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【人】 Cucciolo アジダル[ 腐敗した管理形態の代わりに 崩壊した倫理意識を翳しては 跼蹐した一般市民を庇いだて。 そうして今日に至った組織内には 曇った爪先をした人間は一人もいなかった。 大通りを歩む人影も豪奢な装いをするわけでなく、 まして整備の行き届かない路地裏の景観においては 男の服装は浮きに浮いている。 複数の組織が常に対立しあうこの街において 潤沢な資産と資金源を主張する為のオーダーメイドは 牽制の為の鎧であり、威圧の為の銃であった。 犬が犬を食うような趨勢の中、 年齢で、性別で、出自で、国籍で、 些細な切っ掛けでヒトを舐めたがるバター犬どもの 鼻っ面を吹っ飛ばす弾に比べりゃ安いもんだと ことあるごとに嘯いた女の声を知っている。 ] (0) 2020/10/08(Thu) 8:30:27 |
【人】 Cucciolo アジダル[ その肩口を軽率に汚しながら、青年はゆるりと瞬いた。 まだ聞きなれていない背後の声は肯定する色ではなかったが それでも想定の範囲内であった。 小競り合いが頻発し、日々銃声を聞くような街では 家の無い人間など紙幣ほどの価値もない。 気紛れに愛されたり殺されたりするそれらを、 理解し難そうな彼は無価値と思うのだろうか。 猫の子でも扱うような皮肉交じりの口ぶりは 青年の喉を愉快そうに鳴らすには十分で。 ] やだね。 囲うほどの甲斐性も義理もないな。 死ぬまで愛玩するだけの執着もないし、 これが俺に出来る最大限だわ。 [ その割には少し冷えた目で彼を見る。 目敏く示された時計は力でも、安定ではない。 自分に人一人を救うだけの力がないことなど 青年は誰よりもよく知っていた。 ] (1) 2020/10/08(Thu) 8:30:30 |
【人】 Cucciolo アジダル[ 誰よりもよく知っていた。 少し下に向けた視線の汚れた石畳、 そのインクの持ち主の顔も知っていた。 ] というかあれだって人間だ。 生き延びる術なんか生きてりゃ勝手に学ぶでしょ。 それでも生きられないような子供を助けるほど 俺は、……優しかねえさ。 [ 秘密裏の武器輸出の仲介として利用された奴が 取引の終了と共に片付けられたことも知っていた。 受け渡しが完了するまで息をひそめ、 報酬を求めて伸ばされた手が赤く染まるのを 黙って見届けた男は知っていた。 ケツ持たなきゃ手を出しちゃいけねえ法はねえよ? と、そいつは自嘲めいた声を上げる。 光の当たる道では金色の毛虫に黒髪の子供が近寄り 何やら一言二言を交わしている。 一人の手を引いたら芋づる式に繋がってくること等 今更眼前の彼に言うまでもないだろう。 ] (2) 2020/10/08(Thu) 8:30:32 |
【人】 Cucciolo アジダル[ 躊躇なく助けられれば良かっただろう。>>2:31 けれど執着を晒せば弱みとされ、 宝物を知られれば狙われるような状況においては 情の深さだけでは如何ともし難く。 だから、せめて。 数多の救えないものの存在を知った青年は 浅はかな愉悦と酔狂を建前に 不愉快に思うか? お兄さん、と 眉を寄せた笑顔で問うてみた。 ]* (3) 2020/10/08(Thu) 8:30:51 |
【人】 Marguerite シャーリエ[庭で眠ってしまった先の世界で、 久しぶりのお姉さまの顔を見た>>3:40。 お姉さまの捜索はなにも進まないまま、 長く時が過ぎている。 頭を撫でてもらったのもどれくらい前か。 大好きな庭で大好きなお姉さまと夢にまどろむのも、 忘れないでと言われた>>3:39声も久しぶりで、 これが夢だと悟ってしまった] お姉さま。 ……いつも助けてくれてありがとう…… [シャンパンの髪と萌黄の瞳をしたあなたは お姉さまじゃなかったけど、私を支えてくれた。 綺麗な顔を可愛らしく崩して、 会いに来てくれた彼女の手を握った。] (4) 2020/10/08(Thu) 9:03:10 |
