人狼物語 三日月国


242 『慰存』

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【赤】 七海 聖奈



[中途半端に昂った身体を宥めながら
 好きな人を監視し続ける生活は変化を遂げて。
 ただ、監視するだけではなくなっていくのです。]**


  
(*19) 2024/01/16(Tue) 3:13:48

【赤】 七海 聖奈



[起きたときにはもうすっかり辺りは明るくて
 カーテンの隙間から陽が差し込んでいました。

 昨日の出来事が夢ではなかったと証明するように
 身体の内側に残る違和感と
 体液で濡れたまま乾ききっていないシーツ。

 
そして……スマホに残されたメッセージ。>>*4


 
(*20) 2024/01/16(Tue) 20:43:28

【赤】 七海 聖奈



[どうやって部屋に入ってきたのかなんて些細な事。

 
     
スマホを手に私はにっこりと笑っていました。]


 
(*21) 2024/01/16(Tue) 20:44:13

【赤】 七海 聖奈



[―――――つまり、デートの日まで我慢していれば
 極上のご褒美をあなたからもらえる。

             そういうことですよね?]**


  
(*22) 2024/01/16(Tue) 20:45:00

【人】 七海 聖奈


[葉山さんと食事の約束をしてから。
 約束の日まで、舞い上がってしまった私は
 ふわふわとした気持ちで日々を過ごしていました。
 バイト先では、何かいいことあったの?と
 店長に聞かれるくらいには機嫌よく
 出勤していましたし、講義が長引いたって
 憂鬱になったりもしませんでした。

 とはいえ、毎日しなければならないことが
 疎かになることは決してありません。
 大学生活とバイトを両立しながら、趣味にも精を出す。

 誰が見てもいたって普通の女子大学生です。]
 
(0) 2024/01/16(Tue) 20:45:34

【赤】 七海 聖奈



    
―――――………。



[大学に着いてすぐと講義が終わって帰宅する前。
 近くの公衆電話から葉山さんの携帯に
 電話をかけては、5コール数えて切る。

 葉山さんが出てくれたとしても何も喋らないのは
 話すのが目的じゃないから。

 ただ、一瞬声が聴きたくて
 電話をかけたのが誰なのか考えてくれたなら
 その思考さえ私のものにできると思うから。

 電話をかけたのが私だと気づくなら
 それはあなたは私を見ていてくれてる証だから。]

 
(*23) 2024/01/16(Tue) 20:46:25

【赤】 七海 聖奈


[あの日あなたがスケジュールを見せてくれたおかげで
 忙しい日が続くと知っていましたから
 少しでもあなたに元気でいて欲しくて
 あなたのためを想ってあなたが好きな料理を作っては
 いつものように開いている窓から部屋に置いてくる、
 そんなことを繰り返すようになりました。 ]

 
(*24) 2024/01/16(Tue) 20:47:27

【赤】 七海 聖奈



[食べてくれてるかどうかはカメラで確認すればいい。
 捨てられていても関係ない。
 食べてくれるまで置くのはやめないし
 食べてくれたなら置き続けるだけ。

 料理には何の細工もしてませんし
 きっとあなたなら食べてくれる。

               
―――――食べて。


 
(*25) 2024/01/16(Tue) 20:47:56

【赤】 七海 聖奈


[お礼?そんなもの要らないですよ?
 
勝手にもらっていきますから。


 洗濯カゴに入ったまだ洗っていない服を
 持ち去って、次訪れるときには新品の同じ服を
 買ってきて戻すことを繰り返しました。

 持って帰った服を抱きしめて眠る姿を見られても
 別に構わないんです。
むしろ見ていて欲しい。

 
(*26) 2024/01/16(Tue) 20:48:42

【赤】 七海 聖奈


[だから私、いい子にしてデートの日を待っているんです。

 いつも自分を慰めていたのに
 それをやめて何度も、何度も寝返りをうちながら
 無理やり身体を宥めて眠りにつく日々。

 不燃ごみの日に玩具だって捨てたんですよ?
 部屋に会ったら手を出してしまいそうだったから。]

