人狼物語 三日月国


147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


[犠牲者リスト]
とある書物

二日目

事件:楽観

本日の生存者:フレディ、乙守 流歌、甲矢 潮音、テンガン・カルシャック、ミンナ・コンスタンツェ、ヤスヒサ、ナナミ、インタリオ、クロウリー、紫川 誠丞、阿出川 瑠威、アウローラ、アルカード以上13名

【人】 甲矢 潮音

 
[かったるいバイトの終わりかけ。
 もう暗いな、英語の宿題一人でやったかなって
 何気なく見た窓の外に流歌の姿を見つけた時は
 慌てて白黒ウェイター服のまま飛び出した。
 友達と帰るって言ってたし連絡きてたから
 安心してしまってたんだけど……。]


  ちょっ……兎に角中に入っ……
  
どうしたのその恰好!?



[上から三つ目のボタン開いてるのに気づいて
 顔面蒼白になった。誰かに襲われたのかと。
 閉めながら聞いた感じそうではなかったようで。

 だけど角度によってチラリと覗く肌や下着は
 ここに来るまで一体何人が見たのだろう……。
 
ムカつくなぁ。


 この天然ドジっ子、心配すぎる。
 一度トイレに攫われかけたこともあったけど
 その後危機感だとか警戒心だとかは……、
 自分がつきっきりなせいで芽生えなかったのか?
 ありうるな。未然に防いできた事件もいくつか。]
 
(0) 2022/05/22(Sun) 10:38:10

【人】 甲矢 潮音

 
[こんな時ばかりは親なんかと違って
 魅了の効かない彼女の身体が厄介だ。
 真っ直ぐ帰って家から出るな、って命じれないのが。
 
早く会いたかったって聞けたら

 
悪い気がしないのがまた複雑なんだけど。

 
かわいいなぁ、もう!


 僕がついていたらこんな事には。

 と思えば決断は早かった。
 過保護と言われようと流歌の身の安全ほど
 重要なものはないからね。

 待っててね、と空いてる席に座らせて
 流歌のすきな飲み物出して待たせてる間に
 着替えを済ませると「辞めます」って伝えて出てきた。
 売り上げが……とか言われても知らないし。
 お金稼ぐ方法なんていくらでもあるし。
 家の近くにオープンするコンビニとか。
 あそこなら一緒に帰れるな。]
 
(1) 2022/05/22(Sun) 10:38:14

【人】 甲矢 潮音

 

  お待たせ、帰ろ。

  宿題学校に忘れたら
  教科書は見せるしプリントはコピーするから。
  遅くに一人で出歩かないでね?
  どうしてもって時はついてくから呼んで。


[手を繋いで流歌の家に帰宅して
 宿題片付けて、スイーツを頂いたかな。
 前に好きだって言ってあったチョコ味のやつ。
 僕の分までしっかり用意されてて、
 プラスチックスプーン咥えながら
 そんなに会いたかったんだ……って
 むず痒いような気持ちになって。

 もう、……好き。離れたくない。
 バイト辞めてきてよかった。
 
贈り物も盗んで来れば良いかな、って少し考えちゃう。

 
怠惰は僕らの代名詞みたいなもんだし。


 ファミレスのことは明日しれっと
 飽きたからやめちゃったとでも言って
 また一緒に下校するようにしよう。
 そうやって流歌専属警備保障をしてたら
 何事もなくひと月後を迎えた……筈。きっと。*]
 
(2) 2022/05/22(Sun) 10:41:23

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[空き家だと彼は言う。
確かに人の気配はしないし、そうなのかもしれない。
それでも、勝手にお邪魔するのは少しだけ気が引けてしまうけれど。
寝室も、勝手に借りていいのだろうか。
確かに玄関周りには家具が残っていたけれど、
ベッドまで残っているのかどうか。]


 ……ん?寝室を探すっていうことは、
 今日はここに泊まるってこと?

 ……勝手に借りちゃっていいのかなぁ。
 なんだか、申し訳ないけれど……


[と、言いつつも確かに服は乾かしたい。

動き出す様に思わず縋ってしまった手を引けば、
代わりに彼が差し伸べる。
お言葉に甘えて、ぎゅっと手を握りこんで隣に並んだ。
さすがに一人で探索するのは怖かったから、ホッとする。]
(3) 2022/05/22(Sun) 13:47:15

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[灯りはないから、代わりに野営で使うランタンを使った。
先立つ彼に手渡して、進む先が見えるようにしてもらう。
自身は、怯えるように彼の後ろをついていく。

人気の居ない家屋では、盗賊が居るかもしれないし、
生きた人間以外のものが居ないとも限らない。
冒険者といえども、怖いものは怖いのだ。]


 ……そ、そうなの?
 だ、だったら、ちょっと借りちゃってもいいのかな。
 灯りが、少ないのが心もとないけれど……、

 盗賊だったり、お、おばけとか、
 居たり、しないよね……?


[びく、びくと背を丸めてテンガンの後ろに隠れるように
ぴとっと張り付くようにして歩みを進める。

彼が思考の裏で何かと戦っているとは気づかない。
むしろ、尚更煽るように濡れた衣服を張り付かせながら、
彼の左腕にきゅうっと縋り付くようにして、
きょろきょろと辺りの様子を伺っていた。*] 
(4) 2022/05/22(Sun) 13:47:33
甲矢 潮音は、メモを貼った。
(a0) 2022/05/22(Sun) 19:12:51

【人】 乙守 流歌


[ あの子外で何やってるんだろう。
  ナンパ待ちかな、お前いけよwww

  そんなこえも流石に聞こえたけれど
  さすがに断れるもん。

  そしたらバイト中の潮音の姿。>>0
  ウエイター姿は初めて見たけど
  いつもと違う、仕事モードな感じもやっぱりかっこいい。 ]


  あ、あのね。
  学校に用事あったから戻ってきちゃった。

  ……しーくんに会いたくて。


  ……へ?


[ 潮音の驚きのあとに気づく失態!
  どれくらい開いたままだったんだろ、

  さすがにこれは私でもだめなのはわかる。
  恥ずかしい…… ]

 
(5) 2022/05/22(Sun) 20:35:15

【人】 乙守 流歌



[ あれよこれよの間に潮音がバイトをやめてたの
  呑気にジュース頂いてる私はしらないけど

  やめたって聞いたら
  本当はほっとするかもしれない。
  私の彼氏くんはモテる自覚ないのかなあ……

  優しいし、かっこいいし。
  幼馴染だからだけじゃ説明つかないくらい
  いっぱい、好きなのに。 

   


  漠然とした不安が時折襲うの。
  突然引き裂かれてしまうような、そんな。

  独り占めしたい女の子になりたいは>>0:97
  潮音を独り占めしたい

  ……になるのかな。
  そうかもしれない。 

  そっか、意外と嫉妬深かったりしたんだね、私。 ]


(6) 2022/05/22(Sun) 20:36:22

【人】 乙守 流歌



 ……ごめんね。
 つぎからは、そうする、というか
 そのような事態にならないよう努めます


[ 反省しながらも
  繋がる手にとっても安心する私がいる。

  潮音の手には何か幸せのなにかが溢れてるのかな。
  それからバイト辞めたってきいたらびっくりはするよ。


  ……あれ、そういえばどしてバイトしてたのかな?


  そうして相変わらずほわほわしながら、
  潮音と付き合って、三ヶ月めと。
  私の誕生日を迎えるんだよ * ]
(7) 2022/05/22(Sun) 20:37:32
乙守 流歌は、メモを貼った。
(a1) 2022/05/22(Sun) 21:34:03

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック

 

「こんな大雨だし、道もぬかるむだろうから
 大人しくここで晴れるまで待機兼ねて休もう。
 そのほうが、風邪をひく心配もないし、
 安心できると思わない?」


ソファなどの家具が殆ど残っていたことを
考慮すると、寝具もきちんと残っているとみた。>>3
それに、この濡れた服では移動もままならない。
乾かしてしまえば、晴れも呼び込みそうだと
あまり分からない理論を頭の中で広げているが
彼女の手を握るとそれはすぐに止まった。
柔らかい。艶があるというか、触って飽きない。

住人がいた場合怒られた時はその時で。


(8) 2022/05/22(Sun) 21:59:21

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



ランタンを渡されたなら、ありがとうと告げて
彼女の行先を照らす役目を買って出る。
やけに何かに怖がっている彼女が
可愛いと思ってしまったのは何か彼の瞳に
フィルターがあるのだろうかと考えてしまう。


「おばけは………どうだろうね?」


腕にぴたっとくっつく濡れた彼女の服、と
それ越しに伝わる彼女の体つき。>>4
おばけはいないとしても、人ならざるものはいる。
それは2人の背後に、距離を置いて。

いくつか部屋を回ると広い部屋を見つけた。
寝具もあったので、この屋敷の主人の部屋のよう。
暗いままだと何かと大変かと、
魔法でつけられないかと部屋の灯りをつけることに挑戦。
うまくいったなら、良かったね、と離れようとし、
うまくいかなかったらランタンを渡して、
後でまた、と告げて離れていこうとする。

それは彼の中で最後のセーブだった。
部屋の外には、うにょ、っと何かを待つものが。*

(9) 2022/05/22(Sun) 22:00:36

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[テンガンは既にここを宿に決めた様子で。
確かに、雨は一向に止む気配はなかったし、
先を急ぐような旅路でもないので、雨の中走り抜ける必要もない。]


 ……そ、そっか。
 じゃあ、仕方ない、のかな……。

 なんか薄暗いから、私は、ちょっと怖いんだけど……、
 テンガンくんは、お、おばけとか平気な方……?


[ここを宿にすることは了承したものの、
無駄に広い館に二人きりというのは、妙に不安でもある。
だって、なんか出そうじゃないですか?ここ。

思わずテンガンの手を握り込むにも力が入ってしまう。]
(10) 2022/05/22(Sun) 22:58:05

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[言葉を濁されてしまえば、余計存在するのではないかと想像してしまう。
ぶるっと身体を震わせて、思わずぎゅっと彼にくっついた。]


 ……や、やめてよっ……。
 本当に出てきたら、どうするのっ……!?

 話題にしてたら出るっていうし、
 やっぱり、この話やめよ、ねっ……!?

 な、なにか明るい話とかしないっ?
 そうだ、今日の晩ごはんとか、どうしよっか?
 テンガンくんは、食べたいものとかある?


[慌てて話題を変えながら、努めて明るくなりそうな会話を向ける。
背後に何かが存在するとは気づかない。
というか、振り向きたくなくて必死に彼に視線を向けた。]
(11) 2022/05/22(Sun) 22:58:15

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[寝室はゆったりと広いスペースに大きなベッドが置いてあって、
彼が魔法で灯りを試してみれば、精霊が上手く反応を示して
ぽう……と、薄暗い部屋に灯りが着く。

灯りがついたことで一瞬、安堵を覚えて腕の力が緩んだが、
離れていこうとする彼を見ると、
つい追い縋るように、ぐっと腕を取って引き止めた。]


 ……えっ、どこ行くのテンガンくんっ!?
 どっか行っちゃうの……!?


[こんな場所に一人で置き去りにされたくなくて。
不安を隠せずに見つめてしまう。*]
 
(12) 2022/05/22(Sun) 22:58:26

【人】     インタリオ



[ 人に落とされることを許されなかった翠の星が、
  
悪魔の導きで闇の中へ堕ちていく、沈んでいく。


  深く、深く、最奥ゲヘナ へと。

  人の世で朽ちる権利を手放したのは魔術師本人の意思だ。 ]
(13) 2022/05/22(Sun) 23:00:12

【人】     インタリオ



[ 意識を取り戻した魔術師は、星一つ無い宵闇の空の下にいる。
  視界の殆どが黒で構成されていた。

  古びた作りの館の玄関に灯る翠色のランプだけが、
  彼の視覚を保証する灯りとして存在している。
  倒れていたのは敷地の中、振り返れば門は既に閉じられている。
  その向こう側は魔術師の視界では何も見出すことは出来ない。

  ――――暗黒の裂け目が口を開くばかりである。

  庭園に植えられた葡萄の木の群れはどれも葉一つ付けず、
  幹の形すらねじ曲がり歪んでいるというのに。
  血のような鮮やかな色彩を持った鈴成りの実りを誇っていた。

  遠くから見ればそれは、
  巨大な赤蛇が木々を取り巻いているようでもある。 ]
(14) 2022/05/22(Sun) 23:00:28

【人】     インタリオ



[ それがかの悪魔の領域。地獄の最下層ゲヘナ。
  魔術師がかつて過ごした館を取り巻く風景。

  重厚な作りの両開きの扉は解き放たれたまま、
  仔が自身の意思で踏み込む時を待っている。
  何もかも、かつてと同じだ。

  誘われるままに行動したのなら、背後でそれは重く閉まり、
  外観よりも更に広い館の玄関ホールが迎えてくれる。

  高い天井も壁も床も、全てが材質不明の黒色で
  点々とあの灯りが吊るされている。
  外と違うのは、数多の芸術品が彩りとなっていることである。 ]
(15) 2022/05/22(Sun) 23:00:42

【人】     インタリオ



[ 艷やかな黒のコンソールテーブルに置かれた壺は、
  海のような碧を金の装飾で縁取られている。
  時折不規則に波打ち、紋様は一定に留まらない。

  壁に掛けられ翠色に照らされ、妖しげな雰囲気に見せる絵画たちは
  薔薇園、雪原、何処かの都の風景、描かれたものは様々。
  まるで額縁が世界の覗き窓かのように、
  花弁が、雪煙が、行き交う人々の髪が風に乱され常に動きがある。

  天井を見上げたのならそこにあるのは、
  貴婦人のドレスのように優雅な広がりを持ったシャンデリア。
  決して落ちはしないまま、踊る如く緩やかに回り続けている。

  両階段の合間に置かれた振り子時計は、時を刻んでいない。
  しかし、白蝶貝のような光沢を持った振り子が揺れている。

  それすらこの館に飾られた美術品のごく一部でしかない。 ]
(16) 2022/05/22(Sun) 23:00:56

【人】     インタリオ



「全部オレが作ったんだ」

[ ゲヘナへと少年を連れ去って以降、
  人が変わったように“態とらしいほど”優しく振る舞い始めた悪魔は

  使用人など存在しない為に館の主でありながら自ら動き
  あちこちの品を説明しながら案内し、そう楽しげに語った。 ]

「お前はね、もう美品にはなれなくなってしまったんだよ」

[ 全ては不幸な人間の魂を地上から連れ去り、加工したものであると
  そう愉しげに嗤い、耳元で囁いた。

  天には昇れず、意識無きただの物にもなれない。
  それがお前の選んだ道であると、教えるかのように。 ]*
(17) 2022/05/22(Sun) 23:01:13

【人】 落星 クロウリー


[かつての少年も、魔術師も
気づけば冷たく黒い石畳の上で光亡しの空を見上げていた。

立ち上がり、辺りを見渡してみる。
暗色の世界を彩るのは、不気味な葡萄の樹の紅と灯る翠のみ
風一つ無い箱庭は、何一つあの頃と変わっていない。

神に呪われ墜とされた楽園の成れの果てのようだ。

館に背を向けて、門構えの方へと向かうことはしない
見通せない闇が広がり、奈落の大口が開いているだけと知っているから。

──誘われるがままに中へと踏み込んでも、同じことかもしれないが
自ら捕食者の口に飛び込む餌たる弱者である点においては。
しかし、他の選択は赦されていなかった。

他ならぬ過去の私自身が、望んだことなのだから。]
(18) 2022/05/22(Sun) 23:12:51

【人】 落星 クロウリー



[故郷の跡地で語った身分不相応で背伸びをした口説き文句は、
失敗したと言うのが正しいのだろうが、私は確かに彼の地へ招かれた。

夜を骨組みに建てたかのような館の異様さに緊張した。
そして、幼子の見せた歪みを一笑し、
視覚と聴覚から立場の差を伝えた悪魔の変化に惑いながら。

一方、農村育ちが見たことがあるわけもない数々の芸術品に目を丸くし
その美しさと不可思議さに惹き付けられ、
ありもしない時間を忘れて夢中になっていた。

その心を我に返らせたのは、忘れかけた現実を再び認識させたのは
黒い館を飾る眩い数々の品に纏る、思いも寄らない真実と。]
(19) 2022/05/22(Sun) 23:13:08

