【人】 土地神 リンむぐ、お漏らし云うでない!! せっかく、遠回しに言ったというに そういう冥桜こそ、だな 雷が恐ければ起こせば良い 別にそれ以外でも構わぬが…… [ 冥桜と同じよう 己の胸にもまた脈がある 皮一枚下には赤い血の流れもある 人の肉の檻に神の魂を閉じ込めてある そう表現するのが正しい身には とかく、苦手なものが多い 雷にしろ、獣の声にしろ、怪異にしろ それが己に害をなすかが問題なわけではなく 怖いもの、忌むべきものとして 器の方に刷り込まれているという理屈である そしてそれは、快や楽といった側面も同じ 人が好む風呂などは己も好むものであり ] (87) 2021/06/21(Mon) 2:24:08 |
【人】 土地神 リン風呂は見るものではなく 入るもの、だからな とはいえここのは 湧いたのをひいておるのよ [ 沸かす手間のない自慢の場所 時折、猿が訪れるのもまた面白い いつでも入れば良いと言葉を加え ] (88) 2021/06/21(Mon) 2:24:30 |
【人】 土地神 リン[ 釣り道具の話には、ふむと頷き 厠近くの物置にあると伝えよう 厠近くの物置── あそこは網やら、魚籠やら、仕掛けやら 釣りに限らず、とかくなんでも揃っている ] んーむ、友人……はわからぬが 蘇芳とは、また違うようだった 蘇芳とは喧嘩はせんかったが 緋扇とは、よく喧嘩もした あいつは謝らんから、いかん [ 何で争ったかは覚えてないが 争ったことだけ、鮮明に覚えている そうして、喧嘩した日には 必ず夕餉が米だけだったと頬を膨らませ ] (89) 2021/06/21(Mon) 2:24:48 |
【人】 土地神 リン[ 背中へと移動を促されれば 無言で首をふるりと拒否の意 とん、と床へと降り立って ] 我も米とぎするぞ それだけは──んや それぐらいは、我にもできる [ 逆に、他は任せられなかったのだが あえてそれを言うつもりはない 米は何合炊けば良いかと 瞳を輝かせ、升へと手を伸ばした* ] (90) 2021/06/21(Mon) 2:25:59 |
【人】 鬼 紅鉄坊── ある夜に ── 葬ってはやったのですね? [ 暑く寝苦しい夜のことだった。 今年輿入れした他の花嫁の行く末を、あの男が伝えにやって来た。 毎年起きることだ。何も言われる前に様子で察するものがある。 ] 今年は早かった。いや、今年もなのか [ あの子は眠っているだろうが、届かぬよう自分が外に出て 廃寺よりも奥、光の届き難く道の無い闇の中で話を始める。 結末を知りながら送り届ける、同胞に飢えを強いれない妖怪には 彼女らを悼む権利も本来は無い。 表に出さないまま、いつも鬼の胸の内に悲壮は留まった。 しかし、今年は其処にはある一人の居場所があった。 大切にせねばならないと、強く想った。 ] (93) 2021/06/21(Mon) 10:26:11 |
【人】 鬼 紅鉄坊あの子は生きています……そうですか、見ていましたか 随分元気になりました もう少し身体がしっかりすれば、里に下ろすつもりでいます 勿論、村に帰したりなどしませんよ 本当はもっと遠くに行かせてやりたいのですが、 山を出るまでは、私が共に [ 両者の合間を空気の流れが吹き抜け、葉が擦れ鳴る。 暑く湿った夜、その風だけは何故か冷たかった。 暗い場所でも目立つ相手の髪が乱れる。 彼はそれを直すことせずじっとこちらを見つめ、口を開いた。 ] (95) 2021/06/21(Mon) 10:26:47 |
