【人】 夢中 ユメカワ【???】 >>11 ライカ 「──おはよ、夏彦。」 ずっと君を待っていた。 ずっと、またこうしておはようを言える日を待っていた。 もう戻らないと思っていた日々が、戻って来た。 「…調子はどう?俺、今度は上手くやれたのかな……」 ひとりの生者は去って、今は生きていない者ばかりの教室の中。 周りに広がる光景が大した事じゃないみたいに、 けど、君の様子に少しだけ気兼ねしたように。 きっといつも通りの姿で、いつも通りに君に笑い掛けた。 夢見るいろは確かにそこにあって、きっと夢ではない。 夢の中に、その先に生きる者にとっては。 今ここにある永遠こそが現実だ。 (14) 2022/07/17(Sun) 1:55:21 |
ユメカワは、きっと笑っていた。 (a24) 2022/07/18(Mon) 4:31:51 |
ユメカワは、昔からなんにも変わらない。これまでも、これからも。 (a25) 2022/07/18(Mon) 4:32:31 |
【人】 夢中 ユメカワ【???】 >>20 ライカ ほんのわずか、途切れた言葉には一度首を傾げかけて。 それから、続く言葉には、やっぱりどこかいつも通りの延長線上。 そっか、なんて零して、けれどほんのすこし安堵の息を吐いて。 「ん、………」 ふと視線が合わされば、懐くような腕に引かれるまま。 そっと顔を寄せ合って、触れ合う温度は確かにそこにある。 これからもずっと。 それが何であったとしても、形のないものが今もなお君を苛むなら。 これから何度だってこうして遠ざけてしまおう。 今は確かに二人こうしてここに居るのだから。 きっともう、離れ離れになる事だって無いから。 (21) 2022/07/21(Thu) 8:38:55 |
【人】 夢中 ユメカワ【???】 >>20 ライカ 「……うん」 何の憂いも無く、いつかの日々の続きを、君と一緒に居られる。 たったそれだけの事が、どうしようもなく嬉しくて。 たったそれだけの事が、あんなにも難しかったから。 やっぱり自分ってどうにも単純な人間だ、なんて思いながら。 やっぱり自分は君の事が好きで仕方ないらしい、とも思って。 今この心の内を満たす喜びを、上手に言葉にできる気はしないな。 だから、添えるように君の背に回した腕に緩く力を入れて。 もう少しだけ、擦り寄るように肩口に顔を埋めて。 微睡みの中に居るような心地良さに、息吐くように笑みを零して。 きっと暫しの間、そうしていた。 (22) 2022/07/21(Thu) 8:39:35 |
ユメカワは、しあわせだ。 (a37) 2022/07/21(Thu) 8:39:43 |
ユメカワは、離れ際。そっと君に囁いた。 (a38) 2022/07/21(Thu) 8:40:28 |
【赤】 夢中 ユメカワどこかで出席を取る声が響くころ。 「先生」 あなたと最初に出会った時と同じように。 今はまだ数少ない、あなたを先生と素直に呼び慕う生徒の一人は この時も、やっぱりひょいと顔を見せた。 夜闇はもう随分と薄れてしまって、 生者の時間にほど近くなりつつあるけれど。 曖昧な色は、今もまだ白日夢じみてそこにある。 「……みんなは、呼べなかったね。」 名簿の空欄がひとつ埋まっても、全員にはならない。 飽くまでも、全員、というのは努力目標ではあったのだけど。 とはいえやはり、そうなれば良いと思っていたのも確かな事で。 そうはならなかった理由が、ただ時間の制約だけであれば。 少々強引なやり方をしてでも、今すぐに解決していただろう。 けれどそうではない。だから、でも、と言葉を続けた。 「今日だけじゃ、皆は揃わなかったけど。 牧夫兄達の事はちゃんと先生のおかげで呼んで来れたし…… …すぐには来れなかった皆も。いつかは来てくれると思うから」 いつかはきっと来てくれる。 今はまだ少し、生きてやらなければならない事があるだけ。 おおよそ何を疑う事も無くそう思っている。だから、 (*2) 2022/07/21(Thu) 10:22:02 |
【赤】 夢中 ユメカワ「俺、待てるよ。いつか皆が揃うまで」 けれどやはり、ずっとは待たないだろう。 願わくば、生者の内で死者が遠く色褪せた記憶になる前に。 君達が遠くへ行ってしまう前に、友達同士で居られる内に。 手を引いて行けるように、きっとまた会いに行こう。 誰が来てくれたから、とか、何人来てくれたから、とか。 そういうものは決して手を引く理由になり得ない。 だって、君達の重みは等しく換えの利かないものなのだから。 子どもというものはできる限り多くを望むものだし、 寂しがり屋は、誰にも寂しくあってほしくはないものだから。 (*3) 2022/07/21(Thu) 10:22:33 |
【赤】 夢中 ユメカワ「前から友達じゃなくても、楽しかった事は変わらないよ」 過去の記憶は偽りであったとしても。 ほんのわずか、共に過ごした時間は決して嘘にはならない。 やはりと言うべきか、少なくとも夢川はそのように思っている。 真実それぞれの思いがどうであったかは、 当然ながら、訊かねばわからない事なのだけど。 「……バス?」 ぼんやりと目を細めて、優しく頭に触れる手にはされるがままに。 けれど投げ掛けられた問いに、ふと視線を上げた。 (*6) 2022/07/21(Thu) 16:37:51 |
【赤】 夢中 ユメカワ「…うん、わかった。 せっかくなら、修学旅行の時期までに間に合ったらいいな…」 夢川深雪の死因は、交通事故だ。 その事を鑑みれば、このお使いを頼むには最も適任と言えるだろう。 この場所へと迷い込んだのはきっと幾つかの偶然の産物であって、 死者とは元来、自分の死に纏わる処に留まり続けるもの。 そうして時に、悪意の有無に関わらず生者を引き込むものだから。 「……課題、初めての課題……になるのかな? 皆を呼んで来るのは、先生の手伝いって感じだったしさ…」 わからない所があれば、また聞けば良い。 あなたも皆も、きっと一緒に考えたり、助けてくれるはず。 何よりも、上手くできたら皆喜んでくれるはずだ。 ──ああ、なんだ。努力する事の楽しさって、たったこれだけでいいんだ! (*7) 2022/07/21(Thu) 16:38:22 |
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