人狼物語 三日月国


62 【ペアRP】ラブリーナイト【R18】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


到着:御曹司 サクライ

【人】 御曹司 サクライ

  ー 数ヶ月前・実家にて ー

[ずしりと重みのある水袋。
 それが、触った乳房の感触だった。
 ただの水ではなくて、妙に温い。
 しかも薄い皮膚の奥でどくどくと脈打っている。

 俺は導かれた手を振り払って
 きつく枕の端を握りしめ、目を瞑った。

 父が俺に宛がった商売女は、
 俺の様子に気を悪くした様子も無く
 「悪くないでしょ?」と嗤う。


 …………悪くないわけあるもんか。


 父はきっと一生かかっても分からない。
 息子が『変態』なのは女の経験が無いせいだと
 固く信じて疑いやしない。]
(22) 2021/03/14(Sun) 23:49:17

【人】 御曹司 サクライ

[女の口や手が俺の幹を育て、
 やがて、まだ柔らかさの勝るそれを
 ぐっと蜜壷の中へと埋めていく。

 寝具の上で身を捩ろうにも、
 滲む冷や汗を吸い、青く震える体を包む寝具は
 まるで雲のように柔らかで、逃げ場なんかない。
 拒んでも、逃げても、どんどん俺の陰茎は
 きつく蠢く肉の中へと埋もれていって─────



 こつん、と茎の先端が、女の膣の最奥に当たる。
 そこが子を成す部屋の入口だと
 認識した途端俺は限界を迎え、真っ白なシーツの上に
 盛大に吐瀉物を吐き散らかした。]
(23) 2021/03/14(Sun) 23:50:51

【人】 DOM サクライ

  ー 現在・The Lapis ロビーにて ー

[黒いライダースとジーンズ。
 差し色には、スマイリーの描かれた
 明るいイエローのスニーカー。
 一流ホテルには相応しくないだろう出で立ちで
 俺はロビーに腰かけたまま
 何度もメールを読み返している。

 「あなたの願望を叶えられるでしょう>>n2

 本当にそんなこと、あるだろうか?
 期待と不安がせめぎあって、
 今にも気が狂いそうなほど。]
(24) 2021/03/14(Sun) 23:52:04

【人】 DOM サクライ

[俺はゲイだ。
 けれど欲しいのはただの男の身体ではなくて
 自分に服従して、何処までも
 快楽の道を拓いてくれるような相手だった。

 ……前はいたさ。
 この世にまたとない存在が。


 ただ身体を繋げるだけじゃ足りなくて、
 もっと深いところで安心したいのかもしれない。
 ……そう自己分析してみて、改めて笑えた。
 信じていれば運命の相手が訪れる、なんて
 いい歳こいて願っている野郎なんてゾッとする。
 それが自分なら、尚更。]
(25) 2021/03/14(Sun) 23:57:17

【人】 DOM サクライ

[─────でも、もしいたとしたら。

 きっとこの心の乾きは満たされる。
 体を交えた熱が頭を浮かしている、
 ほんの僅かの間だけでも。]*
(26) 2021/03/14(Sun) 23:59:33
DOM サクライは、メモを貼った。
(a0) 2021/03/15(Mon) 0:04:40

【人】 DOM サクライ

  ー 過去・メールに望みを託す ー

[まるでおとぎ話のお姫様みたいだ、と自分で思う。
 「いつか運命の人が、自分の前に現れる」なんて。

 別に、これはセックスや恋愛だけの話じゃない。
  「話せばわかる」
  「きっといつかは理解し合える」
 現実は、そんな甘くて脆い砂糖菓子みたいな理想を
 易々と打ち砕きながら横たわっている。

 ─────それが分かっていながらも
 友達に紹介されたサイトを開きながら
 俺は甘々な理想を追っていた。

 巷によくある出会い系とかマッチングアプリじゃなく
 サイトの管理者手ずから希望の合う同士を
 引き合わせてくれるらしい。]
(45) 2021/03/15(Mon) 14:52:13

【人】 DOM サクライ

[「マゾヒストのネコ」─────……なんて
 きっと俺が思っている以上に沢山いる。
 唾吐かれて罵られたい奴、鞭打たれたい奴、
 縛られたい奴に、ほっとかれたい奴。
 出会った中にもいろんなやつがいたけれど。

 けれど、ふた晩以上を共にしたのは極わずかだし
 もっと回数を重ねたのなんか、
 五本の指にも収まる程度。

 多分彼らが期待するようなものを
 俺が提供できなかっただけかもしれない。
 ……でも俺だって、サンドバッグが
 欲しかった訳じゃないんだ。]
(46) 2021/03/15(Mon) 14:57:25