【人】 落星 クロウリー



「なれなくていいです。だって、僕は生きますから」

「その為に貴方は、僕をゾラZorahですらなくしたのでしょう?」


[驚きに見開いていた目をふっと細め、嗤った。
そんな様子には僅かに顔色を窺うような様子が見て取れるが、
本質的にはあの時見せた笑みと変わりない。

貴方が厭い、奪った名前。名無しであれと定義されたことを受け入れた。
黄金の夜明けは、地獄には訪れないのだから。]

「でも、貴方のことはなんと呼べばいいの?」


[ろくな教育も受けていない子供、拙い敬語は崩れて
これからの生活を思い、必要であろう問いをする。
首を傾げる仕草にばかり、健全な幼さの名残が乗った。

御主人様、悪魔様?
執事になるわけではないし、後者は少し滑稽な気もする。]
(20) 2022/05/22(Sun) 23:14:48

【人】 落星 クロウリー



[かつて信仰した神の子供達の真実の姿に失望し、
そんな者達の為に、彼らの同胞として死ぬことを止め
道理の外の存在に傅いて、地獄に落ちても生きることを選んだ子供。

強欲で傲慢で、暴食的に生存本能を満たそうとしていた。
全てを失った後残った欲求こそが、全てだった。
だからこそ悪魔は、美しさを宿さない魂を拾い上げた。

しかし、永きに渡り歴史を渡り続けた今かつての自分を思うと
その選択はあまりにも──

永久の踊りを強いられる貴婦人を見上げ、少しの間思考が巡った。*]
(21) 2022/05/22(Sun) 23:15:34
落星 クロウリーは、メモを貼った。
(a2) 2022/05/22(Sun) 23:19:30

【人】     インタリオ



[ かつて貴婦人の下で仔を出迎えた悪魔は、
  その時の様子と、案内の途中の対話から>>20
  彼の変化に目敏く気づき、それを快いものと認識した。

  思ったよりは賢かったらしい。そうでなくては、と。

  何度教えても立場も理解出来ない莫迦な仔共は要らない、
  しかし、萎縮し自我も欲も失った唯の奴隷はつまらない。
  無論、人間の倫理に基づき芸術品について語るなどは論外だ。 ]

「いいよ、君が過ごしやすいように教えてあげる」

[ 一先ず、何も教えられず切り捨てられる可能性は無くなった。
  そして少しばかり、悪魔の機嫌は良くもなっていた。

  召喚儀式を行ったわけでもない、今も何の力も無い仔
  気に入られるように振る舞うことは大切だ。
  弱者は強者を愉しませることでしか生き長らえられない。>>1:32

  望むものを与えられることもまた、同じく。 ]
(22) 2022/05/22(Sun) 23:41:46

【人】     インタリオ



 盲した瞳Samael
                暗黒の太陽Alsiel


       蝿の王Beelzebub

               零落した破壊者Abaddon

 神への反逆者Lucifar


        はたまた――――原初の悪神Ahriman


 人の歴史が重なる程、悪魔の名前は増えていった。
 その手を離れ神の子供達の道理の上で、身勝手にも。>>21

 名前を得なければ自己はおろか他者の存在すら確立出来ない。
 妄想と狂気で決めつけ、隠されてもいない正体を勝手に覆う。>>0:121

 犯してもいない罪を与えたかと思えば、時に分断し別個として扱う。
 全ては人間の都合と業であり、人知を超えた存在には関係無い。

 だが、そうした彼らの特徴は利用しやすくもあった。 ]
(23) 2022/05/22(Sun) 23:42:37

【人】     インタリオ



[ かの装身具の原型を此世に生んだのは人間。

  悪魔信仰に傾倒した貴族に召喚された悪魔は、
  思うがまま国を動かす手伝いを陰から行っていた結果
  どうにも契約関係を越えて傾倒されることとなり。

  貴族は抱えの芸術家に悪魔の姿を写し取らせようとしたが、
  見えぬ者、見えても狂う者が多く。
  最後に残り上手く働いたのは若き彫刻師であった。

  ゲヘナと悪魔自身を取り巻く事情により
  正しく召喚を行った上でも行動制限が多く、
  人間に智慧を与えることを主軸とせねばならなかった。

  しかし、
  装身具と自己を定義で繋ぎ、魔術を志す信仰者らに与えることで
  体現は容易に変わっていく。

  そうして、より多く材料調達が可能となり
  代わりに増えた期待に応えない魂は、
  悪魔の姿を沈み彫られた幾つもの装身具へと化すようになった。
  それはさながら神僕が十字架に縛られる様を揶揄するように。 ]
(24) 2022/05/22(Sun) 23:43:50

【人】     インタリオ



「オレのことは芸術の悪魔インタリオ様と呼ぶように」

[ そんな経緯を語るのはもう少し後のことであり、
  その時は戯け、自ら選んだ名前を呼ぶ権利を少年に与えるだけ。

  夜明けを奪われ地獄に生きる彼を認め、
  新たな定義付けを授けるのは更にずっと未来に。

  何しろこの館には時間などありはしないのだから。>>21
  魂の選別とゲヘナへ送る役目を与えるに相応しいか選別する為、
  人間の一生の短さすら、気にする必要は無い。 ]
(25) 2022/05/22(Sun) 23:44:21

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



[ さて、それから生活は始まった。

  永久に闇に閉ざされ季節も時間も近づけない館の中、
  誰が作ったかも分からないパンと温められたワインを与えられ、
  少年は様々な学びを館の主から授かることとなる。

  神の手の外にある術の取り扱い方、同胞との接触方法
  人の世で生きる為の様々な教養に、教会を否定する新たな教え
  他者に好ましく受け取られる振る舞いと、己を偽る演技
  自分に火の粉が掛からぬよう潜むやり方も、駒を動かす方法すらも。
  いかに人外が世界の歴史に干渉していたのかも。

  全て悪魔が授けたものであった。

  そうして過ごす日々の中、
  少年の肌は滑らかに健やかさを取り戻す代わり、白く変わっていき
  短い髪に宿していた万緑の色は
  冬を目指すように枯れ色に近づいて、瞳に残るのみとなった。 ]
(26) 2022/05/22(Sun) 23:45:06

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



[ 立ち竦む彼を迎える姿は無く、館は静けさを保っている。>>21
  どれ程思い出に浸っても、美術品を眺めても変わらない。

  もしあの頃の生活を覚えているのならば、
  こんな時どうすればいいのか魔術師には分かるだろう。
  灯る翠を辿った先にある食堂から、食料庫へ。
  幾つも保管されたラベルの無い赤ワインの瓶の一番奥の品。

  グラスと共に抱え左側の階段を上がり、
  首と左手薬指が欠けた花嫁の彫刻の前で曲がり
  最奥のその部屋――――彼の書斎で悪魔は待っている。

  さて、その道筋で魔術師は気づくだろうか?
  美しい品になる魂を求め、幾度も人の世へ体現する悪魔の館。
  かつて無かった美術品が増えている一方、
  存在していた筈のものが消えてもいるということを。 ]**
(27) 2022/05/22(Sun) 23:45:28
芸術の悪魔 インタリオは、メモを貼った。
(a3) 2022/05/22(Sun) 23:46:27

【人】 甲矢 潮音

 
 ── 現実 ──


  (もう、良いところで……ッ)


[マンションの前を通り過ぎていく音に
 僕は慌てて夢の中から出た。

 流歌の目が覚めちゃうじゃないか!

 幾ら互いの部屋を出入りする仲でも
 深夜の入眠中の不法侵入は、流石に。]
 
(28) 2022/05/23(Mon) 0:15:40

【人】 甲矢 潮音

 
[ベッドの上の流歌がもぞりと動いた気がして、
 開けたままにしてた窓から飛び出す。

 窓を閉める余裕も振り返る余裕もなく
 漆黒で羽搏いて自分の部屋のベランダへ。]
 
(29) 2022/05/23(Mon) 0:15:49

【人】 甲矢 潮音

 

  はーー……


[自分の部屋の中で深く息を吐いた。
 ……見られた? どうだろう。
 寝返りを打っただけかも知れない。

 もう一度吐いた。
 ちょっと、熱くなりすぎた。
 幾ら夢の中でも、余りやりすぎたら
 嫌われてしまうかもしれない。
 それは困る。死んじゃう。死ねないけど。]
 
(30) 2022/05/23(Mon) 0:19:05

【人】 甲矢 潮音

 
[────反省。
 夢の中に入るのは、暫く控えよう。
 顔を合わせた時は何事もなかったように振る舞おう。
 ……そう決めたけど。
 流歌の方は、どうだったかな……。*]
 
(31) 2022/05/23(Mon) 0:21:40

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[体の相性も合うけれど、好きだとか愛してるの延長線上にある盲目気味の自分を、彼の虜だと表現したつもりでいた。誤解を招きかねない文脈だったと思い至らないが、嘘偽りない本心とはいえ、陳腐にも聞こえる台詞を紡いだ自覚はあった。

それを笑う訳でもなく、彼が黙ったまま動きを止める。
一体何を考えているのか、……そもそも聞こえていなくて呆けているだけなのか、考え得る可能性が浮かんでは消えていく。話したいから口を動かすのに、頭を働かせた彼の思考がどこに転ぶのか予想出来ない。

頭の中を覗くことも、思考回路を手繰ることも。
誰にも出来ないと分かってはいる]


 ふ、……はあっ、はは……駄目なのか。

 でも君も、自分で……っ動いてる、だろ?
 馬鹿になってる瑠威も可愛いから……、
 ……もっと馬鹿になってくれよ。


[少し腰を揺する度に、途切れ途切れの甘ったるい嬌声が彼の唇から溢れた。素直に快感を得ようとして子供のようにぐずる姿が、可愛くて愛おしくて、同時に安堵を覚える。彼につられて馬鹿になった素振りで、弾む息に機嫌良さげな笑い声が混じった。

実際はセックスを始める前──そもそも転院する以前から。とっくの昔に、自分はある意味馬鹿になっているのだが]
(*0) 2022/05/23(Mon) 0:33:16

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[ぐずる彼が可愛いとは言っても、意地悪く与えずにいられるほど歪んでいなければ、もっと奥まで繋がりたいのは私も同じで。涙声を口付けで塞ぎながら侵犯を深めて腹の奥を抉り、欲望に従って彼の言葉に応えた。

彼の痴態でどろどろに頭が溶ける。
自制心や理性が削ぎ落とされた後に残ったのは、彼の胎内の最奥で果てたいという原始的な欲求で。男だから孕みはしないのに中に注ぐことしか考えられず、思考の破綻を自覚出来る余裕もない]


 っは、…………あぁ、 私も────、


[ほとんど意味のある音を発せないで、嗚咽の断片めいた声を殺す。絶頂への階段を駆け上がるように律動を早め、震える背中を抱き締めた。どくりと脈打った熱が吐き出す白濁を、一滴残らず絞り取るような容赦無い収縮の余韻が続き、堪らず呻く]
(*1) 2022/05/23(Mon) 0:33:41

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[びくびくと打ち震える脈動を埋めたまま、荒い呼吸を繰り返す。満ち足りた感覚と、どっと押し寄せてきた疲労感が心地良い怠さを運んで来る。重い腕を彼に巻き付けて、寄り添ったまま暫くは呼吸を整える]
 

 はあ、…………っは、ぁ……、っ
 …………だいじょうぶ、か?


[あまり大丈夫だとは思えないけれど、働かない頭で言えるのはそれぐらいで。口付けようとするが、ぐったりと項垂れているなら首筋あたりに唇を押し当てて。

細い身体を支えながら、ゆっくりとシーツに横たわらせようとする]
(*2) 2022/05/23(Mon) 0:34:00

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[身体は疲れているのに神経は昂っていて、思い出したように睡魔が凭れかかって来るのに、頭は冴えているような妙な感覚。長年片想いしていた相手と結ばれたのだから、興奮が落ち着かないのも無理はないのか。

と、そこまで考えて何か引っ掛かる。
……私達は結ばれたのか?

彼の「好き」を疑う気持ちはないのだけれどまだ実感がない。
掴み所のない幸福感を抱いたまま、ぼんやりと彼の顔を眺める。こういう時、世の中の人達はどんな会話をするんだ。そもそも会話より休ませた方が良いんじゃないか……、そういえば左手は?

今までずっと意識の外だった怪我を、今更思い出す。
彼の左手を掬い、腕の傷を目視で確認して]


 ……無理させたな。君は休んだ方が良い


[何か話し掛けられれば答えるけれど、ぐったりした様子なら そう声を掛ける。頭を撫でようとした色々な体液塗れの手が宙を彷徨い、やがて下す。代わりにキスをして薄ら口角を持ち上げる。

結局歯止めが効かなくて加減出来なかったし、腹の中には精液が入ったままだ。かなり負担をかけてしまった。彼が眠るまで横にいるつもりで隣に並ぶ*]
(*3) 2022/05/23(Mon) 0:34:16

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 可愛いなんて母以外に久々に言われた。
 母に一瞬意識が向きかけて一気に萎みそうになる気持ちを
 可愛いの言葉だけに向けて引き戻す。
 今この人に俺は可愛く見えてるのか。
 昔の印象のまま固定されているにしても
 昔だってそう幼くはなかった筈なのに。
 如何して大の大人の男が可愛く見えるやら
 なんともおかしな話だと思うのに
 何故だか悪い気はしなかった。

 嫌な気分ではなかった。
 どんな評価であれどんな見解であれ
 彼に与えられるものなら、なんだって。

 あの頃も今も変わらず彼が好きな証明なんて
 それだけで足りるだろう。
 あと男に抱かれてるのも。
 こんなに気持ちいいって知ってたとしても
 彼以外になんて、考えるのも嫌なのだから。 ]
(*4) 2022/05/23(Mon) 2:17:34

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 興奮の滲む彼の荒く艶やかな呼吸の音。
 潤いも足さずに交わる結合に女を抱く時のような水音はなく
 汗に湿る肌同士が当たる音と軋むベッドの音が耳についた。

 馴染みのある分かり易い快感を以て
 欲望の弾ける瞬間へと向け急速に駆け上がりながら
 覚えたばかりのまだ不慣れで、
 それなのに強烈な心地よさを同時に味わわされて
 頭が、混乱する。
 男として生きてきた自分の体を作り替えられるような
 おかしな錯覚に酔い痴れて。

 あとを追うように限界を訴える彼の声にぞくぞくと
 絶頂の余韻とは違う法悦が駆け抜けて
 熱いものを吐き出すさなかの体を休む間もなく
 断続的に攻められ、声にならず吐息の音だけで喘いだ。

 気遣いや手加減を取り払ったような力強い抽挿に
 彼が彼だけの快感を求めて動いているんだと理解して
 彼の欲をこの身にぶつけられ受け止めているんだと思えば
 訳のわからない感情が込み上げてきて堪らなくなった。

 愛おしさと呼ぶには如何にも狂暴で酷く淫らな。
 言い表す言葉は見つけられる気がしない。

 過去に抱いた女が興奮を煽る為紡いだ言葉が頭に浮かんで
 「なかにだして」と強請った気がする。
 彼を悦ばせるためではなく純粋に自分がそうされたくて。
 きちんと言葉になった自信はない。 ]
(*5) 2022/05/23(Mon) 2:20:14

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 元より入口の皮膚以外殆どが感覚を持たない内臓での交わりだ
 中で震える感触も、吐き出された実感もまるでない。

 けれど抱きしめられ重なる身体の震えと
 生々しい呻き声に彼の絶頂を知る。

 体はすっかり疲弊しきって重力が倍に感じるし
 ぜぇぜぇと繰り返す呼吸の音は耳障りで息苦しく
 もう指一本動かしたくないのに、興奮が醒めない。

 熱くて、暑くて。
 張り付く重たい身体が苦痛なのに心地よくて
 離れがたくて背中の後ろに体重を預けようとすれば
 未だ繋がったままのものが角度を変えて小さく呻いた。

 え?萎えてないの?何故?
 いや、俺もだな?俺もだったわ。何故。

 もうなにを考えるのもだるくて
 疑問は浮かぶ傍から投げ出した。
 重力倍増しに感じるクソ程重たい腕を死ぬ気で持ち上げて
 首筋にじゃれついてくる頭をベタつく手で構わず撫でた。
 何も考えない頭で、理由もなくそうしたかったから。 ]
(*6) 2022/05/23(Mon) 2:20:53

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 気遣いの戻ったやり方で、すっかり弛緩した体を
 シーツの上に横たえられる。
 死ぬほど疲れていたので逆らわず手伝わず体を預けた。
 気遣うならまず抜けとは思ったが言わなかった。
 離れたくなくて、言いたくなかったので。

 予告通りに汗だくになった身体に
 乾いたシーツの感触が心地よくて
 もぞもぞと蠢き湿っていない場所を探す ] 


 ​────、…───……、……っ、……
 ……しにそ、……むちゃくちゃ、きもちよかった。


[ 遅れた返事を漸く紡げば、緩みきった口から涎が垂れかけて
 垂らしてももう今更どうでもよかったけど
 死ぬほど喉が渇いていたので無理やり飲み下す。

 みずほしい。けど、いいたくない。
 動きたくも離れたくもなかった。 ]
(*7) 2022/05/23(Mon) 2:22:40

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 動きたくも離れたくもない、けれど
 顔を見るためのろのろ体を捻れば
 彼が出した分だけ多少の滑りを取り戻した中から
 ずるりと半端に彼が腹圧で押し出されて
 強制的に味わわされる排泄と殆どおんなじ原始的な快感に
 ぞわぞわして戦慄きながら、ぅ゙あ゙とか色気の欠片もない
 なかなかにひどい悲鳴をか細く溢れた。

 ぜんぶ抜けてないから
 まだこれを味わう事になるのがわかってしまう。
 離れたくない以上の嫌を突きつけられて
 はふはふ喘ぎながらも
 当初の目的を成し遂げるべく彼の顔を見る。

 ひどく疲弊しきった顔はそのままに目だけギラギラしてる。
 これは徹夜が過ぎて疲弊し過ぎたが為に分泌された
 脳内麻薬でおかしなテンションになってる顔だ。  ]


 せんせぇも……誠丞さんも、きもちよかった?

