灯守り 白露は、メモを貼った。 (a9) 2022/01/23(Sun) 2:34:37 |
【人】 灯守り 白露[ドア側の壁から場所を移した 今度はテーブルから一等離れた対角線上の場所 ドアから離れた、と言うよりは出入りも多くなってきたし、テーブルの辺りもどうやら賑やかになってきたので退避してきたと言うのが近いだろうか テーブルの辺りが賑やかになったのは、言わずとも立春様の和菓子が一役買っていた] (すごいなあ) [それを、どこか遠く眺めている わたしはと言えば、三種類の和菓子を選ぶことも出来ずに、もっと言えば自分から皿に乗せることも出来ずに、再び壁の花と化していた 元来、物事を決めることも主張することも苦手だったので、 お菓子の一つだろうと自分で決められなかった] (いつになってもお人形なの) [自嘲気味に笑ったけれど、きっと微笑みにしか見えないね] (66) 2022/01/24(Mon) 2:47:42 |
【赤】 灯守り 白露[物心がついた時から、わたしはお人形だった 真っ赤なベロアのカーテンがひかれたお部屋 大小様々な椅子が用意されているお部屋 そのお部屋の、 ハート のソファの上そこがわたしのおうちだった] (*85) 2022/01/24(Mon) 2:48:20 |
【赤】 灯守り 白露[お部屋にはわたしの他にも、たくさんのお人形がいた 輝く様な金髪の子、透き通ったガラス玉みたいな瞳の子、ちいちゃなお口の子、可愛い赤毛の子 みんな可愛いお洋服を着せられて、可愛らしく微笑んで、私たちは御行儀良く椅子に座っていた どうして? わたしたちがお人形だからよ 当然でしょう? たくさんの女の子がいたのに、お喋りの一つも溢れなかった だって、あそこはお部屋なんだもの お人形は喋らないでしょう? あら、 どうしてそんな顔をするの?] (*86) 2022/01/24(Mon) 2:48:51 |
【赤】 灯守り 白露[あの人は、きっとわたしたちを愛してなんていなかった いっそ狂気とも呼べるほどのあれは、執着心かそれとも… わたしたちの知ることではなかったようだ 可愛いお洋服を着て、微笑んでいたけれど わたしたちはいつも”捨てられる”恐怖と隣り合わせだった “捨てられる”のはあの人の気まぐれで、その方法だってその時の気分次第 わたしは運が良くて、お出かけ先から帰る途中に”捨てられた”けれど ゴミ箱に捨てられた子もいれば、寒いからと暖炉に放られた子だっていた 捨てたと思ったら、また拾い上げてきたことだってあったのだ ほら、わたしたちはお人形でしょう あの人にとっては、その程度だったのだと思う 癇癪をぶつけるのも、醜い欲をぶつけるのも、抱きしめて眠るのだって間違っていない 人にしなければ良いのだから] (*87) 2022/01/24(Mon) 2:49:22 |
【人】 灯守り 白露[ああ、わたしはどこからお人形だったのだろう 生まれた時からお人形だったのかもしれないし、お人形として生まれたのかもしれない そう思うほどに、わたしはわたしを”捨てられずにいる” そう、お菓子の一つも決められないほどに] (67) 2022/01/24(Mon) 2:50:09 |
灯守り 白露は、メモを貼った。 (a33) 2022/01/24(Mon) 2:51:59 |
(a34) 2022/01/24(Mon) 2:52:22 |
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