バンクってね、 中々ピッタリのドナー見つかんないの。 でもね、その一般的には1%に満たない確率を、 25%に引き上げられる存在がある。 それが、同じ両親から生まれた兄弟ってわけ。 (73) 2022/10/17(Mon) 7:56:10 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 国によっては、もう最初っから、 受精卵の段階からハズレの75%を切り捨てて、 25%を100%にするやり方もあるらしいけど。 この国では、それは許されてないからね。 俺たちの両親は、25%に賭けたわけ。 で、生まれたのが、俺ってわけで。 25%の大勝利。 俺が生まれた時、くっつけてきたへその緒で、 兄ちゃんは治ったんだ。 [だから、俺は兄ちゃんの救世主。 ……だった。] (74) 2022/10/17(Mon) 7:56:22 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 兄ちゃんは、俺のこと滅茶苦茶可愛がってくれたよ。 俺が状況を理解する前から。 理解した後も。 兄ちゃん、友達にまで俺のこと、 『俺の救世主』だって紹介するもんだから、 俺恥ずかしかったよ。 でも、馬鹿にする人なんか全然いなかったし。 兄ちゃんも、本気で言ってるの分かってたから。 (75) 2022/10/17(Mon) 7:56:35 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[思い出して、くすりと笑ってしまう。] お前が大人になったら、 最初の酒は絶対俺がおごってやるからな、って 言ってたなぁ…… 大人まで待たなくっても、 俺は兄ちゃんから、 随分いろんなもの貰ってたけどね。 (76) 2022/10/17(Mon) 7:56:50 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[宿題がわからなければ、兄ちゃんが教えてくれた。 勉強だけじゃなくて、 いろんな遊びも教えてくれた。 学校で喧嘩して泣きながら帰ったら、 話を聞いて慰めてくれた。 お前は悪くないって、 頭ぐっしゃぐしゃに撫でまわして。 俺が小学生になったくらいのころには、 どこにでも連れてってくれたし、 バイト代削って、 俺にお菓子やゲームを買ってくれたりもした。 甘やかすって意味では、 両親より上だったかもしれない。] (77) 2022/10/17(Mon) 7:57:00 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 でもね。 あの病気って、再発するんだよ。 [全員ではない。 でも、いつ再発してもおかしくない。 そういう種類の病気だって知ったのは、 兄ちゃんの病気が再発してからだった。 ちなみに、近い遺伝子をもってる俺も、 ]いつ発症してもおかしくないらしい。 怖くないといえば、嘘になる。 でもね。 もう一回、今度は俺の骨髄あげれば、 兄ちゃん治ったはずなんだ。 [それが、許されていれば。 だが惜しむらくは、 俺はまだ12歳の子供だった。] (78) 2022/10/17(Mon) 7:57:15 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[俺が悪かったわけじゃない。 そんなことは、分かってる。 でも、俺は、 兄ちゃんの救世主だったはずの俺は。 何もできないまま、 兄ちゃんが死に近づいていくのを 見ているしかできなかった。 兄ちゃんに、10年以上かけ ]懇切丁寧に育て上げられたアイデンティティは、 音を立てて崩れ逝く。 (80) 2022/10/17(Mon) 7:57:44 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[胸元のロケットには、 兄ちゃんの遺骨が入っている。 どうしてそんなことを?って言われると、 明確な答えは返せない。 寂しくて? 見守っててほしくて? どっちも違う気がする。 強いて言うなら、見せてあげたくて…… 見てるわけ、無いって知ってるのに。 だって兄ちゃんはもう、 ]俺に何の言葉もかけてくれない。 (82) 2022/10/17(Mon) 7:58:11 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 人間の心ってどこにあると思う? 俺はね、脳みそだと思うんだ。 そんでね、全ての意識は電気信号だと思ってる。 だってさ。 人間ってさ。 死んじゃったら何も言わなくなるんだよ。 [中学生だった3年間。 俺は毎日、仏壇の前で兄ちゃんに話しかけた。 それまでのように毎日、 その日にあったことを報告して。 よかったな、って、頭を撫でてくれないことに、 理不尽に怒って見せたりした。 返事は一度もなかった。 当たり前だ。 死んじゃったんだから。] (83) 2022/10/17(Mon) 7:58:23 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 だからね、多分。 生きて、考えて、喋ってる、 その状態こそが、とんでもない奇跡なんだよ。 [高校に上がったころ、唐突に理解した。 生物の授業があったからかもしれない。 人間の身体って、 なんかもう大体細かく解析されてて。 そんなに神秘的なモンでもない。 でも、脳が死んだら全て終わり。 どんなに健康な身体が無傷で残ったって。 その人はもう、二度と考えないし、喋らない。] (84) 2022/10/17(Mon) 7:58:35 |
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