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シトゥラは、本来の記憶を取り戻した。 (a33) 2021/04/30(Fri) 21:52:18 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>89 ニア 「アンタ、判ってないんですか? こんなNPC記憶にないんですけど……」 青年は首を傾げた。 自身の記憶は今、完全に戻っている。 (あーあ、ただのNPCのつもりが。 とんでもないことをした気がするなァ) 斯く言う青年はNPC。 と言っても完全なNPCではない。 ゲーム内の障害やバグを潰すために作られたキャラクター。 ただ、完全にデータとして存在しているわけではない。 中身入りのキャラクターデータだ。 NPCを装った、運営の操作するキャラクターのひとり。 青年は傍らのニアの手を掬い上げた。 【system】 照合中.................success! このPCにはバグが含まれています! (90) 2021/04/30(Fri) 21:52:55 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>99>>102>>*0>>103>>105 ニア 【system】 情報を照合します………role:NPC......? 縺?>縺医?√%繧後?NPC縺ァ縺ッ縺ゅj縺セ縺帙s縲! 「あれ──アンタ、NPCじゃない? どういう云うことです? “情報を要求します” 」繋いだ手に走る解析のエフェクト。 青年は、少女の手を離さない。 【system】 いいえ、これはNPCではありません。 情報を送信、解析します。 この記憶の改竄を、バグを修正しますか? 「記憶の、改竄? どうしてそんなもの──」 少女の情報を手繰る。その体の構成データを辿る。 記憶の改竄、その向こうに何があるか、青年は知らない。 【system】 彼女は、“異物”です。 我々に害為すもの、我々の敵。 すなわち........................... → (136) 2021/05/01(Sat) 0:57:24 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>136 【system】 NIA[NPC]<β> そのアカウントはサルガスに発見された。 現実の■■を忘れて、けれど。――変わることは許されなかった。 意地っ張りで、■■れてて、可■■くない性格。 冷めた顔立ち。ひょろり■■い手足。印象より■■身長。 NIA[NPC]<β>★ 少女は他のプレイヤー同様、『■■』を与えられた。 ロール名、「餓狼」。 強すぎる■■欲求。倫理観の著しい■■。餓えた獣。■■しの役割。 少女は殺人■■と成り果てた。 NIA[NPC]<β>★村人 最後に、表向きの肩書き「村人」をぺたりと貼り付けて。 これで「村人 ニア」の完成。 情報に入るノイズを一つ一つ、取り除く。 改竄されていた記憶は、元の姿を思い出す。 止まっていた時計が、針を動かす。 そこにある情報は、彼が愛した少女の記憶。 彼の求めた彼女が“彼女”になるまでの経緯。 ほんのすこし、電子の世界を泳ぐのが巧い少女が、 誰かに見つけてもらうまでの、足跡。 (140) 2021/05/01(Sat) 1:07:27 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>140 青年は、少女の瞳を思い出した。 記憶が改竄されていた時の、あの煌めいた瞳は。 本来の彼女では、無かった。 それを、僅かに、寂しいと思った。 時間にしたら、ほんのわずかな時間。 けれど、青年に流れ込んだ情報は、 恐ろしく膨大だった。 少女の中の、何かが音を立てて弾ける。 衝動、渇望、彼女を蝕むすべてが。 → (144) 2021/05/01(Sat) 1:20:38 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>144 その、瞳の煌めきを思い出す。 少女の爪が、肌を裂く感覚を思い出す。 その、熱は、衝動は、渇望はもうここには無い。 それはきっと、ロールの放棄によって失われる。 「死に損なって、苦しい思いをするのなんてご免だわ。 ねえ、シトゥラ。あんたはわたしを上手に殺せるのかしら」 青年は、手を離した。 「――そうしたいと言ったら、連れていってくれるの」 繋いだ手が、解ける。 ここに残るのは、あの時の少女ではなく。 赤い目の狼なんかじゃなくて、きっと。 そうなった少女の中に、残った感情を。 残るだろう感情を、青年は推測できない。 どこまでが“餓狼”のバグなのか。 彼女が青年に、手を伸ばした理由もそこにあるのなら。 それがこの修正によって、失われても。 しかたないと、諦めることは、きっと。 (147) 2021/05/01(Sat) 1:33:40 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>6:+208 サダル 「!」 青年は、目を見開いた。 「──なあ、アンタ。 声が出るようになったらさ、僕の名前を呼んでくれよ」 いつかの約束。 まだ、出会ったばかりの彼を、青年が出会って。 声の出ない彼と交わした、他愛ない約束。 「サダル」 青年は、笑って。 