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【人】 三年生 堂本 明菜[笛の音が空に昇っていく。 しばしの静寂の後、大きな華が開くたび 遠くからは歓声があがっているが、 人が少ないここは静かなもの。 なんの気兼ねもなく空を見上げていれば、 キュウリとトウモロコシがまるで秘密道具のように 取り出された。>>114 花火とキュウリが最高の組み合わせ、といえば そこかしこから異論が飛んできそうな気がするが、 そういうことにしといてあげると笑って] 風呂敷といいお皿といい 準備良すぎない? [あのカバンは四次元ポケットか何かなのだろうかと 訝しみながら、差し出されたお皿ごと受け取った。] (204) 2021/07/29(Thu) 19:14:14 |
【人】 三年生 堂本 明菜[まだ残ってるキュウリが見えたなら、 そっちは家族へのお土産かななんて思って。 そういうお客さんも何人かいたから 特に気にすることはなかったけど、 受け取ったキュウリは京平が先に食べるまで、 手を付けずに待った。 鮮やかな緑は残すように、 子どもも食べるなら唐辛子はなしで、 出汁だっていくつか試したし、 ちょうどいい漬かり時間だって探して。 そんな苦労の末に出したものだから自信はあったけど、 京平から美味しいなんて言葉が聞けたなら 嬉しそうに笑って、それから一緒に食べ始める。 最高かどうかはわからないけれど、案外悪くない なんて言いながら。] (205) 2021/07/29(Thu) 19:14:47 |
【人】 三年生 堂本 明菜自分が与えるのはどうにでもなるけど、 何もないと笑えないよ、アタシ。 ましてや二人分なんて。 [クールビューティーだと後輩が称しているのは 知らないけど、それくらい普段から愛嬌もないから、 きっと自分の分でも余りあるくらい。 そのお面が色とりどりに染まるのを見つめたのは ほんのわずか。 花火を見るフリをして顔を戻したら、 ズラしていたお面を顔が見えないように 元の位置に戻したんだ。]* (209) 2021/07/29(Thu) 19:25:50 |
【人】 三年生 堂本 明菜― セーラー服の女の子 ― [祭りの喧騒の中見かけたセーラー服の女の子。 そう、2年〇組の神崎紅葉ちゃん。 おかしいよね、2年の生徒の名前なんて 朱鷺也君と夕鶴ちゃんと柊一君と、 商店街でもちょっとした有名人である凛ちゃん、 それから部活の後輩数名くらいしか知らないはずなのに。 何故だかクラスまでふっと浮かんできたんだ。 そういえば、去年のうちのクラスの準備係も 紅葉ちゃんって子だったっけ? 部活優先したから覚えてないや。 あの人と同じ名前で、 あの人と同じ面影を持つ彼女には それから会うことはなかったけど、 あの子がアタシが知ってるお姉さんだったとしても、 そうでなかったとしても、 お祭り楽しめていたらいいなって思うんだ。 その頬に、 紅葉 のような朱 をのせてお祭りが大好きだと言って笑っていたあの人と、 同じように笑っていたから]** (254) 2021/07/29(Thu) 23:26:19 |
【人】 三年生 堂本 明菜[そうそう、アタシの名前。 特売していた野菜の頭文字を取ったっていうふざけた由来 だったけど、漢字はお母さんがつけてくれたんだって。 明るくすくすく育つように。 今では少し名前負けしてるかもしれないけど、 そんな意味を込めたって後から聞いた。 だから、今ではちゃんと、素敵な名前だって思ってるよ]** (255) 2021/07/29(Thu) 23:30:37 |
【人】 三年生 堂本 明菜[明菜は覚えていないが焼きトウモロコシを 始める切欠になったのは、 まだ小さく素直だった頃の明菜の言葉であった。] おとーさんのとうもころし みんなにもたべてほしいなぁ あきな おとーさんのとうもころし だいすき! [だから、そんな思い入れのあるトウモロコシを 簡単にやめることは出来なかった。 というのが父親談である。] (288) 2021/07/30(Fri) 2:47:32 |
【人】 三年生 堂本 明菜……京平君らしいね。 安心して、別に一発芸は求めてないから。 ピエロのお面はちょっと見たいけど。 だから言い切れなくていい。 そう思ってくれるだけで、嬉しい。 アタシも、来年もこの場所でまた (君と) 花火、見れたらいいなって思うよ。[それは明確な約束ではなかったけれど、 卒業しても京平がお店に来てくれるなら 明菜は相変わらずそこにいる予定だから、 そしたら来年はこちらから誘ってみようか、 なんて思う。 その時はきゅうりの一本漬けと飲み物と、 うちわぐらいは用意してさ。] (290) 2021/07/30(Fri) 2:57:37 |
【人】 三年生 堂本 明菜[一際大きな花火が打ち上って、儚く散っていく。 終わってしまった寂しさが押し寄せてくるけれど、 立ち上がればまっすぐに君を見て、 今度は自分から帰ろうなんて言って手を差し出した。 それが君とアタシの、いつかの日の夏祭り ] (291) 2021/07/30(Fri) 3:06:25 |
【人】 三年生 堂本 明菜― それから ― [花火が終われば青果店の屋台へ帰って、 後片付けを手伝った。 京平はどうしただろう。 どこかしらで「今日はありがとう」って伝えて 手を振って別れようとはしたはず。 だから片付けの最中に そのままどっか行っちまっても良かったのに とか、で、あの後どうしたんだよ? とか、横からいろいろ飛んでくるんだけど] 手、動かしてくれる? [の一言で片づけた。 父と娘の会話なんてどこもこんなものではないだろうか。 え、そんなことない?そんな馬鹿な。 (293) 2021/07/30(Fri) 3:17:30 |
