【人】 田臥 志麻[洗えば良くないか?と疑問に浮かんだ疑問は、 違った形で彼を肯定することになる。 もし汚してしまったシーツを顔見知りになった ハザマさんに綺麗に洗われていたりすれば、 きっと顔を合わせづらかっただろう。 それでも汚したシーツを焼却している頻度が、 多いことは知られているのだが……。 そこに至ってはもう観念している。 頻度を減らす、……ことは、出来そうにないから。] (50) 2023/08/09(Wed) 13:20:31 |
【人】 田臥 志麻[引っ越す際にもってきた志麻の荷物は意外と少ない。 ものにあまり執着しないのは元来の性格であり、 収集癖のようなものもない。 唯一拘っているのが下着ぐらいだ。 今やネットやクラウドシステムが主流になり、 殆どのものがサブスクで利用できる時代。 通勤中に音楽を聴いたり、空き時間にはアプリを ダウンロードしてゲームで通信したしたり。 ときには少し前に流行ったドラマを 動画配信サービスで一気見したり。 若者らしくスマホは手放せない生活は送っているが、 そんな志麻が引っ越してきて目を輝かせたのは、 大きなシアタールームである。 JPOPが好きな志麻は時折、その場所で アーティストのライブ配信を見たりしているし、 威優にも勧めたりする機会が増えている。] (51) 2023/08/09(Wed) 13:21:04 |
【人】 田臥 志麻[大守家は親族が多い。 それは以前に参加したパーティでも理解していたが、 まだ把握していなかった叔従母の名を出され、 威優が可愛がられていると聞けば目を細めた。 威優が海外留学していたのは叔従母の影響も あるのかもしれない。 国内に落ち着いていないからこその発想や、 センスに感嘆符を打ちながら勝手に好感度を上げて。 女系家族との紹介に、ぱち、と瞬いた。 なるほど、確かに当主も遺伝子の強そうな女性だった。] ……じゃあ、女の子産んだ方がいい? [性別は選べるものではないがなんとなく口にした。 それとも、威優のように男の子の方がいいだろうか? まだ、先の話ではあるけれど。 どちらにしても可愛がることには変わりない。] (52) 2023/08/09(Wed) 13:21:54 |
【人】 田臥 志麻[威優のように可愛らがれていることもあるし、 女系家族ではあるものの、 女尊男卑という感じではないらしい。 大守の中にはαだけでなくΩ性の人もいると聞く。 性別にこだわりがないと聞いたなら、 ふむ、と納得したように首を引いた。] じゃ、女の子と男の子がいいな。 オレ似の女の子と、威優似の男の子。 絶対可愛い。 [まるで確信を得たように言いながら、頬に口づけた。 兄弟はいいものだということを知っている。 親族は多くとも、今は母しか居ない威優の為に、 家族を増やしたい気持ちが前々からあった。 二人欲しいというのなら、望みのままに。 密かに意気込むのは心の中だけにしておこう。] (55) 2023/08/09(Wed) 17:31:02 |
【人】 田臥 志麻[威優の家族構成については知っているが、 実のところ、同棲に至っても尚。 彼の母親と対面したことはない。 大企業である社長をしているらしいこと、 出自は自動車会社の令嬢であること。 自身と同じΩでありながら雲の上のような存在だ。 早くに亡くなった父が厳しい人であったと威優は、 時々口にすることがあるけれど、 亡父に対しても、母親に対しても、 彼の口から悪口のようなものは聞いたことがない。 そういう風に彼を育ててきた母親ならば、 信用に値するだろうことは知れる。 多忙な彼女とのスケジュールが合い次第、 改めて挨拶をする機会を儲けようという話はしている。] (58) 2023/08/09(Wed) 23:05:17 |
【人】 田臥 志麻[ちなみに志麻の家族には既に威優を紹介済みである。 柔和な話口調の威優は、両親たちにも弟にも αの圧を与えることはなかったらしく、 優しそうな人ね、とウケがよかった。 番を作るつもりがなかった長男が、 相手を連れてきたことには驚いていたし、 身元の確かな大守であり、何よりも、 彼の誠実さが両親の心を打ったのだろう。 「番なんていらないって言ってた志麻が、まさか」 「結婚なんてするつもりないって言ってた志麻が」 「一生兄弟で暮らすとか、言ってた兄さんが」 口を揃えたように言う家族に咳払いをしながら。] ……まあ、そういうことだから。 [と、耳朶を染めていたのは隣の威優には きっと気づかれていただろう。] (59) 2023/08/09(Wed) 23:05:34 |