 満足したならねなよ。
 ひっどいかおしてる。

 
(*8) 2022/05/23(Mon) 2:25:05

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 抜いて離れるのも、抜ける感覚も嫌だけど
 半端な今の状況が、なかなかやばいとこを押してることに
 ばきばきに勃起しだす自身でもって察して、
 意を決してずるりと完全に引き抜いた。

 ずるりと内臓を道連れにするみたいに出ていくのが
 気持ち悪くて気持ちよくて
 え゙だかあ゙だかわからない音で呻いて
 謎の情けなさに泣き出しそうになりながらも
 重い体を引きずって完全に向き直る。

 どろっと産み出された直腸温度にほかほかになった
 彼のやつを、そのままでは気持ち悪かろうと
 その辺のシーツを手繰ってかなり適当に拭いてやった。
 自分の尻も気持ちわるいけどこっちは
 シーツで拭くのが流石に躊躇われてそのままに。

 布団でもかけてやるべきだけど
 これ以上一切動きたくないし暑いので
 寄り添うだけにしておいた。

 いろいろ考えなきゃいけない面倒なことが
 かなり、だいぶ、残っている気がする
 けれど、眠って起きたあとの自分に
 ぜんぶ押し付けることにして。

 ねなよ、おやすみ、を繰り返し
 彼が目を閉じるのを見守ってから、自分も目を閉じて
 泥のような眠りにずぶずぶと沈んでいった。* ]
(*9) 2022/05/23(Mon) 2:27:27

【人】 転生者 アウローラ

―― 数日後/学園内にて ――

[ それから数日後。
 体調のほうはすっかり良くなった。

 彼にも言われたけれど、
 自分でも気づかないうちに無理をしていたみたい。
 彼が部屋から消えた後、寮母さんが呼んでくれた
 お医者様からは結構なお叱りを受けた。

 それから二日ほど休養を取ってから
 授業に出てみれば、早々に積み上がっていた
 課題の山を頂くことになった。

 それをなんとか
 ――だけど無理のないペースでこなして――
 たった今、最後の課題を提出し終わった。 ]
(32) 2022/05/23(Mon) 5:17:05

【人】 転生者 アウローラ

[ 失礼します、と
 教授室の扉の前で一礼してから
 足早にその場を離れていく。 ]
 
 
 アルカード、いますか?
 

[ 人気のない廊下まで出たところで
 小さな声で、彼の名前を呼ぶ。

 姿は見えなくても、彼はいつだって傍にいる。
 とはいえ彼がどこから姿を現すかは
 いつだって全く予測がつかないのだけど。

 時に部屋の隅に横たわる影から、
 ある時は至極普通に部屋の扉の向こうから
 或いはわたしの影そのものから。

 最後のは以前実演されたときに
 流石に心臓に悪かったから、
 正直、多用はしないでほしいのだけど。 ]*
(33) 2022/05/23(Mon) 5:21:22

【人】 闇の精霊 アルカード



 呼んだか、曙の子。

[ 呼ぶ声に応じて姿を現す。

 直近、娘の影から直に姿を現したときに
 頬を打たれこそしなかったが涙目で抗議された故、
 今回は普通に背後の中空からすぅと姿を現した。 ]*
(34) 2022/05/23(Mon) 5:29:06

【人】 転生者 アウローラ

[ 人の背後へふわふわ浮かびながら現れるのは
 どう考えても普通じゃないです。 ]

 

 …もう!
 その呼び方はやめてくださいって
 言ってるじゃないですか。


[ わたしの名前は、
 どうやら女神様の名前から取られたみたい。
 「夜明け」を意味するその名前は
 あのゲームのタイトルにも通じていて、
 我ながら可愛らしいと思う。

 でも日本人としてはやっぱりその呼び方は
 お相撲さんみたいであまり好きじゃない。
 (その人に非があるわけではもちろんないけど) ]
(35) 2022/05/23(Mon) 5:35:24

【人】 転生者 アウローラ

[ 咳払いと共に本題へ。 ]
 
 
 休みのあいだに堪っていた課題を
 ついさっき漸く全部提出できたんです。
 
 えっと、それでですね。
 
 先日、わたしが寝込む前に約束しましたよね。
 わたしと一緒に買い物に行きましょうって>>1:142

 わたし、これから一日何も予定がないんです。

 なので、もし、アルカードが何も問題ないなら、
 一緒に街にいってほしいな…って。

 だめ、でしょうか?*
(36) 2022/05/23(Mon) 5:36:18

【人】 闇の精霊 アルカード

[無論、覚えている。>>36]
 
 
 お前こそ、あのとき我がなんといったか
 覚えていないのではないか?
 我は確かに、約束したぞ?


[中空に浮かんでいた身体を、音もなく床へと降り立つ。
ついでに軽く、娘の額を指先で軽く小突いてみせてから、
此方を見上げる娘の瞳を、頭一つ上から見下ろして笑った]
 
 
 そもそも、娘よ。
 我はお前の望みを叶えるためにここにいるのだ。


[無論、忘れたわけではあるまい?]
(37) 2022/05/23(Mon) 5:39:12

【人】 転生者 アウローラ



 つめた…っ。


[ 堪らず額に手を添えて。

 面白いものを見た、と言わんばかりの
 すっと細められた眼差しに
 ほんの少しだけ、恨みがましい視線を送る。
 
 あと、曙じゃなくて名前で呼んでほしいって言ったら
 ちゃんということ聞いてくれるのかしら、この精霊さんは]
(38) 2022/05/23(Mon) 5:40:50

【人】 転生者 アウローラ


 もう…。
 でも、よかったです。

 じゃあ、一度部屋に戻って着替えてきますから。
 あとであの図書館で落ちあいましょう。


[ 頬の温かさと緩んだ表情はきっと隠し切れないまま
 彼の返事を待つより先に寮のほうへと歩を進めた。

 誰かと一緒にどこかに出かけるなんて
 まるで夢みたい。
 この学園に入学して以来、今までずっと、
 誰かと仲良くなることなんてできなかったから。 ]
(39) 2022/05/23(Mon) 5:42:20

【人】 転生者 アウローラ

[ この学園に入学してから、
 攻略対象ではない、他の人たちとも、
 自分なりに仲良くなろうと努めてきた。

 でも、いつも上手くいかなかった。

 どうしてかはわからないけど、
 誰かと少し仲良くなるたび、
 どこからか噂が聞こえてきては
 周りの人たちから距離を取られる。

 攻略対象ではない人たちですら
 そういう状態だったから。

 ―――…だから、気がつくといつもひとりだった。 

 わたしは、不器用な人間だから。
 気がつかないあいだに、他の人たちが嫌がることを
 してしまってたのかな、って。

 そう思うと、とても怖くて、
 同時に今その場にいることが申し訳なくて、
 とても悲しかった。 ]
(40) 2022/05/23(Mon) 5:44:52

【人】 転生者 アウローラ

[ でも、今は違う。
 わたしは今、ひとりじゃない。

 たとえ、彼が人間じゃないとしても。
 いつか世界を滅ぼす存在だったとしても。

 わたしは、彼の友達でいたい。
 それは、ただ、わたしの傍に居てほしいとか
 そういうことだけではなくて。

 …彼にも、知ってほしいと思った。
 この世界が、嘗ての「私」が愛した世界が、
 とても美しいものだということを。

 学園の背景も、イベント毎に変わる街並みも。
 この世界でわたしが見て、聞いて、触れてきた、
 いろいろなものを、彼に見せたい。
 彼と一緒に、思い出を共有したい。 

 今のわたしには、そんな夢がある。 ]
(41) 2022/05/23(Mon) 5:46:20

【人】 転生者 アウローラ

[ そうして、部屋に戻って私服に着替えて
 準備を終えたところで
 そのひとの姿が遠くに見えた。  ]
 
 
 ……あ。
 
 
[ ちょうど午後の授業に出るところだったのか。
 友人(取り巻きなのかもしれない)に囲まれながら
 廊下を歩いてくるマティルダ。

 その友人たちのなかには、
 以前わたしから距離を置いた人たちもちらほら。 ]
 
 …………。
(42) 2022/05/23(Mon) 5:47:09

【人】 転生者 アウローラ

[ その親しげな様子に、少し、胸が痛んだけれど。

 それでも、彼らと廊下をすれ違ったときは
 廊下の端へ寄せて、彼らにカーテシーをする。
 わたしと彼女たちの身分を考えればそれが正しい。 ]
 
 
 ……。


[ 頭を下げようとした一瞬、
 此方に気づいたらしいマティルダが
 目を見開くのが見えた。
 まるで、なにかに驚いたように。

 わたしの傍を通り過ぎるそのとき、
 「どうしました?」なんて、彼女の友人たちが
 声をかけているのが聞こえたから
 …たぶん、気のせいではないのではないかしら。


 「なんでもない」とマティルダが友人たちに応える、
 そんな遣り取りが少しずつ
 遠ざかっていくのを確認してから顔をあげる。
 さっきのマティルダの反応も
 気になるところではあったけど。
 
 今はそれより彼の待っているであろう、
 図書館へ向かうことを優先しよう。 ]*
(43) 2022/05/23(Mon) 5:49:47

【人】 乙守 流歌

― 現実 ―


 ( …………ん、)



[ 
夢の中の私は、
  身体をどちらかへ傾けようとした。

  ……そのせいで
  本来触れるはずもない、


  人の体温を感じた気がして >>29
(44) 2022/05/23(Mon) 7:47:35

【人】 乙守 流歌



 (  しお、ん? )



[ 目を覚ましたときには目の前にはその姿はなく。
  涼しげな夜風を感じで目をやれば
  開いたままの窓と、
視界の端に映る漆黒。>>29

  カラスかな?にしては、大きいような


 どこかで、見たような?
  どうして潮音の影が重なるんだろ?
] 



  ……窓なんて開けたっけ。


[ しかもこんなにも。
  ママは普段この部屋を通ってベランダに出ない。

  だから開くなら私のはずだけど。 ]

 
(45) 2022/05/23(Mon) 7:48:58

【人】 乙守 流歌



[ 何かを思い出したように起き上がって
  机にむかった。

  寝てるあいだに壊しちゃやだから
  普段は外してるお揃いのブレスレットを身につけて。


  窓はあけたまま、
  再びベッドに横たわる。


  外から見えてるものは、きっとない。
  ……よ、ね? ]

 
(46) 2022/05/23(Mon) 7:49:24

【人】 乙守 流歌



 ……はわーー
 ……なにやってるんだろう……


[ とたんに凄く恥ずかしくなってしまって
  もうそれ以上はしなかったけど!!!

  窓はちゃんと閉めて、おやすみ。って
  ブレスレットにちゅってして机に戻した。


  いけない格好は戻した。
  寝よ寝よ、…………はわー、……ねむれない。 ]

 
(47) 2022/05/23(Mon) 7:52:43

【人】 乙守 流歌



[ 次の日、……結局ねむれなくて。
  ママに具合悪いって言った。

  熱はないんだけど普段はふつーに行ってるからか
  ちょっと心配してくれて

  行けるようになったら行きなさいねって
  学校にも連絡いれてくれたみたい。
  お仕事にいくママをベッドから送り出して
  潮音にも先に学校いっててねって連絡をいれる。 

  あいたいけど、あいたくなかった。

  どんな顔したらいいのかわかんない。
  潮音のせいじゃないけど、潮音のせいだよ! *]

 
(48) 2022/05/23(Mon) 7:53:21
乙守 流歌は、メモを貼った。
(a4) 2022/05/23(Mon) 9:22:05

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



急ぐ旅ではないというところと、
この雨の中しっかりとした館を見つけられるとは
思えないところが相まって、
強行突破気味ではあったがここを借りることに。>>10
もしかしたら、夜逃げということもありうる。
出ていく時には宿代をどこかにおいておけば
管理人か誰かが拾ってくれると思って。


「そういうのは怖くない。
 ほら、1番怖いものは人間だっていうだろ。」


彼の手を握る彼女の力が強くなって、
本当に怖いのかと申し訳なくも笑ってしまった。
本人からしてみれば真面目な話だと言われそうだが
おどかしたら言い反応が来そうだと思わざるを得ない。
そう思っていると、本当に怖がった彼女が体を寄せて、
彼に我慢を強いる時間がやってきた。


(49) 2022/05/23(Mon) 13:16:58

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「ちょ、……晩御飯……肉?」


もっとまともに考えろと言われそうだが
今の彼にそれは不可能に近い。
肉といったのも、本当は違うかもしれない。
彼女の肌を感じたいという欲なのかもしれない。
そんな考えを捨てようと、視線は感じても合わせないし
ふるっと頭を振って落ち着こうとした。

まだ、まだ、と彼女を傷つけないように、
落ち着けと自制を促すために心で呟いて。


(50) 2022/05/23(Mon) 13:19:20

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「いや、…………ミン、………無意識は良くない」

彼女を大切に思うからこそ、離れようとしたけれど
それが逆効果になったのか、彼女が引き寄せるように
腕を掴んで、見つめてきて、彼を足止めする。>>12
何かが、割れていく音がする。
彼女を宥めるような声で呟けば、次の瞬間。
彼の腕ではない何かがぬるりと彼女の腹部、両腕、
更には両脚に絡み付いて彼女を拘束する。


「俺、好きって言ったよね。
 つまりはミンのこと異性としてみてるってこと、
 理解した上で……抱きついたってことは?
 意識してくれてるなら、
 手を握るまでならまだ我慢できても、
 雨に濡れた君のことを我慢できるほど、
 胆力はもうないってこと、わかってくれる?」

彼女から離れられるなら、
優しい声で教えるように彼女の顔を見て、
視線を合わせるために腰を下げ、
困ったような眉を見せながら囁いた。
嫌われてもおかしくないな、と
思いながらももうこれは止められない。*

(51) 2022/05/23(Mon) 13:24:34

【人】 甲矢 潮音

 
[流歌が体調不良なんて珍しくて>>48
 連絡受けたまま暫し固まってた。

 途中からでも快復したら行く気があるのか
 先にいっててねとあるけど

 ……、い、行きたくない……。

 流歌のいない学校なんて……、
 流歌のいない学校、なんて……、

 ハンバーグと目玉焼きとご飯のない
 ロコモコにも劣るなにか、だ。

 ファミレスで、ハワイフェア開催中。
 ……辞めたからもういいんだった。]
 
