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【人】 魔族 ラク・シャサ忘れるかよ。 元気そうで何よりや。 お父上お母上は息災か。 [ レーヴとは同じような年頃だと記憶はしていたが さてどうだったか。 記憶の中にある、彼の両親の顔を思い出しては にへへと嬉しそうな顔をもっとよく見ようと 瞬きを忙しく繰り返した。 光を撥ねてキラキラと輝く黄金の髪。 穏やかな物言いとのんびりとした佇まいの彼のことは 好ましいと思っていた ───向こうはどうか知らないけれど。 見えづらそうにしていることに気づいたのだろう、 言葉で銅貨3枚だと>>1:43 わざわざ付け加えてくれるあたり、 彼の人柄が見えそうなものだ。 ] (0) 2021/10/21(Thu) 17:15:08 |
【人】 魔族 ラク・シャサ[ 手際良く捌かれて焼かれていく肉と、 その手つきを見ながら、二、三の言葉を交わし。 たった銅貨一枚のチップで、再会を約束した。 (1) 2021/10/21(Thu) 17:16:54 |
【赤】 魔族 ラク・シャサチップケチらんと もっと渡しといたらよかったなぁ〜 [ 荒い息と流れ出る赤で衣類と肌を染めたまま 大きな岩に背を凭せ、昼だか夜だかもうわからない 空を見上げた。 記憶の中の彼の口調を真似て戯ければ、 いつかのドラゴンステーキを想う。 重い瞼をゆっくりと閉じればにしし、と 悪戯っぽい笑顔が瞼の裏に浮かんで、 終わろうとする世界の片隅、 西の山で、 大事な友人の無事を心から祈った。 ] (*0) 2021/10/21(Thu) 17:19:18 |
【人】 魔族 ラク・シャサそうか、よかった。 [ 怪我はないと聞けばゆるりと笑んだ。 これしきのことで、礼などと。 きちんとした娘なのだろうと思う。 …… 心の臓が、どくんとひとつ跳ねた。 ] (3) 2021/10/21(Thu) 17:22:15 |
【人】 魔族 ラク・シャサ[ 馬鹿馬鹿しい。一目惚れだとでも言いたいのか。 名も知らぬ、種族も分からぬ、ただの可憐な少女。 ほんの、気まぐれで、助けただけ。 ] (4) 2021/10/21(Thu) 17:22:59 |
【人】 魔族 ラク・シャサ礼を言われるようなことでは。 困っているのが綺麗な人なら誰だって 助けたくなるもの。 [ ふ、と表情を緩めて背筋を伸ばした。 がらりと口調を変えて、恭しく右手を胸に 礼節正しい一礼を。 ] 名も名乗らず、ご無礼を。 我が名はラク・シャサ。 花のように美しいお嬢さんに、 創造主様のご加護がありますよう。 [ かつん、と靴の踵を打ち鳴らし、 くるりと背を向ける。 ] (5) 2021/10/21(Thu) 17:24:40 |
【人】 魔族 ラク・シャサ** あぁ、やっぱりあの時の。 [ 名乗ってくれるその口調は、どこか耳に心地良い、 詠うような声音を帯びて。 ] ユーラ。 とんでもない、こちらも色々と不躾でした。 [ 普段の砕けた口調をもうすっかり 曝け出してしまってはいたけれど。 再び確かに目の前で煌めくその瞳に、 慌てて背筋を伸ばして頭を下げた。 ] (7) 2021/10/21(Thu) 17:26:49 |
【人】 魔族 ラク・シャサ創世祭、楽しんでおられますか。 [ 悩んだ挙句、きちんとした言葉で話しかけたのは、 ほんの気まぐれが偶然産んだこの再会に 胸の奥がざわめき立っていることを 悟られないように、などという、 魔族に似合わぬ女々しい努力。 ]** (8) 2021/10/21(Thu) 17:28:47 |
【人】 魔族 ラク・シャサ[ 偶然ですね、と喉まで出かけた言葉は どうにか胃の腑へ押し返し。 飾り気のない誘いの言葉に、だらしなく 緩みそうになる頬を引き締めて、微笑んで頷いた。 ] (32) 2021/10/22(Fri) 17:14:24 |
【人】 魔族 ラク・シャサもちろん、喜んで。 綺麗なお嬢さんのお誘い、断ったりしたら バチ当たるわぁ。 [ へらりと戯けて、示されるがまま日陰のベンチへ。 龍眼水に興味を示される彼女に肩を並べて 屋台を覗く。 購入しようとする彼女の手を静かに押さえ、 暗に己が、と伝えれば遠慮されるだろうか。 どちらにせよ女性に支払いを任せるような 格好の悪いことさせんといてくれますか、と くすくす笑って半ば強引に 支払いを済ませてしまうのだけれど。 ] (33) 2021/10/22(Fri) 17:16:03 |
【人】 魔族 ラク・シャサ[ 両手に二人分の龍眼水を手に、ベンチに腰かければ ひとつを手渡そう。 まずは眩しそうだと日陰を選んでくれた、 さりげない優しさに礼を伝えて。 ] あぁ、気遣わせてしまって申し訳ない。 俺は、見ての通り魔族でね。 昼の光が強くて、眩しくて見えづらい。 日陰ならいくぶんマシで、助かりました。 (34) 2021/10/22(Fri) 17:17:47 |
【赤】 魔族 ラク・シャサ[ もともと日の光の下では見えづらかったのだから。 額から流れる血が目に入って赤く染まる視界は もうどうでもよかった。 瞼を閉じれば、宝石のような葡萄色が 手に取れるように鮮やかに描けるから。 ] (*14) 2021/10/22(Fri) 17:21:14 |
【赤】 魔族 ラク・シャサ[ 大人しく言うことを聞いて、種族の繁栄にでも とっとと励んでいれば この世界を蝕む悪夢から、護るための手を ひとつでも増やすことが出来たのだろうか。 早く嫁をもらえ、と会うたびに口から炎を 吐いていた母を思い、微笑う。 母の言うことに反発するだけで、何ひとつ 孝行らしいこともしてやれぬまま、 この手で屠った、母のことを。 愛しんでくれた恩を返すこともなく、 かつて母だったモノの首を切り落とした時の ぐにゃりとした肉の感触が、 いつまでも、いつまでも手に残って。 ] (*15) 2021/10/22(Fri) 17:23:27 |
【赤】 魔族 ラク・シャサ[ レーヴは、どうしているだろうか。 俺のことはもう、どうでもいいと思った。 生き延びてほしい、一人でも多く。 それから、 ほんの銅貨1枚で頼めた義理もないのだけれど。 足りへん分は、ツケでなんとかひとつ、 助けてやってくれへんかなぁ、と 自重気味に呟いて、嗤う。 ] ─── ……ユーラ、 [ 口に出して名を呼べば、吐息と共に 焼けるような赤が、口端から溢れて 蛆のように黒く変色した痣を染めた。 ]** (*17) 2021/10/22(Fri) 17:31:59 |
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