【人】 Marguerite シャーリエ[空に浮かぶラッコがポケットに雲を仕舞って太陽が差す。 私が握った手は女性のしなやかな左手ではなく、 固い金属でできた彼の利き腕じゃない方の手。 あの日に繋いだ>>1:D29左手だった] おかえりなさい、リフル [夢なんだと知ったから逆らわなかった。 あの日に置いてきぼりにされた私が笑って、 彼を抱きしめる。ようやく捕まる気になりましたか? ほら、お嬢様と呼ぶ声がする。 今日は教会で祈る日なんだから人が来るのはわかってるんだ。 目が覚めて忘れてしまうまで、このまま居させて……] (5) 2020/10/08(Thu) 9:03:36 |
【人】 志隈[着られてるようなスーツは、 貧困に苦しむ追い剥ぎが鴨にしそうだと印象を持つ。>>0 身なりの良さが報復を恐れて、守る代わりになるのかは知らず。 実力はそれなりにはあるのだろうか。 現在軸でアジダルは生きて目の前にいるのだから、 なんとかはなってるようだ。恐らく。 金持ちだから、貧乏だからどうかとか、 人の価値のあるなしは考えた事が無い。 自分の価値を無意味と思った時、 ]泣き出すほど嫌だったのは覚えてる。 金はあるかと思ったが、足りなそうか。 その辺は割り切ってるんだな。 [やだと明確な答えが返れば、 そこには得信したような顔を向ける。 下手に苦しそうな顔をされても困ったし、 貧しい国の中で自分も全てを助ける方法など思いつきはしない。] (6) 2020/10/08(Thu) 13:22:44 |
【人】 志隈[あれだって人間と言う言い方に、 どの位置に子供を置いているのか思案する。>>2 生き延びる術を学ぶこと、 そうしてかなきゃいけない事はいい。 優しかないと言うが、 自嘲気味に落とされた声は、 青年の優しさを示してはいる。] 少ない施しでもありがたいものだろ。 そうやって、1日でも凌げば、 命をもっと大人になるまで長く繋いでいけるかもしれない。 自分の身銭を切ってまで救えなんて言わないし、 こうしてるだけでも立派なんじゃないか。 [行為自体は不愉快に思わない。 優しさと明るさ、 何処かヒーローの素質を持った青年でもあるだろうか。 引っ掛かったのは別の話。] (7) 2020/10/08(Thu) 13:23:00 |
【人】 志隈ただ─── 精一杯生を全うしてる子供を“可愛い”と言ったあんたに、 人を愛玩動物として扱う気味悪さを感じた。 子供が動物に餌やりをしてるような、な。 [眉を寄せた笑顔に、不愉快なのはそちらだと隠さず告げる。>>3 どれだけ小さくても人には変わりなく、 救えるものは救うべきだと言う善意はあっても、 極論救おうが救うまいがどちらだっていい。 優先順位がある。 全部掴もうとしたって零れてしまうなら選ばなきゃならない。 こんな風に言った所で子供の腹は膨れないし、 意味だってなかった。 あれが本心だったのなら、 精々可愛がって助けてやってくれと思う。 俺が気に食わなかっただけの話。]* (8) 2020/10/08(Thu) 13:23:05 |
【人】 小林 友「この世に悲しいことはたくさんある。 だが、自分の手で死ぬのではなくて 「ここにいたくない」と言うならば どれひとつ、同じ願いを持つ者と お前とを入れ替えてみよう。 元の世界にいる、お前を知っていた人間は 皆お前のことを忘れてしまう。 そうして、お前は新しい世界で 新しい親や友と生きるのだ。 けれど、悲しいことはなくならない。 影のように、お前のうしろをついていく。」 ─────『あの日、月が言ったこと』 (9) 2020/10/08(Thu) 18:57:44 |
