【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 夜の森を独りで歩いてはいけないよ。 小さな子なら誰でも耳にした事のあるお伽話。 冷たくて恐い化け物に血を吸われてしまって 枯れた薔薇の花弁のように散っていずれ灰になるから ] (167) 2019/04/08(Mon) 21:58:35 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 幼子を放った夜は静けさに包まれていた。 今頃あの子はどうなっただろうか。 赤い頭巾も被らず、剥き出しの足に硝子の靴は遠く 針に刺されなかった細い指で描く道は 月夜に輝く白い小石のように道を示したりしない。 そのままでは道草をしなくても狼の餌食になるか。 随分と哀れな末路だと思い描くも同情はなく。 訪れた暇な時間を過ごすこと如何程に。 ふと、眷属の蝙蝠が耳元で囁いてくる。 退屈に組んでいた脚を解けばゆらり蜉蝣が揺らめき ] (168) 2019/04/08(Mon) 21:58:51 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスそう。 ……また送られてきたんだ。 [ ――次の子が 伏せた睫毛はアッシュグレーと同じ色。 陰を落とす表情は月に照らされることなく、 踵の音を響かせながら古城の主人は階段を降りる。 今宵訪れた哀れな仔羊を出迎える為に ] (169) 2019/04/08(Mon) 21:59:09 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 掠める花の香り>>134は何処からか。 這い寄る影は月夜にすら透けることはなかった。 開かれない扉>>138は無言を貫く。 空気を震わす金糸雀の囀り>>140をせせら笑うように。 動きづらそうなシルクは誰の趣味か>>136 夜に煌めく白金は月夜で眩く剱のように輝いた。 唇に施された紅>>132だけが嫌に生々しい。 人々の煮え滾る慾で搦め取られているようだった。 男は眷属の眸を介し、視る。 着飾った子供を無駄に浪費させる愚かな村 繰り返される風習に鼻を鳴らして ふと夜の風が彼の頬を撫でるだろう。 纏わりつくように微かに薫るのは薔薇の気配。 瑞々しく熟れているが枯れる事を逃れられない芳醇の香り。 視界を遮る程の冷え切った風が吹いた ] (170) 2019/04/08(Mon) 21:59:29 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス今晩は、月のお嬢さん。 こんなに昏い夜に出歩いていては 恐ろしい化け物に食べられてしまうよ? [ 静けさと共に現れるは幼子より一回りは上に見えるだろう男。 迎えに来させた贄は初めてだと眸を瞬かせるも 直ぐに月の如きプラチナブロンドに目が奪われる。 ――――綺麗な子供、だと思った。 少年か少女かは中性的な風貌故 パッと見ただけでは判別がつかないまま かつんと、踵が鳴らす音が宵闇に響く。 人ならざる者が持つ鋭き歯牙を覗かせ、微笑んだ ] (171) 2019/04/08(Mon) 22:00:03 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺のような、ね? [ 一歩、踏み出す足は大きい。 距離を詰めるように影は揺らめいた。 狙うは彼の細く尖った頤。 眸を見下ろすように長駆は嘲笑った ] ねぇ、君は……何者? [ 贄なのか、客人なのか、奴隷なのか、玩具なのか、 はたまた、何者になってくれるというのか。 鋭い血色の眸玉は幼き瞳を見下ろして離さぬまま 笑みを象ったまま、問いを一つ投げた ]* (172) 2019/04/08(Mon) 22:01:00 |
古城の吸血鬼 ニクスは、メモを貼った。 (a19) 2019/04/08(Mon) 22:02:01 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 此方を見上げる宝石は二つ>>202 男にしては珍しく片方ずつ異なる色彩に瞬きを数度。 濡れた下睫毛を目敏く見つけ出せば双眸を細める。 彼の問い>>203を満足そうに弧を描いた唇で迎えた ] その問いに自分の名を答えたのは、君がはじめて。 [ ほんの少し幼さすら滲ませる声色は微かに甘い ] その名前、よく似合っているよ。 [ 子供が名の意味を知っているかは定かではない。 だが今はそれ以上告げることはなかった ] (214) 2019/04/08(Mon) 23:22:14 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 何度も聞いた台詞>>204に片眉を上げる。 村の子供は皆斯様な教育を施されているのだろうか。 皆、切々とした表情を見せては縋り付く。 この子供も同じように見えた。 だが、一点だけ異なる点があった ] 君、隠さないんだね。 [ ある種愚かとも思える言動だった>>205 少年少女とまちまちであったが 男の元に送られるのは大抵が少女だった。 性別に対して拘りはない。 ただ、極上の精気を喰らいたいだけ。 だが、村の人々はそうではないだろう。 教えを耳にしていたならば少女として 過ごすことも出来ただろうが 素直に打ち明けられた男は思案に数秒。 彼の切実たる言葉>>206に口端を上げた ] (215) 2019/04/08(Mon) 23:22:34 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスセレン――君は生きる為に何処まで出来る? [ 顎に触れていた手をそのまま頬へと伸ばす。 涙の理由を問わないままその痕跡に触れた ] 何でもすると、謂ったね? [ 彼の言葉の一つ一つをなぞっていく。 自らが選んだ台詞に重しを乗せる為に。 血濡れのルビーを覗かせながら男は笑う。 誰をも甘く蕩かせた眼差しで微笑んだ ] (216) 2019/04/08(Mon) 23:23:34 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺を退屈させないでくれたら、 ……君の欲しいものを与えてあげる。 [ 右と左でそれぞれの色を放つ眸を覗き込む ] 君は俺の願いを叶えてくれる? 誓えるなら、この手に口付けて。 [ 謂わば契約のように重たい約束の為。 彼の涙の跡を追いかけた指で唇をなぞる。 人差し指を不躾に差し出せばいっとう愉しげに微笑んで 子供の見せる反応を期待するように赤はまた鈍く光った ]* (218) 2019/04/08(Mon) 23:26:52 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 白磁の肌が紅潮する>>228 随分と初心だと目を瞬かせるもの納得した。 子供なのだからそんなものかもしれないと。 男を見る子供の双眸は怯えも混じる。 誘うような唇の彩りだけがちぐはくで その癖して濡れた瞳だけが印象的だった ] ……どうして? 君が嘘を吐いていたって俺が困る事はない。 なら、君の方に何か理由があるんだろうね。 [ まるで裏切られる事が嫌だと暗に告げられているよう>>229 子供がその姿勢を貫いたとしても 人とは異なる感覚を持つ男だ。 不思議なものを見るような眼差しを向け 絲を結ぶように絡まる視線に口端を上げた ] (243) 2019/04/09(Tue) 1:17:29 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス人の子は夜の世界にいたって 何処を触れても熱いね。 [ 壊れ物を扱うような指の力で触れる>>231 柔らかくて滑らかな温もりを。 ほんの一瞬だけ熱が灯った錯覚に目を伏せて 望むこと>>232 何処でも、望むこと>>236 指先に口づけるだけではなく 赤い舌を覗かせた子供>>235に首を振った ] (244) 2019/04/09(Tue) 1:18:11 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス――……セレン。 [ 唇に伸びた指を彼の頬にあてがう。 まだ華奢な少年を見下ろせば此方を向かせた ] 俺の望みは退屈させないで。ただ、それだけ。 [ 顔を傾ける。 白銀は月の光を浴びて輝きを増した。 そこに大きな影が翳される。 静謐な真夜中、薔薇の薫風が舞う先で ] (245) 2019/04/09(Tue) 1:18:37 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス望む事は、君自身でいてくれること。 [ 自己を殺し生きていた者からすれば 難しい事を上げているのかもしれない。 だがそれすらも此方の企みではあった ] 俺の言う事を聞く賢い狗が欲しい訳じゃない。 だから考えて? 君が何をすれば俺の退屈が癒せるかを。 きちんと合っていたらご褒美をあげる。 [ 何処までも望むもの。 悠久を生きる吸血鬼としては、 殆ど意味を成さないものになっていた ] (246) 2019/04/09(Tue) 1:19:42 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ ふと見下ろす姿は肌寒そうだ。 古城へと視線を移しながら一足先に中へ向かおうとする ] 置いていかれたくないのならおいで、セレン。 [ 一瞥と微笑を彼へと向けながらも歩調は緩めず。 扉を開けた先にはエントランスホールと 上階に続く階段が見えている。 上階には空き部屋へと変わった部屋があった。 必要な洋服はクロゼットにまだ残っている。 そちらを彼へとあてがえばいいだろうと考えつつ これからの事を考えては一度軽く瞼を閉じた ]** (247) 2019/04/09(Tue) 1:20:16 |
古城の吸血鬼 ニクスは、メモを貼った。 (a30) 2019/04/09(Tue) 1:21:36 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 腑抜けになってしまうだろうか。 いつも通り悪しき魔眼で見つめてみた。 症状はそれらしいものを浮かべている>>283 ] 俺が欲しいとは一度も願っていないけど、 ……そう、教えてくれるのなら待っていよう。 [ 落ちない思考>>284に一つ評価を落とす。 程度が緩かったか、それとも体質か。 まだ判別がつかない段階ではあるが 虚飾に塗りたくられたものに興味はない。 あくまで時間を潰す為に選び取ったものは、 子供自体が示した道を最後まで眺めることだ ] (362) 2019/04/09(Tue) 22:41:56 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 彼がどのように育ち今までを過ごしたのか。 全ては語られない以上想像に過ぎないが 丁重に扱われている容貌に対して 子供達の姿や末路に違和感は得られる。 魅了がかかっていたとして 家に戻れる子供が何故頑なに拒むのか。 正に生贄を着飾るのと同じで 彼らに帰り道は用意されていないのか。 無欲で自身の意志すらも曖昧な様子>>286>>287は しっかりこの目にも見定め捉えていた ] (363) 2019/04/09(Tue) 22:43:27 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 門を抜けた先に待ち構えるのは大きな噴水。 その奥に短い階段があり大きな玄関が待ち構える。 扉を開けてエントランスホールの中へ。 一先ずこれから使わせる部屋に案内しよう。 今後の指針を決めた男が歩み出そうとした時、 引き止める存在が一つあり立ち止まった>>288 ] セレン、……何か? [ 男に対して好意を持つ者も中にはいたが 星すらも雲隠れする夜に自ら手を差し出す子供はなく、 首を傾げて不思議そうに彼を見下ろしていたが、 問われた内容に数度瞬きながらも目許を緩ませた ] (364) 2019/04/09(Tue) 22:43:59 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス名前? 人は皆俺を吸血鬼と呼ぶけれど……、 [ 人に呼ばれていた名前などそれ以上にないのだ。 だから好きに呼べばいいと考えたが、 ふと思いついたように口端を上げた ] でも、そうだな。 君がセレンというなら俺はニクスとしよう。 [ 彼がどこまで言葉の意味を知っているのか。 それも推し量る為に月に自らを「夜」だと名乗り出た ] (365) 2019/04/09(Tue) 22:44:18 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスそれで。 俺の名を知った君はどうしてくれる? [ 立ち止まっていてはと思うもの、 繋がった手を手持ち無沙汰とばかりに ゆらりゆらりと揺らして、止めた。 枯れた花が僅かな一滴に喜ぶよう その視線はほんの僅かな予感に揺らめく ]* (366) 2019/04/09(Tue) 22:44:33 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 手袋越しとはいえ人の体温は伝わる>>374 彼にとっては冷え切った指だっただろう。 故人を見送ったことがもしあるのならば 血の通わない死人と同じものにも思えるだろう。 人の形だけ成している手は好きにさせる。 男を親代わりとして見るものはいなかった。 庇護していた訳でもないし そのような愛情を注いだ訳でもない。 だがしかし、繋がれた理由は分からず 男とて首を傾げてしまう他なかった。 その代わりに笑みを浮かべる子供>>375が 名を呼びたかった理由>>377に対しては 不思議だとばかりに瞬きを繰り返した ] したいことが名前を呼びたいなんて 君、変わってるんだね。 [ しかし彼が見せた兆しに一先ずはと 双眸を眇めて口許は弧を描く ] (400) 2019/04/10(Wed) 0:19:35 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスそれなら呼び続けて。 君が唯一この城で呼ぶ名前となるのだから。 それに君が初めて自分から願った望みだろう? その意味が分かるまで他の名前を呼んではいけないよ。 [ 一つ約束ごとじみた命令を残して 引くその手を特に離すことはなかった>>381 寧ろ肯定するかのようにやんわりと力を加えてやった ] (401) 2019/04/10(Wed) 0:20:03 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス手を繋ぐと落ち着く? [ 歌うように若しくは揶揄うように言葉を綴る。 階段を登り右角を曲げれば客室の並ぶ一角へ。 その中の再奥を子供達にあてがっていた。 腕を引きながら扉を開ける。 華美ではないが落ち着いた気品ある家具の用意された室内は、 少女の趣味に合わせた天蓋付きベッドになっている他には 鏡とベッドと机、衣装入れが並ぶだけだった。 飾られた絵画に特に意味はない。 