【人】 田臥 志麻[怒ったところを見たことがない父と、 厳しいけれどその分だけ、優しくしてくれた母。 Ωである志麻を兄として純粋に慕ってくれる弟。 自身がΩであるが故に、 掛けた苦労は計り知れない。 志麻の預かり知らぬところで彼らも、 糾弾されるようなこともあったかもしれない。 だからこそ、威優と一緒になると決めた後も、 家族を大切にしていきたい。 自身が選んだ相手を、少し誇らしげに。 家族に紹介するのは、面映ゆいながらも。 幸せで、胸が温かくなって。 家族の前で、並んで座るテーブルの下、 そっと威優の手を握ったのは記憶にまだ新しい。*] (60) 2023/08/09(Wed) 23:05:51 |
【人】 田臥 志麻[威優が現在の会社を選んだ理由を聞いた時、 志麻は笑っただろう。 母を支えたいという理由に目を細めて。 彼が母を、大事に思う人で良かった。 一緒になっても、きっと同じように 家族を大切にしてくれるだろうから。 家族に報告をしたという時にはまだ、 通い妻をしていたのでビデオ通話には参加していない。 威優からの報告で喜んでいたと耳にして、 彼をこのように育てた人に早く会ってみたいと 伝えれば、少し複雑そうな顔をされた。 威優の母だけでもなく、ご当主とも いつか顔合わせをすることになるだろう。 パーティで見かけた存在感を思い出して、 そちらは少し、覚悟が必要そうだなと感じながら。] (64) 2023/08/10(Thu) 20:08:20 |
【人】 田臥 志麻[結婚するということは、一人が二人になること。 二人になれば二倍付き合いも増えていくことになる。 自身の家族に威優を紹介しながら、 彼が不愉快な思いをしなければいいと考えていたが、 それも隣で見ている限り、杞憂に終わった。 名を大きくし続ける大守の昔ながらの評判は 自身よりも遥かに両親のほうが詳しく、 いい人に選ばれたわね、と両親は喜んでいた。 威優が提示した引っ越しへの提案も、 渋ることなく受け入れ、 いずれ子どもが出来るなら手が必要だろうと 寧ろ率先して意図を汲んでくれた。 家族からも、威優からも。 穏やかで温かな空気を感じて小さく唇を噛む。 手に入れようとしていなかったものが、 こんなに胸を熱くさせるとは思わなかった。] (65) 2023/08/10(Thu) 20:08:35 |
【人】 田臥 志麻[伸ばした手を威優が大きな手で包み込んでくれる。 家族の驚きに一つ一つ応えながら、 口約束だけのことまで謝罪の言葉を口にする。 うっかり涙腺が潤みそうになるのを堪え、 手を繋ぎ合わせたなら。] ……威優は、こう言ってるけど。 ちゃんと、オレの意志で選んだから。 威優と番になることも、結婚することも。 だから、これからは。 ……威優ともども、よろしくおねがいシマス。 [改めて、育ててくれた両親に頭を下げた。 新しい家族を作っても、 両親の前ではずっと子どものままだ。] (66) 2023/08/10(Thu) 20:09:08 |
【人】 田臥 志麻……莉ー久ー。 おまえには兄ちゃんが増えるんだからな? [妙に優しくて温かい空気を吹き飛ばすように、 物珍しそうに見る弟の視線を振り払う為、 わしゃわしゃと乱雑にかき混ぜる。 その日の夕飯は、 母お得意のチーズハンバーグにしてもらった。*] (67) 2023/08/10(Thu) 20:09:16 |
田臥 志麻は、メモを貼った。 (a4) 2023/08/10(Thu) 21:52:32 |
