人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[何も考えてないわけじゃない。
 ううん、きっといつも考えてる。

 私以上に彼は、ずっと。

 口に出すとこはないけれど、
 その眼で見たものを、その耳で聞いたものを、
 敏感に受け止めて、
 彼は、彼なりにいつも動いているように見えたから。

 身を隠すように留まっていた屋根裏部屋。
 朝焼けの中で見た笑顔は>>99
 太陽と同じくらい温かく思えた。

 手放したくないと、思った。

 ぎこちなく表情を変える彼をもっと見ていたい。

 その言葉を、信じてもいいのなら、
 この手を離しても――『大丈夫』だろうか。]
(277) 2022/12/24(Sat) 19:02:06

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[そう思った時、不意に違う声が聞こえた。>>193
 思考に巡っていた意識が、
 ぱちんと、風船が割れるように現実に戻る。]


  ……あ、エト。


[エトは星を詠むという、その名の通りの『星』の人。
 どこかぼんやりしている人で、
 そんなところは少しプロセラと、
 近い印象を持っていたかもしれない。

 これは直接本人に聞いたわけじゃないけれど。

 プロセラが洋館に来ることになった理由に、
 彼が関係していたことは、
 世話人同士の噂話で聞いたことがある。

 それをプロセラが、どう思っているかは、
 聞いたことがないけれど。]
(278) 2022/12/24(Sat) 19:02:17

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
 
  ……え、


[悲しい顔をしていると言われて、思わず頬を抑えた。>>195
 そんなに表情に出てたかな。
 言われるまで、気づいていなかった。

 不安だと言う言葉を、
 どう受け止めていいのか、分からなかった。

 私のプロセラに対する不安が、エトにも見えていたのか。
 エトの視線がプロセラに向くのを、静かに見つめる。


 ――『塔』は『星』の目の前で処刑されました。



 教典の一文をまた思い出した。

 『星』が『塔』を求めているのか。
 かつて友であったという二人。

 友達になりたいと、今伝えるエトを。
 どうしても教典に重ねてしまう。]
(279) 2022/12/24(Sat) 19:02:50

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[そのエトが、口にした言葉は>>197
 私が不安を抱いているものと同じような気がした。

 すごいな。
 これが星詠みの力なのかな。

 彼自身の持っている"何か"なのか、分からないけれど。

 エトの言葉に後押しされるように。
 握り返された手をもう一度、強く握って、
 プロセラを見つめた。

 ねえ、プロセラ。
 私だけじゃないんだよ。

 あなたを心配してくれる人が此処にもいる。
(280) 2022/12/24(Sat) 19:03:18

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[そう教えてくれたのは、奇しくも、
 かつて『塔』が友と認めたひとカード

 そばにいるから>>103
 その言葉を、そのまま受け止めてもいいよね?]



  ……プロセラ。



[世界の混沌を見せる中継機の、
 放送されていた言葉の中に、彼の名前があった。

 『嵐』はまるで彼の心の中を表すよう。 
 見えない表情の奥で、幾つもの壁を纏ってる。

 そう、あなたが名乗った名前を、呼ぶ。]
(281) 2022/12/24(Sat) 19:03:37

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 



  

 
[ ときに『嵐』が起こらなければ、
  『太陽』は人を焼き尽くしてしまうだろう。

  それならば、あなたが居なくては。
  
  私には、あなたが居なければ。
あなたと同じ気持ちです
   **]
(282) 2022/12/24(Sat) 19:06:16

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[見上げた視線の先、赤いプロセラの瞳が、
 少し眩しそうに細められて。

 何か、伝わったんだって確信した。

 滅多に動かない彼の唇が開いて、
 彼がゆっくりと言葉を紡ぐ。

 それは、私への心配だった。]