その前の前の子供の趣味でピアノも用意されているが 大した手入れもされていない事だけが伺えるだろう ] (402) 2019/04/10(Wed) 0:20:21 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス今日から君の部屋だよ。 眠る場所がなかったら困るだろう? [ 立ち尽くす彼>>395に促すよう室内へと一歩踏み入れる ] 前ここに暮らしていたのは女の子だったからね 衣装入れにはドレスばかり用意だし 新しいものを用意しないといけないな。 君が生活する上で欲しいものはあげる。 人が何か口にしないと死んでしまうのも知っているから。 [ 彼がまだ困惑している様子であれば振り返ろう。 そうして今更にその手を離した方がいいかと 指をすり抜けようとするのだけども ] (403) 2019/04/10(Wed) 0:20:42 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 人と異なり別段食事を必要としない男の城は 男と彼以外の気配を失くさせていた。 実際は必要に応じた眷属を呼び寄せる事もあるが そんな事は些細なものだろうと決め括っていた。 広々としている割に伽藍堂の城内で 二人分の靴音は静かに響く>>406 ] 一人を怖がる歳でもなさそうに思うけど 君は随分と怖がりなんだね。 でも安心するといい。 今は、ふたり、だろう? [ うっすらと熟れた頬の理由は何だろう。 思い当たる節は幾つかあるものの 震える細い指先を見つければ 宥めるように親指で撫でてやった ] (431) 2019/04/10(Wed) 9:44:06 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 男にとって性別など大差ない。 だが例え線の細い少年であっても少女の服装は厳しそうだ。 そんな事を考えながらも少年の様子を確認する。 子供達の間に親密な繋がりはなかったのだろうか。 大きなショックを受けているようには思えなかった>>412 だが、この手は離されない。 随分と気に入っているのだろうか。 男は面白そうに口端を上げて、彼の願いを叶えた>>417 ] そうだね。 君の為に仕立てるのもいいけど その間に倒れられてしまっては困る。 一先ず、これを羽織って。 [ 肌寒さに震える子>>418に渡すのは 同じく肩に羽織っていただけの黒の外套。 薔薇の蜜を染み込ませたような薫りを残すそれと 今彼が丹念に塗り込まれた花の香りが混ざり合う。 傷一つない玉の肌を隠すような衣服を衣服を抱いたまま 何処か落ち着きのない様子>>421に口角を上げた ] (432) 2019/04/10(Wed) 9:44:39 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスそうだね。 とても良い花の香りだと思うけれど 君でなければ意味がないから。 湯殿なら一階の右手奥側にある。 左手側は君達が食事を摂る場所がある。 お腹が空いているようであれば用意しよう。 階段奥にある扉は庭園と繋がっているし 今なら薔薇が咲いているだろう。 気になるなら確かめてみるといい。 [ ここで日々を過ごす上で必要なことを伝えておく。 ふと視線を合わせたまま双眼は眇めれば 辿々しい話し方に片眉を上げた。 耐性のある子供なのかと思っていたが、 彼もまた夜に溺れてしまうのだろうか ] (433) 2019/04/10(Wed) 9:44:59 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 子供が成す幼い戯れ>>422 甲への口づけは敬愛の姿勢を示すものだが それにしては違和を抱いていく。 手袋越しにも伝わる唇の柔らか、灯す熱。 男の冷えた指を僅かに侵食する存在に ぴくりと僅かに瞼が震えた ] ――セレン。 君はいけない子だね。 そんなに熱い唇を押し付けて、どうしたいの? [ 吐息だけで笑みの形を象り、 くすくすと揺れる空気を作り出した。 繋ぐ手を振り払うことは容易だった。 しかしそれを是としないまま唇に押し付ける。 滑らかな生地で仕立てられた手袋の下に 骨張った硬い男の手の感触を伝えさせ ] (434) 2019/04/10(Wed) 9:45:31 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスこれも君の望み? [ 問いかければ愉快だと滲む双眸を覗かせた。 褒美だとばかりに親指だけはいたずらに動き、 彼の赤く熟れた林檎色の頬を撫でる ]** (435) 2019/04/10(Wed) 9:45:55 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 手を繋がれた理由>>470までを察する事は出来ず。 男の目から若しくは眷属の眸玉から映る世界を 言葉にして少しずつ埋めるだけ。 随分と様々な子供を見てきた。 だが、どれもすぐに捨てたりはしなかった。 少なくともその子供が持つ色を見るまでは決して。 問いかけに対して彼の返答を待つ。 素手を覆う袋越しに子供を愛でていた>>471 彼の答え>>472は小気味良いものではある。 その回答に対する理由は続く言葉だろうか>>475 しかしその中にまさか夜伽まで膨れまれているとは。 悪趣味な爺い共に思わず喉を鳴らして嗤いそうになるが そこは押し留めて説き伏せるように言葉を綴った ] (504) 2019/04/10(Wed) 22:40:51 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスセレン。 君の申し出はとても嬉しいのだけど ……水の傍は苦手なんだ。 聞いた事はなかったかな。 [ 彼は彼なりに色々と考えてくれたのだろう>>476 彼らが何故そう躍起になって子供を差し出すのか。 化物の陰に怯え手を出せない区域になっているとは知らず、 また、此方のご機嫌取りの為に子供を捧げ、 血を吸い過ぎなかった子供は返してやっているが、 それもまた二度と村に戻っていないなど 知らされなかった真実も耳にしていない。 胸元に添えられた指に手を添えることはない。 だが、代わりに服を掴む指に微笑んだ ] (505) 2019/04/10(Wed) 22:41:07 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス役に立ちたいから学んだ。 それは何の為に? 俺の為ではなくて君自身の為だと思うけれど。 [ 空腹ではなく退屈を埋める。 つまり恐らく血を差し出す以外に彼は 彼自身の退屈の埋め方を模索しているのだろう。 だがやはり、何の為に? 涙を流していた姿も覚えている。 また、少し怯えたような表情をしていたことも ] ……少し意地悪をしたかな。 湯浴みは君一人で行くといい。 俺は揺らめく水の中では動けなくなるから。 そういった俺を見たいのなら構わないけど。 [ バスローブは衣装棚の中にある。 前にいた少女は十七だといっていたし 大きめのサイズを用意していた。 男女関係なく使えるだろう。 タオルとバスローブを用意すれば彼に差し出し ] (506) 2019/04/10(Wed) 22:41:25 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺の指は冷たいから。 君とは違い血の通わない死人のものだ。 湯殿は必要とする子がいたから用意したまで。 君達と同じように温まることが出来れば 君の頬を凍えさせる事もないだろうね。 [ 湯浴みに誘った意図>>523を全て察せる訳ではない。 