【人】 鬼 紅鉄坊── 夏の日・山奥で ── しかし、薬は帰らねば塗ってやれないぞ 傷は小さくても恐ろしいものなのだ [ 問答は互いに殆ど同じ内容を繰り返しながら、終わらない。>>80 相手のように顔には出ずとも、引かんとする強情さはそこに表れる。 向かい合うように近くの木の下で座す鬼は、腕を組み頷かない。 千太郎はずっと外に出れなかったから、きっと分かっていない。 壁のようにただ板を打ち付けるとはいかなかった風呂釜の修理 直せるまでの間は拭うだけで我慢してもらったが その時見た身体には少なくとも今傷は残っていなかった。 無償で村人に物資を求め続けることが心苦しく、 人間は立ち入れない場所にしかない薬草を探しに来たのが今日。 未だ早かったのか、はたまたこうした経験も必要か。] (97) 2021/06/21(Mon) 10:27:22 |
【赤】 鬼 紅鉄坊なっ…… [ 気づけば吐息が掛かる距離。差し出された紅色と甘く響く囁き。 こんなにも二人の顔があるのは、初めてではないだろうか。 そんなことを冷静に思考する余裕が、鬼には無かった。 離れていては意識の外だった血の芳香が、すぐ傍に香るのだから。 千太郎に付きっきりで暫くありつけてない新鮮な血肉が、 そこには、いや、それこそが千太郎で── その千太郎が誘ってくる。求めてくる。] (*4) 2021/06/21(Mon) 10:28:13 |
【赤】 鬼 紅鉄坊[ 誘われるように手は伸びて、手首を掴み強くこちらに引く。 傷ついた指を口内に迎え入れれば、甘く噛みながら舌を這わせた。 理性を遠のかせる味を齎す一筋を、何度もなぞり先を押し付ける。 引き摺り出された本能。切り捨てられない本質。 咎める言葉の代わり、漏れ落ちるのは獣じみた息ばかり。 捕食者じみた贄の望むままに、今その目には「千太郎」は映っていない。 ] (*5) 2021/06/21(Mon) 10:31:10 |
【人】 鬼 紅鉄坊[ 息が上がる。日差しではないもので身体が熱を持つ。 言葉も忘れる程に夢中になっていた。 未だ逞しいとは言えない手首を掴む力に、常の気遣いは無い。 四方から聴こえる虫の声は、真昼の狂宴の蚊帳の外。 ]** (99) 2021/06/21(Mon) 10:33:17 |
龍之介は、メモを貼った。 (a4) 2021/06/21(Mon) 11:48:46 |
【人】 ソフィア 長閑な村でも日々を懸命に生きていれば 記憶は徐々に風化し、過去は思い出となっていく。 生きるということは、 忘れるということ。 それでも私は、なにもかもを抱えていたかった。 ── ▷ sacrifice ── (100) 2021/06/21(Mon) 19:54:54 |
【人】 『村娘』 ソフィア穏やかで物静かな人だった。 あまり他人と関わる方ではなかったけれど、 遠くから見守っているような そんな眼差しをいつも向けてくれていた。 神様の元へと向かうことが決まった時 彼女は部屋に閉じこもってしまった。 会ったこともない神様の所へ行くのが 怖いのだと思ったから。 私は彼女に会いに行ったんだ。 (102) 2021/06/21(Mon) 19:57:25 |
【人】 白竜 ヤオディ― たまにはお仕事 ― [滝の傍まできて、わんわん泣いている少女を前にうんざりした顔を隠さないヤオディ。 泣きやめばそれなりに可愛いだろう少女なのに、目を赤く泣きはらして壊れた蛇口のように目から水を滴らせていては、その可愛さも台無しだ] 余にそんな相談をされても…… [弱り切ってそう言っても、キッと少女はこちらを睨んで、なんでですか!と怒鳴ってくる。結構な迫力で白竜であるこちらの方が一瞬びくっとなりそうなくらい、怖い] (104) 2021/06/21(Mon) 20:08:25 |
【人】 白竜 ヤオディ その手の事柄は余の管轄でなくての…… 恋愛相談なら、縁結びの神あたりの方が向いてると思うのだが [そうアドバイスを求める先の変更を依頼するが、少女は聞く耳をもたない。今までずっと私のことを好きって言ってくれてたのに、ちょーっと冷たくあしらっていたら、他の女になびきやがって! とか、怖い顔をしてぶつぶつ言っている] そ、そちがそのようにそのおのこに興味なさそうな素振りをしているのがいけないのでは……そのおのこが好きというのなら、ちゃんと相手にそう伝えればよいのでは……。 なんでそうせんのだ? [普通に不思議で問いかければ、そんなの恋の駆け引きですよ!ときっぱり帰ってきた。 自分には難しそうで、恋の駆け引きなどはわからない、が] (105) 2021/06/21(Mon) 20:09:02 |
