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【人】 宮々 蓮司それは、直接治療を受けた者と、その影響を受けた者の違いだったのか。二人が記憶を取り戻したタイミングは違っていた。 その戻り方も。 だけどそんなことは些細なことだった。 大事なことは、今また二人は恋人になっていて、そして全てを取り戻したと言うこと。 「 ん、次の日には。」 治療をして、恋心も記憶もなくして、それでも瀬里と恋人になって、それからここで一夜を過ごして。 それから自室に戻った、その次の日。 一気に全てを思い出せたわけではなかったけど。 (3) 2022/05/31(Tue) 12:58:28 |
【人】 宮々 蓮司約束はちゃんと果たされた。 お互いに何があっても、 たとえ恋を失っても、またお互いに恋をする。 「 瀬里、…… 一緒に暮らさないか? これから先、……ずっと。」 怪訝そうな表情が緩んできて、よく知る幸せな笑顔≠ェそこにあったから。 そう、俺たちは上手くいったんだ。 手紙に書いた言いたいこと それを愛しい瀬里に告げたのだった。* (4) 2022/05/31(Tue) 13:00:26 |
【人】 宮々 蓮司瀬里の幸せな笑顔。 それが見られる幸せを噛み締める。 抱きついてくる瀬里を抱きしめ返して、小さくチュっと唇を触れさせる。 「 俺もだ、 大好きだ、瀬里。」 運命という言葉を使うのなら、 きっどこの広い世界で出会えたことが運命なんだ。 互いに恋をすることは、そう、当たり前≠ネのだから。 (9) 2022/05/31(Tue) 19:40:45 |
【人】 宮々 蓮司昼間でも眼帯をすることはなくなった。 強い陽の光の下でも、それに負けることがなくなったから。 祖父曰く、恋天使の力が強くなったのではないかということだった。元々、宮々の中ではかなり力の弱い方だったのだけど。 ただ、そのせいで恋熱病の症状が強くでたのではないかとも。 「 羽はここにちゃんと。」 左目を指で大きく見開いて瀬里に見せる。 目の奥に、恋天使にしか見えない白い羽。 家の人間以外にそれを知っているのは瀬里だけ。 「 皮肉だよな。 半人前が一丁前になったおかげで、 変な病気になったのなら。」 恋熱病はアレルギー反応のようなもので、恋天使の力が強いほど症状が悪化するらしい。それでも普通の恋天使にとっては一時的な風邪みたいなものらしいけど。 今の蓮司は、宮々の本来の水準にあるらしい。 (13) 2022/06/01(Wed) 8:17:28 |
【人】 宮々 蓮司「 俺、会社を起こそうとしてるんだよ。」 続けて、そんなことを口にする。 それは瀬里と結ばれてから思い立ったこと。 「 恋天使だけでなく、 他にも縁を求めている人のために。」 それはまだ、どういう形なのか薄らとだけしか見えていないけど。 白羽トラベルのように、縁を結ぶ手助けになれればいいと思っていた。 「 どうかな。 そもそもビジネスとして成り立つか、 っていうけねんもあるんだけどな。」 どこか、不安というか少し恥ずかしそうに、そんなことを話していた。* (14) 2022/06/01(Wed) 8:18:16 |
【人】 宮々 蓮司役に立ちたいと言ってくれる瀬里に、俺は小さく頷く。 陶芸家の雨宮瀬里はきっと要らない。 お人形のような可愛らしい雨宮瀬里も。 あんな瀬里も、こんな瀬里もきっと要らない 「 ただ、そばにいて欲しい。 お前がいてくれるから、 俺は自分に自信を持てるんだ。」 どんな瀬里≠熾K要ない。 ただ、何者でもない瀬里≠ェそばに居てくれればいい。 役に立つなんて必要はない。 役に立っても立たなくても、俺には瀬里が必要だから。 (19) 2022/06/01(Wed) 15:11:24 |
【人】 宮々 蓮司賑やかな街角で手を繋いで二人。 俺の左隣には瀬里がいて、瀬里の右隣には俺がいる。 「 ではお姫様、 どこへ参りましょうか? 」 指輪は決めた。 さて、今日のデートはどこへ行こうか。* (20) 2022/06/01(Wed) 15:11:52 |
【人】 宮々 蓮司朝、起きた時に瀬里の顔が最初に視界に入る。 夜、瀬里を腕に抱いて眠りにつく。 週末デート≠ヘなくなったけど、 時間が合えばデートもするし、 二人でただのんびりと時間を過ごす日もある。 新しい住まいは段々と二人のものが増えていく。 お揃いのもの、お互いだけのもの、それぞれの日常が重なり合う。 それが何よりも幸せだと感じる。 (23) 2022/06/01(Wed) 19:49:58 |
【人】 宮々 蓮司それが全部叶えられたからわからない。 だけど、瀬里の語る夢を俺はひとつひとつ実現していく。 あの時、お見合いに集った面々の一人一人に連絡を入れて。 一人一人の都合を合わせて。 もちろん、来られない人は仕方がないけど。 叶えられるものは、全て叶える。 叶えてみせる。 (33) 2022/06/02(Thu) 17:31:55 |
【人】 宮々 蓮司厳かな聖堂。 タキシードを纏った俺は、花嫁と一緒。 ウェディングドレス姿の瀬里は綺麗≠ネんて言葉では足りなくて、いや、どんな言葉を尽くしても言い表せない。 淡いブロンドの髪と、白いドレス。 そこ眩しさに思わず目を細める。 もう左目は何でもないのに。 ─── ああ、俺の花嫁は世界一綺麗だ。 (34) 2022/06/02(Thu) 17:32:41 |
【人】 宮々 蓮司「 知ってる。」 素気ない返事。 でもその顔は幸せそうに微笑んでいる。 そんなジンクスは二人に必要ない。 それどころか、そのジンクスの裏付けを今から二人で行うのだ。 (35) 2022/06/02(Thu) 17:33:06 |
【人】 宮々 蓮司お前が好きだと言ってくれたこの左眼。 今はお前しか写っていない。 この一瞬も、次の一瞬も、片時も逃さずにずっとお前を見つめている。 お前を選んだ。 二度、お前を選んだ。 自分で思っているよりも、遥かにお前を求めめいた。 それは今この瞬間も同じ。 だから、今が一番の幸せでも、 明日もまた今まで一番の幸せが訪れる。 お前が居て、俺が居るかぎり、ずっと。 (39) 2022/06/02(Thu) 20:22:36 |
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