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【赤】 旅人 Jはぁ、はあ…… 御免、なさい ……[これほど多く深い傷ははじめてだった。 不出来な人形は謝罪し意識を手放す。 眠りが疲労を回復し分断された四肢の修復を助ける。 少し経てば手足は元通りとなる。*] (*82) 2022/03/23(Wed) 20:20:47 |
【赤】 旅人 J[意識を失うまで、約束通り、 彼のたくさんの目は 自分を見ていてくれた。 もしかしたら、意識を失った後も。 自分の視界が暗くなっても、 見てくれているってわかったの。 それはとても……、うれしいことだった。] (*87) 2022/03/23(Wed) 22:57:38 |
【赤】 旅人 J……。……ジュダス、様…… [手が繋がれた状態で目を覚ます。 拭ってもらえたのか、 肌がさっぱりしている。 真っ先に視界に入ったのは彼。 目が覚めて最初に見るのが 好きなひとの顔だなんて こんな幸福なことってあるのかしら。] (*88) 2022/03/23(Wed) 22:57:42 |
【赤】 旅人 J[売られる定めだとか、 世間の常識だとかも度外視した。 私。私の望み。 誰の指示も受けずに私自身が抱く望み。 女の意思が喜ばれない環境に育って 導き出すのは苦労する気もしたけれど 私はしあわせを知ってしまった。 それがずっと続くと良いと愚かにも願う。 これがこの先ずっと一番の私の望み。] (*90) 2022/03/23(Wed) 23:03:21 |
【赤】 旅人 J[照れながら口にした願い。 嗤われようと、馬鹿な娘と言われようと、 その声に聞き惚れ、その顔に見惚れた。 貴方はいつでも美しく格好いいのだわ……。] (*95) 2022/03/24(Thu) 10:04:06 |
【赤】 旅人 J[手枷が砕かれ、きょとんとした間抜け顔のまま 引き寄せられ長い髪が揺れ距離が縮まる。 四肢が裂かれたとき以上に 心臓がいかれそうに高鳴った。 近い、近いわ────。 しかも彼は驚くことを口にする。 私、それを名乗っていいの?] ……はい。……誓います。 何があろうと貴方の妻です……っ 決して、裏切りません……っ [これがあれば何だって乗り越えられそう。 瞳が潤む。 人って嬉しい時も泣いたりするのね。] (*96) 2022/03/24(Thu) 10:04:38 |
【赤】 旅人 J[一層距離が近づいて、彼の体温を唇に感じた。 すぐに湿った何かが入ってきて生き物のように蠢く。 それらが彼の唇と舌なのだと遅れて気づくと 目も開けたまま硬直した。 自らの舌は奥で縮こまる。 頭の中、沸騰してしまいそうだ。 私、いま、キスをして、 すきなひとの一部が、私の、中に……。] ……っ、…… んぅ、ぅ ……っ[粘膜を擦られ胸を揉まれて漏れる声と吐息は 唇を吸う彼の中に吹き込んでしまう。 お腹の奥がきゅんきゅんと切ない疼きを覚えて 細める瞳、濡れた銀の睫毛が小さく震えた。] (*97) 2022/03/24(Thu) 10:05:41 |
【赤】 旅人 J……っっ、 ……はぁ…… [離れる前、柔らかな唇を舐められ 背筋にゾクゾクとした震えが走った。 呆っと彼を見つめながら酸素を取り込む。 頬も、くちびるも、 化粧をしたわけでもないのに血色良く色づいた。*] (*98) 2022/03/24(Thu) 10:05:59 |
【赤】 旅人 J[足が持ち上げられれば倒れぬようしがみ付く。 髪と同じ色の茂みと淡い色の性器が覗く。 彼のも取り出されて近づけられれば 顔が燃え上がるように熱くなった。 それは凶器でもあるが、 きれいで逞しく、愛おしいものだった。] あ、ぁ……。 [自分から受け入れたいかのように 口を開いたあわいの奥から蜜が溢れて矛先を濡らす。 擦り付けられる動きにぐち、ぐちゅと卑猥な水音が立つ。 自分でも触れたことのないその中が熱く切ない。] (*101) 2022/03/24(Thu) 12:30:23 |
