【人】 生物学者 アマノ【自室】 [苛々する。ああ、苛々する。 理不尽な事象と、その理不尽と戦おうとしない友の姿勢と、あれやそれやに腹を立てながら、俺は自室へと戻ってきた。 ラサルハグにコーヒーメーカー云々聞かれた >>88 から、そういえばと思い出したゆえだ。] ────見事に直っているな。 ゾズマの手際の早さは実に素晴らしい。 [正直、これが直ってくれないと作業効率が格段に落ちるところだった。 一般流通している最大手メーカーのコーヒーサーバー──それこそ、この船の食堂にも置かれている──は非常に堅牢な反面、常に75点、すなわちぎりぎり及第点クラスの旨さを提供してはくれる。] (125) 2022/07/10(Sun) 6:07:45 |
【人】 生物学者 アマノ[だが、俺はそこそこ壊れやすい代わりに90点以上の旨さのコーヒーを抽出してくれるこのマイナーメーカーのサーバーが気に入りだった。 研究室に訪れる輩たちがやたらとコーヒーを飲みたがるのは、意識的にかあるいは無意識でか、このコーヒーを旨いと知覚しているからに違いない。 豆もそこそこの品質のものを持ち込んでいるしな。 それは積み荷の重量制限が緩い研究者ならではの特権乱用でもあって。 飲みたければ飲めと研究室の来訪者に対し鷹揚に構えているのは、それを後ろめたく思っているわけじゃなく、俺の鷹揚さゆえのお話だ。 そういえば、チャンドラがコーヒー云々で羨ましがっていたか……と思い出し。] あー────医務室、行くか。 [俺は直りたてのサーバーからコーヒーを1杯口にした後、ふらりと部屋を出たのだった。] (126) 2022/07/10(Sun) 6:09:16 |
【人】 生物学者 アマノ【医務室】 数日、放り投げていて悪かったな。 ここまでは出来ていたんだが。 [RUKKA-Vの培養が佳境だったんだ許せ、と、俺はチャンドラに小瓶を渡す。 食欲を唆るとは到底思えない焦げ茶色の液体に含まれているのは各種アミノ酸にビタミン、所定の成分のみを抽出した脂質、人体に有益な範囲内でのカフェインetc。 とぷんと揺れる液体は、絶妙に飲みにくそうな粘度があり、ぬらぬらと照り輝いていた。] ────これに、この分量の蛋白質と炭水化物を加えればいい。 [チャンドラに手渡した紙片には、赤線つきの数値が様々並んでいる。 それは、完全栄養食云々と言い出した彼 >>100 の相談に乗った結果の報告だった。] (129) 2022/07/10(Sun) 6:54:33 |
【人】 生物学者 アマノ[しかし俺は、コーヒーと酒にこそうるさいが、他に口にするものとなると全くの無頓着。 栄養は大事だ。 生命維持にも勿論、脳の活動に支障を来すことがあってはならない。 けれど、食事の時間を快適に、だとか、ましてや菓子をつまみながら歓談云々という行為の楽しさは俺には今一つ理解できないでいた。 あれは、スピカ >>97 だったか。 彼女はお茶だなんだと、職種の近いゾズマらと休憩時間を楽しんでいる風な光景を幾度かは目にしているけれど、仕事中の栄養補給なんざ、それこそ"完全栄養ドリンク"1本あればそれで事足りるのではと俺は思っている。 たとえそれがぬらぬらとした茶色い泥水だったとしても、だ。] ────まあ、それでも、いくらか飲みやすくする調整は必要かもしれないな。 [そこはチーフコックを担うゲイザーの役目だよと、俺は肩を竦めたのだった。**] (130) 2022/07/10(Sun) 6:55:45 |
【人】 生物学者 アマノ【カウンセリングルーム】 [今日の俺は我ながら精力的だ。 医務室を訪れた >>129 その足で、俺は近場にあったカウンセリングルームにも顔を出した。] サダル。 今、いいか? [俺より年若のこのカウンセラーと、親密に話した記憶はついぞない。 誰かに相談して解決する"お悩みごと"など、俺には無縁の存在だったし、ゆえにカウンセリングなど、俺にとって必要なものではなかった。 雑談相手? そんなものはますます必要ないものだな。 サダル側も、おそらくそう見ていたのだろう。 "来る者拒まず"な風ではあるこの男、あちらから俺に何かを問うてきたりする機会はこれまで存在しなかった。] (131) 2022/07/10(Sun) 7:17:46 |
