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【人】 受験生 雨宮 健斗[差し込む月の光は人工的な光とは異なる色で 動きかけた足が止まるのを照らして、 矢川の眉根がぎゅ、と寄るのが良くわかった。 問われた事に、違う、って、 すぐに口は開いてくれなくて、 ぎり、と噛み締める奥歯の音が聞こえた。 堰を切って流れ出すような矢川の言葉を。 言いづらいこともきっとあるだろう、 必死ささえ含むような、その声を、 いつもよりずっと困ったように 寄せられるその眉根も、 全部、全部、漏らさずに、受け止めたいのに。 なんでかな、視界が滲む。 ] (154) 2020/12/01(Tue) 10:54:09 |
【人】 受験生 雨宮 健斗矢川、俺。 好きなやつ、いたみたい、って、 そう言ったんだ。 [一歩だけ、踏み出した足は、 思ったより、震えてなかった。 ]* (156) 2020/12/01(Tue) 10:57:54 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[結ばれた唇が、また開くのが見えた。 すう、と息を吸い込むのもわかって、 吸った息の割に短い言葉が 返ってくるのを聞いていた。 一度落ちた視線が、また上がる。 謝罪と、礼を伝える矢川の顔から 視線は逸らせずにいた。 今どんな顔をしているか、 わかっているのだろうか。 応援する、なんて言う彼は、 もしかして笑っているつもりなのだろうか。 ] (158) 2020/12/01(Tue) 13:45:10 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[体調を気遣う言葉が聞こえる。 ああほら、やっぱり。 こんな下手くそな笑顔、記憶になかった。 ] (…あ、そうか。俺、大事なとこ…) [どくん、と心臓が跳ね上がる。 差し出された手を見つめて、 届く距離まで足を進めた。 何も言わずに差し出されたのはちゃんと右手で。 ふ、と笑いが溢れて、それをそっと握り返した。 ] (159) 2020/12/01(Tue) 13:47:17 |
【人】 受験生 雨宮 健斗なんでお前がそんな顔、してんだよ。 [さっきと同じ言葉を繰り返す。 ] 泣きたいのはこっちだよ。 …まじサイアクだ。 [握った手に力を入れて、ぐいと引き寄せた。 腹の立つことに、ちょっと背のびをしないと 届かない。 少しだけ、かさかさした唇に そっと己のそれを重ねて。 ] (160) 2020/12/01(Tue) 13:50:05 |
【人】 受験生 雨宮 健斗…馬鹿じゃねぇの。 言えるか何回も。 [つい、と顔を背けて。 けど、とぽつり付け足す。 ] …友達で、男だし。 積み上げたの、壊れるのが 怖いんだよ俺。 理由がわかんないまま あんま寝られなかったり 食えなかったりしてて。 手は死んでるし、ピアノは弾けないし。 ───だけどさっき、わかって。 (163) 2020/12/01(Tue) 18:22:12 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[しょうがないから繰り返してやったのに、 最後まで言えなかった。 長い身体を折るようにした矢川が、 俯いたままの唇を掬い上げて塞いだりするから。 ──聞こえた言葉に、ふ、と息が漏れて。 笑ったはずなのに視界が滲んだ。 ]* (165) 2020/12/01(Tue) 18:23:28 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[久しぶりに、腹が減ったな、と感じた。 けれど残念ながらというか当たり前というか、 バーベキューは終わっていて。 どこからか知らないけれど、己が倒れた、 と言う情報はある程度伝わっていたようで、 何人かには気遣う言葉をかけられただろう。 その都度、さんきゅ、大丈夫、と返しながら、 赤羽にバレたらまずいな、と苦笑いして。 ] (175) 2020/12/01(Tue) 21:52:44 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[I love you を月が綺麗ですねとでも しておきなさい、と言った文豪の気持ちは、 わかるはずもないのに、 おっさんやっぱやるな、なんて 頷けるような気がした。 我君ヲ愛ス、なんて。 そんな言葉で括れないものが、 世の中には嫌と言うほど溢れてる。 