相変わらずの泣き虫な彼に手を伸ばす。 「アンタは本当に、泣き虫ですねえ。 きちんと寝ないとまた体壊しますよォ」 彼の涙を指で弾いて、拭う。 いつかの、別れを告げたあの日と同じような状況。 けれど、今度ばかりはさよならを告げる必要はない。 「きっと、アンタにも寂しい思いをさせましたね。 よしよし──いくらでも泣きな、今度は何処にも行かない」 青年はまた、彼を抱きしめる。 その背をゆるく叩いた。 (159) 2021/05/01(Sat) 3:09:32 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>6:@20 レグルス 「──は、」 青年は容易く少年の放つ魔法を避けた。 ハルバードの柄を固く握って、駆け出す。 一歩、足元の地面が焦げて。 二歩、魔法の熱が微かに髪を焼いた。 「Chant:Reinforcement──」 青年の腕に青い電流のような魔力が奔る。 ──強化魔術。 本来青年の腕力ではこの特製の非常に重たいハルバードを振り回すことは適わない。 それを補助するための呪文。たったひとつ、彼の使える魔法。 踏み込んで、振りかぶる。 青年のハルバードはすんでで躱した、少年の先程までいた場所を抉った。重たい振動が、地を揺らす。 → (164) 2021/05/01(Sat) 3:55:36 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>164 「ハハ、避けますか!」 少年の怯えた、殺意に濁り切った目を見る。 荒い息と、焦点の合わない目は、助けを求めているように見えた。 ──哀れな。 青年は自身の唇を舐めた。 にい、と口の端を釣り上げる。 今度こそ──狙いを外すつもりは無い。 踏み込んで、地面を蹴る。 少年の息を呑む音が、聞こえた気がした。 スローモーション、一瞬が大幅に引き延ばされる間隔。 青年のハルバードはたしかに少年の体を捉えた。 接敵して、少年の体は容易く吹き飛んだ。 地面に叩きつけられ、跳ねて、転がる。 それを、見ていた。 (165) 2021/05/01(Sat) 3:59:57 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>160>>162>>163 ニア 「…………、」 寄り掛かってくる少女を受け止めた。 その紫の瞳が、ひどく揺らいでいる。 その表情は、きっと、どこかで見たことがあった。 「そんな子のこと、誰だって。好きになれるはずがないわ」 あの時の声を、思い出す。 思えば、彼女の瞳だけはいつでも正直だった。 不安そうに、嬉しそうに、悲しそうに。 ずっと、青年を見ていた。 青年も、彼女を見ていた。 「……破ったら、承知しないわ」 ――痛かったでしょう、その声に。 重なるように、思い出す。 ──約束を、したこと。 あの時、どう思ったか。 この記憶を取り戻す前の、雨の日に。 彼女の命を奪ったこと。→ (166) 2021/05/01(Sat) 4:18:53 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>166 恋なんて、してはいけないはずだった。 誰かのために、誰かを裏切るなんて。 そんなことは、許されていないはずだった。 「ああ、」 心が、感情が、自然に馴染んでいく。 彼女が好きだった自分と、NPCとしての自分。 「なんだ。」 その、戒めを破ってまで。 やりたかったこと、掴みたかった手。 後悔したこと、叶えたかったこと。 「なのにさ、アンタは笑うから。 ちょっとした言葉で、言葉を詰まらせて。 触れた手を、伸ばした手を──拒みもしない。」 「別に、アンタが僕を好きになんてならなくてもいいって。 ただ少しだけでも、その心に居座ってやろうって」 「アンタがどうあったって、僕は変わらないんですよ。 だって、僕が好きになったのは、“獣じゃない”ニアだ」 (169) 2021/05/01(Sat) 4:41:36 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>169 「アンタが不意に見せる、弱いところが好きだった。 それを見て、守ってやりたいって思った。 アンタが餓えてなくても、衝動で求めてくれなくても」 自分に触れた、手を掴む。 その左手を掬い上げた。 いつか、口付けたのと同じ場所を。 指先で擽るように撫でた。 そこに痕を残すような、束縛はしたくない。 彼女が手を離したいなら、逃げられるように。 「約束、まだ有効ですか? 記憶が戻ったから、もう無効でしょうか」 手を離して、笑った。 「…………好きにしていい。 最後は、アンタが選ぶんですよ」 「言ったはずよ。 …………好きにしていい、って」 彼女のいつかの言葉をなぞって。 少年はひら、と手を振った。 (170) 2021/05/01(Sat) 4:55:06 |
シトゥラは、笑った。 (a99) 2021/05/01(Sat) 20:41:39 |
シトゥラは、ずるい人間だ。 (a100) 2021/05/01(Sat) 20:55:17 |
