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【人】 幻燈屋 ツリガネ[そう思いを込めてどれほど経っただろう…。 たまに届く手紙。それを待ちわび、届けばほっとする日々。 時には不安に思い挫けそうになる事もあったけど、今までいただいた手紙を見て、気持ちを奮い立たせる日々。 なぜか、あの方の事を忘れた事もあったがそれでも――。 そして、届い手紙には、手紙だけではなく割れた狐のお面が半分… それを受け取った瞬間、胸に広がるは歓喜。 良かった、よかったと、かの人を抱くように面を抱きしめる。 きっと帰ってくる。きっともうすぐ会える。 会えると信じている…信じたい。 その日を心待ちに、日々を過ごす。 割れた面を肌身離さず身に着けて――。 そうすれば少しでも彼を感じられるからと*] (2) 2020/07/31(Fri) 18:47:23 |
【人】 気紛れ者 空木[彼女はまだ自分のことを待っていてくれるだろうか。 そんな不安は、もう消え失せている。 この半分に割れた狐面。それは彼女のおかげで成し得たものなのだから] (3) 2020/07/31(Fri) 18:59:15 |
【人】 気紛れ者 空木ああ、これもいいね。 こっちも包んでもらえるかい? [目的を達成してしまった旅は、終わった途端に物見遊山へと様変わりをする。 彼女の元まで早く帰りたい。 しかし働きながら旅をしてきた。だから、まっしぐらに彼女の元に戻るというわけにはいかない。 今、請け負っている仕事の契約が切れるまで短期の仕事をしている。 それが片付くのをじりじりと待って、終わったら彼女の元まで飛んで帰るのだ。 しかし、どんどんと彼女への土産が溜まっていく。 自分が帰るより先に一度、飛脚に頼んで彼女に贈り物を届けてもらった方がよさそうだ] (4) 2020/07/31(Fri) 19:04:47 |
【人】 気紛れ者 空木まるで年季明けを待つ遊女の気持ちだね。 [そう、思わず独り言を言う。 仕事が終わるまであと数日。 ああ、贈り物と一緒に手紙を書こう。あと一週間後に戻る、と。 目安の日付と共に。 その日には、自分が今贈った、彼女がくれた幻燈と同じ色の布で誂えた浴衣を着て待っててほしいと一筆を添えて**] (5) 2020/07/31(Fri) 19:08:53 |
【人】 幻燈屋 ツリガネ[まだか…まだなのか……。 気持ちだけ早ってしまう。 朝起きれば、今日かもしれないと思い、 寝る時には、今日も違ったと落胆してしまう。 それでもすぐに明日かもしれないと、面を撫でて気持ちを上げてから眠りにつく日々。 そんな中、また手紙が届く。 手紙だけではなく、土産も一緒に。 とてもらしいと笑顔になってしまう。 モノよりも、一番は――なのに…と、心の中で少しだけ文句も言ってしまうけど…。] (6) 2020/07/31(Fri) 19:40:50 |
【人】 幻燈屋 ツリガネ[――夜になり、改めて手紙を読む。 一週間後と言う明確なものが書かれている。 あと一週間。今までの事を思えば、一週間などあっという間である。 その日は休みを貰おう。 そして、手紙に書いてあった、送られたものを幻燈の灯りの下で見る。 自分を想っていてくれた色。 この灯りの下で見ると、初めて自分が使った――今は彼の元にあるものを思い出す。 身に着けていた着物を脱ぎ、頂いたものに袖を通す。 おかしなところはないか心配になりながらも、淡く照らされる浴衣を見ると、自分が傍に居るような錯覚を覚えるほど] ふふ…。 [嬉しくて唇が弧を描き、彼を想い浴衣を抱きしめるように自分を抱きしめる。 淡い光の中、するりと脱いで今はたたむが枕元に、彼を少しでも感じていたいからと] (7) 2020/07/31(Fri) 19:47:30 |