(52) 2022/05/23(Mon) 19:56:58

【人】 甲矢 潮音

 
[窓閉め忘れたことを思い出す。僕のせい?
 でも、暖かくなってきてるから
 それだけで風邪ひいたりはしないはず。

 ボタン開けっぱで出歩いてたから?
 いやいや、もっと暖かい時刻だったし。

 ぐるぐる。

  ──────────────
   何かあれば連絡して。
   ノートやプリントは任せて。
   しっかり休んでね。お大事に。
  ──────────────

 そう送って、(渋々)一人で学校に向かった。

 その日はずっと心配してた。
 前の席と胸の中がぽっかり空いてて
 物憂げに溜め息を吐いたりなんかして。]
 
(53) 2022/05/23(Mon) 19:58:45

【人】 甲矢 潮音

 
[流歌が来ることがなければ、
 下校までそんな時間が続いたのだろう。

 面接がてら寄ったコンビニでは
 口当たりの良いプリンをふたつ買って、
 お見舞いを口実に部屋に行こうと考えるも。

 かわいい娘が心配で早めに帰ってきたのか
 おば様とマンションの入り口で遭遇し
 挨拶しつつエレベーターをご一緒して
 様子を聞けば熱はなかったから大丈夫よ、と
 肩を叩かれ、漸くホッとして。
 
今後ともよろしくね、と改まって言われれば首を傾げ。


 となれば母娘の時間を邪魔するのも悪いような。
 ……めちゃくちゃ会いたいけど。
 何かあれば呼んでくれるはず……、だよな。
 流歌さんお大事に、これはお二人でどうぞ、と
 コンビニの袋はおば様に託して。

 流歌に見せるためだけに珍しく真面目に取った
 ノートの写メと、くどいようだけど、
 お大事にってメッセージをまた送った。]
 
(54) 2022/05/23(Mon) 19:59:48

【人】 甲矢 潮音

 
[すぐ隣にいるのに、遠いなぁ。
 
きみは大半、ずぅっと高いところで過ごすから

 
これでも全然、近いんだけれど。
*]
 
(55) 2022/05/23(Mon) 19:59:58

【人】 甲矢 潮音

 
[月が一巡りし、衣替えが済んだ。
 校内を半袖の生徒達が歩いている。
 熱中症になったら困るから
 二の腕が覗いてしまうことは許そう。
 
厭らしい目で見た奴は殺す。

 
(56) 2022/05/23(Mon) 21:42:02

【人】 甲矢 潮音

 
[あれから夢に入るのをぴたりとやめた僕はいま
 ジャケットとネクタイを外したかわりに
 黒のノースリーブのベストを着ていて。
 ついた黒板の粉をハンカチで叩くと
 スクールバッグを肩に掛けた。

 日誌はもう出したしさあ、流花と帰ろう。]


  やっと明日だね、覚えてた?


[昇降口に向かいながら訊ねたのは
 もちろん二つのお祝いをする日のこと。

 暑くても手は当たり前のように繋いでて、
 ブレスレット同士はたまにカチンとぶつかる。
 流歌がわざと当てようとしたときは
 かわいいなぁと思いつつ、ス、と避けちゃう時もある。
 反応が見たくて、つい。]
 
(57) 2022/05/23(Mon) 21:43:38

【人】 甲矢 潮音

 
[自分の靴箱の蓋を開ければ……、止まる。
 中に入れられてた紙をぐしゃりと握って
 靴は出さずに踵を返した。]


  ……ごめん、流歌
  ちょっとだけ待っててくれる?
  すぐ済ませるから
  一人では帰らないでね


[詳しい説明もなしに駆け出してしまう。

 人の出入りが激しい時間だし
 ここはグラウンドで部活やってる生徒や
 顧問の教師からは丸見えだ。

 流歌もノコノコ怪しい奴について行ったりしないし。
 ……大丈夫なんて軽く考えてた。]
 
(58) 2022/05/23(Mon) 21:45:25

【人】 甲矢 潮音

 
[流歌が一人になってすぐ。
 大人しげな女の子が話しかけてくるだろう。
 前髪が長めで、眼鏡をかけてて、
 モジモジした動きで、如何にも隠キャな感じの。
 特別仲良かったことはないが、
 クラスが一緒になったことがあるのを覚えているか。]
 
(59) 2022/05/23(Mon) 21:45:51

【人】 甲矢 潮音

 
[少女は今にも泣きそうな顔で助けを求める。]


  「た、助けて下さい、乙守さん……!」


[自分は生物部で、
 借りてきた動物の子供が逃げ出してしまったと。
 緊急で人手がいるのだと。
 ……兎に角来て欲しい、と。
 裏庭に向けて腕を引く手はよく見れば震えていた。*]
 
(60) 2022/05/23(Mon) 21:46:28
甲矢 潮音は、メモを貼った。
(a5) 2022/05/23(Mon) 21:50:03

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[怖くないと、断言されれば思わず
尊敬する面持ちで見返してしまった。]


 ……確かに人間も怖いけど……、
 私はおばけのほうがこわいよ……。

 ……って、笑わないでよ!
 こっちは真剣なんですからね!?

[だって、人ならざるものじゃない?
会話だって通じるか分からないし、
戦ってもすり抜けちゃうかもしれないし。

子供だましと言えばそうなのかもしれないけれど、
本気で怖いのだから仕方がない。
笑うテンガンには、ぺちぺちと背中を叩いて反抗した。]
(61) 2022/05/23(Mon) 22:15:11

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[それから晩御飯への相談に話題は移る。]


 んー……お肉かぁ……。
 兎の干し肉なら少し残っていたっけ?

 さすがに雨の中は取りに行けないし、
 簡単なものになっちゃうけれど……、
 それでもいい……?


[旅に出ている手前、いくらか持ち合わせの食料はあるけれど、
毎日豪勢な食卓にはありつけない。
今日も、できるだけ質素にと考えながらも、
食べたいものは優先しつつ献立めいたものを考えてれいれば、
不意に、トーンの落ちた声が聞こえてきた。>>51] 

 
 ん? 無意識って……、ひゃ、わわっ……?!
 なに……っ?!!?!


[ぐいっと腰元をあらぬ力で引き寄せられ、両腕が拘束される。]
(62) 2022/05/23(Mon) 22:15:37

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[両腕では飽き足らず、ぐるぐると身体に
まとわりつく何かが気持ち悪い。]


 ……えっ!なに、なに、これっ!?
 気持ち悪い……ッ!!!!!

 テ、テンガンッ……!!!


[思わず助けを求めるように彼の名を呼んだ。
だが、こんな状態になっても
彼は冷えたように冷静な声で言葉を紡ぐ。]


 ……たんり、え……っ!?

 あ、っ……ごめんなさいっ、
 そこまで考えてはいなくて……っ……

 わざとじゃなんだけど……、っていうか、
 これ何!???????


[離れる以前にもう彼からは離されている。
得体のしれない何かに寄って両腕を拘束されているのだから。
それよりどうして彼は落ち着いているの?!*]
(63) 2022/05/23(Mon) 22:15:53

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[そろそろお互い体力的に問題だろうし、自分が勃たなくなるのでは……と思っていたが。まだ臨戦体勢のままでいる事実に驚きながら、引き抜いてしまうのが惜しくて後回しにする。今日初めて抱き合ったのに、元々私の一部だったかのように馴染んでいるのが心地良くて。物理的な相性というより、精神的な充足が大きいのかもしれない。

彼の返事が無くても、疲労や喉の酷使の所為で声が出ないのだろうと思った。重いだけの腕を回し、背後にくっついて人肌を享受していると、時間差で返事を貰う。
「良かった」と溢すと同時に、比喩表現に小さく笑う。死にそう、なんて。彼が言うとどうしても悪い冗談に聞こえ、軽い拒絶反応を覚えてしまいそうな単語だが。
……今は不思議と笑える。

感想を言葉にしようとして、彼が身体を捩った拍子に頭から抜け落ちた。少し腕を浮かせて待てば、今の動作で疲弊したらしい彼と目が合う。重い瞼が繰り返し瞬く]


 気持ち良かった。性欲だけじゃなくて、
 ……満たされた、と言えばいいのか。

 大丈夫、寝る。
 ただ今は目が冴えてるだけ…………、うん。
 
(*10) 2022/05/23(Mon) 22:25:06

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[セックスがこんなに気持ち良いのだと、私は知らなかった。今までの行為は目的でしかなく、短絡的な欲望を発散する以外の意味を持たなかったから。

埋めた一部を引き抜こうとして呻く様子に、腰を引いて手伝おうとするが、思った程身体が動かなかった。ずるりと粘膜に擦られる感覚に身構え、栓の外れた入り口から滴る残滓を視線で追う]


 ありがとう……、?

[外気に晒された熱を拭う面倒見の良さに、若干の疑問系を含んだお礼を言って]

 そういえば君に名前を呼ばれると、不思議な感じだ。
 先生って呼ばれ慣れてるからかな。


[昔の知り合いの名前まで覚えていないだろう、という勝手な推測が生んだ驚きだ。おそらくは。
半ば独り言のように呟いた後、「る い」と意味もなく彼の名前を呼んだ。
さっきまで何を話したら良いのか、と考えていたのが嘘みたいに]
(*11) 2022/05/23(Mon) 22:25:38

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[一度は彼の言いつけ通り瞼を閉じた。けれど眉間に皺を寄せ、いまいち眠気に身を委ねられずに時々目を開ける。何かをやりっ放しで放置したまま睡眠を優先する、……という状況が少し落ち着かないだけだ。きっと。

そっと目の前を窺うと、寝たと思っていた彼が此方を見ていて視線を泳がせる]


 寝る、……寝るよ、おやすみ。


[わしゃりと長い前髪を乱し、緩やかに撫でる。ベタついた手だからと先程は躊躇したけれど、……まあいいだろう。
そのうち指先すら重いような睡魔に引き摺られ、大人しく眠りに沈んだ]
(*12) 2022/05/23(Mon) 22:25:49

【人】 眼科医 紫川 誠丞

 
「そのうち結婚なさるんでしょう? 先生も」


[曖昧に返事をして、ペンを走らせる。
余白がほとんどない色紙に書く言葉を探し、ありきたり過ぎないかと頭を悩ませる時間。見慣れた外来の診察室で、隣には看護師……いや受付の事務員か、ぼんやりとした外郭の人間が暇そうに立っていて、私が書き終えるのを待っている。

書き上げた一枚を手渡す。機嫌良さげな、それでいて得意ではない類の好奇心の色を隠さず、相手が笑いかけてくる。その唇が動き、何かを言った。

……こんな時は、無難なことを言っておくに限る]


 いや、結婚は…………どうでしょうね。
 昔からずっと、好きな人がいるんです。


[口から出た言葉に、自分でぎくりとする。
身を乗り出してきた彼女が連ねる質問に、洗いざらい答えてしまう。そんなプライベートな話は職場の人間に聞かせるべきじゃないのに、自分の身体を制御出来ない。どうして。

笑顔を浮かべていた彼女が首を傾げる。
すっと表情が消えた双眸が、白衣の男を捉えた]


「先生は、……その人のどこが好きなんですか?」
 
(64) 2022/05/23(Mon) 22:26:50

【人】 眼科医 紫川 誠丞

[彼女──だと思っていた輪郭が、声が。
次第に変質していき、気付けば目の前に「阿出川くん」が立っていた。

その空間の異常さに私は何の疑問も抱かず、咄嗟に腕を掴もうとした手が空を切る。
「会いたかった」と再会を喜んだが、何かがおかしい]


「……せんせぇー、なんで俺のこと好きなの?」


[時間の流れを置き去りにした、昔のままの彼が。
私に問い掛けてくる]
(65) 2022/05/23(Mon) 22:27:08

【人】 眼科医 紫川 誠丞

[「好き」な理由──なかなか難しい質問だ。

学生時代は特に 希薄な人間関係ばかり築いていたから
憧憬や親愛を拗らせただけだ、
彼の顔が男にしては綺麗で可愛かったからだ、とか。

そう考えて、彼に似ている要素がある人なら
好きになれるんじゃないかとも思ったが駄目だった。

性格、立ち振る舞い、外見。
言葉にすると淡白で説得力に欠けるように思えて
記憶を遡り、好きだと思った瞬間を順に思い起こせば、
あり過ぎて話し始めたらキリがないと気がついた。

そして、無数に候補は挙げられるが……
例えば変わってしまったら冷めてしまうような、
決定的な「何か」は見つけられそうもない。

要素が欠けたら興味が無くなるかと聞かれれば、違う。
かといって「馬鹿」になりきった、
彼の見た目をした人形を可愛がりたい訳でもない。


……好きでいることが当たり前過ぎて
今までずっと、理由を考えたことも無かった]
(66) 2022/05/23(Mon) 22:27:40

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[──近くの体温に擦り寄り、眠りの浅瀬を揺蕩う。
やけにリアルに感じる人肌。はっと目を覚ます]


 ────……、


[寝ぼけ眼に、見慣れない景色が広がっている。
そういえば此処は孤島病院で、眠る前の出来事を朧げに思い出す。意識がはっきりして一番最初に気になるのは彼の居場所だ。それから今は何時なのかと部屋を見回すが時計が無い。左手にも当然腕時計はない]
(*13) 2022/05/23(Mon) 22:28:47

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[隣の彼の様子を窺う。
まだ眠っているなら、そのまま寝かせておく。

あちこちベタついた身体を起こし、病室を見渡す。
……喉が渇いた。

そういえば患者の世話も担当医の仕事なのだから、ここでじっとしていたら干からびてしまう。ベットの端で半分ずり落ちているシーツを彼の素肌に掛け、外を出歩けない格好のまま水を探しに行くだろう。

色々話さなきゃならない事もあるのだけれど*]
(*14) 2022/05/23(Mon) 22:30:00
眼科医 紫川 誠丞は、メモを貼った。
(a6) 2022/05/23(Mon) 22:36:02

【人】 乙守 流歌



[ 結局あの日は、
 学校をサボるという結果になっちゃった。 
 罪悪感がすごい。

 潮音からも返信が来て、
 わーうー唸っておりました。

 潮音には会いたい、でも
 私がやっちゃったこと考えると

 潮音にどんな顔をすれば!のくりかえし。

 友達からもいっぱい連絡きてたし、
 心配したのか早めの帰宅のママは
 途中で潮音に会ったよってニヤニヤしてる。

 ……あ、私の好きなプリン。 ]

 
(67) 2022/05/23(Mon) 23:04:33

【人】 乙守 流歌



 ―――

 えーん、ごめんね
 だいぶ具合良くなったから
 心配しないでね。

 ―――

  
[ 罪悪感!!
  えーん。

  学校をはじめてサボっちゃったのと
  潮音に心配かけたのと
  会えないのがつらつらで
  "どんな顔したらいーのモード"は1日で終わったの、

  ……たぶん。 

  それでも2〜3日は、ちょっぴりもぞもぞしてたかも。*]
(68) 2022/05/23(Mon) 23:05:07

【人】 乙守 流歌



[ それから、日々はすぎて
  長袖は半袖に。

  夏服はかわいいんだよ、色が。
  初夏を思わせる水色のチェックのスカート。

  潮音と行ける学校に行きたかったのは勿論なんだけど
  この制服が着たかったのもあったりする。

  涼しげな潮音の夏服もまた
  ……好きだな。 ]

 
(69) 2022/05/23(Mon) 23:06:38

【人】 乙守 流歌



[ ……あのゆめは暫く見なくなった。
  罪悪感に負けたのかな、
  見たばっかりのときはわーわー騒いでたけど
  暫く見なくなった私はちょっぴり忘れてた。
  

  近頃の潮音は少し意地悪を覚えたようで
  ささやかな幸せを妨害して笑うんだよー。 ]


  なんで逃げるのー、
  もー


[ 運動はそんなに得意ではないとはいえ
  そんな!何度も捕まえられないものかな?
  ブレスレットの腕がスカッで逃げられる
  そんな光景はなかなかに滑稽とも言う。

  流歌だからだよ、と言われたらそれまでだけど。 ]
(70) 2022/05/23(Mon) 23:10:01

【人】 乙守 流歌


[ 初めの頃の心配はだいぶ影を潜めてきた。
  ……大好きが重なる幸せ。
  潮音もそうだといいな。 ]


  もう忘れないよ!
  手帳にもカレンダーにも
  スマホにも登録したもん。
  潮音がお祝いしてくれるの凄く嬉しいし
  楽しみにしてる。


[ 偶然にも誕生日と記念日が一緒なんて
  すっごくいい日になる予感しかしないね。

  ……と、そんな変わりない、
  今日の一日を終えるべく靴箱へ来たときのこと。]
(71) 2022/05/23(Mon) 23:11:26

【人】 乙守 流歌




  ……へ?
  う、うん。待ってるね。


[ くしゃって紙の音。>>58

  潮音の靴箱に何かが入ってることはよくある。
  回数は減ってはきたけれど
  まだまだ告白される機会はあるみたい……

  流石に手紙をくちゃくちゃにしてるところは

  少なくとも、私の前では
見たことないし

  今回は違うのかもしれないね。
  でも何の用事かは深くは考えなかった。]
 
(72) 2022/05/23(Mon) 23:16:07

【人】 乙守 流歌



[ 校内でスマホ出すわけにもいかないし
  ぼんやり運動部が走るのを眺めてたら、

  ……あれ、前のクラスの子。>>59
  確か化学の授業の班が同じだったことはある。
  彼女自身、大人しい子だったし
  特別仲良かったわけでもないけれど
  彼女にとって、お話しはクラスの皆の中では
  する方だったんじゃないかな? ]

 
(73) 2022/05/23(Mon) 23:20:59

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「ごめんごめん、そんなに真剣だとは思ってなかった。
 どうにかなるって、俺がいる。
 だから離れないようにしてて。」


彼女が本気で怖がっている様子に、
やはり笑いが込み上げてきてしまう。
背中を何度か叩かれても、
笑いを誘発されてしまうので、
テンガンは笑いながらこの館を散策する。>>61


(74) 2022/05/23(Mon) 23:26:52

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「ミンが作ってくれるものは何でも美味しいから
 どんなものでも大丈夫。
 こういうところだがら、台所もあるだろう。
 後で探すことにしようか。」


本当に肉を食べたかったかと聞かれると、
どうかわからない、と後々答えると思う。>>62
けれども彼女が作ってくれるものは
本当に、心の底からどれも好き。
家事は苦手ではないが得意でもないため
少ないながらも良いものを作ってくれる彼女に
とても尊敬の念をいつも抱いている。


(75) 2022/05/23(Mon) 23:27:17

【人】 乙守 流歌



 はわ、それは大変だ。
 少し待っててくれたら甲矢君も来……、

 って、ちょっとー?


