【置】 インスピレーション 竹村茜少女は、何でもない顔で話をしながら、すんなり受け入れられていることに驚いている。 村から追い出されたようなものなのに。 子供には関係ない問題だということなのだろうか。 婆ちゃんから隠れてしまったのも、拒絶されるんじゃないかと怖かったからだ。 本当は久しぶりに話したいことがあったのに。 ――――ずきり、と胸が痛んだ。 (L3) 2021/08/10(Tue) 12:16:23 公開: 2021/08/10(Tue) 12:30:00 |
【人】 学生 涼風 気だるい暑さもなんのその。蝉達の声をBGMに、少年は夏の空の下を歩く。 きょろりと辺りを見回して、目的のものを見つける。広場か公園か、その辺りの──水道だ。 「……♪」 海色の髪が上下に跳ねては軽やかに踊る。言葉にしなくてもその機嫌の良さが分かるだろう。 持ってきていたトートバッグを水道の近くに置いた。かちゃかちゃと何やら複数の物がぶつかり合う音が鞄の中で弾けて消える。 そのまましゃがみ込み、少年は何やら作業を始めた。気分はもう、10年前に戻りつつある。 (134) 2021/08/10(Tue) 12:22:23 |
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