【人】 木野 ツラユキ[このツラユキは寝ころんだまま、身じろぎ一つせずに部屋を観察していた。 時代錯誤な部屋だ。平安時代ならばともかく、部屋の隅に置かれた燈篭といい、なんとなく和風だ(お好みの描写を当てはめてね)。 暗くてよく見えないが、ひときわ目立つ掛け軸があった。読みやすいようにか、揺らめく灯かりに照らされている。] 『セックスしないと出られない部屋』……? [くだらない企画ものにでも目をつけられたか、とげんなりした。 間違いなく犯罪なのだが、仕方がない。 脳裏に溺愛する妹たちの顔が浮かぶ。 彼女らに会うことなく死ぬわけにはいかない。 付き合わないと出られないなら、せいぜい楽しむとしよう。] (78) 2020/02/01(Sat) 22:48:17 |
【人】 木野 ツラユキ[ようやっと暗闇に目が慣れてきたので、女をちらりと見やると、] あらヤだ美音ちゃんじゃないノ〜〜! ウッソーこんなところで奇遇! オネエ様びっくりところでここどこかしら!!!! あっ手が滑ったワ!!!!! [猛烈な勢いで掛け軸に駆け寄ると、壁紙ごと引き剥がす!] (80) 2020/02/01(Sat) 22:52:08 |
【人】 木野 ツラユキ(冗談じゃない……よりによって何故、彼女がここにいるんだ!) [げしげしと掛け軸を踏みつけながら、ぐるぐると思考を堂々巡りさせた。 乗っていたのは、溺愛する妹(分)の一人 ── 水川美音。]* (81) 2020/02/01(Sat) 22:53:57 |
【人】 木野 ツラユキ[行きずりのセックスで解決できるなら良い。だが美音が相手となると別だ。 2歳の時、妹が生まれた。同じ日、同じ病院で美音も。 伸ばした指が小さな手に握られた時、決意した。兄としてこの頼りない生き物たちを守ろう。 それが最も古い記憶だ。 紆余曲折を経て姉っぽくなったりもしたが、姉妹同然に育ってきたのだ。性の匂いは忌避していた。お茶の間にタイタニックが映った瞬間、あれこれ理由をつけて『Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!』ブルーレイを再生とかしてた。 よりによってなぜその美音が、こんなネタ企画みたいな部屋にいるのか。 恐る恐る目線を戻す。座り込んで俯く彼女は、どこからどう見ても美音だ。 己の言動を振り返る。振り払った手が、今更痛んだ。 今更掛け軸を引きはがしたところで、遅い。美音は自分よりも早く起きていたようだし。 気まずい空気を追いやりたくて、部屋の構造をあれこれ聞いたりもしたが、美音の口数は増えない。 狭い部屋では探検もすぐに終わってしまった。] (112) 2020/02/02(Sun) 10:48:49 |
【人】 木野 ツラユキ[ついには先ほどの行動について話題が移った。 相手も分からぬままに男に乗った美音。その行動は常軌を逸していたが、] そんな手があったなんて! 美音ちゃん頭良いワネ! ごめんなさいね、それで開いたかもしれないのにオネエ様が台無しに…… [あっさり信じた。 妹が言うことですから。] (113) 2020/02/02(Sun) 10:50:00 |
【人】 木野 ツラユキ[時間を尋ねられて、ちらと腕時計を見やる。もう遅い時間だ。 朝が来たところで、部屋が明るくなるのかはわからないが。] オネエ様もまさか美音ちゃんだなんて……分かっていたらあんな酷いこと…… [かけた言葉を恥じて、目線を外した。 見つけた茶菓子など振る舞いつつ。] (114) 2020/02/02(Sun) 10:50:27 |
木野 ツラユキは、メモを貼った。 (a16) 2020/02/02(Sun) 10:57:34 |
【人】 木野 ツラユキ[気まずい空気を解消できぬまま、ついにすっくと美音が立ち上がった。] ……は? [寝る(ネ-ル) 1.寝床につく。就寝する。 2.一つの寝具に一緒に寝ること。特に、性的な関係を持つこと。同衾する。 美音を見上げ、ぱちぱちと瞬く。 どういった意味で使っているのか分からないが、あまりの紛らわしさに心臓がうるさい。 おまけに風呂の話題が続き入らなくていいとまで言うので、] ちょっと美音ちゃんそういうのが好きなノ!? [完全に勘違いしました。 その後の言葉も聞こえはしたが、動転のあまり右から左。 あわあわしながらも半ば押し切られる形で風呂に入り……] (157) 2020/02/02(Sun) 22:48:47 |