【赤】 旅人 J……っ、……っっ [ズブリと入り込んできた熱いそれは 処女の証を傷つけ、赤い色を纏った。 この膜は女の再生力をもってしても治ることがない。 この痛みと痛みを与えてくれる彼は とても尊いもののように感じられた。 否、尊いのである。 愛の言葉などなくとも、その心が少しも掴めずとも。] (*102) 2022/03/24(Thu) 12:31:18 |
【赤】 旅人 J[女の園は歓喜に血と蜜を溢れさせ きゅうきゅうと男の矛を締め付ける。 包皮が捲れ初めて外に顔を出した陰核は 打ち付けの強さを増す男の肌の温度で 充血しぷっくりと膨らんだ。 内側を抉られ陰核を恥骨に潰され 揺さぶられる女の漏らす声には甘さが混じっていく。] あ……っ、あっ、 あっ、ジュダス、さまぁ ……っ[私の旦那様。 生涯ただひとり慕う者の名を呼ぶ。 呪われた命も行く先を塞ぐ闇も何も知らず。 知らされるときまで愚かな娘の愚かさは続く。] (*103) 2022/03/24(Thu) 12:32:03 |
【赤】 旅人 J[処女であった隘路は狭さを増していく。 迎えたいと自ら降りてきた まだかたくこりこりとした子宮の口が 子種の吐き出し口にキスを贈る。] ジュダス、さま……っジュダスさまぁ……っ ジャンヌは、ジャンヌはぁ……っ 貴方を、……あいして、います……っ [切ない奥に届く抽挿に、悦びに、涙をこぼす。 返事がなくとも、拒まれようとも、 女は女としての歓びを噛み締めた。*] (*104) 2022/03/24(Thu) 12:33:12 |
【赤】 旅人 J[穿つ矛と、自分の身体だけが熱い。 心だって自分ばかり燃え上がらせている。 切なく苦しいが、それでも良いのだ。 貴方が邪魔だと言って捨てるその日まで いいえ、捨てられたあとも 貴方の妻として在り続け裏切ることはない。 手に入れてすぐ手放す商品のひとつでも 売り払うとき少しだけ惜しくなるような ほんの少しの愛着でも抱いて貰えたなら。 そんな奇跡を願っている。 この広い大陸。 狙いの品を手に入れていた貴方に 出逢えた奇跡があるのだから。 儚い夢を抱くことは許されても良いんじゃないかなぁ……。] (*107) 2022/03/24(Thu) 14:18:30 |
【赤】 旅人 J[貴方が問う。 身体はそれを望んでいる。 心も、概ねそうだ。一点の懸念事項を除いて。 足を持ち上げる手を包むように自らの手を重ねた。] あ、貴方が……っ 嫌でないなら……っ 私がそうしても、良いのな、らぁ……〜〜っ!! [いちばん奥に熱い迸りを感じた。 内側が一際強く締め付けて、収縮し、 一滴たりとも逃さぬとばかりに子種汁を搾り取る。 はあはあと上がった息を整えるまで、少しかかりそうだった。*] (*108) 2022/03/24(Thu) 14:18:46 |
【赤】 旅人 J[後ろから彼の熱が入ってくれば こんな体勢でも行えるのだと知った。 思い込みの激しく敏感な身体を持つ女は 扱いやすいものだろう。] ジュダス様ぁ……、ジュダス様ぁ…… [股を濡らし滑りやすくし、男を受け入れる。 決して想いの届かぬ男の名を甘えるように呼ぶ。 どんなに行為が激しさを増そうとそれは変わらなかった。] (*114) 2022/03/24(Thu) 17:42:10 |