【人】 一年生 小林 友 ー 数年後・某大学研究室にて ー 「こら、小林くん。また手指消毒忘れてる」 [同じゼミの柳原が可愛らしく頬をふくらませて 俺の背中を指でつついた。 この『入退出時の手指消毒』の習慣は いつまでたっても慣れなくて ついサボっては、自分より 頭ふたつ背の低い女の子にドヤされるのだ。] 悪い悪い。何年経っても忘れるんだなぁ。 [一旦持ち出そうとした本を脇に置いて 出入口に置かれたスプレーを掌に吹き付ける。 いつまで経っても、俺はこの世界の風習に 完全には馴染めないままでいる。] (10) 2020/10/08(Thu) 18:58:35 |
【人】 一年生 小林 友[─────あの日、月に願いを届けた瞬間 俺の意識は遠のいて…… 気が付けば、病室の一角で 色んな機械に繋がれていた。 慌てて起き上がろうとしたら 病室の前を通りがかった看護士が 飛び上がらんばかりに驚いて叫んだ。 『友くんが動いてる!』って。 後で聞いて分かったことには、 俺という人間は、中学校からの帰り道に トラックに跳ねられて以降、ずっと 目を覚まさぬ植物人間状態だったらしい。 名前も同じ『小林 友』。 父親と母親の顔も同じ。 ご丁寧に、中学校の友達と言って 青柳と佐々木達まで見舞いに来た。] (11) 2020/10/08(Thu) 18:59:00 |
【人】 一年生 小林 友[すんなり飲み込むには、 あまりに大きな変化だった。 リハビリに励みながら何度も事実確認をして どうやら、ここが『コロナ』というウイルスに 脅かされている世界だということは分かった。] …………じゃあ、菜月はここにいるの? [だけれど、俺の周りに 菜月を知っている人が 誰一人としていないことが分かった時は、 俺は、自分の世界を捨てたことを、 ─────少し、悔やんだ。 結局、君に会えないなら もう生きていたって仕方がない。] (12) 2020/10/08(Thu) 18:59:36 |
【人】 一年生 小林 友[でも、俺は結局諦めきれなかった。 リハビリを終わらせて退院したら 青柳達から一年遅れて高校に入り直して 今、大学で近代文学を学んでいる。 研究作家は、小川 未明。 どれだけ研究しても、あの時 俺と菜月に起きた、夢みたいな出来事の 説明なんか付かなかったけれど。] (13) 2020/10/08(Thu) 18:59:51 |
【人】 二年生 早乙女 菜月「エレベーターで、ベースはそんな足の持ち方しちゃだめ! 手でトップの体重のかかりかたを感じて、トップから目を離さない!」 「エレベーターに乗り込むとき、トップはもっと膝の屈伸を使って! スポットはただいるだけじゃないのよ、ちゃんとトップの腰を支えなさい!」 「ダブルテイクの時は、トップの足の高さを合わせて! そのためにはベースが高さを合わせないとダメ! トップ、内股!」 「そんなやり方でエクステンションを続けたら、ベースは肘を壊す!スポットはもっとトップの足首を握って全体を観察しなさい! 何のためのスポットなのよ!」 [大学で入ったチア部は、高校以上にスパルタだった。 私はチアをやめることなく、ずるずると続けている。アキナと同じ大学で。 大学の中で会っても、外で会ってもどこで会っても、アキナは何も言わない。ただ、割れた鏡のような目で私を見るだけだ。 いっそ何か言ってくれれば、と思うけれど、私だって自分からは話しかけることができない。 結局私たちは微妙な関係のままだ。] (14) 2020/10/09(Fri) 6:39:52 |
【人】 二年生 早乙女 菜月[つまんないな、と心から思う。 チアをやっていても、どこか冷めた自分が邪魔をする。 苦しい思いをして、考えないで済む時間ができるのはありがたい。 だけど、チアそのものの魅力には、コロナ前の方が取りつかれていた。 「今」の菜月が好きだよ。>>3:-48 「今」の私はどうだろう。] (15) 2020/10/09(Fri) 6:41:19 |