まるで謝ることはないと暗に告げながらも 彼の言葉>>524には不思議そうに首を傾げた ] (550) 2019/04/11(Thu) 0:20:02 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺の為? ……ふふ。おかしな子。 [ 自分が生きる為の間違いではないか ] 確かに君が生きる為には、 俺の為だと言わねばならないのだろうね。 [ こんな僅かなひと時で彼の心を喰らったとは思わない。 ならば彼が口にする言葉は自分が生き永らえる為、 男の起源を取ろうとしているようにも解釈出来る。 寧ろその方が自然にも思えてしまった ] (551) 2019/04/11(Thu) 0:20:24 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 捩じくれた捉えであっても その中唯一彼の本心とも思える一端>>525に 灰と蒼の眸を覗き込むよう瞬く ] 独りはもう嫌、か。 うん。君みたいな子、他にもいたよ。 …………、君が裏切りたくない事と関係してるのかな。 [ 過去彼が言葉にしたものと>>229、今>>526 何かが繋がったように思えて口角を上げ、 離された指を追いかけるのは数秒の事。 おざなりに着せられた上着が不恰好で 幼い子供が親の外套に身を包むようだった ] (552) 2019/04/11(Thu) 0:20:39 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺を知る為? いいよ。 君が気になる事なら答えてあげる。 [ 慣れてはいなそうな表情>>527 それでも彼自身が望んだ意志ならば拒む理由もない ] 君にとっても得体の知れない化物は恐ろしいだろう。 そうでなくとも相手を知らねば惑うこともある。 尚更生活を共にするなら毎日怯えて 一人思考を張り巡らせるよりずっといい。 [ 名案だとばかりに自由になった両手で評価する。 だが、と一つ意味深に加えて親指を自身の顎に乗せた ] (553) 2019/04/11(Thu) 0:20:58 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスだけど、セレン。 行き過ぎた好奇心は猫を殺す。 鳥だって餌をやり過ぎれば飼い殺すようにね。 花に水だけやり過ぎても枯れてしまうのと同じ。 セレン。 二階に上がって左に曲がれば扉がある。 そこは俺の部屋だから好きに訪れたらいい。 だがね、さらにその一番奥にある扉だけは―― (554) 2019/04/11(Thu) 0:21:48 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 沈黙の中に何が隠されているのだろうか>>556 たった一つの相槌>>557では 投げかけた二つの問い>>551>>552の どちらに付随するものなのやら ] セレン。 俺は確かに化物だと呼ばれているけれど 流石に人の心まで読む事は出来ないよ。 [ 打ち明けたくないのならば言葉を重ねることはしないが ] 君は生きる為に俺に尽くそうとしているんだろう。 独りになること、裏切り。 それが君にとってどれ程堪え難いものなのか 俺には一つも分からないけれど、ね。 (608) 2019/04/11(Thu) 19:54:45 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス裏切られて独りになる事を拒んだとして それが今の俺に何の関係があるのか、 俺には何一つ分からないから……。 君が「はい」と答えるならそれ以外に問いようがない。 [ 元から化物は人の感覚が遠く、 また暇潰しに人を弄ぶような男だ。 化物らしく。より、化物らしく振舞う。 化物が化物であり続けられるように。 人の機微にやけに聡い矛盾を晒している事に 化物と呼ばれた男自身も知らないまま ] (609) 2019/04/11(Thu) 19:55:03 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ たったの一瀬で懐かれる経験がないわけではないが、 何も始まる前から諦められているならば それはそれ以外施しようが此方にもない。 物言いたげな眼差し>>556を向ける癖に 無口な少年には外れだったかと感想を抱く。 早めに村に返してやるべきかもしれない。 忠告>>555に対して何か男の力を注いだ訳でもなし、 契約など何の事やらと手を出した事すら よく分かっていない男であったけれど、 男の言葉は少年の何かを惹きつけたらしい>>562 ] (610) 2019/04/11(Thu) 19:55:29 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス…………君は、存外自分勝手だね? [ 男の事を掘り下げるより先に、 扉を開けた時に起こる自分への損害に関心を持つ>>563 男の為と重ねる割に男に対する問いは少なかった。 興味など無いのだろうと思ってはいたが、 別の要因が絡んでいるように思えたのだ ] (611) 2019/04/11(Thu) 19:55:50 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 片方ずつ異なる色を持つ眸>>564 男は少年の欲求に初めて#笑む ] 君は生きる為なら何でも出来ると言ったね。 [ あのひとときの言葉>>236を上げながら 赤く熟れた薔薇の双眸が滲んだ ] 今までにその扉を開けた子は、いなかったよ。 [ それは答えになっているようでならない形 ] 鍵は俺の部屋にある柱時計の中にある。 短針を抜いてしまえばそれが鍵となる。 [ 開けるなと告げる癖に場所すらもあっさりと明かした。 男は楽しそうにそのまま続ける ] (612) 2019/04/11(Thu) 19:56:18 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺は、夜にしか目覚められない。 朝と夜は室内左にある寝室で眠っている。 [ 男は長駆を折畳まぬまま口角を上げて ] 俺は子供を喰らった事はない。 俺が欲しいのは人の精気だけ。 ……君にでも分かるように答えるならば、 血を吸わねばならないから吸う。 吸わねば飢えと渇きで狂ってしまう。 死ではなく、ただ血を求めるだけの自我のない化物にね。 [ 湯浴みに誘った子供にも分かるように その性質を答えては教え込んでいった ] (613) 2019/04/11(Thu) 19:57:17 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺が捨てた子供の数は29人。 いずれも生かしたまま放った。 [ 子供が自分の番だと番号を聞かされているならば、 彼は31人目に該当するだろう。 その言葉が言外に告げる事は答えない。 たった一人だけはどうなったのかなど、 今は問われない限り答えぬとばかり微笑 ] セレン。 俺は陽の光に弱い。 直接浴びればたちまち灰と化すだろう。 銀製の弾丸では血を得たとしても痕が残る。 流水を渡る事も出来ないし、 それから杭で心臓を打たれてみろ。 きっと簡単に死んでしまうだろうね。 ……実際はどうかは知らないが、 君たち人間はそう答えていたよ。 [ 試された事はないけれど。 付け足す言葉はそれ以上なく。 彼が湯殿に向かうというならば追わぬ姿勢のまま ] (614) 2019/04/11(Thu) 19:57:47 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスさて、湯の中で考えてみるといい。 また知りたい事があればおいで。 彼に願えばすぐ向かおう。 [ 代わりに呼び寄せたのは一匹の狼。 