【人】 DOM サクライ

[簡素なメールの文面とは裏腹に
 俺の気持ちは、気持ち悪いほどに、重い。

 だって、返信なんか来るわけが無い。
 
二人目の運命の人なんか。


 結局、メールを出してしまっても
 即時返事が来る訳でもなし。
 本当の本当に、サイトの管理者から連絡が来るまで
 俺はメールを出したことすら
 すっかり忘れてしまっていた。]
(47) 2021/03/15(Mon) 15:05:25

【人】 DOM サクライ

  ー 現在・ロビーにて ー

[結局何度確認してもメールの文面は変わらない。
 俺は重くため息をつくと、また足を組みなおす。

 こういう場所に相応しい服を
 もう少し考えてくればよかった……なんて
 周りを行き交う人間や、調度品を見て思う。
 
オシャレポイントがスマイリーって子どもか俺は。


 ほら、あんなふうに─────……
 目の前を過ぎる男性>>40を視線で追う。
 品の良いスーツを、嫌味もなく着こなす彼は
 多分俺より一回りほどは年下だろうか。

 まあ、絶対俺と同業ではないだろう。
 俺と同じようにらサイトで
 マッチングした相手を探しているなら
 そのお上品なスーツの下に、
 一体どんな欲望を秘めているのやら。]
(48) 2021/03/15(Mon) 15:38:22

【人】 DOM サクライ

[不躾に詮索するような視線を向けて
 俺はひとり、この歳若いリーマンの欲望のたけを
 心の中に思い描いてみる。

 ……ついでに、形の良い腰周りに目を止めれば
 その下の素肌を思い浮かべてしまう。
 そんなに貧弱な体じゃない。
 身体に肉がついていた方がいい。
 骨味の強いのは、責め立てている時に
 ぽっきり折れてしまいそうで好きじゃない。

 視線が交われば、そんな下卑た妄想をしてるのは
 おくびにも出さず、にっこり会釈でも返そうか。]*
(49) 2021/03/15(Mon) 15:45:31

【人】 DOM サクライ

[まるで糸を手繰り寄せたらそこに繋がってたみたいに
 俺と彼の視線は宙で交わりあう>>65
 値踏みや詮索の意図の見えない、
 ふんわりした笑い方が、可愛らしいと思った。]


  …! ふふ、可愛いでしょう?
  こう見えて仕事に文句も言わず着いてきてくれる
  心強い相棒なんですよ。


[彼に倣ってスニーカーに視線を落として
 俺は表情を明るくさせた。
 お世辞か嫌味かもしれない、と躊躇う気持ちよりも
 気になる人間に話しかけられた喜びの方へ
 天秤の皿が傾いていたのだ。]
(115) 2021/03/16(Tue) 2:52:03

【人】 DOM サクライ




  カメラマンは足が命なもので……
  靴といえば、貴方のも素敵な靴だ。


[隣のソファーへ促しながら
 彼の足元に目をやる。
 艶やかなブラウンの革靴、なんて
 俺の下駄箱の中には一足もない。
 仕立ての良いスーツを着て
 足元までパーフェクトにキメている彼に
 より興味を持って、俺は半歩
 腰を彼の方にずらした。]


  俺は、─────あー、
  こういう場では名乗らない方がいいのかな?


[名乗ろうとしてから此処が何処だか思い返し
 俺は苦笑した。
 参った、こういう場での立ち振る舞いに
 俺は全然慣れてない。]
(116) 2021/03/16(Tue) 2:52:33

【人】 DOM サクライ

[もし彼が気にならなければ
 「サクライと言います」と名乗ったろうし
 この欲望に満ちた集まりの中、
 彼が互いの正体を秘めたいのならそれを尊重し
 その時は「カメラマン」で通すつもり。

 話しながらも、俺はこの人の内側に
 興味を持つのを止められない。
 でも、ヘテロかもしれないから
 靴よりその形のいいケツを褒めたい気持ちは
 ぐっと抑えておこうか。]


  えっと、今日は……あなたも、呼ばれたんですかね?