【人】 二年生 早乙女 菜月[鞄の中には一冊のお守り。 一枚も増えていない、正しい重さの童話集。 ラミネートコーティングされ、 「私立桐皇学院高等学校」と書かれている。 結局高校の図書室に残していくことはできず、 通常よりも高い値段で買い上げた。 ともすると、友君と過ごした日々が ただの妄想じゃないかと思ってしまう。 そんなのは悲しすぎるから。 今となっては、この本だけが あの不思議な現象の証拠になってしまった。 やりとりが何一つ残らなくなって、 確かに友君と過ごしたんだ。 私ひとりじゃ本なんか読まない。 私だけじゃ、こんなに四季には気づけない。 友君からもらった言葉で、私は世界を表していく。 だけど、だけどね、やっぱり、 さびしくて、しかたがない。] (16) 2020/10/09(Fri) 6:41:35 |
【人】 二年生 早乙女 菜月「お、早乙女。いい加減続き読んだか?」 [構内をふらふらしていると、小埜先生に話しかけられた。 小川未明を研究しているとかで、彼の授業を取って以来、なんとなく気にかけられている。他学部の私がわざわざ受けに来たのが珍しいらしい。 「続きは読まないですよ」「そのこだわり何なんだよ」「貞節です」 授業は意味が分からなかった。だけど、毎回単位を落としながらも、同じ授業を受けている。 「下手の横好き、ここに極まり、だな」 いいんだ、必修じゃないし。] 「そういや、今年もう一人入ったぞ。小川未明好きが。早乙女と違ってできるけど」 悪かったですね、と唇を尖らせるのも、小埜先生は聞いていない。ちょうど外から入ってきた男子学生に手を上げて、「あ、いたいた。おーい小林……消毒!」アルコールをせずに入ろうとした青年に叱責を飛ばす。] ……小林? [はいはいと聞き流そうとして、それができずに青年を見た。 よくある名前だし、ただの偶然、だとは思う。 「小林、こいつが前ちらっと話した面白いやつだ。文学部じゃないのに俺の授業撮って、歴史に残る酷いレポートを書きながら毎回授業取ってくる。今年も落ちる予定だ、なあ早乙女」 ぺらぺら話しかけてくる小埜先生を無視しながら、 それでも、ほんの少しだけ期待してしまった。]* (17) 2020/10/09(Fri) 6:44:06 |
【赤】 在原 治人[堪らず見惚れていると 胸の真ん中あたりが ぎゅっと少し苦しくなって あったかくもなって そこから、ベニスカシジャノメが 次々と翅を広げて 貴方に向けて 飛び立って行くような心地が、した。]* (*1) 2020/10/09(Fri) 11:18:34 |
【人】 在原 治人[外へ出てからは、慌ただしく過ごした。 本当は少しの期間も 手放したくはなかったけれど、 貴方は大企業の代表で、忙しい身の上だ。 俺は俺で、旅行らしい旅行などしたことがなく パスポートを申請するところから やらなければならなくて 最短で7日間+移動を含む1日 逢えないことが確定してしまった。 (…………淋しい) もう二度と、 こんな想いはしたくないから 手も目も掛けてやらなきゃいけなくて 足枷になり得る甲虫たちは 躊躇なく、全て引き取ってもらうことにした。] (18) 2020/10/09(Fri) 11:28:40 |
【人】 在原 治人[一般的に買取りは 幼虫は2齢のみ、成虫はA品のみ等と 条件が付くことが多いのだが、 AlberTだと名乗れば わざわざ定休日に店長自ら出向いてくれて 卵に至るまで全て、諸手を上げて買い取ってくれた。 大きさ、艶、角やアゴの形の美しさ 青みが強く出た人気のスーパーブルー、稀少な亜種など 超優良血統ばかり。 手塩にかけて育てた彼らを どうして手放すことにしたんですか?と 不思議そうに訊ねられ、] 外国に行くんです 長期になるかもしれなくて、それで… [要領の得ない答えを返せば、 ついにワイルド個体を自らの手で 捕まえに行くことにしたのか?と食いつかれた。] (19) 2020/10/09(Fri) 11:30:53 |