[ あれ、聞いてない?
  引っ張られちゃった。

  なんだかふるふる震える感触。
  すごく責任感じてるのかな、

  もし逃げちゃったのが赤ちゃんだったら
  確かに心配だよね。

  多分友達だったら流歌を頭数に入れるなんて
  よっぽど緊急なんだねって笑う気がする。
  失礼だよね、むう。 ]

 
(76) 2022/05/23(Mon) 23:28:39

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「気持ち悪い?もうちょっと我慢して。
 これ?俺の触手。いや、なんか言い方おかしいな。
 俺の意思に従順な使役魔?
 別に5本だけじゃなくてもっと出せるけど、
 とりあえずはこうでいいかな……。」


気持ち悪いという言葉を彼女から聞くとは
想定していなかったわけではないのだが、
少し口元が緩んでしまった。>>63
彼女と物理的に距離を作れたので、
彼女の体にまとわりつくそれを冷静に教えながら、
自身は部屋の中にあった1人がけソファに腰掛けて、
彼女の体を拘束したままベッドに動かし膝をつかせれば、
さてどうしたものか、と考える。


(77) 2022/05/23(Mon) 23:30:08

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「ミン、俺結構我慢したんだ。
 勝手なこと言うなって言われそうだけど
 もう我慢の限界が来てしまったんだ。
 許してなんて言わない。言えるわけない。
 ………そうそう、その触手、凄いんだ。
 2種類の粘膜が使い分けられてさ、
 1つは服を溶かす粘膜、もう1つは……媚薬みたいな
 思考をおかしくしていく粘膜があるんだ。」


どうしてそれを知ってしまったかは、
人間相手ではなかったので割愛。
敵に使ったらまさか仕留め損なって、媚薬効果のせいで
追いかけられそうになったなんて笑い話はできない。
そんなことより、彼女の腹部に絡みついていた触手は
彼女の胸をにゅるりと撫でるように動いていく。
主人の思考と意思がそれの動きに反映されるから。*


(78) 2022/05/23(Mon) 23:33:01

【人】 乙守 流歌


[ 下駄箱に鞄置いたままだから帰ってないの、
  潮音だってわかるよね。

  時間がいりそうなら後でちゃんと連絡しよう。
  私は彼女に連れられるまま、裏庭の方。

  普段は生徒もあんまり近づかない。
  日当たり悪いし、物陰になってるからか
  なんだか悪っぽい人も時々いるし。

  近づかないに越したことはない場所なんだけど
  草木がぼーぼーしてたりするし
  ここから体育館の裏までいっちゃったりしたら
  それこそ逃げた動物を捕まえるの、いよいよ大変そう。 ]
(79) 2022/05/23(Mon) 23:34:47

【人】 乙守 流歌



 ええと、……何が逃げちゃったんだっけ?
 大丈夫。一緒に探すよ!


[ 彼女に確認のため、も一度声をかける。
  なんだか随分奥の方来ちゃったけど
  ……大丈夫かな? *]

 
(80) 2022/05/23(Mon) 23:37:51

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

 
  
  本当? だったら、嬉しいけど。
  ……うん、久しぶりにキッチンが使えるのは嬉しいかも。
  そうだ、水は出るのかなぁ……。


[何でも美味しいは作り手としては嬉しい答えだ。
何が食べたいと聞いて何でもいいと言われるのとはまた違う。
ならば、腕によりをかけて作らねばと思う反面で、
キッチンの心配などする辺り、まだ余裕はありました。
…………その時は。]
(81) 2022/05/24(Tue) 0:17:45

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ


[触手?使役魔?
理解の出来ないキーワードが飛び交う。
だって、そんなの一緒に旅をしながら一度も見せたことなかった。]


 ……使役魔って……、
 じゃあテンガンがこれをさせてるってこと!?

 なにそれ、離してっ……!!
 離させてよ……!!


[ぐっと腕に力を込めて引き抜こうとしても、
ぬるりと滑って再び捉えられるだけで意味がない。
腕と両足を拘束されたまま、成すすべもなく
ベッドに運ばれてギリ、と唇を噛んだ。]
(82) 2022/05/24(Tue) 0:17:57

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[膝をついたまま睨めあげるようにテンガンを見据える。
高みの見物のようにソファに腰を落ち着けながら、
こちらを見下ろす様子に思わず怯えてしまう。

何を考えているのか、何をされるのか分からずに。
ただ震えていた。]


 限界ってそんなの……、
 だからって、こんなやりかた許されるわけないでしょう?

 ……お願いだから、外して……
 って、ひゃっ……あ、うそうそっ……、
 ……やだっ、うごかないでっ……!!


[ぬるりと触手が衣服の上から胸を撫で回す。
まだ衣服は溶けてはいないけれど、彼の言う通り、
本当に服を溶かす粘膜というのがあるのなら、時間の問題だ。
焦りに声が上ずって、ベッドの上でじたばたと腕をもがかせた。*]
(83) 2022/05/24(Tue) 0:18:12

【人】 闇の精霊 アルカード

―― 図書館 ――

[この学園には『図書館』或いは『資料館』と呼ばれる建物が幾つか存在している。
あの夜、我とあの娘が出逢ったこの建物もその一つらしい。

元はある貴族が趣味で蒐集した稀覯本をまとめた私設図書館で、
その貴族の死後、建物は蔵書ともども学園内に寄贈され、
学園内の敷地内に移築された。と、建物内に置かれていた資料には記されている。

そしてその貴族が集めた稀覯本の中に
我の欠片が変じた書物>>0:178が入り込んでいたようだ。

昼間でもほんのりと薄暗く、
古い書物の匂いが心地良いこの場所は我にとっては心地良く
(娘からは「お気に入りの場所なんですね」と言われた)

特に娘から呼び出されることがなければ、
我は日がな一日此処で書を読んで過ごすことが多かった。]
(84) 2022/05/24(Tue) 0:22:03

【人】 闇の精霊 アルカード

[今、我が読んでいるのはこの世界の成り立ち。
『神話』とか『おとぎ話』と呼ぶほうがより正確か。

あの娘が前の世で「乙女ゲーム」と呼んでいた物語にも、
同じ『神話』という名の設定が存在することを我は知らない
]


 はじめに、虚無が在った。
 星がひとつ、虚無の海に落ちて世界が生まれた。

 神々のうち、ひとりの娘が言の葉を紡いだ。
 「光あれ」と。
 その一声で、万象は光に照らされて
 そして世界は産声を上げた。

 そうして、ただただ闇ばかりであった世界は
 光に照らされ、世界には数多の精霊と命が生まれた。
 闇に満ちた虚無の海より、
 言の葉から万物を生み出した娘は
 光の女神として、今も世界を見守っている――…。
(85) 2022/05/24(Tue) 0:25:30

【人】 闇の精霊 アルカード

[なるほど。
今の世ではこのように伝えられているのか]


 ―――…くだらんな。


[呟きながらぱたりと書を閉じたのと、
娘がこの建物の扉を開く音が聞こえたのはほぼ同時だった。]


 遅いぞ、もう既に(2)1d6冊目を読み終えてしまった。


[此方へ近づいてくる"光"に此方の位置がわかるよう、声をかける。
それなりに長く生きたが、あの娘ほどわかりやすい魔力を放つ者も珍しい。

特に最近は初めてまみえたときのような翳りが消えて、
我にはよりいっそう眩しく"視える"。

それはさながら、地上で輝く星のようで、
―――…同時に、はじめて娘に触れたときの、
ひりつくような、灼けるような感覚もなお強くなる>>0:184
]
(86) 2022/05/24(Tue) 0:26:33

【人】 闇の精霊 アルカード


 …ああ、これか?

 珍しいな、お前が我が読んでいる本を気にするとは。


[此処に在る書物の中では、比較的平易な部類というのもあるか。
或いは、娘自身にも馴染みのある話ゆえか。

いずれにせよ、我らの成り立ちについてあの女から人の子らにどのように伝わっていたかというのは興味深い。
腹立たしさが全くないとは言わないが]
(87) 2022/05/24(Tue) 0:29:30

【人】 闇の精霊 アルカード

 
 
 それよりも、だ。
 ほら、行きたいところがあるのだろう?
 案内せよ。

 
[言いかけて手を差し出したところで、ふと気づいて。

――両の手の甲を交互に撫でれば、
次の瞬間、我が手にそれぞれ白い手袋が嵌められているのが
娘からも見えただろう。

手袋を嵌めた手で娘の手を恭しくとってみせれば。
先程のような冷たさを、感じることはないはずだ。>>38]
(88) 2022/05/24(Tue) 0:31:13

【人】 闇の精霊 アルカード



 せっかくだ。
 後に時間を取りたいからな。 
 ……我の手をしっかり握っていろよ?
 決して離れるな。


[図書館を出るのと同時、
娘の手を取ったまま――タンッ、と軽く地面を蹴り上げる。

それと同時にふわりと、娘と共に空中へとその身を浮き上がらせた。]


 馬車に乗るより此方のほうが早いからな。


[言いながら高度を上げていく。
鳥が飛ぶのと同じか、それよりもやや高い位置まで辿り着けば]
(89) 2022/05/24(Tue) 0:32:32

【人】 闇の精霊 アルカード


 ああ、案ずるな。
 只人の目からは我らの姿は見えぬ。
 我らは今、風と同じものへ変じているゆえ。

 ……要は魔法だ。
 細かいことは気にするな。


[理屈としては色々あるが正直説明が面倒になったので、
早々に魔法の一言と笑顔で片づけることにした。

実際のところ、肝心なことは。

この空中散歩がどのような原理で実現されているかではなく。
我らがこれからの半日を如何に楽しむかだ。
そうだろう?]*
(90) 2022/05/24(Tue) 0:36:37

【人】 落星 クロウリー



[望みは叶えられた。彼に、許されたからだ。
奥底の意図を考えずいられないような優しさの中に
本物の機嫌の良さがあった、のだろうか。

今やその手に縋る以外の選択肢を失った幼い私が、
欲するままに命を続ける為には
悪魔の感情の在り方こそが第一となる予感がこの時既にしていた。
それは父と二人で生活した日々よりも、ずっと重大な意味を持って。]

「……インタリオ様」

[命じられたままに口にし、数度瞬きを早めた。
人の名前としては慣れない響きを持っている。

何もかもから見捨てられた夜闇で、彼と出会ってからの
一生分の人生の動きを激流として受け止めたような時間の中。
己の身体を蝕んでいたもののことも、既に頭にない子供では
悪魔なのだから当然なのかもしれない、と。この時は思うばかりで。]
(91) 2022/05/24(Tue) 2:32:07

【人】 落星 クロウリー



[人類が与えた名の数々に纏る逸話は
何処までが創作で何処までが真実か、はたまた全てが虚空なのか?
考えるだけで壮大な話であった。
彼が我々の歴史にどれ程昔から関わっていたのかも、また。

悪魔が「インタリオ」となる迄の話を聞くことを許されてからも
更に永き時間が経った今すらも、知ってはいないだろう。

人間は同胞の正体すら容易に見失う
私は、大いなる存在を自己の狭小な視野を持って決めつけはしない。

かつては見捨てられぬよう教えられるもの全て理解する為に、
館を出てからは人間達を誘い役目を全うする為に、
そして、多くの魔術を探究する為に。
思考の使い道は他に幾らでもあったのだ。

そうあらなければいけない、でなければ生きられない。]
(92) 2022/05/24(Tue) 2:32:30

【人】 落星 クロウリー



[教会の教えでは神の血と肉とされた日々の糧も、
生きていることを忘れてしまいそうな悪魔の箱庭で与えられては
ただただ得体の知れなさを感じるばかり。

その感覚すら大した時間は掛からず忘れていき、
夢中で貪るだけとなった子供の頭に祈りの言葉はもう無かった。

今までの日々を否定する言葉を、唯一の庇護者に教え込まれ
いかに人間が操りやすく騙されやすい生き物なのかを知り、
世界の法の外にある術を身に着けていけば、当然だろう。

透明な水が黒く穢されるように
無学な農奴の子供は、容易に悪魔の与える思想に染まっていった。

変わっていく見目を主の寵愛の証であるとし
己の白い肌に恍惚と触れ、感謝して見せたこともある。

名を授かる光栄に悦び忠誠を誓った時には、
跪く動きも手を取り口づける様も
かつての少年の面影無く、仕える者のそれとして優雅に。]
(93) 2022/05/24(Tue) 2:33:08

【人】 落星 クロウリー



[私は確かに教え仔として優秀であった筈だ。
彼を真似るように歴史の陰に潜み人々を動かしていた時も、
ある男を誑かして、翠の星の元となった団体を立ち上げさせた時も
主宰となってからだって──沢山の魂を貴方に贈った筈だ。

今だって分かっている。
下僕の目には全知の存在として映る悪魔が、
己の箱庭でこちらを放っておく時には意味があると、覚えている。

食堂へ向かい、貯蔵庫に足を運んで一番奥のワインを、
主が気に入っている美しいワイングラスを。
一刻の無駄も無いよう、両階段は必ず近い左側から。

見えてくるのは、風があれば繊細に揺れそうな大理石の婚礼衣装
首無しの哀れな花嫁を前に曲がり、その書斎へと。

道中──少しの違和に眉を顰めたが
主と改めて対面した時には微笑みを形作り、感情を悟らせない。*]
(94) 2022/05/24(Tue) 2:33:50

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



[ 書斎の扉は下僕が訪れれば音も無く開かれる。>>94

  中は闇に包まれ、背の高い本棚が所狭しと並ぶ
  世界中の、既に過去のものとされた言語の書物が揃っている。
  人類が使用したことのない言葉で綴られたものも含み、
  時代により材質に差があるが全て劣化などは無い。

  それらの全てが、
  魔術、悪魔、邪教、人ならざる存在たち、あらゆる邪悪に関する本
  中には――――……館の主の信仰者達が綴ったものも存在した。

  教育に使用した、人類との接触に必要な術に関するものは>>93
  かつて魔術師が使用した部屋に保管されている。

  合間を縫って灯りが漏れる奥へと進んだ先に、
  L字を象るような形でダークブラウンの机が置かれていた。
  大きな窓からは枯れ木に実る紅色の連なりを見下ろせる
  向こう側に、奈落の裂け目も確かに存在するのが分かるだろう。 ]
(95) 2022/05/24(Tue) 2:43:59

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



[ 胸像に掛けられた大粒の真珠のネックレスを覚えているだろうか。
  少年が館に来た頃、
  今一番のお気に入りであると悪魔が語ったものだ。

  近くで祈りの形に手を組むと、
  滲むように黒が沸き出て、見る見る内に黒真珠へと変わる。
  戯けながら悪魔自ら神僕の真似事をしてみせた。

  やってみるように、と言えば彼はどう思っただろうか
  するしか無かっただろう、主が命じたのだから。
  お前はそれに縋る以外の選択肢を捨てたのだから。>>91

  よく言うことを聞き、教えられたことを吸収していき
  貪欲に糧を取り込んだ少年を、
  悪魔は触れ合いで言葉で、さも可愛いとばかりに振る舞った。

  その演技に絆されただの子供に戻ることはなく
  与えられる役目の為に成長していく姿を、確かに見ていた。>>92 ]
(96) 2022/05/24(Tue) 2:44:25

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



アレイズ=クローリー


[ “Arrays-Crawly地を這う配列達

  過去と現在が重なるように、その名を呼ぶ。

  人間の頭では追い切れない過去を語らない悪魔は、
  その名の意味も語ることはしなかった。
  だが、無知な少年の面影を殺した魔術師には伝わった筈だ。

  例え館に揃うコレクションとなるには相応しくない魂であっても、
  主の所有物であることに変わりはないのだと。
  そう定義されても尚、
  地を這い見下される立場たるお前は、悦ぶしかないのだと。

  悪魔は祝福など授けない。
  これは手を離れることとなる魔術師の心を縛り付けた枷である。

  忠誠を誓う従者の喉を、黄色の爪が擽った日が遠く過ぎ去れども
  その錠前は今も外されていない。 ]
(97) 2022/05/24(Tue) 2:45:20

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



莫迦な仔。
人間に虐げられてきた君に、飲み物一つやらない主だと思った?

