人狼物語 三日月国


241 【身内】冬の物語

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視点:


【人】 松場 雪奈

[目が覚めれば、一人だけ。
昨夜の事は、夢か幻かと思いたいが、身体の重さも、違和感も、それが夢ではないと教えてくれる。

だけど、一人残された…それが答えと。


流されるまま、うんと言えればよかった。
だけど、それはいろんなものから目を背けての事だと思った。
そしていつかそれは──。

これは遅かれ早かれ…ただその違いだけだと…
もしかしたら、目を背けた先よりはましなのかもしれない。
そう…そう思いたいのに……。

罪悪感が押し寄せる。自己嫌悪が溢れていやになる。
そんな事はない。そんな事はないはず……。

何か──言い訳をして、でも会いに行く勇気がなくて、一言だけメッセージを送る。

柊と…。

何を言えば良いのか解らず、ただ縋るように名前を送る。]
(3) 2024/01/10(Wed) 22:01:47

【人】 松場 雪奈

[──でも、返事はなかった。
それが答え。

求めて、求めて…自分の恋心を汚しても、求めたけど、やはり無理だったと。
決定的に、と自覚するしかなかった。

何もかも粉々になってしまう覚悟は、あったつもりであった。
だけど実際そうなったら、覚悟なんて何もなかった…。
胸に穴が開いたようで、身体にも力が抜けるような喪失感。

泣くのは違うと思っても、失ってしまったものが大きすぎて、涙は止まらなかった。]
(4) 2024/01/10(Wed) 22:02:16

【人】 松場 雪奈

[その後…もしかしてと、朝、合わせていた時間に出社してみたが、その扉が開く事はなかった。
メッセージも何もない。

──避けられているんだと、嫌でも解った。

避けられるのは、悲しくて苦しい…でもそうなる事をしてしまったんだと改めて、思い知らされる。
それでも忘れられない。

それどころか、柊の背中を追いかける夢、あの日の事の夢…でもどちらも最後は柊が消えてしまう、そんな夢。
何度も泣いて起きて、そして自己嫌悪と罪悪感に苛まれる。

それでも消えない。なくならない、彼への想い。
避けられても、嫌われたと思っても…それだけ呆れるくらいずっと想ってきたから。

───私は、柊に何をしてあげられるだろうか。
そう考えて出した答え…。]
(5) 2024/01/10(Wed) 22:03:00

【人】 松場 雪奈

[柊と会えなくなって、半月がたって、休みの日、不動産屋に訪れていた。

隣と言う距離。避けていたとしても、近い距離。
意識するつもりが無くても、意識してしまうだろうから…と新しい部屋を探そうと思って。*]
(6) 2024/01/10(Wed) 22:03:16

【人】 松場 雪奈

[今の部屋を見つけた時、すんなり見つけれたから、すんなり見つけれるものと思ったがそうではなかった。

離れるべき…そう思っても、離れてしまったら、それこそ何もかもなくなる。
そう思うと、怖くて、無理だと思っても、縋ってしまい一歩が踏み出せない。

は癒える事はない。
時が癒してくれるというが、自分にはそれが当てはまらない。
失ったものが大きすぎて……。
夢を見て、泣く頻度は減っていくが、もうずっと笑っていない。
笑い方なんて、忘れてしまった。出来るのは愛想笑い位。

──あれから半年。

半月会えなくても、辛かった…半年も経てば、会えない事が当たり前になっていた。
それでも、彼の事を考えない日などはなかった。
いつも、考え、もしかしてを期待し、これではだめだとあきらめて…。
半年たって、改めてこれではだめだと思った。

だから改めて、部屋を探す。
半年も会っていない、言葉も交わしてない。だからいなくなっても、何も思わないかもしれない。
でも何も言わずに、引っ越すのも、傷つけるような気がしてしまう。
そう思いたい、思う事で、奮い立たせる、ただのけじめだったのかもしれない。]
(8) 2024/01/11(Thu) 20:45:50

【人】 松場 雪奈

[だから手紙を書く。
メッセージだと読んでもらえないかもしれないから。
…手紙でも同じだが、それでも電子の文字より、自分で書き綴った文字にしたかったから。]
(9) 2024/01/11(Thu) 20:46:05

【人】 松場 雪奈

[書きたい事は、いろいろあったのに、結局書けたのは、用件だけであった。
それでも、何度も書き直す、涙が落ちたり、震えたりしてしまったせいで。

その日は、ちょうど休みの日。
手紙を柊の部屋のポストに投函すると、部屋の内覧の為に出掛けたのであった。*]
(10) 2024/01/11(Thu) 20:47:28

【人】 松場 雪奈

[内覧した部屋は、今のアパートと会社までの距離は一緒だが、
会社を挟んで逆側。
そこに決めてしまえばいいが、もう少し他もと言うのは、やはり未練。
その未練を断ち切るように、手紙を入れたのに、いざ決めてしまおうとすると躊躇してしまう。

夕方…帰ってきた時、彼の部屋前で足を止めてしまう。
会いたい…そう思って、何度足が止まった事か。
でも何か出来るわけではなく、とぼとぼとした足取りの、自分の部屋に戻る。



引っ越しの準備とばかりに、片づけるが、これは…とか、何かについて浮かんでしまう。
本当にこの部屋には、柊との思い出が溢れていると、改めて実感させられる。

会わなくなって、半年も経っているのに、いまだふっと思い出しては、泣けそうになる。]
(11) 2024/01/12(Fri) 21:32:42