【人】 在原 治人いや、 あの… クワカブじゃなくて、 ひと、なんです [彼の、屈託のない笑顔や 綺麗な微笑みを 思い浮かべながら否定をすれば 自分でも気づかぬうちに表情に出てしまっていたのだろう。 おめでとうございます、と 何故か買取り金額に 色まで付けてもらってしまった。 店頭に並べば、1頭で 軽自動車が買えてしまう7桁を超える雄も居たから、 しばらく、自力でも あちらに滞在できる程度の金額になったのは とても有り難かった。] (20) 2020/10/09(Fri) 11:33:32 |
【人】 一年生 小林 友[大学は、まさに人の坩堝。 同じ講義を受けてる人間の名前なんか 全く知らずに同じ教室にいる。] 『おーい、小林!消毒!』 [小埜先生から呼び止められて視線を上げると 隣に、背の低い先生より頭半分高い 見たことのあるような女の子がいる。 先生に招かれて近くによると 背丈は、俺と同じくらいだろうか。 あの子はチアをしていて ]筋肉がどうとか言ってたっけ。 「「小林、こいつが前ちらっと話した面白いやつだ。 文学部じゃないのに俺の授業とって 歴史に残る酷いレポートを書きながら 毎回授業取ってくる。 今年も落ちる予定だ、なあ早乙女」」 [先生がそう、笑って紹介してくれた その女の子の胸には、ボロボロの 『小川未明 童話集』。] (21) 2020/10/09(Fri) 18:44:39 |
【人】 一年生 小林 友…………小林、ユウ、です。 友、と書いて、ユウ。 [あれだけ見たいと願っていた顔が 水面に揺らぐようにぼやけていく。 話し掛けたいと思っていたのに、声が出ない。 人違いだったらどうするんだ、と 冷静な自分に急き立てられるように 俺は、ただの小川未明好きかもしれない人に こう尋ねるんだ。] (23) 2020/10/09(Fri) 18:45:44 |
【人】 一年生 小林 友[もし、それに肯定が返ってきたならば。 ……ああ、先生の前でキスなんかしたら 後でしこたまからかわれるし……。 世界を越えてもままならないことばかり! それでも、君と一緒なら。] (24) 2020/10/09(Fri) 18:46:28 |
【人】 一年生 小林 友窓を開けると、いい月夜でした。 美代子さんは、自分の造った千代紙の花を すっかり、窓の外に投げ散らしました。 二、三日すると、庭には、 いろいろな花が、一時につぼみを破りました。 千代紙の花が、みんな木の枝について、 ほんとうの花になったのです。 ─────『千代紙の春』 小川 未明 (25) 2020/10/09(Fri) 18:49:54 |
【人】 一年生 小林 友[まるで夢みたいな話で、きっと 俺たち以外誰も信じちゃくれないだろうけど でも、他ならぬ君が信じていてくれるのなら。] 俺はずっと、金の指輪の片方を 探し続けていたんです。 [まだ千代紙の春は、始まったばかり。]* (26) 2020/10/09(Fri) 18:53:54 |
【人】 二年生 早乙女 菜月[小林君の視線が、私の手元に注がれる。>>22 いつのまにかボロボロになってしまった本。 驚いたような顔をする小林君に、私の感情が呼び起こされる。 いくつもの「もしかして」と「まさか」が、 水泡のように浮かんでは消える。] ゆう、くん……? [嘘だ、って、とっさに思う。 だけどそれ以上は声が出てこなくて、 会えてうれしい、とか、 ちょっとひねりを加えるなら、私はアキナだよ、とか うそっこ教えるのお揃いだね、とか、 色々。もっといい言葉があったはずなのに、] ……なんでぇ? なんで、ともくんがここにいるの……? [私が言えたのはそれだけで。 友君の目の縁に溜まる雫に>>23、 私の涙も導かれた。] (27) 2020/10/10(Sat) 7:14:50 |