 
(*27) 2024/01/16(Tue) 20:49:42

【赤】 七海 聖奈


[仲が良かったと思っていた人から
 別に自分はそう思ってなかったと掌を返される。
 
 自分から想いを伝えるなんて
 ただ傷つくだけで、いい事なんてなんにもない。]

  
(*35) 2024/01/17(Wed) 23:42:00

【赤】 七海 聖奈



[もし、相手の想いを確信する術でもあったなら
 この行為をやめることも出来たかもしれませんが。]


 
(*36) 2024/01/17(Wed) 23:42:19

【赤】 七海 聖奈



[好物を人知れず置いていくのは
 要らないって言われるのが怖いから。>>*29

 黙って置いていけば
 もし受け取ってもらえなくても言い訳が出来るから。

 ストーカーが私だと知っていて
 通報も報復もしないのなら受け入れてもらえてるはず
 そう、思いたいけれど。


 私なんかが、誰かに好かれるわけがない。
 幼い頃に刻まれてしまった呪いのような認識は
 自分で崩すことができないのです。]


 
(*37) 2024/01/17(Wed) 23:43:43

【赤】 七海 聖奈



[約束の日まであと半分になった頃。
 自慰を禁止された私は、欲を誤魔化すように
 早めに寝ることが増えていましたから
 侵入されてすぐは気づくことが出来ず、
 拘束されてからようやくあなたの存在に気づいて。]

 
(*38) 2024/01/17(Wed) 23:44:29

【赤】 七海 聖奈



[強引に拘束されて、責め立てられるこの状況は
 私がリクエストしたあの短編みたいで、
 でも、あの小説と決定的に違うのは、
 決して絶頂が訪れない事。

 しばらくぶりに感じる玩具の振動は
 一番強い設定なことも相まって
 刺激が強すぎて、すぐに波に呑まれそうになるのに
 一歩手前で止められてしまってずっともどかしいまま。]


 
(*39) 2024/01/17(Wed) 23:46:44

【赤】 七海 聖奈



   ごめんなさい、ゆるして……

   いや、もうイけないのいや…………



[涙で目隠しを濡らしながら
 懇願しても、永遠のような責め苦は止むことなく。
 赦しを乞う気力さえなくなって
 掠れた喘ぎ声と、水音だけが響いていました。]


 
(*40) 2024/01/17(Wed) 23:47:22

【赤】 七海 聖奈



[解放された後も、あなたの真意を理解しないまま
 ストーカー行為は続けていました。

 そうして、約束の日が来るのです。]**

 
(*41) 2024/01/17(Wed) 23:47:48

【赤】 七海 聖奈


***


[ようやく食事に行く日。
 朝にあった講義なんて上の空でした。

 家に戻ってきた私は、ハンガーにかけてあった
 可愛らしい服を手に取るのです。
 ピンクのふんわりしたブラウスには
 胸元に黒いリボンがついているタイプのもので
 黒いスカートを合わせれば、サイン会のあの日と
 服の雰囲気は似ていたかもしれません。
 上にカーディガンを羽織ると
 待ち合わせ場所に向かうのです。
 
……と言っても家の前なんですけど。]


 
(*42) 2024/01/17(Wed) 23:48:19

【赤】 七海 聖奈



   
お待たせしました……。



[柔らかな微笑みと、いつもと違う服に
 少し反応が遅れてしまって。

 ……名前で呼ばれた私は
 どう返していいか一瞬分からなくなってしまうのです。]

 
(*43) 2024/01/17(Wed) 23:48:44

【赤】 七海 聖奈



[伺うように見上げながら聞いたのですが、
 不安と怯えが滲んで、小さな声になってしまいました。


 いいと言われたなら安心したように微笑んで
 もう一度名前を呼んでから。]