[ 共に杯を傾けたこともあっただろう、と。
  悪魔はおかしいとばかりに小さく笑って見せた。

  掌が宙を仰ぐように片手を傾けると、
  もう一つ、従者が持って来たものと同じグラスが現れた。
  その手が再び降ろされると、
  机の端、空いたまま佇んでいた椅子が勝手に引かれる。

  二つに注いだ後、座すことを許そう。 ]
(98) 2022/05/24(Tue) 2:45:50

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



[ 過ぎ去りし華美の王朝時代を思わせる意匠のグラスは、
  血液めいた酒を注がれる程に、それそのものが真紅へと変わる。

  赤き水面を揺らし、白い喉が飲み干してゆく。
  その合間にぽつりぽつりと、悪魔は思い出話を始めた。 ]

覚えていないのかな
ほら、君が随分活躍してしまって、
血相変えたオレが連れ戻しに来たこともあっただろう

あれは中々逸材も揃っていたんだけどね
質の悪い魂も、それ以上に多かったな……

[ アレイズとなった魔術師を地上に戻したのは、
  その生きるべき年月が過ぎ去り、魔女狩りが最盛期を迎えた頃。
  短い期間に多くの争いが起きた時代であり、
  彼にとっては忠誠心を示せる良いタイミングであった。

  だが、あまりに多く魂を送ってきた時は
  剪定の助けをしろと彼の傍らに体現したこともある。 ]
(99) 2022/05/24(Tue) 2:47:51

【人】 芸術の悪魔 インタリオ



ああ、そうだ
これは返しておかないといけないね

[ 二杯目も半ばに減らした頃だろうか。
  話が途切れた沈黙に、思い出したように机の上の装身具を取る。
  冷たい手が彼のそれに重なり、しっかりと握らせた。

  ブローチが置いてあったそこには、
  シェードの中で蝶が羽撃き続けるランプの他に、
  魔術師が訪れるまで開いていたらしい本がある。

  これは人の世で、数十年以内に記されたものである。
  アレイズはよく、知っている筈だ。 ]**
(100) 2022/05/24(Tue) 2:48:13

【人】 甲矢 潮音

 
[わざとぶつけようとしてる時
 視線が下に向いてるからすぐわかる。
 色素の薄い睫毛が生え際までよく見えて綺麗なんだ。

 手は繋いだまま器用に手首の角度で避けて
 ふふ、って微笑って]


  流歌がかわいいからだよ


[そう言ってこちらからコツンとするまでが1セット。
 これくらいの意地悪なら、
 許されるんじゃないかって甘えてる。]
 
(101) 2022/05/24(Tue) 8:34:02

【人】 甲矢 潮音

 
[おでこにおやすみのキスする以上はしない関係でも
 幸せな毎日を過ごしてた。
 流歌は誓いの通り夜一人で出歩いたりしなくなり
 学校に忘れ物も、たぶん、減ってたし。
 平和が続いて気が抜けていたのは否めない。]
 
(102) 2022/05/24(Tue) 8:34:07

【人】 甲矢 潮音

 

  そこまで楽しみにしてくれてるんだ
  それは頑張らないと


[どこでも嬉しいって微笑ってくれてた。>>1:8
 流歌のことだから本心なんだろう。
 だけど家でも良いってことはお出かけでもいいわけで。
 どこかに連れて行ってあげる方がお祝いらしいのかも。
 でも、僕が流歌を独り占めしたいから、
 彼女にとって変わり映えのないお家デート。
 張り切りつつ、何の問題もなく迎えられると思っていた。]
 
(103) 2022/05/24(Tue) 8:35:03

【人】 甲矢 潮音

 
[靴箱にはお粗末なコラ写真を
 印刷したものが入れられてた。
 AVのパッケージか何かの裸体写真の顔だけ
 流歌のかわいい顔に変えられてる奴。
 思わず真顔で(顔以外のとこを)くしゃっと。

 こんな修正入りまくった奇形より
 流歌の絶妙なバランスの身体の方がよほどえっち
 ……じゃ、なくて。

 趣味の悪過ぎる悪戯だ。
 紙の端に屋上に来てとあった。

 使われてたのが誰でも手に入る
 体育祭の時の写真で。

 綺麗なただひとつの魂だけ見つめ続けてた僕は
 所詮両手で数えられるガキのすること、と
 甘く見ていたんだと思う。*]
 
(104) 2022/05/24(Tue) 8:36:44

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック

 

「あかりがつけば、希望はあるかもしれない。
 つかなかったら風呂も危うくなるし、
 運がいい方向に考えておこう。」


彼女のどうにか会話を合わせているものの、
半分は上の空に近かったので、
うまく会話が繋がっていたのか自信はない。>>81


(105) 2022/05/24(Tue) 10:35:06

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「離すのは無理だって。
 言っただろ、我慢の限界が来たって。
 
こんな形で触ることは俺も考えてなかったけど



ここまで短慮で浅はかだと己のことに気づくのが
遅くなってしまったことは一生の悔いでしかない。>>82
けれど、幾度となく彼女がいないところで
溜まった欲を抜いてきたことも相まってか、
もう理性が効かなくなっていたこともまた事実。


「大丈夫、痛いことはしない。
 ………いや、今日は少し痛みがあるかも。
 ミン初めてだよね、こういうの」


じたばたともがく彼女をみて、
どうしてか冷静になるとともに込み上げてくるのは
愛おしいという感情。>>83
壊したいわけでもなく、ただとどめられなくなった
恋情を押し付けてしまっていることに
追々反省をするつもりではある。*


(106) 2022/05/24(Tue) 10:36:14

【人】 乙守 流歌


[ いつからばれてたのかな、
  ま、まさか最初から?

  ブレスレットこつん、は、
  
時折こんないじわるも
されちゃうんだけど
  潮音からもしてくれる私達の合図になった。

  幸せぼけっていうのかな、
  そうかもしれない。 ]
(107) 2022/05/24(Tue) 15:04:43

【人】 乙守 流歌



[ 流歌はもともと
  気を抜きすぎだよ、とかは言っちゃだめ。

  うん、でも、でもね。
  明日という日がやってくることに浮かれてた
  ……のは、ちっとも否定できなかったよ。 ]

 
(108) 2022/05/24(Tue) 15:05:13

【人】 乙守 流歌



[ 思えばちゃんとあったはずの変化、
  例えば手紙を握りつぶした潮音の表情が
  少し怒ってるようにも見えたの

  ……あれ?って思ったはずなのに。
  微かに燻った煙に気づくことが出来なかったから。 ]

 
(109) 2022/05/24(Tue) 15:05:33

【人】 乙守 流歌



 ……む、……?
 あれ、ちょっとどこいく


[ 繰り返し不安を口にするあの子が向けたのは
  居なくなった動物に対してではなく ]



  ひゃ、





[ 私に対しての謝罪であったこと ]
(110) 2022/05/24(Tue) 15:05:54

【人】 乙守 流歌




[ ―――。** ]


(111) 2022/05/24(Tue) 15:06:52

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 「満たされた」って性欲以外の何が。
 思ったけど声に出さなかったのは
 何となくその感覚がわかる気がしたからだ。
 「何が」と逆に尋ねられても答えられないけれど
 何かが漸く満たされた気がして
 満たされた気がすることで足りなかったことを知る。
 何かが。いやわかんないけど。

 普段なら終わった後は暫くもう放っておいて欲しくなるのに
 わけのわからない多幸感に満ちていて
 アナルセックスがすごいのか
 好きな人との結ばれることがすごいのか
 後者だったら美談なんだろうと思うから
 後者と思っておくのがよさそうだ。

 この充足感が新たな性癖の扉を開いた所為じゃ
 ないと思いたいなんて考えて、ふと
 もしそうだったとしても許すのは彼だけなのだから
 結局美談と思っておいても大差はないと気付、

 ……いたあたりでアナルセックスに思いを馳せていた
 なかなかに酷い思考を引き戻される。
 いやいや尻のことばっか考えても仕方ないじゃん?
 そのくらいの衝撃だったわけですし。 ]
(*15) 2022/05/24(Tue) 21:50:51

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 先に名前で呼んだのは自分のくせに
 俺が呼ぶのは引っかかるらしい。
 なんとなく浮かんだ不満のまま
 なんでだよって突っかかろうとした出鼻は
 噛み締めるみたいに名を呼ぶ声にへし折られた。

 そんな声で呼ばれてしまえば
 些細なことはどうでも良くなってしまった。 ]


 やだったら……、せんせぇって呼び続けるけど。
 けど……でも、……いいじゃんべつに
 ふたりきりのときくらいは、誠丞さんて呼んでも。

 ずっと、『先生』以外の関係になって欲しかったんだ。
 こんなことまでしたんだし、
 なってくれるんでしょ?せぇーんせ。


[ 見返りを寄越せだなんてなかなか性格の悪い台詞を
 どうせ叶えてくれるだろうと信じきった甘えた態度で吐く。

 何に、とははっきりと名言しなかった。
 何になって欲しいのか自分でもよくわからなくて。 ]
(*16) 2022/05/24(Tue) 21:51:12

【人】 入院中 阿出川 瑠威

[ 彼は俺の家庭教師で俺はその生徒だった。

 それだけだったから、それ以外も欲しかった。
 それ以外の時間の彼を知りたかった。
 その手始めに欲しかったのが性的な接触で
 体さえ交われば彼の特別な存在になれるんだと夢見てた。

 彼は主治医で俺は患者だった。
 それ以外を欲しがってまた彼が
 俺の前からいなくなってしまうのが怖かった。
 それでも欲しがる気持ちは消えることなく
 変わらないどころかより強い執着として
 俺の心の中に燻り続け
 欲しがる事すら許されない窮屈さに腐敗していった。

 病院から飛び降りようとしたのは、多分故意だった。

 母がいないうちに、そう思った気持ちも嘘じゃない
 けれど
 それ以上に、あの時強く思ったことは……… ]
(112) 2022/05/24(Tue) 21:52:43

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ


[無理にでも振りほどこうとすれば、触手がうねうねと動く。
ぬるり滑る液体が肌を這って気持ち悪さが増す。
それでも抗おうと、ぎし、と力強く引っ張りながら、
テンガンの方を睨み据えた。]


 ……だから、我慢の限界って何!?
 無理じゃないでしょう、君の言うこと聞くんだから!

 ……やだ、っ、ちょっと、離して、ってば……!
 あっちいって!!


[うようよと動く触手にも眼光を光らせて、大きな声を張り上げる。何故、彼がこんな暴挙に出たのかも分からない。
会話を交わせるということは、いくらか理性は残っているのだろう。冷静に痛みがどうこうと言い始める彼が怖くて、表情はどんどんと青ざめていく。]


 ……ちょっと、冗談だよね……?
 はじめてもなにも……、この、ぬるぬるしたやつ、
 なんとかしてほしいんだけど……!?


[悲痛な叫びは、彼の耳に届こうともすり抜けていくのだろうか。**]
(113) 2022/05/24(Tue) 21:52:55

【人】 入院中 阿出川 瑠威

[ 彼の一番になりたかった。
 彼の唯一になりたかった。
 彼を自分だけのものにしたかった。
 心も体も時間も全て、この先の未来さえも
 彼を俺に縛り付けてやりたかった。
 彼に俺を刻みつけてやりたかった。
 彼に俺を縛り付けて欲しかった。
 心も体も時間も全て、この先の未来さえも
 俺を彼だけのものにして欲しかった。
 俺の唯一は彼以外いない。
 俺の一番はずっと彼だった。

 そう自覚して初めて
 母の気持ちが少しだけわかった気がした。

 きっと俺は母に似ているのだと思う。
 或いは俺のほうがもっと酷いかもしれない。

 愛し方と、歪み方が。 ]
(114) 2022/05/24(Tue) 21:54:52

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 途中で一度手洗いに起きた。
 その時に彼をベッドに縛り付けてやろうかと思った。

 転院させられたとは聞いたが
 現状どういう状況なのかわからないなりに
 彼をあの病院に戻れるよう何か手伝えないかと
 思っていた気持ちに嘘はない。
 けれど。それ以上に。

 気付いてしまった。自分の気持ちに。
 彼をここから一歩たりとも外に出したくない。
 一番になりたかった。けれどそれだけじゃ満足できなくて
 二番以下も誰にも譲りたくなかった。

 このまま一緒に死んで今を永遠にできたらどんなに良いかと
 一瞬過ぎった甘美な妄想に囚われ
 彼の無防備な首筋に指が絡むより前に
 もっと強欲な自分が顔を出したから、何もしなかった。

 俺しかいないから俺が唯一なんじゃなく
 他にもいるのに俺を選ぶくらいじゃないと
 きっと俺は満足できそうにない、と。 ]
(*17) 2022/05/24(Tue) 21:55:34

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ となりで身じろぐ気配で覚醒したふりをして
 むずがるような音で小さく唸って寝ぼけたふりをして
 隣の彼に寄り添って、擦り寄った。

 が、特に効果はなかった。
 可愛いって言ったから自分なりに
 めいっぱい媚びてみたつもりなんだが?
 満足するための方向性がわからない。

 シーツを掛けられ離れて行くから
 仕方なく離れて行く背を見送る。
 綺麗なままの背中を見つめて
 背中に爪あとでも付けてやれば良かったと思った。 ]


 ………どこいくの?