【人】 幻燈屋 ツリガネ[それからは、仕事の合間に帯に飾りにと、選ぶ時間に。 少しでも、キレイ自分を見せたいから。 それだけではなく、約束のものも完成させないといけない。 完成していると言えばしている。 していないと言えばしていない。 そんなものだけど…。 それでも少しでも良いようにと、手を加えてしまえ。 ――そしてやはり一週間などあっという間。 その日は、休みをもらい朝から慌ただしく過ごしていた。 やっと会えるのだ。掃除に食事の用意。 あらかた終えれば着替えて、待つのみ。 それでもじっとしてられなくて、胸元に面を抱えて外に出てしまう。 いつだろ…どこからだろう……。 そうしてあたりをきょろきょろと見てしまう。 たまに通るご近所さんにどうしたんだと声を掛けられもするが、微笑みを浮かべて、流すだけ。 待ちわびる気持ちをうまく言葉にできないから――。 そして、彼が来るのを待っているのであった*] (8) 2020/07/31(Fri) 19:54:42 |
【人】 気紛れ者 空木― 一週間後の朝 ― [朝一に到着する汽車に乗って。 駅に着けば大八車に奮発をして一目散に彼女の元へと走らせる。 かといってまだまだ早朝。 街も眠っているような状況だから、彼女の住みこんでいる部屋の近くの旅籠で降りて朝餉を求めるだけの心の余裕はあった。 彼女が実は親方の家を出て、新たに部屋を住み替えているということは知らなかったのだが。 でも幸い彼女は住処自体は変えていなかったし、仕事場に会いに行けば確実だという思いは正しかったの。 ついでに体も清めて、久しぶりに会う彼女を惚れ直させなければ。 そんな思いはまるで初めて逢引をする少年のようだ。 もう、会いに行っていいだろうか。 そう思いながら、通行人のふりをして、顔を隠し気味にしながら、彼女の主な納品先である遊郭の前を歩いていれば。 どんな遠くからでもわかる彼女に目を吸い寄せられた。>>8 ああ、彼女だ。ツリガネだ。 掃除をしている。 話しかけようとして前に踏み出したが] (9) 2020/07/31(Fri) 21:48:02 |
【人】 気紛れ者 空木……。 [すい、と目をそらされてしまった。 え?と思っていたが、彼女は熱心に掃除を済ませれば、中に入っていってしまう] (え、今、目、あったよな……俺、もしかして、忘れられてる?) (10) 2020/07/31(Fri) 21:48:34 |
【人】 気紛れ者 空木[茫然と彼女の後姿を見送って、中に追いかけていく勇気もなくて、その場に立ち尽くしてしまう。 まさかこんな展開になるとは思わなかった。 袂に入れてある狐面の片割れを見せれば、彼女は絶対に分かってくれる。 いや、隠し持っている提灯だけでもそれだけでは達成できるだろう。 しかし、実際、彼女が自分のことなどもうどうでもいいと思っていたりしたらどうすればいいのだろう。 どんな顔で彼女の前に出ていけばいいのだ。 思わず隣の万屋を物色しているふりをしながら しかしずっと店の前でうろうろしているのがばれたら怪しい人だ。 そこで必要ではない眼鏡を買って顔に当てた。 そうこうしていたら彼女が店の前に出てきた。 その姿は見覚えがある。自分が贈った浴衣の柄だ。 ああ、よかった。自分のことを覚えていてくれたのだ。 そして自分のことを待ってくれていた。 ほっとするが、そのまま何食わぬ顔をして、店の前で人待ち顔をしているツリガネに声をかけた] (11) 2020/07/31(Fri) 21:48:45 |
【人】 気紛れ者 空木お嬢さん。 ちょっとお尋ねしてもよろしいでしょうか。 [いつもより低めで囁くような作り声。 彼女の傍で、こんなに図々しく声をかける男を見たら殴ってしまいそうだけれど。 自分がいない間、彼女はどうやって寄ってくる虫を退治していたのだろうか。 それが気になって、ついつい自分で悪い虫を演じてしまう*] (12) 2020/07/31(Fri) 21:48:57 |