【人】 生物学者 アマノあー……サダル。 解決策がどこかにあるかもしれないのに、本人にやる気が無くて、てめぇで勝手にずぶずぶ沈んでいく奴が居たとして。 ────他人である俺は、何て声をかけるべきだと思う? [自分を救えるのは結局、自分にしか出来ない事。 周囲が出来ることなんてたかが知れてると、俺は解ってる。 解ってるからこそ、俺は、"カウンセラーの一言"にさえ、縋りたくなってしまったのかもしれないな。**] (132) 2022/07/10(Sun) 7:19:10 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a41) 2022/07/10(Sun) 7:20:47 |
【人】 生物学者 アマノ【そういえばの今日の飯】 [俺は何しろこんな嗜好 >>130 なものだから、食堂は億劫な場所でしかない。 誰かと会えば話をしないでもなかったが、時にはそこに割く時間も思考回路も惜しいタイミングだったりもするもので、意図せず憮然とした対応になってしまうこともままあった。 "こいつはそういう奴だ"と先方が割り切ってくれれば問題ないが、そこに至るまでの過程もまた、面倒に思うものであったわけで。 そんな背景もあり、何かと俺の頼みを聞いてくれたバーナード >>81 は、彼が自覚していた以上に俺の助けになっていたのだった。] ────あ。 [そして今日も船内の廊下ですれ違う。 ふわふわと今日も常通りに機嫌の良さそうな笑みを浮かべている男に。] (146) 2022/07/10(Sun) 8:59:17 |
【人】 生物学者 アマノちょうど良かった。 手すきの時でいい、食事、持ってきて欲しい。 [白身魚か鶏肉があればそれを。何か野菜もつけて。具沢山スープがあるならなお良い。 毎度端的な指示だと我ながら思うが、彼の選択は不思議と俺の意を正しく汲んでくれるものばかりで、そこも有り難く思っていた。 ルヴァも頼めばやってはくれるんだがな────なんと言うか、ルヴァは色々と、雑だ。 例えば、種類豊富な焼き野菜盛りと山盛りの豆が選択肢にあった場合、前者を正しく選ぶのがバーナード、ノリで後者を選ぶのがルヴァ。 気の合う合わない以前にバーナードを重用したくなるのも、仕方のない事だろうと思う。 それは朝飯なの昼飯なのと問う声が聞こえたが、どっちでもいいさと俺は片手をひらひらさせながら答えたのだった。**] (147) 2022/07/10(Sun) 9:00:16 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a49) 2022/07/10(Sun) 9:04:14 |
【人】 生物学者 アマノ【カウンセリングルーム】 ────ああ、ありがとう。 ではコー……茶、で。 [サダルの言葉 >>192 への返答が不自然に間延びしてしまい、誤魔化すように口籠もる。 条件反射のように好物のコーヒーをと口にしようとして、でも何も自室の外で"75点"のものを飲まなくても良いんじゃないかという打算が無意識に働いてしまう計算高い己が、こういう時には若干忌々しくもある。 まあ、俺は、本当は紅茶派なのにコーヒーを飲み続けるという悪趣味は持ち合わせていないけどな。 そして部屋の雰囲気にも話の内容にも全くそぐっていない風に見えるペロペロキャンディについては、丁重に無視し続けることにして。] (211) 2022/07/10(Sun) 16:12:53 |
【人】 生物学者 アマノ[意外にも────と言ってはプロフェショナルに対して大変失礼な物言いになってしまうが、サダルがくれた言葉は悔しいほどに説得力があった。] …………"声をかけるべきでは、ない"。 [鸚鵡返しにぽつりと返す。] ────ああ。そうだな、俺はずっとそうしてきていた。 あいつのあの大怪我でさえ、あいつの側から理由を話さないのなら、俺側から聞くものでもないと思っていた。 [目の前に座るカウンセラーへの説明のために口にしたことじゃない。 それは単なる独り言だったが、"あいつ"が誰を指しているのか、思いのほか聡いカウンセラーはきっと気付いた事だろう。 2年前だったか。 次に帰港したら酒を飲みに行こうと約束していた奴は、病床の住人になっていて。 大丈夫なのかと問うたら、問題ないと言ってきた。 だから俺はそうかと頷いて、その時も、それからも、それだけだ。] (212) 2022/07/10(Sun) 16:13:57 |
【人】 生物学者 アマノ君は君が思う以上に敏腕なカウンセラーだ。 ────指標が見つかったように思うよ。 礼を言う。 [柔和な表情と同じく、彼の声音はとても穏やかだ。 船内で時折見かける彼は、おどけたような仕草を見せている事がままあって──そして猫がどうの音がどうのと俺にとっては欠片の益も感じられない話をしていたという事もあって──、俺は総じて彼を胡散臭く思っていたわけだが、それは彼なりの対人技術でもあったのだろうと、今なら思う。] (213) 2022/07/10(Sun) 16:14:55 |
