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【赤】 入江 修女というのは難しいしめんどくさい。 前に辞めた生徒…名前は、椎名だったかな。 あいつはもう飽きたから関係を切ろうとしたら すげーヒステリックを起こしたっけ。 それに比べりゃ浅見は利口なんだろうが それでもめんどくさいことには変わらない。 (*22) 2022/12/17(Sat) 23:53:41 |
【赤】 入江 修どうせ耐えきれずに帰ってくるのに どうもあいつは無駄な事が好きらしい。 俺はあいつがこの先向けてくる 大きすぎる感情を、侮っていたんだ。** (*23) 2022/12/17(Sat) 23:54:16 |
【赤】 入江 修資料室に浅見を呼ぶのをやめて数日 俺達の秘め事は外には漏れていないらしい。 流石というかなんというか。 本当に期待を裏切らないやつだと思う。 ただ一つ予想を裏切られたと言えば ごく一般的な教師と生徒を演じながら ひびだらけの平穏を営む内に 浅見が時折姿を消す日があったことだ。 (*24) 2022/12/17(Sat) 23:54:51 |
【赤】 入江 修まともに交流しようともしない。 そんな浅見の行方なんて誰も知らない。 浅見はどうしたと聞いても クラスの奴らは揃って首を傾げていた。 娘さんが学校に来ていません。 そんな連絡をしてみても親は知らんの一点張り。 最初こそ連絡をするようにしていたが 次第にそれも形式的なものに成り下がり 浅見を想う意義もなくなっていく。 (*25) 2022/12/17(Sat) 23:55:35 |
【赤】 入江 修誰も知るわけが無い。 堕ちるとこまで堕ちた女の行末なんて。 俺の思惑にハマり、 俺がかけた首輪を外せずに藻掻く有様も その結果地獄の釜の底に立ったことも まさか思うまい。 とんだくだらない逆恨み同然の憎悪の感情が まさか教壇越しに俺に向けられているなんて。 (*26) 2022/12/17(Sat) 23:55:52 |
【赤】 入江 修浅見との密会がなくなってからしばらく 先にその切れた糸を辿ってきたのは 俺ではなくやっぱり浅見の方。 想像した通りに事が進むと 警戒心が薄くなるのが人間の性。 何の変哲もない日常に擬態するように 互いにしか分からない暗号を口にされれば その本当の意味を理解しているのは俺だけだ。 (*27) 2022/12/17(Sat) 23:56:19 |
【赤】 入江 修この資料室に来るのも久しぶりな気がする。 ネットでなんでも書籍を引っ張れる昨今、 浅見の相手をする以外でこんな場所使いやしない。 資料室に入ると珍しく俺より先に来ていた浅見が 矢継ぎ早に本題を切り出すと 浅見の悪意に気づきもしない俺は ソファーに腰かけながら笑って 「おいおい、俺にして貰えなくて そんなに寂しかったのか?」 と浅見を煽る。 これからまた前のように俺の声で また秘め事に耽ることになるのだと。 (*28) 2022/12/17(Sat) 23:58:10 |
【赤】 入江 修「んん……って、おい、がっつきすぎ…、っ!?」 強引に唇を奪われると 流石に俺も驚いて離れようとするが いくら男女の体格差があろうとも 上を取られると押し退けるのは簡単じゃない。 いままでの比じゃない程の激しいキスに 俺が違和感を感じ始めた時には 何か塊が押し込まれて 無理矢理喉奥に流し込まれてしまっていた。 (*30) 2022/12/17(Sat) 23:59:58 |
【赤】 入江 修失うものがなくなったやつの狂気は 常人じゃ推し量ることさえできない。 目を覚ますと俺はソファーに寝ていたが その違和感に気づいたのはすぐのことだ。 両手と両足が、動かせない。 よく見れば縄が俺の肉に食い込んでいた。 もちろん犯人なんて一人しかいない。 (*49) 2022/12/19(Mon) 0:15:40 |
【赤】 入江 修耳元で囁く姿はまるで悪魔だ。 狩る側から狩られる側に落ちる恐怖を 俺は今、もっとも最悪な形で味わっている。 耳を嬲るなんて俺の教えていないことを 慣れた手つきでやられてしまったのだから。 「っはは、傑作だ…。 さんざん仕込まれた腹いせか知らねぇけど この期に及んで新しい性癖開拓か?」 俺が浅見に散々そうしてきたように その報復にも思えて仕方がない。 しかし身体は正直なもので 肌で感じた柔らかな感触が身体に熱を与えると ちょうど浅見の身体の下で ほのかに硬く主張をし始めてしまった。* (*51) 2022/12/19(Mon) 0:20:09 |
【赤】 入江 修浅見の親に連絡をした時に 親が俺に対して言ってきたのは うちのがすみませんという棘のある言葉だ。 子、と呼ぶことすらしないのか。 あの日から何度も続いた無断欠席も あの親は気にも止めやしない。 携帯も持たない浅見は 文字通り闇夜の中へと消えていった。 (*61) 2022/12/20(Tue) 17:50:34 |
【赤】 入江 修「はっ。他のオス共は リップサービスのやり方までは 教えてくれなかったのか。」 リップサービスは本来相手に悟らせないが 半端な男じゃできるわけもない。 俺以外に教えられるやつもいなくて 極端に腕だけ磨かれたその醜態は 人に恵まれなかったやつの哀れさそのものだ。 (*62) 2022/12/20(Tue) 17:52:48 |
【赤】 入江 修捨てられたと思った浅見は 地べたを這いつくばりながら ゴミ捨て場に流れ着いて 壊れたまま今此処に戻ってきている。 言葉の裏は知らないくせに 人間の裏側だけはよく知ったらしい。 「喚かせられるぐらいやってから言えよ。」 身体の主張とは裏腹に。 見下ろす浅見に向かって吐き捨てると 布越しに与えられる柔らかな感触に 俺は思わず顔を顰めていた。 (*63) 2022/12/20(Tue) 17:53:40 |
【赤】 入江 修「そんな、わけ…ねぇだろ…」 嘲笑う浅見を思わず睨んで。 だが検めるような唇と 弄ぶような指先に身体が震えてしまう。 触れる髪先が 女豹という嫌な意味で 浅見をいい女に仕立て上げていた。 (*64) 2022/12/20(Tue) 17:54:30 |
【赤】 入江 修その言葉に説得力がないことは 浅見も分かっているらしく。 こっちが崩れるのを待ち侘びているのか、 両手で包み込まれ舌先をあてる仕草を まるで見せつけるようにやってくる。 自分の女としての良さを自覚してなきゃ できないやり方だ。 手つきもそうだが、それ以上に 立ち振る舞いや空気が変わっていた。 (*65) 2022/12/20(Tue) 17:55:34 |
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