【人】 幻燈屋 ツリガネは、はい。 いかがなさいましたか? [急に声をかけらるから、声のした方を向くと男の人である。 若い男の人を見ると、ついしてしまう癖…。 あの人と比べて忘れないようにする事。 身長は、体つきは、髪はと…。 なるぼく覚えているものを忘れないようにと―― それでも時間が経っているせいで、こうだったようなと言うのにしかならない。 だから、今も声をかけてきた男性を見上げて、あの人を見上げるならこんな感じだったかなと思ってしまう。 そうやって確認するのもあと少しと思えば、自然と幸せで胸がいっぱいになる。 普段なら、反射的に営業用の笑みになるが、今日は自然と笑みにも幸せが乗ってしまう。 会えると言う嬉しさ…だけど知らない人から見れば媚を売る様に見える可能性もあるだろう] (13) 2020/07/31(Fri) 22:30:33 |
【人】 幻燈屋 ツリガネもしや、お客様ですか? [ほとんどが遊郭に下ろしている物を作る店ではある。 それでも、普通のものもあるし、馴染みの者たちが勧めたり、おねだりの為に店の事を言う事もある。 きっと、彼は誰かから勧められた人なのかもしれない。 違っていたら、違っていたでいいし、そうであればお客を逃がさないようにしないといけない。 でも、今、この瞬間を、彼に見られたらどうしようかと、たまにちら、ちらっと辺りを見渡してしまう*] (14) 2020/07/31(Fri) 22:30:47 |
【人】 気紛れ者 空木[元々ツリガネは男慣れしない娘だった。 媚びを売るような艶めくような笑みを浮かべることができないでいたというのに。 しかも、作り声をして、眼鏡をかけて雰囲気を違えた自分に気づく風でもないのに、このような笑顔をするなんて。 自分以外の男にそんな顔を見せてほしくない、と思ってしまう。 それは悋気] ええ、ちょっと買い物がしたいのだけれど、この街でいい店を知らなくて。 すまないけれど、道案内をお願いできないものかな。 少しの時間で構わないのだけれど。すぐに終わるから。 [自分がそう彼女に乞えば、この兄ちゃん、××屋のお客さんだよ、と道行く親切なおばちゃんが声をかけていく。こういう場所では、どこかで誰かが自分を見ているものだ。 ××屋というのは自分が先ほど宿を求めた旅籠の名前だ。 宿というより旅の埃を落としてツリガネに会う身なりを整えただけなのだけれど。 でも、そのまま荷物やらなにやらを置いて、部屋も取っているのだから客なのは事実だろう。 ツリガネはそれを聞いて、自分を客だと認識するだろう] (15) 2020/07/31(Fri) 22:51:44 |
【人】 気紛れ者 空木お礼は弾むから。頼まれてくれませんか? [彼女の目線が周囲に動いているのは、迷っているからだろうか。 それとも、悩んでいるのだろうか。 そんな気持ちを振り切らせようとするかのように、強引に彼女の手を握り、まずは彼女の勤める店に入っていく] ここは、なんのお店かな? よかったら、おすすめのものを持ってきてくれないか。 [すっとぼけて、物珍しそうに周囲を見回して。 そうして店先の椅子に座り込むと、慣れた風に品を持ってきてくれと頼んだ*] (16) 2020/07/31(Fri) 22:52:06 |
【人】 幻燈屋 ツリガネ[男が案内を乞えば、すぐに顔見知りのおばさんが、彼の事を教えてくれる。 告げられた宿はもちろん知っているし、そこにお世話になるという事は、旅人だろう。 自分が予想していたのとは違うが、やはりお客になる。なるが――] そう、ですか…それはお困りですね。 [声が固くなってしまう。 普段なら、困っている人が居れば、助けるし、案内を乞われれば応じもする。 だが今は迷いの方が大きい。 ――もし、案内の間に彼が来たりしたら? ――もし、案内をしているところを見て、誤解されたら? そういう事がよぎるからである。 お礼と言われても、今は待ち人の方が…。 断ろうと決心したところで――] (17) 2020/07/31(Fri) 23:54:39 |