深淵でもがきもせずただ沈んでいた己に、 伸ばされた手があったこと。 人より少し大きな手に掬い上げられながら、 暗闇から光が見えたような気がしていた。 ───あれは、きっと今日みたいな綺麗な月。 ] (178) 2020/12/01(Tue) 22:49:28 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[さて。 なんやかんやで向かい合ってしまえば、 この同室というのはなかなかどうして 困ったもので。 ───なんて思っていたけれど、 窓の外に今度こそ本当に張り付いた 軍曹(体長約20センチ)と目が合ってしまって、 それどころじゃなくなって、布団を頭から被って、 …いつのまにか、眠っていた。 こんなに、ゆっくり眠ったのは、 随分と久しぶりだった。 ] (179) 2020/12/01(Tue) 22:51:37 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[目が覚めたら、ベッドから足がはみ出して 狭そうに寝ている男がいて。 昨日の朝を思い出して、苦笑混じりのため息を 吐きながら、アラームを鳴らし続けた。 ───そりゃまぁ見事に起きないもんで。 しまいには上に飛び乗って起こしてやろうか、 と一瞬過ぎったけれど、以前言葉を交わした バンドメンバーの話を思い出して踏み止まる。 代わりにそっ、と前髪に手を差し入れて。 近くで見る唇は、やっぱりカサついていて、 親指で撫でた。 ちょっと悩んで、またままごとのような、 かすめるだけのキスをひとつ、落とそうか。 ] (180) 2020/12/01(Tue) 22:54:30 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[遅刻魔の意識がようやくはっきりしたころには すっかり日が登る。 遅すぎる今、何時、には、 しかめ面で起床時刻ぎりぎりアウトだよ、 と返す。 慌てる様子もなく欠伸をする様子に呆れて、 文句を言おうとしたらつられて欠伸が出た。 手招きをしているその頬は緩んでいて、 ドキリとしたことを恥じて隠すように ふいと顔を背けたら、布団から身を乗り出して、 ───キスが降る。 ] 朝から何やってんだ。 [と睨んだ顔はきっと、 赤かったと思う。 ] (181) 2020/12/01(Tue) 22:56:36 |
【人】 受験生 雨宮 健斗あー!そうだ。 肩、ちょっと痣になってるんだけど。 あと頸動脈キメられたの根に持ってるので、 掃除はよろしく。 [誤魔化すように言って、箒を押し付けた。 林間学校は、終わろうとしていた。 ]** (182) 2020/12/01(Tue) 22:58:04 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[少し思案したけれど、赤くなってしまったことが 癪で先に朝食会場に向かった。 誰か知った顔がいたら挨拶をして、 言葉を交わして。 昨日と変わらず豪華な朝食を、 昨日よりは沢山食べた。 帰りのバスの座席は、行き道と同じだったか、 それともランダムだったのか。 もし同じだったのなら隣には異色の瞳が 見えたかもしれない。 もう、己の上着が必要無さそうな様子が そこに見て取れれば、お疲れ、と 手を上げて、笑みを浮かべただろう。 ] (183) 2020/12/02(Wed) 16:36:50 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[色々あった山が背中に小さくなっていく。 来た時と同じように、よーいお茶が 膝の上で暖かい。 左手に持ち直して、右手でキャップをまわす。 ──ぱきゃ、と、久しぶりに一度で音が鳴った。 ]** (184) 2020/12/02(Wed) 16:37:38 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[玄関を開ければすぐにぱたぱたと 駆けてくるスリッパの音。 荷物をどさりと落として、ただいま、と告げた。 18の息子に向けるには少々、いや大分甘い顔で、 不安げに笑って、どうだった、と尋ねる母親に、 うん、と頷いた。 ] ──楽しかったよ。 [そう、とまた笑った母親の視線が一瞬 手元に落ちたのがわかって。 ] カレー、作った。 おにぎりも。 …料理って、大変だな。 [母親の目が落ちそうなくらいまん丸になった。 ] (185) 2020/12/02(Wed) 18:06:04 |
