【人】 龍之介── 裏の森 ── [木々の合間を縫い、道なき道を進む。 ミクマリ様の水源を護る 大切な森だから 立ち入らぬよう言い伝えられていて 中の様子について、耳にしたことは無い。 どんな果実があるのか?とか どの辺りに?とか まるで分からぬまま宛もなく探し続ける。 足元や頭上に必死に目を凝らして 実だけでなく 葉の形や枝ぶりなども 確認するけれど、目ぼしいものは見当たらない。 (喜ぶ顔が見たいのに、な…) 時間ばかり食ってしまっているのが 灯した蝋燭の減りで分かる。 もう二本目も半ばになってしまっていた。] (118) 2021/06/21(Mon) 21:30:53 |
【人】 龍之介[休憩を取る間も惜しい、と お屋敷に準備して置いてきたものと同じ>>64 小振りなおむすびを 口に放り込み、頬張りながら 歩き、薙ぎ、くぐり、歩き、見上げ… 探す。 具に選んだ 胡桃と甘い味噌の香りが 鼻を抜ける時、あーんと口を開く お姿が思い浮かんで 焦りに塗りつぶされた表情が、ほんの少し緩む。 普段はそっけない態度を取られる御方だけれど、 時折、ぽろりと見せてくださる 溢れるような笑顔は 筆舌に尽くしがたいほど可愛らしい。 豆乳寒天を召し上がられた時とか、…特に堪らなかった。 (これも、お好みだといいのだけれど…) と、考えて 反応が見れないことが、 なんだか無性に 淋しく なった。] (119) 2021/06/21(Mon) 21:31:05 |
【人】 龍之介[けれど、 龍之介の気持ちとは裏腹に 時間ばかりが無為に過ぎ去っていく。 焦るあまりに ひとつだけしか口にしなかったから、 疲れた時に食べようと 自分用に準備した”梅干しおにぎり”を お屋敷に置いてきてしまったことにも気づけなかった。]* (121) 2021/06/21(Mon) 21:31:57 |
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