【人】 田臥 志麻[引っ越しを終えて一緒に暮らし始めてた後も、 借りたままのマンションは、時々、 荷物を引き取りにいったり掃除にと戻ることもあった。 いずれは弟が使いたいという話も上がっている。 目指している大学からは 少し距離があるんじゃないかと聞いてみたが、 どうやら、兄が暮らしていたという点が 弟いわく気に入っているらしい。 思った以上に懐いているな、と実感しつつ、 使うならば春先までは維持しておくべきだろうが、 その間にも着々と転職への準備は進んでいる。 週末は時間が取れる分、試験勉強に費やしている。 時々威優も家庭教師を引き受けてくれていた。 その話をすれば、弟も是非して欲しいと、 名乗りを上げたが返事は威優に委ねた。 もし彼が引き受けたのなら、 タワーマンションに慄く莉久の姿が見られるだろう。] (72) 2023/08/11(Fri) 2:38:40 |
【人】 田臥 志麻[弟と威優が仲良くなるのは吝かではない。 が、 ただでさえ威優も多忙であるのに 受験生の面倒まで見てくれとは言い難い上に、 その時間を自分に使って欲しい、 ]というわがままは、兄の建前上言えないので。 (73) 2023/08/11(Fri) 2:39:10 |
【人】 田臥 志麻[涙を堪えて挨拶を終えた後、 ワインでほろ酔いになった父の面倒を見ていれば、 威優はキッチンで母と仲良くやっているようだった。 キッチンでの会話はリビングには届くことは なかったが、ハンバーグを褒めていたので その感想などを伝えていたのかも知れない。 酒のほうはうわばみである志麻は、 ワイン一本ではまだ飲み足りない気分で居たが、 手土産を自分たちで空けきってしまうのも どうかと思い、量は控えめにして弟相手に ソーシャルゲームの手伝いをしていた。 『… 玉ねぎと パン粉を増や して入れて……、』途切れ途切れに母親と威優の声が聞こえる。 つれない息子よりも聞き上手な、 娘(?)婿のほうが話が弾むのだろう。] (74) 2023/08/11(Fri) 2:41:23 |
【人】 田臥 志麻[早々に家族の片鱗が垣間見れたような気がして、 思わず目を細める。 彼らが話している食卓の脇には、 いくつかの調味料が並べられていた。 目玉焼きには醤油派の弟と母、塩派の父。 ソース派である志麻の分も、今でも置かれている。**] (75) 2023/08/11(Fri) 2:42:30 |
田臥 志麻は、メモを貼った。 (a6) 2023/08/11(Fri) 2:55:06 |
【人】 田臥 志麻[試験勉強はそれほど苦ではなかった。 暗記モノであれば学生の頃の勉強法が今でも使える。 仕事以外で机に向き合うことなど、 大学を最後になかったけれど、案外。 そういった作業は好ましい方だと気づいた。 体調が物を言うのであれば、 威優との暮らしが心身ともに安定を齎しているのだろう。 弟の家庭教師を引き受けた威優の条件から、 ときどき弟が訪れるようになった。 月に一度、二度ぐらいの割合で。 威優が居なければこの広い家を持て余してしまうので、 客が来るのは嬉しくもあり、弟の顔も見れる。 実家に戻らずに弟にも飯を食わせることが出来るので 一石二鳥でもあった。] (80) 2023/08/11(Fri) 21:30:27 |
【人】 田臥 志麻[家事を覚えることを条件の一つにした威優のお陰で、 弟は実家でも少しずつ手伝いを始めているらしい。 買い物って意外と頭使うんだね。 という感想に笑いながら、成長していく姿を 見られるのは微笑ましい。 ハザマさんとも仲良くしているらしく、 弟の人懐っこいところは見習うべきかと思う。 四苦八苦しながらも、まだ慣れない家事のいろはを 覚えていく弟の傍らで様子を見守り、 威優が帰ってきたら「おかえり」と迎える。 二人だけで穏やかに睦まじく過ごす夜もいいけれど、 ときにはこんな騒がしい夜も楽しく。] (81) 2023/08/11(Fri) 21:31:09 |
【人】 田臥 志麻[……だけど、弟が寝静まった後。 たっぷりと愛されて散々啼かされた翌日に 朗らかな弟と顔を合わせるのはさすがに恥ずかしい。 フロアが違うとは言え、声が聞こえないかと ひやひやする反面、 その日は妙に盛り上がってしまうからタチが悪い。*] (82) 2023/08/11(Fri) 21:31:42 |
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