[ そんな無防備な格好のままどこかに出かけやしないだろう。
 けれどそのままシャワーを浴びて着替えた後なら?
 どこかへ行ってしまうのだろうか。俺を置いて。
 俺の知らない時間にどこで誰と過ごすのかと
 考えただけで頭がどうにかなりそうだ。

 不安に駆られ咄嗟に飛び起き声をかければ
 置いていかないでと嘆く子供みたいな怯えた声になった。
 けれど、最中に散々騒いでいたおかげで
 久々に発した声は少々ざらついてしまっていて
 不自然さは、掠れた声に霞んでしまったかもしれない。* ]
(*18) 2022/05/24(Tue) 21:59:58

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



触手を振り払おうとするけれども、
そんな彼女の体をぎゅっと縛り付ける触手。
策士策に溺れるに近いのか、
ミイラ取りがミイラになっているのか。
いずれにせよそういう感じで寧ろ墓穴を掘っている。


「本当にいうこと聞いてくれる?
 いや、ミン。そういうこと簡単に言っちゃダメだよ。
 俺が結婚してって言ったらいうこと聞かなきゃいけない。
 それは流石に嫌でしょ、好きではない……っていうか
 それまでそんなに意識していなかった男に
 嫁に行かなきゃ行けなくなるなんて。」


恋人の関係であればそう言ってもまだ冗談として
流すことができるだろうが、
今この状態では一番言ってはいけないような
言葉を彼女は口にしたように思えて、
彼は逃げ出したがっている彼女に
優しく諭すように伝えてあげるが伝わるだろうか。>>113


(115) 2022/05/24(Tue) 23:31:05

【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック



「触手は俺の一部だからな……。
 今のところミンを離すつもりない。
 だって、俺もそういうのを味わってきたから。」


どうにかして、と言われてもソファに座ったまま
どうすることもなく眺めている。
本当に嫌がっていることは分かる。
だから無理をさせたくないとも思った。
やめられるかというとやめることはできない。*



(116) 2022/05/24(Tue) 23:31:39

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ

[ぎしぎしと触手から逃れようとじたばたしていれば、
テンガンから諭すような声を落とされて、
会話の食い違いに、ぎょっと目を丸くした。]


 
……ちがーーーーーーうっ!!

 私が君の言うことを聞くんじゃなくて!!

 この触手が君の言うことを聞くんでしょ!?って言ったの!!

 誰がお嫁に行く話なんてしてるのよ!


[時折こうして彼と会話がズレるのはどうしてか。
私もボケているかもしれないけれど彼も相当の天然だと思う。
とにかく勘違いを正さねばと慌てて言葉を紡ぎながら、
暴れる腕は遠慮がないまま、触手に抗おうとするけれど、
動く度に触手からぬるりとした液体が溢れてくるものだから、
ぞわぞわと怖気が走って、背筋を凍らせる。]
(117) 2022/05/25(Wed) 0:47:14

【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ



 君の一部なのは分かったから!!
 とにかく、この状態ではまともに話せないでしょ!

 ……話なら、ちゃんと聞くから……
 …………もう、離してよぉ……


[そういうのを味わったとはどういうことだろう。
会話が噛み合ってるような、またピンとがずれているような。
最後は困り果てたように呟いてがくり、と肩を落とした。**]
(118) 2022/05/25(Wed) 0:47:31

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[彼が口にする、少し舌足らずで甘ったるい響きの「先生」も嫌いじゃない。むしろ好きだった。同意を求めるような言い回しに、時間差で返事をする。私の願望を彼から提案されると思っていなかったので]


 ……、……もちろん。私も同じことを考えてた。

 君に先生と呼ばれるのも好きだけど。
 名前だと、特別になった心地がして嬉しいよ。

 ただ慣れないというか、擽ったいのかもな。


[別にふたりきりの時以外も、名前で呼んでくれても良い。付け加えようとした言葉を飲み込んで、緩く微笑むだけに留める。私以外の第三者が存在する時は、此処を出た時だろう。泥濘のような疲労を言い訳にし、想像するのを止める。

先生以外の関係と聞いて、恋人しか思い浮かばない程度には気持ちが浮ついていた。好意的な台詞の応酬が、リップサービスではないと思っていたからこそ。だから関係性について明言しなかった]
(*19) 2022/05/25(Wed) 1:18:40

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[──彼の言葉を真に受けてはいけない。
病院で「夜風に当たっている」姿を見て、彼から目を離してはいけないと思った。本人にその気はなかったとしても、自然と自死に引き寄せられるなら自分が止めなければ。
その行動が正しいとか、間違ってるとか関係無く。

……そう思い詰めていた癖に、彼の隣でまんまと惰眠を貪っていた。呑気に夢を見ていたのは気が緩んでいたからかもしれない。

狸寝入りとは気が付かず、擦り寄る寝顔を見つめて表情筋を緩ませた。もう一眠りしたい欲に駆られるが、世話役としての仕事があるので思い留まる。隣を抜け出して背を向けたが]


 ……、起こしたか?悪いな。


[掠れた声色に手繰られ、振り返って「おはよう」と挨拶をする。床に捨て置かれた冷たいバスタオルが視界に入り、全裸よりはまだ良いかと腰に巻いておく。此処に来てから、自分の中の許容範囲がどんどん広がっている気がする]
(*20) 2022/05/25(Wed) 1:18:49

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[掠れてざらついた奥の色までは気取れないけれど。寝坊助が振り返ったら起き上がっている、その些細な違和感が無意識下で引っかかり、近くまで戻ってベッドの端に座る]


 水を取りに行こうと思って。
 この部屋か、……無ければ給湯室か自販機に行くよ。
 まあこの格好のままじゃ外には行けないが。
 
 ……──そういえば、説明してなかったと思うけど。
 この病院の形態はちょっと特殊で、……

 専門的なことは勿論、患者の世話も担当医の仕事だ。
 例えば食事や、風呂の準備もね。
 
(*21) 2022/05/25(Wed) 1:19:40

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

 
 まあ、……表向きは公的な施設ではあるけれど、
 実際は私達医者が、患者を選んでいる。

 
[この病室には、私以外の医師も看護師も来ない。
当然外部の人間も面会は許されていない。

まるで非現実的な業態だけれど、軽い説明をする]
(*22) 2022/05/25(Wed) 1:19:50

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[彼の言う通り大人しく眠ったおかげで、それなりに頭がすっきりしている。「ひっどいかお」はある程度解消されている筈だけれど、彼はどうだろう。顔色を見て、観察に近い眼差しを向け]


 ……よく眠れた? 
 喉使い過ぎて、声枯れてるな。


[手を伸ばし、ぺたりと彼の頬に触れる*]
(*23) 2022/05/25(Wed) 1:19:57

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 彼が振り向いただけでほっとして
 戻ってきてくれるだけで肩の力が抜ける。

 そばに腰掛けた彼の手を勝手に取って自分の頬に寄せ
 撫でろと言わんばかりに擦り寄った。

 目の前にいてもこれだ。
 今頃母は発狂してるだろうなって簡単に想像がついた。 ]


 なに、ここ病院ってマジなの?
 誠丞さんの強めの幻覚で俺が監禁されてるんじゃなく?
 ……まぁそうだったとしても別に俺は構わないけどさ。


[ 帰らなきゃってこれっぽっちも思わないのが自分で笑えて
 ちょっと笑い声が溢れる。
 
 死ぬ逃げ出すつもりで捨てたからじゃない。
 なんとなくわかった。
 母が俺に依存していたように、俺も母に依存していた。
 今は新しい依存先ができたから、もうどうでもいいだけ。

 母も俺が居なくなれば新しい何かを見つけて
 そしてどうでもよくなるのかな。そうなればいいのに。
 だって俺はこんなにも薄情だ。
 それがすこしだけ申し訳ない。
 母も俺も同じように互いに依存していたけれど
 同じ強さじゃないことが申し訳なくて、
 だから縛られていただけなんだと今ならわかる。 ]
(*24) 2022/05/25(Wed) 2:16:48

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 彼の言い分が真実ならば、いや真実なわけはないと思うが
 例えばの話。もしそうならば……
 医者としての経歴に傷が付かないのか?なんて
 考えてみてもよくわからなくて。

 頬に感じる彼の体温に懐きながらじっと彼の顔を覗き込む。
 正気に見えるけど。俺よりは余程。]


 ん。多分……良く眠れたんじゃないかなぁ。

 ひさしぶりに、そんなに頭も痛くないし
 耳鳴りもしない。それに……
 そこまで死にたいとも思わない。

 ……あー……でも、多少は熱っぽいのかな。
 誠丞さんの手、きもちいい。


[ 全然そんな気はしないけれど。
 ただ甘えたいから心配を誘う。
 
 誘っているのが『心配』だけにしては
 最中にでも聞かせるような
 甘ったるい「きもちいい」だったが
 この仏頂面はそのくらいで動じやしないだろうし
 冗談だと伝える意味でちょうどいいだろうと
 すこしだけ、悪戯な気持ちで悪ふざけを。 ]
(*25) 2022/05/25(Wed) 2:17:29

【赤】 入院中 阿出川 瑠威


[ 水を取りに行くだけのことを先延ばしにさせたくて
 彼の肩にもたれ掛かったりしながら彼の言葉を反芻する。

 医者が、患者を選んでいる。

 どうして俺を選んでくれたの?なんて
 しおらしい気持ちはもうどこにも残ってなくて
 心地よい充足感だけが胸にあった。

 彼が俺を選んでくれた。

 その事が嬉しくて。嬉しくて。
 夢なんじゃないかと疑う気持ちはなくはないけれど
 夢なら終わりにしたら死ねばいいだけだと極端な考えが浮かぶ。

 だって彼が俺を選ばない現実なんて
 必要ないのだから仕方あるまい。
 どうせ捨てる死ぬつもりだった。
 捨てることに改めて躊躇が生まれることもない。 ]
(*26) 2022/05/25(Wed) 2:18:24

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 引き止めるために言葉を探す。
 どうせ水を取って戻るだけだ。
 その言葉を疑っているわけじゃない。
 それなのにそれだけのほんのわずかな間でも
 連れて行ってくれないのなら行かせたくなくて。

 けれど今までただの医者と患者の関係を貫いていたせいで
 共通の話題なんてひとつしか思い浮かばなくて ]


 ……俺が入院してる理由は……一応『目』なんだっけ?

 入院期間は……?
 ……​────完治するまで?


[ あれ?入院費どうなるんだろう?
 本当に彼の言うとおりここが病院ならの話だけれど。
 信じてはいないけれど嘘でもどうでもよかったから
 話半分に受け取って、信じているていで尋ねた。
 退院するつもりなんて、これっぽっちもないけれど。

 彼の医者としての経歴に傷が付くのなら
 あの病院に返してやらなきゃとは思う。
 思うのに、ここにいて欲しくて。

 だからこそ、完治するまでかと尋ねた。
 治らないと理解しているから。
 実は治せるなんて夢みたいな言葉をもし今聴いても
 きっと悪夢にしか聞こえないんだろう。* ]
(*27) 2022/05/25(Wed) 2:24:36

【人】 落星 クロウリー



 失礼致します

[形無き招きを受け、闇の中へと踏み込んだ。

長年新書の佇まいを保ち続ける年代も疎らな書籍の並び、
常に埃一つ無く軋みや傷みを得ることも無い空間。
廃屋とはまた違う生活感の無さがそこにはある。

記されたものの多くが、悪魔やその同胞から人に与えた智慧ならば
彼自身がそれらをこうして収納し管理する意味とは何なのか
疑問に思い、その特殊な嗜好の一環かと結論付けた過去の記憶が蘇る。

書架の群れの合間から漏れ出る灯りを視線が辿り、
強張った身体を落ち着かせ、ゆっくりと歩みを進めた。]
(119) 2022/05/25(Wed) 2:42:15

【人】 落星 クロウリー



 ……はい、インタリオ様

[偽った身分で使用したものではなく、本物の響きで紡がれる名前
過去と現在が重なるようだった。
唯受け入れ、それが喜ばしいというように微笑みを崩さないだけ。

語られなかった意味は、彼を通して得た教養から答えを知れた
そこに込められたものは、館に置かれた日々が悟らせた。

──私は。
美しさの代わりに利用価値を獲得し、手を離れることを許されただけ。
この館の数々の作品と何も変わらない。夜闇を飾る配列達の一つ。

今尚、地を這う定めの生き物の一人として定義される。
契約の名の元に上位存在に生かされている、それだけのもの。]
(120) 2022/05/25(Wed) 2:42:32

【人】 落星 クロウリー



[漸く現れた彩りと共に、主はそこにいる。

暗色ながら闇には覆われない机、羽撃きを閉じこめるランプ
胸像に飾られるネックレスには特に、思い出がある。

教会の教えを否定し、忘れていく最中のことだったのだ
命令に従い両の手を組む際、少しの嫌悪感を抱いていた。
まるでそれを表すように、純白は見る見る内に黒に染まった。

この作品そのものが穢れであるのか、
穢れた祈りを見分けることが出来るとでも言うのか。
館の数々の芸術品の材料と性質を思うのならば、
こちらの意思が反映されるなど、馬鹿馬鹿しい思考だが。

悪魔と、悪魔に魂を売った人間が祈祷の真似事をした結果ならば
否定しきることは出来ない──と、私には思えてならなくて。]
(121) 2022/05/25(Wed) 2:42:49

【人】 落星 クロウリー



 お許しをいただけるまでは
 貴方の御慈悲に甘えることは出来ませんから

[厚意に感謝を述べながらも、小さな笑みに眉を下げそう述べ
銀のトレーを置きワインボトルを手に取った。

注がれる視線を強く意識しながらも、手先には乱れは無く
真紅に染まるグラスは、より華美さを増すと共に毒々しさを手に入れる。
二つがそうして清らかな透明を失った後、空いた椅子へと腰を下ろす。

教え仔としての生活の中で数えることを忘れる程この場所に通って、
何度も窓から外を見下ろしては
此処から見える景色に恐れを抱いていた気がする。

主と共に在ることで病を退け、寿命を無意味なものとした私でも
昼行性生物として暗闇に危機感を抱く本能は変わらないらしかった。
或いは、幼き日々の記憶の影響もあっただろうか。


事実私は、主に認められ名前を与えられ人の世に帰されてからは
様々な手を使い、人間らしい生活を保ってきた。]
(122) 2022/05/25(Wed) 2:43:10

【人】 落星 クロウリー



 血相を変えるだなどと、とんでもない
 私の主は至って冷静でいらっしゃりました

 外出好きの貴方が、世俗の様子を知らずにいたわけもないでしょう?

[注ぐグラスも、口をつけるのも主が先。
当然の規律を守った後に、緩やかな速度の語らいが始まる。

何とも惚けた悪魔の言葉に、首を横に振り穏やかに否定を返す。
そうしながら、魔術師として独立した当時のことを思い起こした。

大凡人間二人分の人生以上の時が過ぎ去っていたというのに、
異端狩りが収まるどころか加速していたことには呆れたものだ。

幾多の人間が己の欲望の為に動き、その耳元に囁けばより陰謀は加速した
人間の尺度ではそれは短い期間に多くの争いが起きたのではなく、
長く争いが続きあらゆる被害が生まれた時代であった。

国を出て長く帰らなかった要因の多くを占めているといえよう。]
(123) 2022/05/25(Wed) 2:43:45

【人】 落星 クロウリー



[その頃の人の世の動き、争いにより確保した魂の剪定の難しさ
ある悪魔の気が短すぎ、召喚させた人間を焼き殺した時の思い出。

性急さも無く味を楽しむ彼に合わせながら舌を躍らせたのなら、
話題は幾つか渡っていき。
水面が枯れ果てる前に確りと注ぎ直した主のグラスも、
再び半ばまで減り、私の手元のそれも水位が下がってきた頃。

ふと思いついたような切り出しと共に、温度無き手が触れる
やはり、あの消失は彼の体現の為だったらしい。]

 ああ、……

[グラスを置き、礼を言おうとした声が──途切れた。

ブローチの置いてあった場所にある本に、
今更意識を向け、そして気づき目を見開き固まったからだ。

それは私がアレイズ=クロウリーとして書き上げた
魔術と思想を人々に伝道する著作物の内の一冊である。

他の信仰者の書籍も保管されていることを知っている。
決して、おかしな話ではないのだが。]
(124) 2022/05/25(Wed) 2:44:02

【人】 落星 クロウリー



 ……ありがとうございます
 奪われていなくて、本当に良かった

[再び浮かべた笑みはぎこちなくなっていた。

先程までと変わらぬ振る舞いを続けているようで、
黒混じりの黄を見る翠には、確かな怯えが滲んでいる。**]
(125) 2022/05/25(Wed) 2:44:22

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[幻覚ではなく現実で事実だと、冷静な頭で理解しているが。「違う」とは即答出来なかった。どこか愉快げに見える彼を前に、冗談の軽さで笑い返せずに仏頂面のまま見つめる。手のひらに懐いた頬を慈しむように撫でながら。

さらりと暴露してから気付いたが、監禁と変わりない入院生活だと告げたようなものだ。飄々とした様子には少し面食らってしまう。

脱衣所で話した時、外に残してきた両親を気にしていた様子だったが。気掛かりな所はあれど、彼が構わないと言うならそれでいい。結局ここに留まる選択肢しか許可出来ないのに、あえて蒸し返して「駄目だ」と拒絶するのは……、避けたいことだった]