[「願望を叶えに?」と聞きそうになって
 俺は慌てて言葉を選んだ。
 余計な詮索と、この場に適切な世間話との
 区別を付けるのはなかなか容易ではない。

 そうして結局遠回りな言葉を選んでしまった
 俺自身が可笑しくて、訪ねておいてひとり
 息を漏らすようにして笑った。]*
(117) 2021/03/16(Tue) 3:05:09
DOM サクライは、メモを貼った。
(a9) 2021/03/16(Tue) 3:11:54

【人】 DOM サクライ



  被写体は、風景とかが多いですかね。
  たまに頼まれて結婚式とか成人式の
  前撮りなんかに駆り出されたりもしますけど。

  移りゆくものの、最高に綺麗な瞬間を
  こう、フレームの中に切り取る、というか。
  なかなか楽しい仕事ですよ。


[懐っこく隣にかけてきた彼に>>140
 俺はまたつい相好を崩した。
 ついつい、先日撮ったネモフィラの丘の話や
 盛りを迎えた菜の花畑の写真のこと、
 そこを通る鉄道を背景に撮影しようとしたら
 野良の仔猫に懐かれて、頭に猫が載ったまま
 撮影する羽目になった話をしただろう。

 俺の汚い本性はまだ包み隠したまま。
 けれどここに来た時よりも、
 随分と心が安らいでいるのを感じていた。]
(176) 2021/03/16(Tue) 19:47:57

【人】 DOM サクライ



  俺の靴を一日磨いたって、
  そんなに綺麗になりはしませんよ。
  普段から大事になさってるんですね。


[何となく、たなごころに収めたものを
 とても大事に握り締めている人に見えて
 俺はそんなことを言った。

 それと同時に「この人は何を求めているのかな」と
 その疑念は消せそうになくて。]
(177) 2021/03/16(Tue) 19:48:19

【人】 DOM サクライ



  本当?よかった、俺も初めてなんです。


[榊、と名乗った彼の状況は
 びっくりするほど俺と同じ>>142>>144
 そうなると、途端に心の緊張がふっと途切れて
 俺はソファーに身を凭せた。

 教えてもらった名前がまさかの本名と知れば
 一転、俺は驚いてしまうだろう。
 知らない人間相手に首元を晒すような無防備。
 悪いやつに騙されてしまいやしないかと。



  ええ。理想の相手が見つかった、って。
  正直、未だに半信半疑なんですよね。

  あー、なんていうか、その……
  随分方々手を尽くしても
  ぴったり会う人なんて
  見つからなかったもので……。


[煙草の無い唇に無意識に手をやりながら
 俺は困ったような笑みを浮かべて
 榊さんの顎の当たりを見る。
 微笑みを向けられても、答えに窮してしまって
 俺はまた誤魔化すように笑う。]
(178) 2021/03/16(Tue) 19:50:12

【人】 DOM サクライ

[「俺の相手が榊さんみたいな人ならいいんですが」
 ……いやいや。
 「俺なんかそんなんじゃないんですよ」
 さて、俺は返答するべき言葉を探して
 人差し指で唇の形をなぞる。

 そうしてコンマふたつの沈黙の後、]


  ……俺とマッチングした相手も
  そう思ってくれるのを願うばかりです。


[くしゃり、と目元を歪めた。]
(179) 2021/03/16(Tue) 19:50:56

【人】 DOM サクライ

[─────ところで、サディストというと
 平生から傍若無人に振舞ったり
 自分の暴力性にだらしが無かったりする人間を
 思い浮かべるやつも多いらしい。

 初対面の開口一番「何でぶってくれないの?!」と
 半ギレしてきた奴もいた……あれは笑った。


 あくまで同意の上、二人きりの空間で
 互いに欲望を満たしたいのであって
 公共の空間でそれをやらかしたらただの犯罪者。
 露出狂と変わらない。

 相手にとって本気で嫌なことはしたくない。
 それは他の人間と何ら変わりはない。]
(180) 2021/03/16(Tue) 19:58:01

【人】 DOM サクライ



  ……失礼、時間までに、一本吸ってきても?


[一言そう断るくらいには、
 理性的な生き物でいるつもりで。

 もしチェックアウトの時や、
 長い夜の合間に見掛けたなら
 気安く声がかけられそうな相手ができた。
 ……俺の認識はまだそこで止まっていて、
 彼と俺とが、同じ部屋に案内されていると知れば
 この時もっと気の利いた言葉がかけられていた、はず。]*
(181) 2021/03/16(Tue) 20:07:19

【人】 DOM サクライ

[靴をまた褒められれば>>207
 俺は追うように視線を一瞬足元に移す。

 スマイリーは何も言わずに、ただ微笑んでいる。
 黄色の素地のアッパートゥに
 縦横無尽に刻まれた傷は
 相棒が長旅を耐え抜いた証。

 自慢の相棒だ。
 どんなに悪路であっても、
 どんな天気であっても、
 決して文句も言わずに付き従っていてくれる。

 ─────結局、俺が欲しいのは
 そういう存在かもしれない。]
(257) 2021/03/17(Wed) 3:01:50

【人】 DOM サクライ


[自分の矜持も、羞恥も、何もかも投げ出して
 どんな状況でも傍を離れないで居てくれるような。

 夢見る少女みたいな、
 自己中心的な願いだと、わかっている。
 わかっているのに、捨てきれない。]