男によく似た色の毛並みを有していた ] 君の言うことならば何でも聞き入れるよう、 言い聞かせてある。 [ 行ってらっしゃい。 そうして見送る男は相変わらず笑みを開かれたまま。 狼は一定の距離を保ったまま 少年についていこうとするだろう ]* (615) 2019/04/11(Thu) 19:58:25 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス ―傍白― [ 白百合の君が微笑う。 あなたの手、とっても冷たいのね! 贄として送られてきた筈の彼女は、 私が最も毛嫌いする太陽のようだった。 あなたの眸って、まるで のよう。 ねぇ、今度からあなたのこと、 って呼んでもいい? 私に拒否権は無いのだろう。 ええ、そうよ、よく分かってるのね 鈴を転がすような声が響く。 ピアノの旋律みたいに紡がれる音。 耳を塞ごうと聞こえてくる声。 人々が恐れてやまない存在に対して 彼女は一度も怯えることなく微笑んだ ] (618) 2019/04/11(Thu) 20:18:57 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 心などない。 心などない。 化物にあるのはお飾りの心臓だけ。 覆われることのない指に熱が灯る。 触れられているのだと初めて知った。 不快だと手を払えばよかったのだ ] (619) 2019/04/11(Thu) 20:19:32 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 忘却。 人は哀れで愚かで素晴らしい。 忘れることの出来る生き物だ。 何時迄も忘れられない化物は、 愚かなのだろうか。 素晴らしいのだろうか。 本に尋ねようと答えなど来ない。 無限にも続く沈黙、沈黙、沈黙。 忘れたい事を、何時迄も忘れない化物を、 どうか、どうか、■■してくれ、と。 黒く、黒く、塗り潰していく ] (620) 2019/04/11(Thu) 20:20:08 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 誰かの言葉が、呪いが、化物を生かす。 嘘を、呪いを、吐き出すだけの存在が、 生きている。生き延びている。どうしようもなく。 その理由を問い続けようと答えなどなく、 ただ、生かされている、生きている。 あなたを、たまに、思い出す。 死が救いだと謂うならば、この生は。 一体、なんだというのだろう ] (621) 2019/04/11(Thu) 20:21:25 |
古城の吸血鬼 ニクスは、メモを貼った。 (a68) 2019/04/11(Thu) 20:27:39 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ まだまだ小さな子供>>628 男にとっては瞬きの生しか持たない存在。 だが、しゃんと伸びた背筋は好ましかった。 彼が男に尽くす理由>>629>>630 男は目をほんの僅か瞬かせたまま笑う ] そうだね。 君を生かす事は出来るだろう。 [ そこに含まなかったものは打ち明けず 緊張した面持ちの彼に目を細める>>631 ] 君の価値は、君だけが決めるものじゃない。 君がこれから行う物によっては、……ね? でもその心意気は買おう。 君の手で探ってみるといい。 俺に直接問わずとも答えが見つかるかもね。 [ 彼の想い>>632を拒絶することはない。 寧ろ歓迎するとでも言いたげに言い切った。 彼が制御する苦労>>633も知らぬまま ] (675) 2019/04/11(Thu) 22:35:49 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 子供たちが化物に対してどれほどの知識を得ていたか>>642 男にとってさしたる興味も無く、知らぬことだった。 ただ、その後の行方>>656に対しては眉を僅かに寄せた ] 野犬の餌になったか。 他の人ならざる者の贄となったか。 それとも口封じの為に殺されたか。 俺や俺の眷属の手ではない。 君が信じてくれるなら……ね? [ 子供らしさの覗く口調には良いと許し、 それとは別の思考で村の人間の思惑に不快さが滲む。 目の前の子供には見せぬよう努めるも、 彼が選んだ一つの問い>>657に答えよう ] (676) 2019/04/11(Thu) 22:36:15 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスどうしたいのだと思う? その答えを真に知る事が出来れば、 ……君の願いを叶えてあげよう。 ここで生かす事だって、ね。 [ 質問を質問で返す狡猾さ。 彼に掲示したカードは何枚にも及ぶが まだ手の内は明かさぬと手を振った。 狼は少年の言葉が通じるとばかりに 小さく吠えては彼に血の通った温もりを与える。 彼を守るように、または監視するように 少年が拒まぬ限りはきっと離れず傍に。 その様子を見守りながら姿が消えれば、 男は室内の片隅にあるピアノへと向かった ] (677) 2019/04/11(Thu) 22:36:30 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスねぇ、 今度の子供は私を、■■してくれると思うかい? [ 問いかけに答える声はない。 絵画に飾られた太陽の如きブロンドと 空色の瞳を輝かせる少女は梔子のまま 今日も祈りを捧げるとばかりに鍵盤を叩く。 またそんな寂しい曲ばかり弾くのね ベッドの上に腰掛け行儀悪く両脚を 揺すっていた少女を思い出す ] (678) 2019/04/11(Thu) 22:36:51 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス ―男の部屋― [ 彼の衣装棚の中には彼のサイズに合った洋服が 何着も用意されていることだろう。 普段着から寝着まで揃えられている。 また、葡萄や林檎の果実も籠の中に備わっていた。 男は部屋の支度を終えると自室に戻り 柱時計を開け、短針を引き抜いた。 そうして迷うことなく男の自室右側にある 扉の鍵口へと短針を差し入れ、回す。 カチリと乾いた音が響くと同時にノブを回せば、 むせ返る薔薇の香りが溢れ返った。 少しでも漏れないようにと扉を閉める。 踵の響く音を立てながら跪くのは、 天蓋付きのベットの傍。 陽の光が差し込まない室内は薄暗く、 しかし男はそっと大切なものを扱うかのように 革手袋越しにその手を取った ] (680) 2019/04/11(Thu) 22:37:42 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス――――君と同じ■■の子供が、来たよ。 [ ふわりと笑うまま、瞼を伏せる ] 今度こそ、私は…… きっと。 [ 腐り落ちた眼孔に青い硝子 破れかけた腕に絹の肌 侵された内臓に綿のガーゼ 宝石で飾った純白いドレス 朽ちてくたびに取り繕った彼女に傅いたまま 弧を描いた唇は落とされた ]* (683) 2019/04/11(Thu) 22:38:30 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス ―傍白― [ お腹が空いたわ 憤慨する男は首を傾げた。 その様子に少女はまた地団駄を踏んだ。 人の子は食べないと死んじゃうの そうなのか。 初めて知ったとの様子に少女は頷く。 だから早く用意してちょうだい これではどちらが主人なのやら。 