【人】 木野 ツラユキ[── 結局。 ものすごい罪悪感を抱えたまま、いつもより念入りに体を洗い、いつもより長めに髪を乾かしてから風呂を上がり、ガチガチに緊張したまま美音のいる部屋にもどって、愕然とした。] (寝てる!?) [そこには、のんきに寝息を立てる美音がいた。 そういえば「朝になったら助けがくるかも〜」とか言っていた気がする。 つまり本気で紛らわしいが、おねんねしますという意味だったという。] はー……心臓に悪い…… [けれどどこかほっとした気もする。 確かに、大人二人をそう長いこと閉じ込めてはおけまい。 早まるよりも、しばらく様子を見たほうが賢いだろう。] (159) 2020/02/02(Sun) 22:54:47 |
【人】 木野 ツラユキ[問題は、] 我慢できるかな…… [寝ている彼女には聞こえないだろうが。] ま……頑張るワネ。 おやすみ、美音ちゃん。 [眉を下げて苦笑いすると、めくれた裾を整えてやった。 それから対角線上、できるだけ離れた場所に自分の分を敷き、彼女に背中を向けて転がった。]** (160) 2020/02/02(Sun) 22:55:30 |
木野 ツラユキは、メモを貼った。 (a24) 2020/02/02(Sun) 23:04:21 |
【人】 木野 ツラユキ [結局。 時間だけは流れたものの、重い頭が睡眠不足を伝えてくる。 美音が静かに風呂に向かったのも、気付いてはいた。 けれど、朦朧とした頭では起き上がることさえできず。 やっと起き上がれたのは、美音が戻ってきたころ。 その彼女が、昨日とは違う香りをまとっていることに気付く。] 美音ちゃん、その香り…… [上気した頬から、うなじから、ほんのりとお香の香りが漂ってくる。 さすがに昨日と同じタイツは履けなかったのか、素足を晒している。 一瞬複雑な表情を浮かべて、それからすぐに話題を変えた。] (188) 2020/02/03(Mon) 18:41:17 |
【人】 木野 ツラユキうーん……そうネエ…… あ! そういえば覚えてる? 美音ちゃんがまだ幼稚園生の時…… [突然の無茶ぶりに驚いたものの、座右の銘は「妹の 頼みを聞くのは 兄(姉)の使命」。 20年分の思い出ストックを存分に振る舞った。 二人が生まれたとき、「お兄ちゃん」になれたのがうれしかった。 しばらくの間、美音も実妹だと思っていた。澪は同じ家に帰れるのに、なぜ美音は違う家に行ってしまうのか不思議だった。 「みおんちゃんはどうしてかえってこないの?」なんて話して、大人に笑われた。 頼りなく手足を動かすだけだった二人が、やがては笑い、寝返りを打ち、後追いをするようになっていくのが面白くて仕方がなかった。 美音が「おにいちゃんかおねえちゃんがほしい」とせがんでいた時は、うれしくてニマニマ笑顔が止まらなかった。 『ぼく、みおんちゃんのおにいちゃんだよ。ちがう? おねえちゃんがいいなら、そっちにもなる! 「アラおはようみおんちゃん! きょうもかわいいワネ」……』 とふざけたら思いの他ウケたのでオネエ口調に至る。] (189) 2020/02/03(Mon) 18:42:36 |
【人】 木野 ツラユキそうそう、この前の成人式、澪ちゃんも美音ちゃんもとっても素敵だったワ! 黄色が可愛く着こなせる子ってなかなか居ないわよネ〜 それぞれでももちろん可愛いんだけど、二人並ぶと可愛さが限界突破して可愛い+可愛いというよりむしろ可愛い×可愛いいやもはや可愛いの累乗? 可愛い^可愛い妹の晴れ姿が、二人分も見られるなんて、オネエさま幸せだワ〜…… 卒業式の袴姿も楽しみ! それにきっと花嫁姿も…… [そこまで言ってから、ふと押し黙った。 澪を思い浮かべる時、いつも自分は客席側。割れんばかりの拍手を送って、滲む涙が頬を伝って…… けれど、美音は…… それ以上考えてはいけない。 寝不足の頭が警鐘を鳴らす。] うーん……絶対綺麗だけど、当分駄目ヨ! オネエ様寂しいモノ。 [その感情に違う名がついていると知りながら、心に蓋をした。 美音のことは本当の妹のように可愛がってきたし、「おねーさま」と呼んでくれたときは、心から嬉しかった。 まさかその呼び名が己を縛るようになるとは、思いもしなかった。] (190) 2020/02/03(Mon) 18:44:06 |
【人】 木野 ツラユキ ── 幕間 探検中 ── アッ! 美音ちゃん、これ、十二単ヨ! それにホラ小袿も! ちょっとぉ〜〜〜→→↓素敵じゃ↑な〜〜〜〜→→→イ↓、美音ちゃん絶対似合うワヨ! せっかくだから着てちょうだいヨ! アラ狩衣も直衣も有るワ〜、オネエ様も何か着てみようかしラ。 [探検し終わったと思っていたが、見落としも多い。 探せばコスプレ、もとい、衣服も見つけられたかもしれない。 なかったらツラユキの妄想。]* (191) 2020/02/03(Mon) 18:47:16 |
(a29) 2020/02/03(Mon) 18:50:49 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新