 
(258) 2021/03/17(Wed) 3:02:23

【人】 DOM サクライ



  ……ふは、それ、高いのか低いのか
  あんまり分からないですね。


[理想の恋人と会える確率を聞いて>>208
 俺は眉を下げて噴き出した。
 この高そうなスーツと靴とに身を包んだ榊さんが
 恋占いを真面目に信じる少女みたいで
 なんだかとても可愛らしかった。

 喫煙のために席を立つと、
 近くに感じていた温もりが>>207
 すう、と肌の上で冷めていく感覚。
 温かい空間は名残惜しいが、
 身体はどうにも毒を欲していた。]


  いえ、此方こそ、ありがとうございます。
  お陰で穏やかな心持ちでいられそうで。


[彼が立ち上がろうとするのを固辞しつつ
 俺も背を丸めて頭を下げる。
 榊さんの立ち姿は、社会慣れといえばいいのか、
 凛と立つ百合のようだと思った>>211
 こんな場でもなかったら
 話す機会すらなかったかもしれない。
 運命とは、つくづく面白いものだ。]
(259) 2021/03/17(Wed) 3:03:43

【人】 DOM サクライ




  榊さんも、願いが叶いますように。


[そう言って、俺は喫煙所を探しに旅に出た。
 一服する頃には、ちょうど時間になるだろうから
 指定の客室にでも足を運ぼうか。

 そんな算段を組む頭の片隅で
 俺は榊さんの願いについて考えてみる。
 別に、ここは必ずしもセックスをする
 場じゃ無いかもしれない。
 でも、あの人は何らか他じゃ叶えられない
 願いを持ってここに来たのだろう。

 煙草を灰に取り込む間も多分
 その考えは頭から離れない。
 あのスーツの似合う、可愛らしい好青年は
 一体どんな顔をして女を抱くのだろうか、と。]*
(260) 2021/03/17(Wed) 3:04:37

【人】 DOM サクライ



 [得てして、運命の出会い、なんていうのは
  出会った瞬間にはそうだと気が付かないものだろう。

  何気なく結ばれた縁が、
  自分の中で大事なものの形を作って……
  そこで初めて、相手を愛おしいと思うのだ。]

 
(261) 2021/03/17(Wed) 3:07:42

【人】 DOM サクライ

  ー むかしむかしのおとぎ話 ー

[俺の家には、金があって、コネがあっても
 自由なんかひとつもなかった。


 厳しい、束縛体質の父親に嫌気がさしたのか
 物心ついた時には母親の姿はどこにもなかった。
 二つ上の優秀な兄と、厳格な父親との暮らし。

 父親の会社を継ぐことが決まっていた兄がいても
 俺が完全に自由になることはなくて。
 櫻井の家に相応しいように
 小学校を出てまもなく、全寮制の学校へ行き
 それが終われば国立の大学へ、
 その後は良き兄の補佐となるように
 みっちりと敷かれたレールの上にいた。


 生まれてから、本当にずっと。]
(262) 2021/03/17(Wed) 3:09:37

【人】 DOM サクライ

[そんな人生を変えてくれたのは
 無理やりに入れられた学校で
 たまたま同じ寮の部屋を宛てがわれた、
 榛原、という男だった。]


  「なんかさぁ、ずっと部屋帰ってきても
  ずっと勉強してね?えいちゃん」


[寮に帰っても机に向かっている俺に向かって
 ルームメイトはベッドの上でカメラを弄りながら
 何気なく問い掛けてきた。]


  ……うるさいな、関係ないだろ。


[教科書から顔もあげずに突き放した俺に
 榛原は「だよねぇ」と間延びした返事を返して
 ごろりと壁に顔を向けたまま屁をひった。

 俺よりも一回り小柄な榛原は、
 自由奔放な性格で、いつもカメラを首にぶら下げ
 彼の何かの琴線に触れたものの一瞬を
 一心に、一枚の写真に収めていたのだ。]
(263) 2021/03/17(Wed) 3:10:18

【人】 DOM サクライ

[ある時は勉強している俺の横顔に
 おもむろにシャッターを切ったり、
 ある時は授業中にカメラを取りだし
 外の鳥を撮影しては先生に絞られたり。

 榛原は、本当に自由なやつだった。
 人の迷惑も、傍からの視線も
 まるで何にもないみたいに。
 くりくりと自由な方を向く髪を揺らして
 気が付けばどこかへ駆けていってしまう。

