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【人】 惜別ハツナ[ つっかえたり声が震えたりはしなかった。 でも、手の震えは止められなくて それを隠すように、後ろで手を組んで。 怖かった。君との時間が楽しかったからこそ。 だって、何も言わずに、 友達のまま、君と話し続けることだって きっとできたはずだから。 ] (162) 2022/10/23(Sun) 22:12:55 |
【人】 惜別ハツナ[ それでもそれをしなかったのは 友達じゃ知り得ないことまで 君のことを知りたいって思ったから。 誰よりも君の近くにいたかったから。 ] (163) 2022/10/23(Sun) 22:13:18 |
【人】 惜別ハツナ[ いいよね、って一応聞く素振りだけは見せたけど 君がダメって言っても行くつもりだった。 だって、口約束で言ったって たぶん君は自炊しないんだろうし、 ちゃんと食べて欲しいって思うし、 私がしたいって思ってすることなら 別にいいよね?って思ってたんだ。 まさか君の脳内にも似たようなこと言ってる 私がいるとは思いもしなかったけどね。 ] (164) 2022/10/23(Sun) 23:21:48 |
【人】 惜別ハツナ[ 勿論、聞いてみたし、 案の定、ダメとは言われなかった。 多分普通ならダメって言われるんだと思う。 両親がダメって言わないのは きっと私を一人にしていることが 後ろめたくて、代わりに自由をくれてるんだ。 自由より何より、 私は大切な人との温かい時間が欲しかったのに。 ] (166) 2022/10/23(Sun) 23:22:44 |
【人】 惜別ハツナ[ だから、私が一般論から遠い場所にいるって。 それを知られて、君が何も言わなくなったら 私はもとからあまりなかった遠慮が 全くなくなっていくんだよ。 ] (167) 2022/10/23(Sun) 23:23:28 |
【人】 惜別ハツナ[ 翌日が休日の日とか 泊ってもいいかなって、聞くことすらあったよね。 それが叶うかは君次第だけど、 夜ご飯をいっしょに食べて 君に家まで送り届けてもらうことも 日常の一部になっていくんだ。 だから、君の家のキッチン、 いつの間にか私が使いやすいような 調味料の配置になってたりとかさ。 そんな変化だってあったかもしれないね。 ] (168) 2022/10/23(Sun) 23:24:11 |
【人】 惜別ハツナ[ 誰も祝福しない道でも 私と君が幸せなら、それでいいんじゃないかな。 私は、そう思っていたんだ。 どうせ君以外の他の人には 太陽の孤独なんてわからないんだから。 ] (177) 2022/10/25(Tue) 16:39:44 |
【人】 惜別ハツナ*** [ 君を振り回してる自覚はあった。 でも、嫌って言われないから嫌じゃないんだと。 都合のいいようにとらえていたんだよ。 私といることが幸せだって。 そう感じてくれてると思いたかったし、 私は君といる時間が幸せだった。 幼い頃には、こんな感覚当たり前だったのに。 いつしか私の手から離れた幸せの時間。 ] (182) 2022/10/25(Tue) 16:45:23 |
【人】 惜別ハツナ[ そう、小学校一年生くらいまでは 仕事で多忙のお父さんはともかく、 お母さんは家にいるのが当たり前だった。 当たり前、だったのに。 友人の連帯保証人になったせいで、 借金を返さなければならなくて。 そのために身を粉にして働いてるのが 今の私の両親の現状。 私が顔も知らない人のために 私が受け取るはずだった温かい時間は、壊れた。 ] (183) 2022/10/25(Tue) 16:46:01 |
【人】 惜別ハツナ[ 私の家、普通じゃないから。 人恋しいって思うのはきっと仕方ないでしょ? 泊まってもいい?って両親に聞いてみたって お友達と仲良くしてね、ってそれだけ。 恋人の家に、とは言ってないけど 言ったとして止められたのかすら怪しい。 ] しないよ。放任主義、ってやつなのかな。 ……私にかまってる時間、ないんだよ。 [ 直球の質問には、そう返して。 ] (184) 2022/10/25(Tue) 16:47:08 |
【人】 惜別ハツナ君だって、…………ううん。 なんでも、ない。 [ 普通から離れているのは君だってそう。 でも、私はそれを聞くのをためらってしまう。 だって、もし、聞いたことで この時間が終わってしまうのなら、……。 私は聞かなければよかったって思ってしまうから。 聞かないのは君のためじゃない。 私のため。 わがままだな、私は。 ] (185) 2022/10/25(Tue) 16:48:06 |
【人】 惜別ハツナ[ ひとりぼっちの二人が寄り添う晩御飯の時間も そこから帰るのも、私達の日課になった。 夜とはいえ別に一人でも大丈夫、って 言ったことはあったけど 私だって離れがたいから。 強く断ることはしなかったんだ。 ] (195) 2022/10/25(Tue) 23:34:02 |
【人】 惜別ハツナ[ 静かな夜道。 街灯と月明かりが、私達を照らしていた。 昼よりずっと心地いい夜の時間。 守るように車道側に立ってくれる 君に優しさに甘えきって、 その立ち位置が当たり前になってた。 ] どうしたの? [ どこかいつもと違う気配を感じて 私はほんの少し首をかしげて 君の言葉の続きを待てば。 ] (196) 2022/10/25(Tue) 23:35:36 |
【人】 惜別ハツナ[ 嬉しかった。 ほんとうに、嬉しい。 だって私……ずっとさびしかったから。 君がずっといてくれるのなら 私、きっとどんなことだって耐えられる。 それくらいに、君との時間が大切で。 何よりも君が大切だったから。 ] (198) 2022/10/25(Tue) 23:36:52 |
【人】 惜別ハツナ[ でも、倒れてる君を見た誰かが 悲鳴を上げたから。 急に思考がクリアになって 私はポケットに入れていたスマホで 慌てて救急車を呼んだ。 ] (204) 2022/10/25(Tue) 23:42:00 |
【人】 惜別ハツナ[ 私は君に付き添う事になったけど。 この時後悔することになるんだ。 君の家族のことを ちゃんと聞いておかなかったことに。 ] (205) 2022/10/25(Tue) 23:43:40 |
【人】 惜別ハツナ[ 私と君が運ばれた後に残された、 突き飛ばされた衝撃で落とした鞄。 色とりどりのペンに、 水玉模様のシャーペン。 陽だまりみたいな色のペンケース。 鞄に入ってたものが ばらばらに地面に散らばっていた。 ] (206) 2022/10/25(Tue) 23:44:36 |
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