男は言われるままに用意した ] (697) 2019/04/11(Thu) 23:28:58 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ しかし初めてでうまくいくはずもなく、 結局二人で分かち合ったのは林檎一つ。 これはこれで美味しからいいわ お気に召した彼女に男は笑う。 でもあなたは普段血を吸うのよね 男は曖昧に表情を崩した。 いいの。最近吸っていないじゃない 男はたった一度だけ頷く。 薔薇の精気だけで生きていける?本当に? 男は口角を上げたまま微笑んだ ] (698) 2019/04/11(Thu) 23:29:54 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ そんな莫迦げた伝承を信じた愚か者はだれ 喉の渇きと飢え。 それらから目を背けた代償。 だが、あの日々は男にとって―― ] (700) 2019/04/11(Thu) 23:30:57 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ あの赤い薔薇も燃やしてしまおう。 手にかけようとした時、遡る記憶。 私、この花が好きだわ たった一言で伸びた手を下ろした。 人の言葉は、よくも悪くも他人に影響を及ぼす。 それはまるで呪いのように染み渡る。 名前ひとつですら簡単に縛ってしまう。 毎日呼び合っている度にきっと、まともではなくなっていた ] (701) 2019/04/11(Thu) 23:31:21 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ あなたの優しさが、あなたの寛容さが、 あなたの偉大さが、罪であり、罰なのだ。 ねぇ、 神様が、世界が、時間が、 私達の大切なものを奪っていくのだとするなら 私はきっと奪われる前に殺すわ。 だから安心しないで。怖がらないで。 私はきっとあなたの事が好きだから。 だから、ね――……? 男を殺したのは彼女達で あなたを殺したのは他でもない私達で 私は今日も誰かを殺す。 あなたは今日も誰かを殺す。 あなたが望んでいてもいなくとも、 私が望んでも、望まなくとも、だ。 言葉というのは、まるで呪いだ ]* (703) 2019/04/11(Thu) 23:32:03 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス ―現在:男の部屋― [ 結局庭園の花は今も咲き誇っている>>684 観るだけに留めているから棘の処理は甘く 白い指に血を浮かせているとは知らぬまま>>685 血を吸っても尚赤い薔薇は熟れており、 その度に苦々しい記憶を思い出す。 男はベッドに飾られた赤薔薇を見つめる。 そろそろ新しい物を用意する必要がありそうだ。 ついた膝を床から離せば立ち上がった。 隠し部屋を抜ける際、もう一度振り返る。 一瞥に留めて、自室へと戻った。 寝台に眠るのは白いドレスを見に纏った白骨死体だけ ]* (706) 2019/04/11(Thu) 23:32:50 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 獣は触れられる度尻尾をぱたりと振る>>684 彼に呼応するよう反応を示していた。 首筋を撫でる人>>686に呼び寄せらるまま>>687 彼の独白めいた一言>>693に耳を欹てる。 眷属の耳には主のピアノの音色は届いていた。 だがそれに対して何かを伝える事はなく、 ただ、一度だけ彼>>704を慰めるように その頬を舐めようと舌を伸ばした。 覗き込まれる眸>>707と見つめ合う。 狼は人の言葉を持たないけれど理解は出来る故、 身支度を整える彼>>708の邪魔をせぬよう しかし小さく主に伝えるよう遠吠えをし、 紅茶を運ぶその傍にひっつきながら 主の場所に向かうのだった ]* (709) 2019/04/12(Fri) 0:07:26 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス ―自室― [ さて。 室内にある机に向かって本を読んでいた頃、 眷属の声>>709がこの耳に届いた ] おや……案外早かったな。 [ 進めていた読者を止めれば本を閉じる。 寓話などに興味などなかったが こうしてまた読み進めてしまっていた。 ノックの音が数度>>708 どうぞと返答を返した。 彼が進むのならば狼もその傍についていく ] (713) 2019/04/12(Fri) 0:17:29 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス茶葉の良い香りだね。 でも、君の部屋に着替えを用意したけれど 着替えてこなくてよかったのかい? [ 未だバスローブのままである彼にひとつ。 用意した衣服のことを示しつつ>>680 ] 足だって寒そうだし、 上着だって君の肩に合っていない。 風邪を引いてしまわない? [ 彼が叶わないというのであれば 強く付け加える事はなかったけれど 首を傾げたまま問うた ]* (714) 2019/04/12(Fri) 0:17:40 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 狼は何も語らない。 主をいつまでも見守り続け、 こうした子守を主から任される事も慣れていた。 緊張した面持ちだった少年は>>748 少しずつ氷山の角を溶かすように思えた。 決して暖かくなどないのだ>>749 しかし夜風に当たった少年がこれ以上冷やさぬよう 給仕の真似事をする傍らを離れる事はなかった。 ただ、一つ返事をするよう吠えるだけ ] ( 全く、いつも通り、趣味が悪い! )* (767) 2019/04/12(Fri) 11:48:40 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 緊張を孕む雰囲気は隠されていても 扉越しにも伝わってくるよう思えた>>749 意外に躊躇なく侵入を果たす小柄な少年>>750に 面白そうなものを見るよう目を細める。 大人しく従事する狼にはご苦労と目配せし、 彼が少々不満そうに唸るのを聞いて鼻を鳴らした ] ……薔薇の香りがするね。 [ 男にとっては苦い記憶を彷彿させるものだ。 しかし無知故の気遣いだ>>751 ] 血の通わない化物に茶を出すなんて、 やっぱり君も変わっているね。 [ ありがとうと一言彼に告げる。 無意識に彼以外を含んだ事は気づかなかった ] (768) 2019/04/12(Fri) 11:48:53 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 彼の魂胆は何となく朧気に理解している。 だから彼の言葉>>752を拒んだりしなかった。 彼の言動を責める事もなかった。 届きそうで届かない位置で従順な彼は、 彼の意志>>753を紡ぎ出す。 男にとってその言葉は望んで他ならないもの。 ただ、その後に紡ぐ想像を履き違えていた。 薔薇の花弁が香る紅茶を飲む。 男にとって意味のない茶番を演じた。 ふと、同じ花を纏う少年に瞬きをして ] (769) 2019/04/12(Fri) 11:49:04 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ ひとつ落とすのは確信めいた答え。 男の眸をもってして与えられた好意とは異なり、 無邪気で無知で残酷な彼の望みに双眸を眇める。 ならば返す答えは三つある。 その中の一つを切り取るだけだった ] 君の言葉通りならば、 城を追い出された子供に未来はない。 そして願いを叶えてくれるならば 君がこの城に住み続ける事すら許そう。 