 そんな同室の男が、俺は疎ましくて
 けれど反面、どうしようもないくらい、羨ましかった。]
(264) 2021/03/17(Wed) 3:10:48

【人】 DOM サクライ

[ある日、学校から寮へ帰ってみたら
 二人で使っている部屋が、
 まるで誕生日パーティーみたいに
 壁や天井から下がった写真でデコレートされていた。]


  「あっ、えいちゃん。それ触んないで。
   今発表会に向けて作品作り中」


[胡乱な目を向けた俺に対して
 榛原はあっけらかんと言い放つ。
 どうやら風景写真を使って
 巨大なモビールを作るつもりらしい。

 仕方無しに、俺はモビールを壊さないよう
 吊られた写真を潜りながら
 自分の机に向かおうとする。

 そして、ふとそのモビールに使われた写真に
 目をとめたのだった。]
(265) 2021/03/17(Wed) 3:11:26

【人】 DOM サクライ

[それは、本当に何気ない風景だった。

 学校の昇降口を、内から撮ったもの。
 仄暗いトーンの下駄箱の列を、
 磨りガラスの向こうから差し込む光が
 柔らかく照らし出している。

 いつも何気なく見ている光景なのに
 何故かその写真に切り取られた風景は
 神聖な宗教画のようにも見えて。



  ……なあ。なんで、これを被写体にしたの。


[俺が尋ねると、榛原は一瞬手元から
 栗色の瞳を上げて、ふにゃりと笑った。]
(266) 2021/03/17(Wed) 3:12:15

【人】 DOM サクライ


  「俺が撮るのは、俺がキレーって
  思ったものだけだよ」


[その瞬間、俺の中で、何かが変わった。
 誰かが指図したものじゃなくて、
 自分の感受性に従う世界。
 窮屈でつまらない世界でも、
 ファインダー越しに覗けば
 知らない色が溢れるような……
 そんな予感がして。]
(267) 2021/03/17(Wed) 3:12:47

【人】 DOM サクライ

[「俺も写真を撮ってみたい」と打ち明ければ
 榛原は柔らかそうな頬に笑みを浮かべて
 こくりと頷いてくれた。
 そして週末一緒に近くの撮影スポットに
 行く約束までしてくれた。


 榛原が俺の横顔を撮っていたことなんか
 その時は全然、思い出しもしなかった。


 まだ俺にとっての榛原は、
 不思議で、自由で、天パの、
 同室の良い奴でしかなかった。



 こいつが俺の大事な人になるなんて、露ほども。]*
(268) 2021/03/17(Wed) 3:13:46
DOM サクライは、メモを貼った。
(a18) 2021/03/17(Wed) 3:17:05

【人】 DOM サクライ

[喫煙所でたっぷりと紫煙を含んだ後
 スマホで時間を確認して、俺は11階へ向かった。

 相手の希望でとったと言われるスイートは
 俺の給料では手の届かないような代物だった。
 ホテルの最上階からは一面、
 パノラマ夜景が楽しめたりなんかして
 それをシャンパン片手に眺めるんだ。
 画像で見る限り、この部屋に相応しいのは
 多分、きっと、そういう人間。

 決して、にっこり笑ったスニーカーの男ではなく。]
(290) 2021/03/17(Wed) 17:52:57

【人】 DOM サクライ


[小さな音を立てながら、
 緩やかにエレベーターは上昇し
 やがてチン、と立てて目的地に到着する。

 ふかふかとした床を踏みしめながら
 何となく、抜き足差し足忍び足。
 指定された1101のドアの前で深く息をつくと
 そっとカードキーを通した。

 いつもの見慣れたビジネスホテルの客室と違って
 入って真正面、ホントのパノラマビューに
 ばん、と出迎えられて俺は言葉を飲む。

 空気からしてラグジュアリーな感じ。
 すう、と息を吸って、吐く。
 よし、慣れた。]
(291) 2021/03/17(Wed) 17:53:30

【人】 おおはしゃぎ サクライ



  な、なんじゃこりゃぁぁ!!
  うぉあスゲェあっはっは!声が反響しねえ!!



[大きな声で叫んでも、反響が来ないことに
 また興奮して、俺は大股でずかずかと部屋に入った。
 バク転出来そうなほど広い室内!
 ベッドと小さな机だけじゃなくて
 リビングやダイニングまで付いてる!
 部屋を見渡しても女社長の顔が印刷された
 よく分からない小冊子は一冊もない!!]


  ……これが……上質な……暮らし……ッ!