【人】 二年生 早乙女 菜月[そうして、友君の言葉を受けても>>-76>>26、 うん、うん、とうなずくことしかできなくて。 私たちを見てちょっと焦った先生が、 「……死ぬにはまだ早いぞ?」 自殺の誘いを目の当たりにしたと勘違いする。] (28) 2020/10/10(Sat) 7:15:17 |
【人】 二年生 早乙女 菜月「不意に、本が膨れ上がる。 本は幾千幾万もの真っ青な 蝶 へと姿を変えて、私たちの視界を奪う。 青い翼をはためかせて、銀の鱗粉が尾を引いて、 私たちの周りを舞いながら、 様々なものに姿を変えた。 例えば、野ばらから尻を突き出したミツバチ。 例えば、目を細めて針の穴をみつめるおばあさん。 線香持ったおじさんや、太鼓を叩くラッコまで。 それらは幾度も形を変えながら、 窓の外へ、浮かぶ雲島へと飛んで行き、 しまいには、魂は、みんな青い空へと 飛んでいってしまったのだ。] (30) 2020/10/10(Sat) 7:17:22 |
【人】 二年生 早乙女 菜月[白昼夢だと思ったんだろう。 「……俺、寝る。今日休講な] 小埜先生はふらふらと去っていった。 その後ろ姿を見送って、私は泣きながら、 笑ってしまった。]** (33) 2020/10/10(Sat) 7:21:05 |
【人】 在原 治人[スーツケースと衣類も買い終え、 時期的に少し早いが 年に1度の定期検診のついでに 主治医にもドイツへ行くこと 長期になるかもしれないことを報告すれば、 あっちで何か異変があった時に 頼れる医師への 紹介状も書いてくれて 着々と準備だけは進んでいく。] (34) 2020/10/10(Sat) 8:38:54 |
【人】 在原 治人[持て余した時間は ネットの情報を漁ったから、 逢いたくて逢いたくて仕方がない貴方の 写真や動画を保存したフォルダーが ひたすらに膨れていった。 世界中の人が憧れる このひとに、俺は触れたのだ。 剰え、針で────… 手当ての時の、痛みを堪えた息遣い>>3:*27 服を身に着けていく時の少し照れたような表情>>3:*28 もう少し…と眠ったふりをして堪能した ぬくもり、匂い、それから重み。>>3:*30 あのチャペルでの24時間を 切なさと共に、脳内に蘇らせていると なんだか堪らなくなって それで… 初めて誰かを想って、シた。 ]* (36) 2020/10/10(Sat) 8:45:43 |
【人】 在原 治人[当日は気が急いて めちゃくちゃ早く空港に着いたから 迷子になっても平気だった。] すみません これに乗りたいのですが… なんか、どこに行ったらいいか分からなくて… [貴方が手配してくれたチケットを見せたら>>3:38 待ち時間はこちらで…と案内された ラウンジが凄くて驚いたし 飛行機の中も快適すぎて 食べ物なんか 喉を通らないだろうと思っていたのに 見た目も美しい料理に、つい口を付けてみたら するすると腹に納まってしまった。 貴方が、俺を大切にしてくれているのが 行き届きすぎてる サービスからも伝わってきて 今、まさに向かっているところだというのに 早く逢いたくなって、困った。] (37) 2020/10/10(Sat) 11:08:18 |
【人】 アクスル[けれど、ここではダメだ。 こんな場所では完璧じゃない。 彼の言う通り場所を移ってから――、 それと、用事を済ませてからだ。] ……、少しだけ我慢してね [公の場に相応しくない色を帯びた瞳を サングラスで覆った。 我慢、をするのは果たしてどちらだろう。] (42) 2020/10/10(Sat) 17:17:35 |