【人】 受験生 雨宮 健斗──やっぱ、卒業したら、 家出ようと思う。 ま、大学、受かったらだけど。 [眉を下げて笑ったら、母親の口が、だって、と 言いたげに動くから、 ] …母さん。 色々心配かけてごめんな。 [と遮った。 まん丸な瞳が緩んだのが見えたから、 やば、と思って、 ] 受かんなかったら、父さんに ひとつよろしくって言っといて。 [と片手を上げて、自室へ階段を足早に。 ] (186) 2020/12/02(Wed) 18:09:41 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[はぁ、と息を吐いて、ベッドに腰掛ける。 ようやく落ち着いて、煙草に火をつけた。 あ、と思い出してポケットと鞄から 旅の相方を取り出して、窓辺にそっと。 追いかけてきた母親がそれを見て、 可愛い折り鶴、誰に貰ったの?と しつこかったのは、想定外の話。 ]** (187) 2020/12/02(Wed) 18:10:59 |
【人】 音楽教師 雨宮 健斗おまえら! 未成年が煙草なんか吸ってんじゃねぇ! 没収だ没収! [はー?先生ふざけんなよ返せよー、と笑う声に こちらもにやりと笑って凄む。 ] お?やんのか。 お前らの卒業は俺次第だっつーのを 忘れてんじゃねぇだろうな?ああ? [なんの因果か林間学校。 キャンプファイヤーの炎に揺らされて、 少し離れたベンチで上がる紫煙を 目敏く見つけた。 ひょい、と没収したそれにこれ見よがしに 火をつけて、深く吸い込む。 わーまじかよ最悪、と言う声に笑いながら 吐き出した白が、月に向かって登る。 ] (197) 2020/12/02(Wed) 21:24:41 |
【人】 音楽教師 雨宮 健斗[なんで全員必須なのか、なんとなくわかった気がする。 希薄になっていく未来のために。 そうならないための絆を。 解けかけた糸があるならもう一度結んで。 そんな願いが、きっと込められているのだ、 と思う。 会ったばかりの煙草臭いパーカーに吸わせた涙も、 敷かれたレールから少し外れて出逢った恋にも 同じ方向を向いた愛も、 年季の入ったネックレスも 思い出したら頭を抱えるような不器用な恋も、 きっと全部まとめて、月は見ていた。 ] (198) 2020/12/02(Wed) 21:26:29 |
【人】 音楽教師 雨宮 健斗[───さぁ、明日。 朝食ブッフェ食ったら帰ろう。 首から下げた銀色が、キャンプファイヤーの 炎で僅か煌めいた。 ただいま、って言う相手はあの頃と変わって。 図体のデカい二人にはちょっと不似合いな、 折り鶴と雪の結晶がちょこんと佇む家に。 深く吐き出した紫煙は、 ───細く、白く、月に伸びた。 ]** (199) 2020/12/02(Wed) 21:30:12 |
【人】 音楽教師 雨宮 健斗──笑いすぎ。 [だから言いたくなかった、と、目の前で 顔を伏せて笑い続ける彼をギロリと睨んで。 友人の名前を出してまた笑いを増やされて。 しぶしぶ口を開いたら、きっとさらに笑うくせに。] …もう笑われた。 理科室に灰皿もうないですよ、だって。 ──マジムカつくあいつ… (202) 2020/12/02(Wed) 22:32:10 |
【人】 音楽教師 雨宮 健斗[ひとしきり笑ったあとで褒められてもな、と また睨んで、残ったおはぎをぽいと口にした。 そうして、口を掌で抑えながら ぼそりと告げられた言葉には、 息を呑んで、ふ、と笑んで。 ] まぁーな。 モテちゃうかな。 [にやりと笑ってやった。 籠った小さな声には、ちらりと視線を流して、] …おっそ。気づくの。 [とそっぽむいてやるのだ。 ] (203) 2020/12/02(Wed) 22:33:39 |
【人】 音楽教師 雨宮 健斗[着任の日。 珍しくスムーズに起きた彼から渡された、 銀色に目を見張る。 まじかよ、と言いながら、完全に赤くなった顔を 誤魔化すように、そっと、唇を合わせた。 せんせー、彼女いるんですかー? なんて、早速きゃっきゃする声に、 ] いまーす。 わかったからとりあえずはやく座れ! [と、相変わらずの言葉使いで、 お世話になった校長室に呼び出されたと言えば、 きっとまたお前は笑うんだろう。 ]** (204) 2020/12/02(Wed) 22:36:32 |
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