[思わず両手で口元を覆って、
 よよと泣き崩れたいのを堪える。

 この部屋を選んでくれた相手は
 さて、一体どんな相手なのだろう。
 石油王か何かだろうか。
 困ったな、石油王を満足させられるだろうか。

 興奮で飛躍気味な妄想を頭の片隅に
 俺は部屋の探検を開始する。]
(292) 2021/03/17(Wed) 17:55:16

【人】 おおはしゃぎ サクライ



  I'm free to be the greatest, I'm alive.
  I'm free to be the greatest here tonight.
  The greatest, greatest, greatest, alive……


[鼻唄レベルを通り越した熱唱をしながら
 冷蔵庫を開けて、中のシャンパンに口笛を吹いたり
 大理石のカウンターを指で撫でてみたり。

 大興奮で今年一番のご機嫌の俺は
 ひょいとカウンターから顔を上げて……
 そこで漸く、この部屋にいる先客の存在に>>283
 目をとめたのだった。]
(293) 2021/03/17(Wed) 17:57:05

【人】 穴があったら入りたい サクライ



  ……アッ?あっ、えっ、……お?


[部屋を間違えた?いや、カードキーは合ってた。
 あれ、さっきの人?榊さん?いや、そんなまさか。
 一瞬の後、いろんな考えが頭を巡って
 思考回路がショート寸前。]


  
あっス、どもっす……



[心臓が、バクバクうるさい。
 どうにか絞り出した挨拶は、どう考えても場違いで
 ライダースの中を、冷たい汗が、
 つう、と背中を湿していく。

 さっき以上に、榊さんの目が見れなくて
 俺はカウンターの下に隠れるように
 するするとしゃがみこんだ。]
(294) 2021/03/17(Wed) 18:01:24

【人】 穴があったら入りたい サクライ



  ちょっと待って……
  俺ちょっと、やり直したい……



[カウンターの下からもにょもにょと願う。
 タイムワープ出来るなら、5分前の俺を殴り殺したい。

 羞恥を飲み込み、立ち上がれても
 多分耳の端は真っ赤なまま。
 語るべき言葉を探している。]*
(295) 2021/03/17(Wed) 18:09:13

【人】 Dom サクライ

[もしも、俺のホテルの滞在中、
 部屋に闖入者がやってきて
 ボリューム調整や音程に問題ある歌を歌い
 散々好き勝手した後、俺の存在に気付く……なんて
 間抜けなザマをさらしていたら、
 指差してあらん限りの大声で笑ってやる。絶対。

 榊さんは紳士らしく、懸命に抑えた口元から
 変な空気を漏らすに止めてくれた>>308


  ……もう、いっそ笑ってくださいよ……


[カウンターの下で蹲る俺の傍に
 やっぱり綺麗な靴が近寄ってきて、
 俺は朱に染まった目元を上げる>>305


  俺も、すっごいびっくりしました。
  だって、部屋すっげえ広くていいところだし、
  まさか、相手が─────


[そこまで言おうとして、改めて
 この榊さんこそが、俺の相手なんだってことに
 何だか胸の奥が、ぎゅ、と締め付けられた。]
(329) 2021/03/17(Wed) 22:03:11

【人】 Dom サクライ

[立ち上がれば、女に困らなさそうな
 歳若い好青年が、ふわりと笑っていて>>306


  ─────相手が榊さんで、
  今、すごく嬉しい。


[すべてに感謝を込めて、
 俺は心の底から安堵の笑みを浮かべた。

 手を伸ばして引き寄せるには
 まだ心の距離があるけれど
 でも決して、遠ざかりたくはない。

 恐る恐る、手の甲でそっと頬を撫ぜたら
 避けられてしまうだろうか。]
(330) 2021/03/17(Wed) 22:04:07

【人】 Dom サクライ


[カウンターで立ち話もあれだから、と
 場所をソファーに移さないか?と促そう。
 さすがスイート、シャンパンだけじゃなく
 ミネラルウォーターにコーヒーマシン、
 なんでもござれと来ているから
 俺は自分の分のミネラルウォーターを手に取った。]


  改めて、サクライです。よろしく。
  それで、いいお部屋をありがとうございます。

  ……なんか、変なところ見せちゃいましたけど
  俺なんかが相手で、大丈夫ですか?


[ソファーに腰を下ろして、キャップを捻ると
 ボトルから小さく泡が立つ。
 泡から榊さんへと視線を移し、
 全身に這うような目を走らせた。

 この、好青年が自分の支配下にある。
 苦痛や恥辱を乗り越えて、
 共に一夜を過ごしてくれる。

 そう考えただけで、じわ、と唾液が滲み出た。]
(331) 2021/03/17(Wed) 22:04:48

【人】 Dom サクライ


[そっと足を組み替えて、
 スパークリングのミネラルウォーターと共に
 途端に湧き上がり出した欲望を飲み込んだ。]*
 
(332) 2021/03/17(Wed) 22:09:24

【人】 Dom サクライ

[延ばした手は避けられず、
 しっとりと弾む肌の上に着地した>>350
 伏せられた睫毛が長くて
 
瞼に口付けてみたい、って思った。


 ロビーではお互い一目惚れだったみたい。
 別れる間際の「運命の人」の話を
 ふと思い出して……けれど口にはせず
 「褒められすぎると照れちゃうな」なんて、
 肩を竦めておどけてみせた。]