そういった話だったと覚えているね? [ ひとりを拒む子供の姿は覚えている>>525 つまびらかにするように言葉を続けた ] (770) 2019/04/12(Fri) 11:49:58 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスセレン。 ……独りを拒む理由はよく分かるよ。 堪え難いものだろう。 [ 一口。茶で唇を湿らせながら唇を開く ] だがね、君はいずれ死ねるだろう。 君が望まなくとも、誰かが望まなくとも。 それは人にしかない素晴らしい特権だ。 また、君達は忘れる事が出来る。 どれ程堪え難い苦痛も やがて薔薇の棘より丸いものになる。 [ 人と化物の違い。 説教など垂れるつもりもないからこそ 男は身勝手に語り続けるだけだ ] (771) 2019/04/12(Fri) 11:50:10 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスセレン。 君は自分が何故生きているのか、考えた事はあるかい? 私はね、考えて、考えて、考え尽くした。 その結果、行き着いたんだよ。 セレン、私はね、―――― 赦されたいだけなんだよ。 (772) 2019/04/12(Fri) 11:50:27 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ コトリ、と。 音を響かせながら男は微笑む ] 君が寂しがるならその眷属をやろう。 この城で独りは嫌なんだろう? それはなんだかんだ子供が好きで 俺のことは嫌いだからね。 [ 狼は相変わらず子供から視線を逸らさない。 見張っているというわけではない事を 男はゆうに知っていたから笑っていた ] セレン。 君はまだ俺の全てを知らない。 だからそんな事を願えるんだろう。 ……俺のことを知りたいと言ったね? ならもっと、知ってくれ。 [ この屋敷の中を探る以外に 彼が他の手段を選ぶというのならば 男は大した抵抗もせずに許すだろう ]** (773) 2019/04/12(Fri) 11:51:19 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 揚げ足を取られるよりも一本取られる。 そんな評価に相応しい傲慢な答えだった ] よかった。 君は馬鹿じゃないんだね。 [ 無知な子供は嫌いではない。 だが、愚かな人間では相応しくない。 彼の言葉>>788に答えは返さない。 否定もしなかった。 無関心から少し芽生えたものがある。 彼ならば伝えずとも理解出来るだろうと ] (805) 2019/04/12(Fri) 16:17:42 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス死なないんじゃない。 死ねないんだ。 [ 不死だから? それにしては試してこなかった事が沢山ある。 男が数多の子供に尋ね得た知識>>614 断言した子供の扱い>>613は断言した癖に 死に関しては言い訳めいた台詞となった。 死なない為に生きる>>790 漠然とした死が取り憑く人の姿はいつも遠い。 やはりどうしようもなく羨ましく、恨めしい。 何故、そんな事を思い描いてならないのか ] (806) 2019/04/12(Fri) 16:17:58 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス…………罪を償わなば死ねないからだよ。 死が救いだというならば、生きる事とは即ち罪だ。 一生を付き纏う罰なんだろう。 [ 誰に、とは言わなかった。 付き纏いこびり付き離れないのは、白い首>>56 透き通るような肌。赤い唇。 全てを見透かすような空色の眸。 ちょうど、彼によく似ていて、 ちょうど、その声だってよく似ていて、 それから、彼は、彼女と同じ――名前 ] (807) 2019/04/12(Fri) 16:18:20 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス意志のない我楽多に裁かれても意味などない。 [ 彼の問い>>792に対して答えない。 だが、その解釈を正す事はなかった。 ふわりと漂うのは血の甘美な香り。 思わず口許を手で塞いだ。 他人に殺され続けてきた? ――そんなもの生きていたら誰だって、 言い訳めいた言葉が溢れるのは余裕が剥がれつつあるから。 追い出した少女の血を吸っていればよかったのだ。 彼の存在がひどく曖昧に溶けていく>>793 ] (808) 2019/04/12(Fri) 16:18:35 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスどうして、……俺なんだ。 [ 知れと望んだ癖に見透かす事を拒む我儘な男は、 少年が選んだ知りたい存在に疑問を抱いた。 変わった子は、今までにいた。今までに。 たった、二人だけ ] ――――同じ名前で同じ言葉を言うな! [ 吐き捨てるような怒声が寝室に響いた ] (809) 2019/04/12(Fri) 16:19:00 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ Noir 黒く黒く黒く塗り潰す。 インクをぶちまけても剥がれない記憶。 飢えと渇き、自我を失う程の衝動。 赤赤赤赤赤赤赤と求める鮮血。 眠る少女を包む揺り籠を長い爪で切り裂き 未だ心臓から流れる血潮を求め光らせた歯牙を 柔らかく甘い肉を食い破った牙を 破れた皮膚から滲むあまりにも甘美な味を 悲鳴。絶叫。慟哭。 耳を塞ぎたくなる。 眸を抉りたくなる。 唇を引き裂きたくなる。 あの悪夢は未だに醒めず ] (811) 2019/04/12(Fri) 16:20:40 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 違わない。 反射的に返す言葉を歯の奥を噛み堪えた。 此方を見つめる左右非対称の眸>>813は やはり今にも泣き出しそうなのに、 意外にも少年は諦めが悪かった。 続く言葉>>814と問い>>815 男は眉間の皺を苦悩で歪めた。 はくりと震える声で紡ぎそうになったのは あまりにも素直な言葉だった ] まだ、苦しまなくてはならないのか? [ 分からないからこそ相槌も打てぬのだと。 問いに対する問いを返して気づいた ] (830) 2019/04/12(Fri) 18:28:34 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスただ、生きる為なら何でもすると、 俺の望みなら何でも叶えると そう言葉にした君ならば、……、 [ 叶えてくれると男は希望していた。 切々と身を切り裂きたくなる想いを抱えながら 生きながらえてしまい、日々懺悔と贖罪に明け暮れる 途方も無い永遠の後日談を過ごすには、 あまりにもきっとあの日々が眩し過ぎた ] 君など、拾わなければよかった。 [ まだ何も知らない子供>>816 孤独に飢え、傷だらけの手を差し伸べる。 裏切りを厭い、独りを拒む少年。 少なくとも男が理解したのは、たったそれだけ ] (831) 2019/04/12(Fri) 18:29:08 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 伸ばされた腕が空恐ろしく思えた>>818 先がないと告げる少年の気配は>>817 吹き荒ぶ風に流れていきそうだ。 振り払った手は存外強い力だった。 彼の手の甲に残った赤い跡を眺めれば 自然何かで切ったのであろう指先も覗き ] そんな事、ない。 君はまだ若いだろう。 