【人】 旅人 J[前髪は短くし両目を出した。 幼さの残る二つ結びをやめ、 三つ編みハーフアップで髪を結った。 そうしてアイスブルーのドレスに身を包んだ女は 群衆の中心で両手を祈りの形に組み 暫く閉じていた目を開けた。] 共に戦ってくれること感謝します どうか勝利をあの人の手に [雇い集ってくれた兵士たちに加護を分け与える。 領地をただ踏めば兵力はそのまま奪われてしまう故 そうならぬよう全軍に対魔力を付与するのが ここ数日のつとめだった。 ジュダスの元で増した魔女の力。 彼の為になら使う事を女は厭わない。] (17) 2022/03/24(Thu) 18:54:09 |
【人】 旅人 J[だが少しふらりとしてしまう。 本来他者に与えていいものではないのだろう。 頭を振り、寝室に向かう。 泣いていないといいけれど。 戦地に連れて行くわけにはいかぬか弱き生命。] ああ、いい子。貴方は本当にいい子ね。 ……もう寝ちゃった。 [灰にも銀にも見える髪が僅かに生えてきたかわいい子。 乳を飲みげっぷを出しすぐ眠りに戻る我が子を 優しい眼差しで見つめていた。*] (18) 2022/03/24(Thu) 18:54:56 |
【赤】 旅人 J[場所を変え、体位を変え。 数えきれないほど嬌声を上げ 意識を何度も飛ばしたが 擦れた膣も枯れた喉も一時の眠りが癒した。 彼との性交はまるで獅子のそれのようだった。] ……! [教えてくれた以上のことは もう聞かせてくれないのだと思っていた。 自分の願いを彼は覚えてくれていたのだ。] (*119) 2022/03/24(Thu) 22:00:38 |
【赤】 旅人 J[シーツに包まる身体を寄せる。 知らなければよかったと言うのは 彼がその事実に傷付けられたということ。] ……。 私は聴きたいわ、貴方のこと でも、苦しい思いはして欲しくない…… 聴かせてくれるなら、お願いするけど ……辛くなったら途中で辞めてもいいわ [その顔が哀しげに見えたから、手を重ねようとする。 彼が自分のことを少しも好きでないのは知っているから そうされるのが嫌なようならやめておくけれど。 何を聴いても貴方から離れられる気はしないの。*] (*120) 2022/03/24(Thu) 22:01:41 |
【赤】 旅人 J[聞かされる過酷な境遇に胸を痛め 突然手をナイフで切った時には小さく悲鳴を上げた。 そうして聞かされた事実。] …………………………。 [私は暫く、言葉を失って。] (*127) 2022/03/24(Thu) 23:01:05 |
【赤】 旅人 J[生きることは苦痛だったと。 そんな人生を歩まなければならなかった原因は 父の不貞、無責任な行動にある。 そしてアンペールの罪は自らの罪、だから謝罪した。] 御免なさい。 [これは私のこと。] (*129) 2022/03/24(Thu) 23:01:17 |
【赤】 旅人 J[許されぬ想いと知っても 私は私を変えられなかった。その謝罪。] ……愛してるわ、兄さん [そう言って押し倒した。 気怠げだったのに悪いとは思うけど、 幾らか寝て体力のある私には敵わないだろう。] (*130) 2022/03/24(Thu) 23:01:34 |
【赤】 旅人 J[好きになった人が半分血の繋がった兄だったなんて。 兄はどういう気持ちで妹の想いを聞き どういう気持ちで妹を抱いたのだろう。 私の彼への想いは損なわれるどころか より強固なものとなった。 存在すると思っていなかった兄。 誰より強くて誰より格好いい兄さん。 私だけの特別なひと。 彼が苦労してる間のうのうと生きてきた私は 私が貰ってきたぶんの愛情を上乗せして より彼に尽くすと決めた。 アンペールのすべても取り返して捧げると決めた。 貴方が持つべきものだわ。 無能な私と違い、実力と運を掴み生き抜いた兄さん。] (*132) 2022/03/25(Fri) 8:08:42 |
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