 ……私もこの話を知った時は、冗談だと思ったさ。


[彼にとっては此処が病院だろうが、そうでなかろうが、大差ないかもしれない。とはいえ彼の生活を制限する以上は、説明しておくべきだとも考える。

会員性SNSの存在を伝える代わりに、どうするか……]
(*28) 2022/05/25(Wed) 6:01:16

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[彼の体調が心配で様子を窺ったが、近い距離で見つめ合うと少し心臓に悪い。私を映す瞳に惹きつけられる。「きもちいい」の甘やかな響きが情事の彼を連想させ、恋慕の色眼鏡が彼をそう見せるのか、それとも熱っぽさのせいなのか判断に困る]


 ……、……調子が良くてなにより。
 でも熱っぽいのは心配だな。
 
 平熱は低い方?
 そんなに昨日と変わりない気もするが、
 あとで体温を測った方がいいね。


[「やけに可愛く言うんだな」という感想を零すよりも動揺が勝り、するりと視線が泳いだ。分かりにくい照れ方。
前髪を片手で引き浚うと、手のひらで額の温度を確かめる。正確性には欠けるので後で測りはするのだけど]
(*29) 2022/05/25(Wed) 6:01:36

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[はじめは転院した体を貫く気でいたから、左眼のためだと話したが。入院理由の話をされ、ふと思い付く。

頬のまろみを辿っていた手指を解き、凭れ掛かる重みをベッドボードに託して、徐に立ち上がる。何か聞かれたら「見せたいものがある」だけで、部屋から出ないと答えるだろう。病室の隅に寄せ、布を掛けられた置物のひとつに近寄る。

背景に溶け込んでいたそのカバーを外して、]


 ……個人的な監禁で、ここまで用意するのは
 なかなか金が掛かり過ぎる話だと思わないか?
 これ一台で数百万はする。


[露出した検査機器を指し示す。何度も眼科に掛った彼なら見覚えがあるかもしれないが、興味が無ければ記憶にも残り難い置物だ。手続きの書類は手元にないので、幻覚を否定し得るものとして代わりに見せる]
(*30) 2022/05/25(Wed) 6:04:10

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

 
 この病院のスポンサーは相当の金持ちらしい。
 文面だけのやりとりで直接会ったことはないが……、
 私と似た目的の為に病院を設立した、と聞いた。

 入院費の請求を私達が受けることはないし、
 医者にも給料が支払われる契約……のはずだ。

 …………まあ、信じ難い話だとは思う。
 私ですら夢なんじゃないかと、時々過ぎるくらいだ。

 いくら担保すると言われても初日じゃ判断出来ない。


[患者側にとっては監禁と変わらないだろうから、幻覚という認識でも構わないのだが。どこからか内情が漏れてしまい業務禁止処分……だとか。ある日唐突に終わる可能性があるなら、ほとんど幻のようなものだとも思い始める]
(*31) 2022/05/25(Wed) 6:04:25

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

 
 だから──……質問に話を戻すと、だ。

 手続き的な転院理由は左眼だったとしても、
 実際の入院期間は、担当医の匙加減で決まる。

 もしくは、…………此処が閉院する時か?


[彼の判断はどうであれ、説明材料に使えそうな物証は現状これくらいしかない。検査を始める訳じゃないので元通りに整えたら、彼の隣に戻るつもりだ*]
(*32) 2022/05/25(Wed) 6:04:41

【人】 転生者 アウローラ

 
 
 む…そんなことは、ないですよ?
 
 
[ >>87珍しいとはいわれたけど、
 普段だって決して気にならない訳ではない。

 彼が日頃図書館に入り浸って読んでいる本には
 寧ろ、かなり興味がある。

 けれど、彼が読んでいる本の多くは
 わたしには馴染みのない古代語か
 異国の言葉で綴られていて。
 なかなか手を伸ばしにくいというのがある。]
(126) 2022/05/25(Wed) 8:19:18

【人】 転生者 アウローラ


 
 寧ろ、此方が珍しいと思いました。
 もっと難しい本ばかり読んでいる印象があったから。
 

[ 世界の成り立ちに関するおとぎ話は>>84
 わたしも、小さな頃によく先生やシスターに
 お話を強請ったことを覚えている。

 何もなかったこの世界に、星が落ちて、
 そこから闇が広がって。

 そんな暗闇の世界に一柱の女神が降り立って
 光と、そこから派生する精霊が生まれ、
 女神の子である人間や動物たちが産まれた。

 だから、この世界に生きる者たちは皆、
 光の女神様の許に生まれた兄弟姉妹なのだという。
 ただ、ひとりだけを除いて。 ]
 
 
 …。
 
 
[ 考えるほどに、わからなくなる。
 彼は、闇の精霊とは一体なんなのだろう、って。
 遠い昔、「私」だった頃には考えたことのない疑問。 ]
(127) 2022/05/25(Wed) 8:20:50

【人】 転生者 アウローラ

[それでも。]
  

 あ、はい。
 

[ 差し出された彼の手には、今までなかった白い手袋>>88
 その手に自分のそれを重ねても、少しも冷たさを感じない。

 ……此方を気遣ってくれているのだと、
 そんな小さな仕草の一つひとつに触れるたび。

 彼はゲームの中で見たような、心無い災厄ではないし
 …『友達』を、そういう存在にしてはいけないとも、思う。]
(128) 2022/05/25(Wed) 8:30:22

【人】 転生者 アウローラ


 えっとですね、行ってみたいところは
 いろいろあるんですが…ってきゃっ!?


[ 此方の手を強く引かれると同時に、
 ふわりと視界が上昇する感覚>>89

 今、自分は空を飛んでいるのだと、理解するまでに数瞬。 ]
(129) 2022/05/25(Wed) 8:31:00

【人】 転生者 アウローラ


 
 ……っ。
 びっくり、させないでください…。


[ 高所恐怖症というわけではないけど
 これは予想外すぎて。
 ぎゅ、と彼の手を握る手に自然と力がこもる。

 足元に見えるのは、いつもの学園の景色。
 だけどそこにいる誰も、わたしたちに気づかないし、
 視線を向けることさえしない。
 まるでわたしたちの姿が見えていないかのよう。

 「風と同じものに変じている」という>>90
 彼の言葉を受けて思い出すのは、
 「私」が昔、観た映画の1シーン。
 (状況だけで言うならば、猫の乗り物というより
 動く城の冒頭に近いけれど)

 紡ごうとした抗議の言葉は、
 結局、彼の笑顔のせいで続かなかった。
 ……あまりにもいい笑顔をされると、
 なんというか、毒気を抜かれてしまう。 ]
(130) 2022/05/25(Wed) 8:33:06

【人】 転生者 アウローラ

[ それから数分後。
 わたしたちは、王都の街並みに降り立っていた。 ]
 

 えっとですね、
 確かこのあたりに…。


[ ひさしぶりの王都の人混みで逸れないよう、
 握ったままの手を緩く引いて、此方へと促す。

 彼はわたしの居場所がわかるらしいから>>86
 いつものように呼べば来るなんて、
 もしかしたら、言われるかもしれないけれど。
 …わたしのほうは、彼がどこにいるかわからないから。

 万が一、逸れてしまったときに怖い気持ちと
 
…ほんの少しの名残惜しさで

 握ったままの手を離さないでいる。
 
たとえ彼のその手が冷たいままでも
 わたしは手を離さなかったろうなと思う
]
(131) 2022/05/25(Wed) 8:34:45

【人】 転生者 アウローラ


 
 あ、ありました。
 
 
[ ここです、と
 空いたほうの手で示したのは、王都でも比較的大きな書店。
 複数の階にそれぞれ専門の売り場が設けられていて
 一番下の階には筆記道具を扱う場所も併設されている。 ]


 アルカード、本がお好きみたいだったので。
 此処にくればなにか気に入る本が
 見つかるかもって思ったんです。


[ わたしが彼について知っていることは
 本当に少ない。
 それでも、彼について何かを知る切欠に
 なれたらいいなと思って、この場所を選んだ。
 もし、彼が古書の類が好きだと言うのなら、
 ここからもう少し離れた場所にある古書店街にも
 足を運んでみようか。
 彼方も古今東西さまざまな書籍が集まるらしいから
 その中には、彼の気に入る本もあるかもしれない。 ]*
(132) 2022/05/25(Wed) 8:35:41

【人】 闇の精霊 アルカード

―― 王都 ――
 
 
 やはりというか人が多いな。


[娘に促されるまま、王都の街並みを歩く。]


 …案ずるな、娘よ。
 たとえ街中で逸れたとしても、
 我はお前がどこにいるかすぐにわかる。


[たとえ離れても、一言我が名を呼びさえすれば
すぐに其方へ現れることもできる。
なんなら娘自身の影に紛れておけば目立つこともない。

そう言い聞かせるものの、その手が離れる気配はない。
なんなら「それでは一緒に来た意味がないじゃないですか」と
軽く叱られてしまうだろうか。
逸れることが不安なら、なおのこと影に潜んでおいたほうが良いと考えるが。
人の子の考えることは、時に酷く不合理だ。
理解はしているつもりだが。

結局、目的地である書店まで我らの手は繋がれたまま]
(133) 2022/05/25(Wed) 8:48:21

【人】 闇の精霊 アルカード

 
 
 ほう…?
 これはまた面白い場所だな。


[いつもの図書館とはまた違った趣に興味をそそられる。
ただ一つ、言っておくことがあるならば>>132]
 
 
 確かに書を読むことは嫌いではないが。

 我があの場所で本を読んでいるのは、
 人の子について知りたいことがあるからだ。


[主に、目の前の娘について。

闇たる我を喚び寄せる資質がありながら、それでも、他の人の子たちのように世界が滅ぶことを望まない。

それがこの娘があの女の光を強く受け継いでいるからか、
それとも別の要因があるのか。
ならばこの娘の願いを叶えるにはどうすればよいのか。
そもこの娘の考える『友達』とは、どのようなものなのか。
我に求められているものはなんなのか。
何もかもが、わからない。

今までになかった、この状況への足掛かりを求めているのが、我の今の現状と言える]
(134) 2022/05/25(Wed) 8:51:09

【人】 闇の精霊 アルカード

[そこまで考えたところで、はたと思いつく]
 
 
 なぁ、娘よ。
 逆に聞くが、お前はどのような本を好むのだ?

 我はお前が好むものを読んでみたい。


[選べ、と。
ずいと娘の背を押して先を歩くよう示す。]*
(135) 2022/05/25(Wed) 8:52:15

【人】 転生者 アウローラ


  ええ……?


[ 唐突に前へ押し出されて>>135
 つい困惑の声が出てしまう。 ]
 
 
 あの、いちおう言っておきますが。
 わたし、平民なのでアルカードみたいに
 難しい本なんて読めませんよ?


[ 故郷の村にいたとき、先生やシスターが
(わたしたちが暮らしていた地方の領主様の方針でもある)
 大人になってから孤児院を出ても困らないよう
 基本的な読み書きや計算、裁縫や家事、
 礼儀作法を教えてくれていたけれど、

 それでも、学園に通う貴族の子女たちには
 到底敵わない。
 だから、大好きな人たちと一緒にいられるためには
 他の人たちの何倍も、努力しなければいけなかった。

 
――それでも敵わないと理解したときの悲しさは
 今も少し、言葉にできないものがある。
 ]
(136) 2022/05/25(Wed) 8:59:24

【人】 転生者 アウローラ

  
 
 んー……。
 お気に召さなかったら、ごめんなさい。
 
 
[ 先に謝罪を口にしてから
 彼に背を押されるまま 哲学書に歴史書、
 美術書や数学等の参考書、
 巷で流行りのロマンス小説や冒険小説。絵物語。
 一通り、書店の中を見て回ってから。

 立ち止まったのは、子供向けの本が置かれた一角。 ]


 ……。
(137) 2022/05/25(Wed) 8:59:59

【人】 転生者 アウローラ



 やっぱりわたし、
 こういう本のほうが好きです。


[ そういって手に取ったのは、
 数十年前から出版されている古い絵本の物語。 ]
 
 
 この本ね、
 わたしが育った孤児院にもあったんです。
(138) 2022/05/25(Wed) 9:00:29

【人】 転生者 アウローラ


 わたし、小さい頃はこの本がとても好きで
 よく、シスターや兄さん姉さん…あ、
 本当のきょうだいではないのですけど。

 一緒に育った年長の人たちに、
 よくこの本を読み聞かせてもらっていました。
 大きくなって字が読めるようになってからは
 今度はわたしが、弟や妹たちに読み聞かせてました。
 
 それから、こっちの本は
 故郷の村の本屋さんにあった本ですね。

 本屋さんと言ってもここのような立派なお店ではなくて
 村に一軒だけある小さな貸本屋さんでした。

 村長の叔父さんが半分道楽でやってたお店なんですけど
 わたしもたまに本を借りにいってたんです。


[懐かしいなぁと、ついつい目を細めてしまうが。]

 あ、えっと。
 面白くなかったら、すみません…。
(139) 2022/05/25(Wed) 9:08:06

【人】 闇の精霊 アルカード


 ―――…いや。

 なかなか興味深い話だった。


[思えば、この娘がここまで饒舌に
我に己のことを話したのは初めてではないだろうか。

実をいうとあまり期待はしていなかったが。
此方が思っていた以上の収穫に、ふ、と目を細める]
(140) 2022/05/25(Wed) 9:47:06

【人】 闇の精霊 アルカード

 
 
 では、その二冊を購入しよう。
 我も其れに目を通しておきたい故。
 
 
[娘が手にしていた二冊の絵本を受け取る。
他に娘が他に欲しがるような本がなければ、そのまま会計を済ませよう。

幾度となく死を迎え、その度転生を繰り返した猫の話と、
己の名前を探す猫の話。

…猫が好きなのか?
人の子とは一般的にこういう生き物を好むのだろうか?
表紙を眺めながら、そんなことを思う。]
(141) 2022/05/25(Wed) 9:48:17

【人】 闇の精霊 アルカード



さて、娘よ。
其方はなにか、望むものはないのか?


[己ばかりが何かを得るというのも、些か納まりが悪い。
此処は絵本の礼も兼ねて、と
なにか欲しいものはないかと問うてみるものの、
あまり芳しい返事は期待できない。

あれがほしいこれがほしいと言ってくれた方が
いっそ我としてはやりやすいのだが。

娘と話をしながら一番下の階まで戻る。
せっかくだからと筆記用具を扱う売り場にも
足を延ばしてみることにした。]


 これなどはどうだ?


[万年筆に硝子ペン、色とりどりのインク。
水晶を削って花の形に仕上げたペーパーウェイト。

そのどれもに娘は首を横に振る。]
(142) 2022/05/25(Wed) 9:49:21

【人】 闇の精霊 アルカード

 
 
 ふむ……。


[どうしたものかな、と
ふと何気なく店の中を見回したところで、
ある一点に目を惹かれた。

柔らかな品の良いクリーム色の紙に
五枚の花弁を持つ薄紅色の花が描かれた便箋と
同色同柄の封筒が納められたレターセット。]


 …杏の花か。珍しいな。


[言いながら、娘のほうへと視線を移す。

はじめて娘とまみえた夜。

小さく震える杏子茶色の髪の娘に、
此方が手を伸ばしたときのことを思い出して]
(143) 2022/05/25(Wed) 9:50:22

【人】 闇の精霊 アルカード



 ……娘よ。
 我はこれを二セット買おう。
 そのうち片方をお前が持っていてくれ。


[おそらく嫌だと言われても、なんだかんだと娘には
購入したレターセットの片方を押しつけるのだろう。
何故、と言われても恐らく答えることもない。

……描かれた杏の花の愛らしさに、
初めて出逢ったときの面影を見てしまった等と
言えるはずも、ないのだから。]
(144) 2022/05/25(Wed) 9:52:05

【人】 闇の精霊 アルカード



 さて、娘よ。
 我はアプリコットティーを所望する。
 良い店があれば案内せよ。


[なおこの後、街へいくたび
娘への贈り物について延々話を繰り返すことになるのだが。

……それは今はまだ、誰も知らない話である]**
(145) 2022/05/25(Wed) 9:53:02