生きてさえいれば他の可能性だってある。 金だってあるんだ。 君が望めば人の一人くらい用意して 欲しいものは何だって手に入る筈だ。 [ それとも雛鳥のように最初に見つめたものを、 親だと認識してしまったとでもいうのだろうか ] (832) 2019/04/12(Fri) 18:30:07 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス何故君は、居場所が此処しかないと思い込む。 ……セレス、君のその眸と関係するのかい? [ 伸ばされたままの腕を痛々しげに見遣る。 今度はその手を払う事はせずに、 代わりに彼の長く伸びた前髪を払ってやった ] 君を愛してくれる人はきっと、いるのに。 ……どうして?** (833) 2019/04/12(Fri) 18:31:07 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス ―傍白― [ 声を出す。 息を吐く。 足で歩く。 手で触れる。 目で追う。 今日も生きている。 誰かの言葉が、呪いが、其れ等を練る。 今日も生きている。 生きていていいのか、音を、息を、吐き出すだけの怪物は、 生きていていいのか、嘘を、呪いを吐き出すだけの怪物は、 分からないから、怪物は今日も生きている。 呼吸の仕方も、両足のつけ方も、紡ぐ言葉も、 忘れてしまいそうな不安が、恐怖が、 目醒めたばかりの怪物を襲う。 それでも怪物は、今日も生きている。 それでも怪物は、今日を生きている ] (837) 2019/04/12(Fri) 19:19:59 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ あなたがまだ生きている頃の夢だ。 あなたと作った料理を口にしていた。 私は泣いていた。 どうして泣いているのだろう。 そう考えたらなんだかもっと悲しくて、 私はもっと泣いていた。 泣きながら食事をしていた。 味が全くしなかった。 私は何かを言ったけれど、何を言ったのか 全く覚えていない。 あなたは何かを話したけれど、 全く覚えていない。 そこで目を覚めた。 目に少しだけ涙の跡があった。 あの頃には戻れない。 そんな気持ちが少しだけして、 痛むはずのない心臓がギュッとした。 そんな夢を見た。 そんな夢を見た。 ] (839) 2019/04/12(Fri) 19:20:47 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 化物に心なんて存在しない。 化物に心なんて存在しないのだ。 しかし分かってしまう。 心が痛いと分かってしまう。 心が痛い。 心が痛い。 心が痛い。 ずっと、ずっと、あの時から、ずっと ] (840) 2019/04/12(Fri) 19:21:55 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 笑った顔、怒った顔、泣いた顔、嬉しそうな顔。 全部、全部、全部、まだ、覚えている。 まだ、忘れられない。 あなたは本当に表情が豊かな人で、 あなたは本当に感情が豊かな人だった。 あなたをたまに、思い出す。 伸ばされた手が届かなかったこと 怪物の為に祈ったこと あなたが、私の為に泣いてくれたこと。 あなたをたまに、思い出す。 あなたをたまに、思い出す ] (842) 2019/04/12(Fri) 19:23:02 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[あなたを赦さない世界なんて 私が壊してあげる。 決してあなたを独りにしないから、だから あなたは死なないでね ――――なんて、酷い呪いだ ]** (843) 2019/04/12(Fri) 19:23:36 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ そうだね>>847 彼の反応は淡白で男が期待していたものではなかった。 この少年に男は何を求めていたのだろう。 セレンとセレス。 同じく闇夜を照らす月を持つ名前。 彼に彼女の像を重ねて何を望んだのか。 バカバカしくなり、鼻を鳴らした ] そうだね。 君に問いかけてどうかなる話でもない。 今まで通りと同じだ。 君と同じ眸を持つ人と君を重ねて、 君に問いかけることで、答えを見出そうとする、なんて。 愚かな行為だ。やめるよ。 [ 狼は彼の傍らに付き添ったまま吠えず。 二人のやりとりを見守るようそこに居る。 落ちる腕>>848を男にはどうしてやる事も出来ない ] (875) 2019/04/12(Fri) 22:33:37 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスそうだね。 君がせめて何処かで生き延びれる場所を探して…… [ 棄ててしまうのも悪くないのではと。 擡げた思考のまま考え出す。 どちらにせよ夜も深いから明日以降の話にはなる。 男はそもそも生贄を望んだ事もなかった。 送られる二度目以降の子供に期待する事はあれど いつも期待外れだと思えば外に放してきた。 その結果、子供達が村に戻る事がなかった事実は、 男が少年から語られた新たな真実であった ] (876) 2019/04/12(Fri) 22:34:09 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 男は人が無駄に死ぬ事は望んでいない。 だとして長年蓄積した願いを一日で 葬り去る事など出来なかった。 僅かな胸の痛みは些細だと視線を逸らし 狼はそんな主を非難するが撫でる手に静かに懐く>>850 よっぽど少年の気を汲んでやれるのは狼の方で それは今までの主の愚行を見守ってきたせいもあった。 だとしても噛みつかないのは狼は狼で 主に対して思うことでもあるのか。 問いかける主をアイスブルーの双眸で 狼は見守っていた ] (877) 2019/04/12(Fri) 22:34:27 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス…………気持ちが悪い? [ 少年の言葉>>855に男は首を傾げる。 それは初めて見つけた生き物を眺めるようだった。 確かに少年は人にしては珍しい風貌をしている。 輝くようなブロンドにアクアマリンの双眸を持つ 天使のようだと愛された彼女とは違い、 彼のプラチナブロンドは月明かりに照らされたように白く、 蒼い月と霞んだ星を思わせる双眸は、 不思議な色味であれど男にとっては、 月の満ち欠けを思わせる色味であった ] 愛が、何かは……俺にも、分からない。 [ 彼の問いかけ>>856には白状する。 無責任な発言をしていると露呈するだろうが 今はそんな事よりもと、言葉を続けた ] (878) 2019/04/12(Fri) 22:34:52 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスでも、化物というのはこんなに鋭い牙をもって 血を吸わねば生きられない存在を言うんだ。 そんな俺からしたら君はよっぽど普通の人間じゃないか。 それに、二つの色を持つ眸なんて、 この世界で君だけがもつ特別だろう? 普通が何かは知らないが、 月に照らされた髪の色は気持ち悪くなどない。 [ 幼子に言い聞かすように視線を合わそうと男は彼に跪く。 愛など知らぬ筈の感情ではあるが 幼い子供の苦労に同情したのかもしれない ] (879) 2019/04/12(Fri) 22:35:21 |
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