【人】 三年生 堂本 明菜[そして明菜が花火を見に屋台を離れた後、 楓が来てくれたことを教えてくれた。>>2:290 勝負の行方を聞けば、良かったと喜んでくれていたことも。 皆明菜の味方だなぁなんてその口からまた漏れれば] そりゃあアタシの幼馴染たちですし? [なんて、誇らしげに言ってみせる。 一足遅かったのか、夕鶴ももうキュウリを受け取りに 来たという。>>211 勝負の結果はまた後日、お礼と共に伝えようと思う。 なおお節介はその時点では伏せられたので、 次に青果店で会えた時「明菜ちゃん」と夕鶴の口から 聴こえたならば、眼を瞬いた後、 嬉しそうに破顔することになっただろう。] (294) 2021/07/30(Fri) 3:20:53 |
【人】 三年生 堂本 明菜[今はただ、怒り任せのただの勢い。 そのお面はあっさり取れただろうか。 それとも抵抗されて取れなかっただろうか。 どちらにせよ、誰でもない君のせいだから、 文句は言わないで欲しい。 ]* (359) 2021/07/30(Fri) 21:28:37 |
【人】 三年生 堂本 明菜― それから ― [宣戦布告後>>-551>>382、京平との間に何があったかは 横に置いておいて、それ以外は相変わらずの日々。 高校最後の文化祭が始まれば クラスと弓道部の出し物に行ったり来たりと 忙しくはあったけど、見て回る時間もちゃんと取った。 夕鶴ちゃんの書道部がパフォーマンスをすると聞けば もちろん見に行って、その雄姿を目に焼き付けたし、 展示を見に行けば達筆に感嘆の声をもらした。 でも一番目が行ったのは可愛い鶴の絵だったことは内緒。 小牧ちゃんの茶道部にも顔を出して、 小牧ちゃんが点てたお茶をいただいた。 自分が点てたお茶は初心者だしって出来だった。 足が痺れてこけてしまったのは記憶から消去していただけると… 楓ちゃんのバレー部喫茶にももちろん行って、 花巻庵のおじさん直伝パンケーキに舌鼓を打った。 楓ちゃんの顔が見れたら美味しいってちゃんと伝えたんだ。 そうして季節は過ぎてゆき、 桜 の花が咲くころ、三年生は花一高校を 卒業 した。 ] (391) 2021/07/30(Fri) 23:29:01 |
【人】 三年生 堂本 明菜[夏祭りの足音が近づく、ある日の夕食時。 耳を疑う言葉にアタシは思わず聞き返した。] 「だから、今年もキュウリをだな――」 [好評だったから出すのだと。 トウモロコシと一緒に。 ]なんで? 馬鹿なの?死ぬの? 一昨年倒れたこと忘れたの?? [といってもこうと決めた父親は簡単には折れてくれない。 こんなことならあの日の願いを迷うことなく 焼きトウモロコシ禁止令にしておけばよかったと 心の中で悔やんだ。 ちなみに当のお願いは何にしたかというと――] (398) 2021/07/30(Fri) 23:35:05 |
【人】 三年生 堂本 明菜再婚する、 とかどう? [一年前の祭りが終わった後、弟を交えた居間でそんな 発言をすれば、父親は飲んでいたビールを噴き出した。 あの時の顔、出来れば写真に収めたかったと思うほど 面白いくらいの慌てぶり。 あまりにもトウモロコシとかけ離れすぎて 驚くのも無理はなかっただろうけれど。] (401) 2021/07/30(Fri) 23:39:27 |
【人】 三年生 堂本 明菜父さんのこと傍で見て、支えてくれる人がいたら 安心かな〜って。 ほら、アタシ来年からお店に立てる時間減るし、 旬も中学生になったしさ、 考えてもいいんじゃないかと思って。 あっ、でも父さんと一緒になりたい人なんていないか〜〜 やっぱり無理かな〜〜〜 [最後は煽ったりもしたけれど、 別に心当たりもなく言ったわけじゃない。 アタシの見当違いで、 どちらかにその気がないならそれまでだけど。 でも父親からは煽り効果か約束は絶対なのか、 それとも他に思うところがあったのか、 否定的な言葉は出なかった。] (403) 2021/07/30(Fri) 23:40:17 |
【人】 三年生 堂本 明菜[そんなこんなで現在。] 牡丹さんもなんとか言ってください!! [今は四人で食卓を囲んでいたりする。 こうなったのは最近のことで、 牡丹さん呼びも、敬語もまだまだ取れてはいないけど。 時折お店の方でも、四人がやいのやいのしている姿も 見れたことだろう。] (408) 2021/07/30(Fri) 23:41:44 |
【人】 三年生 堂本 明菜[それから、卒業後も変わらずその姿が見えたなら、 アタシは有言実行とばかりにお誘いをしたんだ。 そうだね、今年は少し早めに屋台を抜けさせてもらって、 あの場所に行く前に屋台を見て回るのはどうかな。 射的とか輪投げとか型抜きがあれば 勝った方がお願い何か一つ聞くのはどう? なんて勝負でも挑んでみようか。 社会人になったアタシはなんなら奢るけど?なんて 余裕を見せるように言ってみたりもするだろう。 もし、京平が相変わらずお面をつけたままで、 勝負を受けてくれて、勝てることが出来たなら、 (負けても勝つまでやるつもりだけど) アタシの願いは決まってる。] (413) 2021/07/30(Fri) 23:44:54 |
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