【人】 白竜 ヤオディ そちが恋の駆け引きなるものをしているなら、そのおのこも恋の駆け引きなるものをしているのでは? 実際、そちは今まで追いかけてきていたおのこが急に自分をおいかけなくなったから気になったんだろうに。 [そう口にしたら、少女はそうか!と手を叩いている。 そしてそのままなぜか喜んで帰ってしまったが……。 なんか最初の方はあの男に呪いがどーのとか言っていたから、余に男に呪いをかけさせるつもりだったようだが、そういうのも自分の専門外だ] (106) 2021/06/21(Mon) 20:12:05 |
【人】 白竜 ヤオディ 人はすごいのう……。 [この洞にやってきた当初の自称嫁を思い出す。 今は日課の獣を狩りに出かけていて留守だったが、彼も最初から情熱的に愛の言葉を捧げてくれていたようだった。 まったくその意図が分からず、スルーするしかなかったが。 ―――でも、今なら少し、人の心がわかるかもしれない。 もし、かんぅ殿が他のところに、と思うと、かの少女のようなことを、自分も思うかもしれないから………] (107) 2021/06/21(Mon) 20:14:57 |
【人】 白竜 ヤオディ ―――な! 余は違う、けっして違うぞ。 [そんなバカな、と自分で自分を否定して。 熱くなった頬をぺちぺち叩きながら、滝壺に消えていった*] (108) 2021/06/21(Mon) 20:15:58 |
【人】 五色 冥桜 はっはっ、すまないな。 遠回しにしたいことであったか。 なぁに、お主は未だ小さいのだ。 お漏らしして良いのは小さいうちだけだぞ。 [揶揄うように笑いながら頭に手を置き撫でてやる] それに予は神鳴は怖くはないのだ。 [何せ自分で奏でて見せるほどだ。 得意げに笑うと愛いやつと頬擦りを試みては温泉には一言] ――それは楽しみだ。 [語らず、騙らず、感想を述べるだけであったが口元には深い笑みが浮かんでいた] (109) 2021/06/21(Mon) 20:30:09 |
【人】 五色 冥桜 よしよし、ではその時は一緒に入ろう。 予も隅々まで磨いてやるぞ。 安心せよ磨かれるのは慣れておらぬが。 磨いてやるのも慣れておらぬ。 [どこにも安心要素のないことを述べると緋扇にはそうされたようであるからと男は語る] そうか、悪いことをしたら謝らねばな。 素直に謝れるのも才能の一つだ。 夜怖くて起こされたら予は謝罪より感謝されたいがな。 [二人とも随分と幼い喧嘩だと男は楽しそうに笑う。 リンを通して蘇芳と緋扇を見てはその光景に目を細めた。 それならば尚の事。 ちゃんとした別れをさせてやろう] (110) 2021/06/21(Mon) 20:30:17 |
【人】 五色 冥桜 そうか、お主は偉いな。 撫でてあげよう。 [床に降り立ったリンの頭を撫でると男は自分の顎にも指を添えた] ふむ――多めに炊いて雑炊にするも良し。 あとで焼きおにぎりにするも良し。 予は一合程あれば良いからそこにお主の分を足して。 それをもう一度足した分にしよう。 洗っておる間に予は床を掃いておくよ。 食材を持ってくるにしてもな。 埃ぽいところよりは良い。 [米を研ぐのは外であろう。 ならば居間やらは空気は入れ替えているのだから箒で埃を粗方掃いておこうと――] はて、掃除道具はどこだろうな。 [聞いていないことが沢山あるなとそれならばとリンと共に米研ぎに向かおうか。 水を汲む役目は任されようと手にした升で測り終わるのを待った*] (111) 2021/06/21(Mon) 20:30:24 |
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