【人】 生物学者 アマノ────覚悟があれば良いってことだ。 中途半端じゃなく手を伸ばす、覚悟が。 [カウンセラールームからの去り際、そう言って笑ってみせれば、サダルは"珍しいものを見た"みたいな顔になったりしたのかもな。**] (214) 2022/07/10(Sun) 16:16:10 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a60) 2022/07/10(Sun) 16:25:44 |
【人】 生物学者 アマノ【研究室でバーナードを待ちながら】 [────まあ。俺だって、いくらかは申し訳ないとは思っている。いくらかは。 バーナードに対し、あれ持って来いこれ持って来いと、ここ数日間は特に散々やらかした。 挙げ句、数食分溜まってしまった皿をまとめて食堂へ返却して貰ったところ、ゲイザーから小言をくらってしまったらしい。 さすがにそれは心底申し訳ないと思ったから、以後、皿の返却は自分でしようと心を改めたところだ。改めたばかりで、まだ実行できてはいないけれど。] (221) 2022/07/10(Sun) 17:38:34 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a61) 2022/07/10(Sun) 17:43:46 |
【人】 生物学者 アマノ【展望デッキ】 [多分、ラサルハグは多くを語りたくはないのだろう。 語りたくない奴が、自ら進んで俺の部屋に来るわけもない。 だから俺は食堂で(具体的にはゲイザーに)無理を言って作ってもらったシューアイスを傍ら、ラサルハグの自室を目指し────ふと思い立って展望デッキへと足を向けた。 なんとなく、奴はそこに居る気がして。] (240) 2022/07/10(Sun) 19:57:02 |
【人】 生物学者 アマノ────ビンゴ。 [呟いた俺の視線の先には、見慣れた背中。] "食後のデザート"だ、受け取れ。 [無理言ってランチ用に支度されていたシュークリームを液体窒素で急速冷凍させるという荒技で作って貰ったシューアイス。 本来それ用に作られたものとは食感等々違うだろうが、宇宙空間で食べるスイーツとしては存外悪くないものだろう? シューアイスで"乾杯"だなんて今ひとつ絵にはならないが、そんな事に頓着する俺ではないし、ラサルハグでもないだろう。] (241) 2022/07/10(Sun) 19:57:38 |
【人】 生物学者 アマノ…………で? お前は、また宇宙を飛びたいの? 飛びたくないの? ────飛びたいと言うなら、俺は助力を惜しまない。 [嘘は言うなよ。 本音を言え。 髪の色こそ違えど、同星系出身由来の良く似た色の瞳から目を逸らさずに、俺は告げた。**] (242) 2022/07/10(Sun) 20:01:00 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a64) 2022/07/10(Sun) 20:09:31 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a66) 2022/07/10(Sun) 20:12:04 |
【人】 生物学者 アマノ────そう、か。 それを聞いて安心したよ。 なら俺は、いくらでも足掻くことができる。 [一番怖かったのは、ラサルハグ自身が飛ぶ事に背を向ける言葉を吐くことだった。飛びたくない奴に立派な羽根を与えたところで、羽ばたく術は無いのだから。 だから俺は漸くに強張っていた肩の力を抜いて、ふふ、と静かに笑うことが出来たのだった。 "叶わない可能性"だ?そんなの、100%で無ければどうにでもなる。いや、たとえ100%であっても、道が全て消えたわけじゃあない。] (258) 2022/07/10(Sun) 20:56:05 |