  え、あ、本名だったんですか……!
  いや、俺もそうだけれど。


[さて、本名をハンドルネームにした俺と
 ハンドルネームを名乗らず本名を名乗った史郎さんと
 果たしてどっちが危ない橋を渡っていたろう。]
(365) 2021/03/18(Thu) 2:38:28

【人】 Dom サクライ

[もう一口、今度はグラスに注いだ水を飲みながらも
 史郎さんが何度も「サクライさんでよかった」と
 繰り返すものだから
 俺は何だかくすぐったくなって
 グラスの中でくすくすと息を漏らした。

 言葉にしなくても、史郎さんの目には
 次第に情欲の色が宿り出している>>353
 その瞳が此方の一挙一動を
 ねっとりと追い掛けて、離してくれない。
 そのくせ、言葉だけはお上品を保ったまま。]


  ふぅん、使い切りたい金って
  その手切れ金、って訳ですか。


[テーブルにグラスを預け、俺はふむ、と鼻を鳴らす。
 なるほど、それならこの部屋を取った本人が
 俺みたいに部屋に驚いた理由にもなるか>>349

 此方に踏み込んでくる史郎さんを>>353
 ちらりと流し見て─────
 俺は史郎さんの手からグラスを奪うと
 そっとテーブルの上へと避難させた。]
(366) 2021/03/18(Thu) 2:39:23

【人】 Dom サクライ



  やだな、マッチングしたんだから
  俺の願望なんて、分かってるでしょう?


[羞恥プレイはさっきので充分。
 三日月の弧を描く唇のまま
 俺は隣に腰掛けた史郎さんの方へ
 ぐっと身を乗り出そう。

 丁度、ソファーの上に押し倒したような姿勢。
 つい、と史郎さんの片脚を持ち上げ
 俺の肩へ預けてしまえば
 服を着ているのに、まるでセックスのワンシーン。]
(367) 2021/03/18(Thu) 2:40:15

【人】 Dom サクライ




  何処までも俺に忠実で従順なネコが
  本当に何処まで着いてくるのか、知りたい、って。
  そう、書いた。
  そしたら、貴方が来た。


[宙で呼吸が絡まり合うほどの距離。
 相手の反応を観察しながら
 俺はスーツに包まれた脚を開かせ
 ゆすゆすと腰を揺すってみせた。

 ジーンズとスラックスとで隔てられた
 互いの雄が甘く擦れる。
 でも、そんなのじゃ、全然足りない。
 今すぐこの高そうなスーツを脱がして
 前戯も早々に突っ込んでも、きっとそれでも。

 もっとアブノーマルが故に
 ここに来るまで飢えていたのだ、と。
 ここで出会った以上は、
 彼もまた同じなのだろう。]
(368) 2021/03/18(Thu) 2:40:51

【人】 Dom サクライ

[そう思ったら、ぞくり、と背が粟立った。
 唇の端が持ち上がっていくのが止められない。]



  俺に支配、されたいって思っちゃったんだ?
  会ったばっかの、俺に。



[ゆっくりとピストン運動をなぞりながら
 俺は史郎の耳元で囁いた。]*
(369) 2021/03/18(Thu) 2:45:20

【人】 Dom サクライ

[いひ、と悪戯っぽく笑った顔が
 何だか子どもっぽくて可愛らしい>>373


  ……それは重畳。


[金に値したかどうか、
 それは一夜を超えた後の彼のみぞ知ること>>374
 少なくとも俺にとっては、悪くない夜になりそうだ、と
 組み敷かれた彼の表情を見て思う。

 ひらひらと宙を舞っていたはずの蝶が
 いつの間にか蜘蛛の巣にかかっている自分に
 気が付いてしまったみたいな。
 
そのくせ、喰われるのが酷く待ち遠しいような。


 招かれるように脚が開かれて>>375
 布越しに互いの欲望が触れ合った。]
(378) 2021/03/18(Thu) 16:21:08

【人】 Dom サクライ

[まだ服どころか、靴すら脱いでないのに
 史郎は身を捩って、唇から淡い息を漏らす。

 俺は口元を覆う手の甲にキスを落として
 懸命に声を殺そうとするのをやんわりと止めた。
 代わりに、片手を彼の胸骨から臍の辺りまで
 ゆっくりと滑らせていこうか。]


  準備、ね。


[俺は緩く微笑んだまま、ゆっくりと
 史郎の腹を撫でた。

 掌を宛がった腹の下には
 史郎の内臓が詰まっている。
 本来、消化と排泄をするための器官が。]


  もう、こっちだけじゃ満足出来ないんだ?


