【人】 朧广灯 リヒトーヴ- 楽園内 某所:直青。 - [ これは本当に彼なのだろうか。端末ではなく? 薬剤が届き、そして投薬が完了するまでの間>>144 機械はじっと一部始終を注視していた。 ] ……本当にあなただったのですね。 こちらこそ、稀有な記録に感謝いたします。 [ 握手に手を揺らしながら、 機械は二つ返事で薬剤を譲渡する。 用意があって幸いだった、と機械は合わせて安堵した。 ] ――まさか猫アレルギーだとは。 ともかく、ご無事で己も安心しました。 [ 小さな会釈を添えつつ、携えている眼を動かす。 360度、全方位をカバーするように己の視界を調整した。 所謂、索敵の補佐ぐらいにはなるだろう。 まだ彼との時間が続くことを、機械は予測していた。 ] (152) 2023/11/21(Tue) 18:18:01 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ――その問いは、機会を答えに窮させた。>>145 ] ……本来の己は、一介の監視システムです。 わざわざ自我を与えられるような存在ではありません。 "その認識"を持つ身から言うならば、 この自我そのものが、誤作動にも近しく。 結果、己は誤作動というものに疎くなった気がします。 [ 現在、保持している"正常な動作"の定義の大半は 機械を保有していた人類に与えられたものだ。 しかし、始めから仕組まれていた物と比較すると、 与えられた情報はあまりにも質が悪すぎた。 曖昧な目的と役割、それらを無数に吸収し、 それなりの指数を得られた事柄―― それが機械にとっての"正常"の基準となっている。 ] (153) 2023/11/21(Tue) 18:19:35 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ それでいうならば、と 機械は己の背後にある箱型装置へと顔を向けた。 ] これは、記録媒体です。 己がこれまで得た基準のソースがここにあります。 これとの接続を失った時が、己の誤作動かもしれません。 ……奇妙なことを尋ねるかもしれませんが。 あなたという自我は、 ご自身に不満を覚えることはありますか? やはりといいますか、あなた達は 己より高度な自我を持っているように見えます。 その自我と、最初に与えられた設定、 一体どのように両立し続けているのか――と。 * (154) 2023/11/21(Tue) 18:21:49 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 現在:楽園の端にて ― [ 機械は己の担当区域をヘローに預けてから、 この楽園の端へと足を向けた。 楽園の端とは、即ち外界に最も近い場所でもある。 長居はしないようにというインダラクスの旨に、 機械は予定時間を表して、通信を終えた。 端に近づけば近づくほど、動植物も数を減らしていく。 汚染の影響はそう避けられるものではない。 ] ……とはいえ、そろそろではあります。 資財も少しずつですが、揃ってきていますし。 [ 量産機であるヌエヌエの一部は、 常に楽園外から様々な物を収集および分析している。 その目的は多岐に渡るが、 敢えて『孔雀革命』として述べるならば、 一番の目的は「楽園を拡張するため」になるだろうか。 ] (168) 2023/11/21(Tue) 20:56:37 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 楽園を支える巨大な骨組みに触れながら、 厚いガラス越しに、機械は外界に視線を向ける。 視覚を用いた測量は己が得意とする作業のひとつだ。 色褪せた外界、そこに訪れる四季はとても淡い。 四季と呼んでいいのかも、定かではない。 ……ふと、機械は己の庭を振り返った。 次はどのような四季を運ぼうかと思案しながら。 ]* (170) 2023/11/21(Tue) 21:00:03 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 楽園内、某所:直青と ― [ 機械は静かにその言葉を咀嚼した。>>172 かつて、このような会話を交わしたことはあるが それに比べて、彼の説明は非常に丁寧だった。 少なくとも機械に向いた形をしていたのは確かである。 "己に初めから自我が存在している"という考え方は>>173 理解に少し時間をかけただろうか。 "後天的にAIとなった"という自覚があったために。 しかし「誤作動」と先の会話を呟くと、 曖昧ながらにも頷いてみせた。 機械は相手のように上手く説明できそうになかったが、 言わんとすることは恐らく見えた、と。 ] (185) 2023/11/21(Tue) 22:59:49 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 回想:メディウムの一件、その後 ― [ 機械はいつも通りの巡回を行っていた。 区画の入り口に立ち、ふと彼女を思い出す。 日頃、機械は誰かと生活を共にすることはなかった。 人間の生活と、機械の生活は全く異なるもの。 加えて、己の記録装置はどうしても場所を取る。 視界を切り替える。 意識に浮かぶのは今は研究所として存在する建物。 所謂、病院風の建物は今日も静かに佇んでいる。 機械が観測できるのは、ここまでだ。 予測ならまだ幾つかあるが、 結局のところ、機械が思うのはただ一つだった。 あの娘の不自由がこれ以上増えないこと、 ただそれだけである。 ]* (192) 2023/11/21(Tue) 23:42:12 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a47) 2023/11/21(Tue) 23:58:55 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……その通りですね。 彼らの能力や性質、その設計はとても興味深い。 後の時代のものとはこのような形なのだなと…… [ ……紡ぐ言葉の途中で機械は話を止めた。 本来の問いに答えていないことに気づいたからだ。 ] ――失礼。話が逸れました。 己からは、人らしさとも呼ぶ複雑さを内包しつつも とても明快な者たちに見えます。 彼らは、雷恩と桜花……己らの新人類のために この世界を再び開拓しようとしている。 『決定事項』でいう報復も含むかもしれませんが…… 結果から見れば、彼らは旧人類を排すことで あの二人を排斥から守っているのかもしれません。 (205) 2023/11/22(Wed) 1:30:36 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 機械は最後に「己とは近くも遠い発想です」と付け加えた。 機械は決して、人類を守っているわけではない。 しかし、それを敢えて明言するほどでもなく。 ] メディウム、あなたはどうですか。 あなたも彼らと幾ばくか話しているのでしょう? [ ……今度はそちらの番だ、と視線を送って。 いつかのように、相手へと話の中心を移そうとした。 ]* (206) 2023/11/22(Wed) 1:31:57 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 去り行く相手を振り返ることさえできず、>>203 機械はただ逡巡するしかなかった。 人真似をしても、機械の視界は変わらぬというのに。 それでも機械は辻褄を合わせるように 人の様に瞬きをし、表情を深く曇らせた。 是非、見解、沈黙。 問えば解が返って来るのは当然のことだった。 ましてや己らは"機械"である。 ――ならば、この 戸惑い は何だというのか。機械の片目が静かに閉じる。 監視システムの眼は、あらゆる"表面"を覗くもの。 それ以上の眼など持てる筈がなかった。 だが、―――― あぁ、親愛なる我が"友"よ。 ] (209) 2023/11/22(Wed) 2:29:38 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a51) 2023/11/22(Wed) 2:41:32 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……己は、これらを特別好きとは思っていません。 ただそれは、己から切り離せないものです。 そのように『設定』されたのだと言うのであれば、 確かに、そうなのかもしれません。 [ 機械は傍らに並ぶ記録装置を見た。 最早、ここより生じる設定でさえ無いかもしれない。 この自我を得るより前から、共に在ったのだから。 ] ……あなたはどうでしょう。植物は好きですか? [ 思えば、雷恩や桜花と違って、 彼らがここを好むような様を見たことはなかった。 決して多くの言葉を交わして来たわけでもなかったが。 瞬間、機械は己らが酷く不思議な ]生き 物に見えた。 (216) 2023/11/22(Wed) 7:03:52 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a53) 2023/11/22(Wed) 7:23:36 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ―― "Es werde Licht" 。 ……己の、最も古い記憶です。 それから己は"リヒトーヴ"となりました。 非合理の塊のような人物でした。 少なくない資材を投じて、己をここまでにしました。 『孔雀革命』も楽園も、何もかも本来あれの所有物です。 ……だというのに、全てを置いて姿を消しました。 [ "理解できません"と機械は語気を強めた。 その眼を細めれば、"不可解です"と。更に。 ] (268) 2023/11/23(Thu) 5:48:24 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ"親愛なる我が友よ"。 ――それが、あれの口癖でした。 己が友の定義を尋ねても、 まともな回答を得られた試しはありませんでしたが、 ……しかし、それは真実想っていたのだろうと、 …………不可解ながら、己は、未だ信じています。 * (269) 2023/11/23(Thu) 5:50:10 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ……ふと、機械は己の気づきに小さく笑った。>>269 己がそのような口利きをするのは、 あれが"創造主"ではなく"友"であるからだ。 友という定義が如何に曖昧であろうと、 己にとっての"法"を否定する力だけは充分らしい。 ] ……羅生。あなたにとっては、どうですか。 己に名をもたらした者、己という個を定義した者。 己を在らしめた『旧人類』のことを、 あなたはどう思っているのですか? [ 立場上、尋ねるべき話ではなかったかもしれないが。 であるなら、いずれかの真っ当な理由で断る筈と。 機械は物憂げながらまだ小さく笑っていた。 そのようなことを考える己は、やはり珍しかったから。 ]* (270) 2023/11/23(Thu) 6:28:54 |
(a73) 2023/11/23(Thu) 6:43:03 |
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