【人】 生物学者 アマノ星が持つ重力に干渉を受けない宇宙空間での研究をしたかった俺に、「諦めるな」と言い、ここまで連れてきたのはお前だ。 そのお前が諦めてどうする。 ────今度は俺が言わせて貰う。 「諦めるな」 [足枷になっているのは、義足所持者ゆえの宇宙船免許更新だというのは想像がつく。というかそれしか考えられない。 なら、移植なりなんなり、"生体による義足"であれば問題は無いのだろう? 俺は、ラサルハグ自身が告げられていた解決策 >>143 の存在は知らねど、同じ結論に辿り着きつつあった。ただし、俺ならではの、別の方法で。] お前の左足の細胞から右足部位のみを培養蘇生する。 俺なら、できる。 [は?そんな技術は確立されてない? だから、"俺ならできる"と言ってるんだ。**] (259) 2022/07/10(Sun) 20:58:49 |
アマノは、ラサルハグに、ふ、くく、貰うよ、と手を差し出した。 (a73) 2022/07/10(Sun) 21:37:56 |
【人】 生物学者 アマノ────まあ、無理はしないよ。 [でも、これまで何の道筋も見えていなかったRUKKA-Vの培養方法が確立されつつある。 量が得られるようになれば、検証は多岐試せるようになるし、他の研究員に任せられる部分も増える。 3日間寝ずの番みたいな無茶も、今後はそう必要は無いはずで。] ああ、組織採取の注射は俺、上手くないから覚悟してくれ。 [生体培養は本職ではないから痛かったらごめんなと肩を竦める俺は、もうすっかり元のペースを取り戻していた。**] (271) 2022/07/10(Sun) 21:46:22 |
アマノは、や、さすがに注射はチャンドラに頼むか……[ぶつぶつ] (a74) 2022/07/10(Sun) 21:46:52 |
【人】 生物学者 アマノ【昔の話】 [ラサルハグと俺は、星系工科大学の同期生だった。 同級生なのに3歳の年の差があるのは、俺が美術系に興味があるだの天文学を極めたいだの、入学前にふらふらと遠回りしまくっていたからだ。 当時、移り気ばかりだった──むしろ移り気しかなかった──俺が腰を落ち着けたのは、新入生対象の星間ワープ航法の体験会で見た星空の、壮絶な冷たさと硬質的な美麗さに魅了されたから。 それは、どんな前衛芸術よりも、どんな机上の理論よりも、美しい姿だった。 ────まあ、俺はその後も移り気を発揮して、宇宙を駆ける船をどれだけ早く遠くに飛ばすかという方向に夢中になってしまったわけだけどな。 対してラサルハグは、徹頭徹尾、"自分が船を飛ばす"事にだけ目を向け続けていた。 俺は多分、そんなラサルハグの真っ直ぐな視線にあの頃から憧れを抱いていたんだ。] (272) 2022/07/10(Sun) 21:48:43 |
【人】 生物学者 アマノ────これ、クリスマスプディング、って言うらしい。 お前、食べる? [それは確か、俺の所属するゼミでの冬期休暇前の打ち上げで配られた品だった。 俺は甘味にそれほど興味が無かったし、対して奴はああ見えて甘いものが好物らしかった──学食の定食についてくるデザートを眼を輝かせて食うのが毎度の事だった──し、捨てるくらいなら?くらいの軽い気持ちで渡したそれ。 まさか今でもまだ覚えてるなんて、思ってもいなかったけどな。**] (273) 2022/07/10(Sun) 21:49:50 |
【人】 生物学者 アマノ【研究室/いつかあったであろう日】 [オートクレーブの故障は困る。 いや、どの機材も壊れれば困るものばかりだが。] 圧が、足りない……。 [減圧加圧を繰り返す実験中、その圧の調整がつかないではどうにもならず、そしてどうも宇宙船の空調にも不具合が出ているとかでこの日の船内は少しばかりざわついていた。 このままでは今日の実験体は廃棄処分か、と肩を落としかけたところで現れた救世主がスピカ >>265 だった、という次第。] お、おう。 ────いや、助かる。 [確か彼女は管制官だったはず。 スピカがメカニック的技能をも持ち合わせているのだと知らなかった当時の俺が不安気な視線を送る中、慣れた手付きで工具を操る彼女は、瞬く間に不調の原因を突き止め、驚くほどの短時間で修理を終えてみせたのだった。] (275) 2022/07/10(Sun) 22:02:04 |
【人】 生物学者 アマノ手数かけてすまなかったな。 あー────コーヒーでも、飲んでいく……か? [俺が管制室に足を踏み入れる事は皆無だ。 そして彼女が多く出入りする食堂もまた、俺が多く足を向ける場所ではなかった。 更に言えば、俺は"雑談"なるものがひどく苦手で。 絞り出すように告げた言葉がコーヒー云々だった……というわけだ。**] (276) 2022/07/10(Sun) 22:02:52 |
(a75) 2022/07/10(Sun) 22:07:33 |
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