[ずん、と一際大きく腰を突き上げながら
 俺はスラックスの中で固く兆す性器へ
 やわやわとした刺激を送る。]
(379) 2021/03/18(Thu) 16:22:42

【人】 Dom サクライ

[でも、これだけじゃ満足出来ないのは
 正直、俺も同じ。

 捩じ込んでくれ、と懇願されたら
 望み通りに今すぐ狭隘な排泄器官に
 無理矢理差し込んだっていい。
 だけど、俺の望みはそうじゃない。

 腰の動きを止めて、史郎の額にキスを落とすと
 そっと重めの前髪を撫で付けた。]


  そしたら、思い切り気持ちよくなるための
  「準備」、しておいで。


[緩みかけのネクタイを敢えて無視して
 俺は最初の命令を下した。
 
先走ってがっついちゃうのも、また可愛い、


 腰は止まっていても、史郎の腹に置いたままの手は
 引き締まった腹の上を
 するすると這い続けている。

 誰かの書き込みが残った身体の上を。

 妻子ある男が、彼を棄てるまでに書き込んだ
 何かしらを、上書きするように。]
(380) 2021/03/18(Thu) 16:27:24

【人】 Dom サクライ



  だけど、一人で抜いたりしたら……


[分かってるね?と唇に耳元に寄せたら
 そっと彼の上から退いてあげよう。

 準備が必要なのは、きっと俺もだし。]*
(381) 2021/03/18(Thu) 16:32:41

【人】 Dom サクライ

[シャワー室へ向かう背中を見送った後
 俺は手持ちのトートバッグを開いて
 中に入っているものを、ひとつひとつ取り出していく。

 主催に言って用意してもらってもいいのだけれど
 結局信用出来るのは己の目。
 壊れたり、相手を傷付けたりするのは
 本意ではないのだから、
 細心の注意を払わねばならない。

 可愛らしい桃色をしたシルクのリボンから
 ステンレス製の膣鏡や大小形も様々なプジー、
 男性器を象ったハリボテやブルーシートまで
 あらゆる道具を取り出しては
 オペに使う道具のように
 サイドテーブルの上へ並べていく。

 別に、全部使うわけじゃない。
 必要な時に、必要なものを取りたいだけ。
 端にある、腕ほどもあるディルドなんかは
 完全に見せつけるだけのものだし。
 欲しい時に足りないよりは、余程マシ。]
(408) 2021/03/18(Thu) 21:38:43

【人】 Dom サクライ

[バッグが空になる頃には
 ラグジュアリーなスイートルームは様相を変え
 一気にSM特化のラブホテルみたいになってしまった。]


  ……ま、いっか。


[頭を掻きつつ、妙な雰囲気になってしまった
 ベッドを眺めて、一人納得しようとする。

 そしてちょうどその頃、バスルームのドアが
 からりと開く音がして>>397
 振り向けば均整の取れた身体の史郎が
 湯気を纏って出てきたところ。]
(409) 2021/03/18(Thu) 21:39:09

【人】 Dom サクライ



  別に待ってやしないよ。
  こっちも準備してたところ。


[にこりと微笑みながら、
 俺はベッドの端に腰を下ろすと
 史郎に向かって両腕を拡げてみせた。]


  おいで。
  ちゃんと出来てるか、見てあげるから。


[まるで犬でも呼ぶみたいに。
 けどしっぽを振って胸の中に
 飛び込んできてくれるのは大歓迎。
 言いつけ通りに、あんなに張りつめていた
 性器を慰めずに>>394いてくれたなら
 きちんとご褒美をあげようか。]
(410) 2021/03/18(Thu) 21:40:00

【人】 Dom サクライ

[腕の中に来てくれたなら
 そっとベッドの上に横たえて
 煌々と輝る照明の下で、
 彫刻みたいに美しい肉体を鑑賞しようか。

 黒い肌着に包まれた胸元の隆起を
 宛がった掌で感じながら
 俺はボクサーに包まれたままの茎に目を落とす。]


  さて、良い子の史郎は
  ホントに自分で弄ってないね?


[ちらり、と横目で史郎の表情を盗み見ながら
 優しい声音で問いかける。

 その言葉を信じたなら、おもむろに
 ぱくり、と下着の上から膨らみを口に含み
 その硬さを確かめようか。]*
(411) 2021/03/18(Thu) 21:52:30