【人】 幻燈屋 ツリガネきゃっ… [思わず声を上げてしまった。 強引に手を取られて、店の中に入るから。 こうなっては仕方がない。 それに自分の勤める店だから、いざとなれば店の子に任せる事も出来るだろう。 だから気持ちを切り替えて] ここは、灯りを売る店です。 そうですね、旅のお方でしたら、手持ちの提灯などが宜しいかと思います。 行燈となりますと、旅のお方には不向きでしょうし。 [説明が終わると同時に、売り子がどうしたのですかと声をかけてくる。 一度、座った男に視線を落として、考える。 視線を売り子に戻せば、男にちょうどいいような提灯を2.3個指示して持ってくるように頼むのである] 今、お客様にお似合いの提灯を持ってこさせています。 少々お待ちください。 [声をかけてふと…おすすめの品でも、男が手にするのに良いものを指示した。 だが、もし誰かへの贈り物だった場合、選ぶものは違ってくる。 なので、品が来る間に] (18) 2020/07/31(Fri) 23:55:12 |
【人】 幻燈屋 ツリガネ何方様への贈り物でもお探しでしょうか? もし、そうでしたら、贈りたい方を教えていただければ、似合いうものを持ってこさせますよ。 [もしかしたら、彼も旅のさなかこうして自分への贈り物を見繕ってくれていたのかもしれない。 想像すると、嬉しくなるが、同時に若い売り子がなんて事も想像してしまう。 嬉しそうな顔から、一瞬真顔に戻るが、すぐに今は商売と自分に言い聞かせて、微笑みを浮かべている**] (19) 2020/07/31(Fri) 23:55:18 |
【人】 気紛れ者 空木[彼女がこの浴衣を着ている以上、彼女が待っているのは明らかに自分だ。 なのに迷った顔をしているのは自分と気づいてないからだとわかるからで。 よそよそしい態度、拒絶するような風なのに、困らせるのがどこか楽しく感じてしまい、自分の性格の悪さが露呈する。 強引に店に連れ込めば、どこか諦めたような顔をしている。 接客を頼めば、彼女が品の説明をしてくれる] そうですね……私の必要な提灯はここにはないはずなので。 行燈を1つ、私の逗留先の旅籠に届けてくれませんか? ……お嬢さんのような肌の人を美しく彩るようなものがよくて。 それと10個の提灯を同じ場所に届けて下さい。 そうですね……色の取り合わせはお嬢さんが、私に似合うものを選んでもらえますか? [にこっとツリガネに向かって微笑む。 お代に釣りはいらない、と多めの貨幣をそこに置き、そして店内を見回す。 こうしてみれば、どれが彼女の作ったものかわかる気がする。 色の選び方や丁寧な仕事具合など、彼女の心がそのまま出ている気がする] (20) 2020/08/01(Sat) 12:01:38 |
【人】 気紛れ者 空木お仕事中でしょう? しばらくお嬢さんをお借りしますね。 [お店からしたら自分は払いのいい客だ。 何者なのだろうという目線が飛び交っているのがわかる。 中にはツリガネのいい人が自分であると合点のいったような腑に落ちたような表情もあるだろうか。 外堀を埋めてから戸惑っているだろうツリガネの手を、貴婦人のように恭しく捧げもった] ほんの一刻の間です。 案内をお願いいたします。 [彼女はきっと気づかないだろう。 これが自分たちにとって初めての逢引……デートだということを*] (21) 2020/08/01(Sat) 12:01:59 |
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