シトゥラは、欲しいものを手に入れるために手段を選ばない。 (a101) 2021/05/01(Sat) 20:56:17 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>239 「僕の傍で、ずっと生きていたいんですね?」 青年は、口の端を上げて笑う。 ひとをバカのするときの表情、若しくは。 ──“何かが上手くいった”時の上機嫌な笑み。 「僕の行動が嬉しかったと」 くすくすと笑声を上げる。 「すべて、自分の特権にしたいって? わがままなお嬢さんだなァ! 」少女の、きっとまだ知らない記録。 彼は、いつか誰かに言った。 ──あれが泣いて逃げ出すまで、負けを求めて僕を乞うまで。 あの強情な心、いつか折ってやりますよ! (243) 2021/05/01(Sat) 21:07:53 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>243 少女を強く抱きしめる。 逃げられないように、逃がさないように。 「アンタが悪いんですよ。 僕は逃げてもいいって言ったのに。 やっぱりアンタは可愛いですね! 少し弱い顔をすれば、こうして手を伸ばしてくれる」 青年は元より少女を離す気なんて微塵も無かった。 逃がしてやるつもりなんて、さらさらなかった。 本当は優しくて寂しがり屋な彼女であれば、 自分の手は離さないだろうと、確信を持っていた。 「打算だって言ったのに。 見事に引っかかってくれましたね」 青年は、少女の耳元に口を寄せる。→ (245) 2021/05/01(Sat) 21:22:29 |
シトゥラは、意地悪を言いましたをいう顔でにんまり笑った。 (a102) 2021/05/01(Sat) 21:32:28 |
シトゥラは、その実、別に意地悪だけを伝えたわけではない。 (a103) 2021/05/01(Sat) 21:33:37 |
シトゥラは、それは、態度に出さない。 (a104) 2021/05/01(Sat) 21:33:48 |
シトゥラは、ニアにキスした。 (a107) 2021/05/02(Sun) 0:04:41 |
シトゥラは、恋をしている。 (a108) 2021/05/02(Sun) 0:04:49 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>171 サダル 「よーしよし。 そうですよォ、帰らないといけませんし。 僕はNPCじゃない……こともないんですが。 帰る場所もあるし、きちんと画面の向こうにもいます」 青年は続く言葉に一瞬口を閉ざした。 ニアの惚気。 青年は彼の耳元に口を寄せた。 (344) 2021/05/03(Mon) 3:08:53 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>キュー 青年はキューを探していた。 死んでいたから当たり前と言えばそうなのだけれど、 キューのSOSを拾い上げておきながら何もできなかった。 その謝罪がいるのではないかと思った。 (435) 2021/05/03(Mon) 23:45:13 |
【人】 特殊NPC シトゥラ (460) 2021/05/04(Tue) 2:49:39 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>461 キュー 「アンタとの約束を守れなかったのは謝ります。 しかし、アンタも僕の問いかけをはぐらかしただろうが! 知って欲しいと言いながら答えを与えないのは悪では? 僕だけが悪いんじゃないと思うんですけど」 逆切れした。 じーっとキューを見つめる。 (464) 2021/05/04(Tue) 3:23:33 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>@12>>@13 レグルス 「おや、未達成のクエストか。 そういう仕様だったわけですねェ」 青年は消えゆくデータの残滓を見た。 砕けたガラスのように半透明になった画像データが、 風に攫われて溶けていく。 「でもこのNPCのデータ勿体ないですね。 望むならどこかで復活できるようにデータを修理しておきます」 青年は端末を取り出していくつか操作をした。 これで、おしまいだ。あっけない最後。 足掻こうと、生きようとした、 たしかにそこにいたはずのデータの成れの果て。 最後まで、自分を人間だと思っていた。 バグに狂わされたのは、哀れに思う。 (きっと記録は残らないでしょうけど。 そのうち、会えたら謝りますかね) (467) 2021/05/04(Tue) 4:16:49 |
【人】 特殊NPC シトゥラ>>474 キュー 青年はキューを捕まえるのを止めた。 「いいえ、だって僕はすべてを捨てた。 その捨てた中に、アンタも含まれていた。 それを正当化するつもりも言い訳で覆うつもりもありません。 ──悪かったな、と言いたかっただけです。 それで終わり。 僕はギルドの長失格です。だからキュー、」 青年は笑った。 「さよならです。僕の話はここまでだ。 お元気で、アンタと過ごした時間は悪くなかった」 (494) 2021/05/04(Tue) 17:03:17 |
シトゥラは、最後にキューの頭を撫でた。 (a159) 2021/05/04(Tue) 18:07:11 |
シトゥラは、ログアウトした。 (a177) 2021/05/04(Tue) 21:59:22 |
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