  ……え、……


[考えていなかった。何もかも。
 プロセラの言葉で>>303、はじめて思い至る。

 二十二人揃ったことで世界が崩壊しかけたこと。
 それはたしかに、世界の人々を混乱させるだろう。
 暴動も起きるかもしれない。]
(401) 2022/12/25(Sun) 15:00:41

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[でも、世界は壊れなかった。
 壊れなかったのなら、大丈夫だろうって思ってた。

 私達が何かをしたわけではないけれど、
 崩壊しかけた世界の理由を、私達は知っている。

 知っていることが、
 また、世界の人達を不安にさせてしまうだろうか。
 
 そうしたら、私はまた。
 昔のように石を投げられたりもするのだろうか。]
(402) 2022/12/25(Sun) 15:01:03

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[――――怖い、と思う。

 畏怖の眼よりも、何よりも。
 憎悪の眼を向けられることが。

 それは時に攻撃的なものに変わり、
 人を傷つけてしまうから。

 世界は不安なのだ。
 不安だから、探してしまうのだ。
 行き場のない感情をぶつけられる対象を。

 広告塔の仕事をこれからも続けるのだとしたら、
 いつしかは、きっと、ぶつかるだろう。

 綺麗な感情だけじゃない。

 人々の抱えきれない想いに、
 『証持ち』への様々な感情を抱いた気持ちに。]
(403) 2022/12/25(Sun) 15:01:25

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[ぶる、と肩が震えた。
 これからのことを想像して。

 "傷み"を思い出してしまって、震えたのだ。
 一度、覚えた疵は記憶に残るから。

 また"傷み"と向き合うことになるかもしれない。



 ―――それでも。]
(404) 2022/12/25(Sun) 15:01:48

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[助けになりたいと言ってくれる人がいる>>304
 
 それだけで涙が出そうだった。
 ぐっと唇を噛みしめる。

 その言葉だけで十分だった。
 其処に居てくれるだけでもいいのに。

 いつも受動的だったプロセラの、
 初めて語られる彼の願いの中に、
 私がいることだけでも十分に力になる。


 もう、膝を抱えて泣いていた頃とは違う。


 今はひとりじゃない。
 プロセラだけじゃない。
 洋館で過ごしてきた『証持ち』の人たち。
 それぞれ、関わりは長くあり短くとも。

 それが、私の今、"守りたいもの"だから。]
(405) 2022/12/25(Sun) 15:02:09

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[はく、と口を開いて、閉じて。
 滲んだ視界で考えを話すプロセラを見届ける。

 こんなにたくさん話すプロセラを見るのは初めてだ。
 誰かに物事を頼むのも、きっと。

 そのきっかけをくれたのは紛れもなくエトだろう。
 二人のやりとりを眺めながら、
 言いたいことはたくさんあったけれど。

 胸が詰まって、言葉にならなくて。]


  ……ふぇ……、


[吐くように息をしたら、
 ぽろっ瞳から何かが零れ落ちた。]
(406) 2022/12/25(Sun) 15:03:38

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク




  ……うぇ……、ぁぁん……っ……!
  ぁぁぁぁぁぁ……っ……、
 


["守りたい"と思っていたと同時に、
 "守られていた"と知る。

 『大丈夫』だと言い聞かせながら、
 『大丈夫』じゃなかったのは、私。

 気付かされて、初めて気づく。
 ずっと、"  "を抱えていたこと。
 
 そしたら、ぼろぼろと何かが決壊したみたいに。
 溢れて溢れて、仕方なくて。
 
 子供みたいにプロセラの手を握りしめて、 
 しゃくりあげながら、大声で泣いた。**]
(407) 2022/12/25(Sun) 15:04:15

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[ひとしきり泣いて、泣いて。
 自分でも止められないぐらいに泣いて。