   
えっと……行きましょうか。



[一瞬手をのばしかけて。
 自分から手を繋ぐなんて出来なくて
 すぐに引っ込めてしまいました。]*

 
(*44) 2024/01/17(Wed) 23:52:07

【赤】 七海 聖奈



[どうせ好かれないから何をしても一緒。

 
どうせ好かれないのに好かれたい。

 
 酷く矛盾していて受け入れがたいはずの行動を
 あなたがどう思っているかなんて
 分かるはずもありません。

 普通なら拒絶されるはずの行為が拒絶されていない、
 それはあなたにとっては答えかもしれなくても
 私は確信を持てないままで。]


  
(*50) 2024/01/18(Thu) 23:35:19

【赤】 七海 聖奈



   
ずっと、名前で呼びたいって思ってたんです。



[小さく呟いた声は届いたでしょうか。

 引っ込めてしまった手を自然に取られて
 頬を赤くしつつも振り払うことはなく、
 握り返して、ついていくのです。

 
もっといいことをしてあげる、

 そんな甘い誘惑の方が今日の本題なのだと
 分かってはいたものの
 食事だって楽しみにしていた私は
 逃げ道を塞ぐようなあなたの言葉に
 目を泳がせてしまって。]

 
(*51) 2024/01/18(Thu) 23:36:20

【赤】 七海 聖奈


***

[お店を離れる頃にはすっかり酔っぱらっていました。
 あんまり飲んでは迷惑をかけてしまうと
 分かっていても、隣で飲んでいる人がいるのに
 全然口を付けないのも嫌で、
 ご飯が美味しくてついつい飲んでしまって。

 考えがふわふわと纏まらないまま
 ただただ、隣に好きな人がいて幸せだな、なんて
 機嫌よくにこにこ笑いかけて
 自分から手を繋いで指を絡めてみせました。]
 
(*52) 2024/01/18(Thu) 23:39:06

【赤】 七海 聖奈



   
おいしかった……ごちそうさまでした!


            
また、行きたいな……。



[今の私を見れば本当にただの大学生でしょう。
 
 きっと誰も気づけません。
 私がストーカーをしているだなんて。]


 
(*53) 2024/01/18(Thu) 23:39:35

【赤】 七海 聖奈



   新刊、早く読みたいな……


[思考がまとまらないせいで
 話がすぐ別方向へと飛んでしまいます。
 普段ならこんな喋り方しないのに。
 
 新刊がどんな内容なのか知りもしない私は
 まさか私がしてきたことが
 小説に書き起こされるなんて考えもしていません。

 仮に知っても、怒りも軽蔑も抱かない。
 ただ、小説の題材になるほどのことを
 自分がしていたのかという疑問と
 何故数ある題材の中からそれを選んだのか、と
 混乱はしてしまうでしょうけれど。]


 
(*54) 2024/01/18(Thu) 23:41:07

【赤】 七海 聖奈



[―――――好きな作家さんに主人公を頼まれるなんて
 光栄なことだとは思いませんか?

             怒るわけ、ないでしょう?]


 
(*55) 2024/01/18(Thu) 23:41:27

【赤】 七海 聖奈



[あなたと話していれば、
 家まで戻ってくるのはあっという間でした。

 火照った頬に当たる夜風の心地よさに
 ほんの少しだけ酔いがさめたような気もします。]

 
    
裕太郎さん………


 
(*56) 2024/01/18(Thu) 23:43:58

【赤】 七海 聖奈



    見てたんでしょう?
    私、ずっといい子にしてましたよ?


  
(*57) 2024/01/18(Thu) 23:44:25

【赤】 七海 聖奈



    
もう、お預けは嫌なんです……。



         
―――――あなたのことが欲しい。


  
(*58) 2024/01/18(Thu) 23:44:51

【赤】 七海 聖奈



[部屋の扉の前、入る前にそう言うと
 背伸びして、あなたの首筋に口付けを落とすのでした。]*


  
(*59) 2024/01/18(Thu) 23:45:22