 プロセラとエトを少し困らせたかもしれない。

 二人と分かれて、泣き腫らした眼を擦りながら、
 調理場で水分を少しだけ摂った。

 飲み物を飲めば、少しだけ落ち着いて。
 柔らかな息を吐き出して、一息をついた。

 プロセラの心配が無くなった分だけ、
 不安が少しだけ薄れたけれど。

 神様の言葉を聞いたみんなは、
 それぞれ思うところがあったのか、
 ばらばらに反応を見せていたように思う。

 当然のように。
 みんな此処に残るものだと思っていたけれど、
 そうでない人も、居るのかもしれない。]
(462) 2022/12/25(Sun) 21:46:52

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[ぼうっと考えを巡らせていれば、
 ポケットの端末が震える。

 手に取って開いてみたら、
 チェレスタからのメッセージ。>>134


  …………――っ、


[眼を落とした途端、
 弾かれたように、駆け出した。]
(463) 2022/12/25(Sun) 21:47:33

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[調理場から駆け出したら、
 食堂にまばらに人が集まっているのが見えた。

 シトラと、探していたチェレスタと。
 その他にも何人か証持ちの人が居たかもしれない。

 今は周りを見る余裕もなくて、]


  チェレスタ……!!


[彼女の姿を見つけたら、
 飛び出していた椅子にぶつかりながらも、
 チェレスタの下に向かっていく。

 慌てていたせいか、息が切れて。
 眼はさっき泣いたばっかりで赤いままで。

 談笑していた彼女たちの間に、
 割って入るように、彼女を両肩を捕まえた。]
(465) 2022/12/25(Sun) 21:48:03

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[肩で息を整える。
 上下する肩を大きく息を吐き出してから、吸い込んで。
 彼女と正面から向き合った。]


  
……大丈夫じゃない!!


  チェレスタが居なくなって大丈夫なわけない!

  ……いつも、お出かけしても、
  大丈夫なのは……、
  チェレスタが必ず此処に帰ってきてくれるから。
  だから、大丈夫なんだよっ。

  戻ってこないなら、大丈夫じゃないっ。

 
[箍が外れたのは、
 さっき涙を流したせいかもしれない。

 今まで『大丈夫』だと伝えていた分を、
 すべて吹き飛ばすみたいに、必死に彼女に告げる。

 駄々をこねる子供みたいに。]
(466) 2022/12/25(Sun) 21:48:45

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[いなくなるつもりはないと、書いてあった。
 書いてあったけれど、それよりも前の一文が心に残った。
 
 私に宛てた彼女のメッセージに。
 チェレスタが求める言葉を返せたかは分からない。

 でも、『証持ち』がばらばらになっていく。
 その不安も伴って、焦燥感に駆られる。]



   ……行ってもいいけど、
   必ず、戻ってきてくれなきゃ、やだよ……。



[其処に居たのは、『太陽』でもなんでもない、
 華奢な体をした、まだ幼い子供の姿。**]
(467) 2022/12/25(Sun) 21:49:56

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク




 [ 神様がみんなに別れを告げたその日。

      それは、箱庭の仲間たちが解けていく日。 ]



   
(489) 2022/12/25(Sun) 22:32:53

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[その日は、どうにも感情がめちゃくちゃで。

 今までずっと笑っていたのが嘘みたいに、
 泣き虫で、脆くて、弱い、子供のような自分が居た。


 ――後日、


 クロが、
 マドカせんせいが、
 かみさまと共に、
 新しい『箱庭』に行ったことを知った。

 クロは置き手紙だけを残して。
 マドカせんせいとは、挨拶も出来ないまま。

 ゼロが外への世界へ目を向けて、
 度々、チェレスタや私に世界のことを尋ねていた。

 ゼロも出ていくのかなって、
 その雰囲気からなんとなく、感じ取れた。]
(490) 2022/12/25(Sun) 22:34:10

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[箱庭にはどれだけの『証持ち』が残るのだろう。

 今いる人たちも、いずれは、
 旅立ってしまうのかもしれない。]


  寂しくないって言ったら、
  嘘になるけど……。

  決めたことなら、仕方ないよね……。


[彼らの旅立ちの時。
 ゼロがくれた飴玉を握りしめて、自分に言い聞かせる。
 
 彼の傍らにはクリスタベルが居た。
 彼らのこれから過ごす未来には、
 どんなものが待ち受けているだろうか。

 少なくとも洋館で過ごしていた頃よりは、
 きっと厳しいもののように思える。]
(492) 2022/12/25(Sun) 22:34:50

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 

  たまには、手紙を書いてね?

  ゼロの話を、
  クリスタベルの話を、聞かせてね。

  元気だって、それだけでいいから。
  私も、二人に手紙を書くから。

  それから――、

 
(495) 2022/12/25(Sun) 22:35:09

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 

 

[誰がいつ帰ってきても、
 出迎えられるように。

         

            洋館にはずっと、――私が居る。]


 

 
(499) 2022/12/25(Sun) 22:37:08

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[言いかけた言葉を、途切れさせて。
 緩く首を振った。

 きっと彼らには必要ないものだから。

 だから代わりに、
 満面の笑顔を浮かべた。]  
(501) 2022/12/25(Sun) 22:37:32

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク




 
  
  これからの旅路が、
  ――明るいものでありますように!


                       **

 
(502) 2022/12/25(Sun) 22:37:51

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

―― *** ――


[――時は過ぎて。

 世界崩壊の後は、まだ痛々しく各地に残っている。

 『神』は新しい箱庭に去ったが、
 残された『証持ち』を政府は未だ保護している。

 世界が壊れかけたのは『証持ち』のせいだと、
 暴動が起きかけたこともあった。

 だが、同じとして。
 『証持ち』のお陰で助かったのだという者たちも顕れた。
 意見は二つに分かれ、
 まだ『証持ち』を災いと恐れる者たちと、
 救済者だと新たに『証持ち』を奉ろうとする者も居る。]
(554) 2022/12/25(Sun) 23:58:27

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[『証持ち』たちはそれぞれの道を征く。

 時に連絡を取り合うものの居ただろう。
 永遠に、会うことが出来ないものも。

 変わらず洋館で暮らすものも、店を起こすもの。
 それぞれ、それぞれ。

 大小あれど、あの日に何かが変わり、
 何らかの変化があったことは、それぞれの胸の内に。]
(556) 2022/12/25(Sun) 23:58:57

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[――とある街。

 崩れた瓦礫がまだ残る街路の端、
 開けた公園の中央に、広場があった。

 広場には人が集まり始め、
 広場の後ろには大きな中継機が設置されている。


 目を閉じて、気持ちを落ち着かせるように。
 深呼吸を一つ、胸を上下させる。

 掌に収まる集音機を握りしめて、
 顔を上げて、足を踏み出せば。

 そこは、観客で溢れた会場ステージの上。]
(557) 2022/12/25(Sun) 23:59:13

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク



 『みんな〜〜っ!!

  今日はヒナギクスーパーステージに
  集まってくれてありがとうっ!!

  街はまだまだ復興で大変だけれど、
  これから一緒に世界の疵を直していこうねっ!

  今日は、私が……っ、……』
(558) 2022/12/25(Sun) 23:59:34

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[ステージの上で集音器で話していれば、
 不意に何かが飛んできた。
 
 咄嗟に顔を逸らしたけれど、
 ガツンッ、と眦に当たった硬いものが骨に響いて。
 ぬるりとしたものが頬を伝った。]



  『証持ちが何を言っている……!』

  『お前らのせいでこうなったのに……!』



[切れた傷を空いた片手で覆って、
 頬を伝ったものを、手の甲で拭う。

 掌が赤く染まる。

 慌てて駆けつけた政府の人たちが、
 怒鳴りつけた人間を押さえつける。

 世界に疵が出来てから、
 こういうことは一度や二度じゃない。]
(560) 2022/12/25(Sun) 23:59:48