【人】 アクスル[1時間と2分の距離。 排気ガスを吐き出さない車が走った。 自分で運転を出来たなら 車内で少しくらい触れ合えたのかも知れないけど 運転の免許は取ったきり 身分証明書としてしか役に立っていない……。 今日を彼の命日にするのは大問題なので 普段通り運転手を頼んであった。 せめてと、車内では後部座席で並んで座り 黒い蝶柄の手袋を外した素手で彼の手を握っていた。 ……かえって、もっと触れて欲しくなったけれど 離すことなんかできなかった。] (44) 2020/10/10(Sat) 18:39:45 |
【人】 アクスル[窓の外の風景は都会的なものから 自然が目立つものへと変化していき 軈て車は、森の中に聳える古城の門を潜り 敷地内で停止した。 会社も家も、先代のものだ。 気に入っているけれど、自分は引き継いだだけ。] (45) 2020/10/10(Sat) 18:39:51 |
【人】 アクスル[治人が嫌がらないようなら 中から出てきた使用人達に荷物を託してから 繋いだままの手を引いていく。 案内する先は、地下室だ。] 逢わせたい人が居るって言ったでしょう ……これまで誰も紹介したことがないから 少し緊張するなぁ…… [暗い階段を降り、 静脈、虹彩、厳重な認証を経て扉が開く。 部屋の中からは冷気と、強い花の芳香が漏れ出てて] (46) 2020/10/10(Sat) 18:40:07 |
【人】 アクスル[二つある寝台のうち一つの上に ドレスを着て横たわる姿がある。 僕と同じ金色の髪は抜け落ちたものを集めて ウィッグにして被せたものだ。 ぴくりとも動かぬ肌は青白い。] ……彼女が僕の母だよ [見かけの美しさにのみ囚われて生き、 そして息子の手で永遠を得た哀しき女性。 空いている方の寝台に眠ることは 僕自身の願いではなかった……、彼女の願いだ。 そしてもう僕は、望んでいない。] (47) 2020/10/10(Sat) 18:41:02 |
【人】 アクスル……母さん、紹介するよ 日本から来てくれたHerr 在原治人 ......Er ist mir lieb und teuer. [大切な人だと伝える仕草には、照れが混じった。 母の理想とは異なる道を選んだ僕を、 どうか、許して欲しい。**] (48) 2020/10/10(Sat) 18:41:19 |
【人】 Cucciolo アジダル[ 適者生存と弱肉強食の理が並び立ち、 理性的なのか野蛮なのかも曖昧な場所に於いて 常識外れな一般論に>>7>>8に降り積もるのは 僅かな喜びと、それとは裏腹の嘲笑だ。 ] えらく人道的なことを言うな。 あんた旅行者かなんかだろ。 このあたりにそんな考え方をするような輩は そうそういないもの。 [ 野垂れ死んでいてもおかしくない人間など 一歩角を曲がればごまんといる。 見慣れたくなくとも見慣れる世界に生きているのは もちろん自分だけではなくて。 ] それで、口さがねえあんたは 人が人を動物扱いするような行為は 初対面の人間に吐きつける程に 許しがたいってわけか。 [ お優しいことで。 曲がりなりにも嫌悪だというのに包み隠しもせず あっさりと渡された感情が可笑しくて くつくつと喉を鳴らしながら立ち上がる。 ] (49) 2020/10/11(Sun) 1:50:50 |
【人】 Cucciolo アジダル──どうでもよくねえ? んなこと。 ここには道理も倫理もカミサマも何も無いし、 人が動く切っ掛けなんて欲だけだよ。 俺が欲しいのは彼らが明日を迎えるって結果だけ。 そこにまあ、理由…… 尤もらしい言い訳なんか思いつかねえわ。 そんな風に"気味悪く"慈悲を振りまくよりか 畜生扱いしたものを愛でてる方が よっぽど真っ当だろうと思うけどね。 少なくとも、 [ 言い訳じみた行動理念を吐く程度には 憐憫所以の施しはこの場所で受け入れられ難い。 必要なのは真実でなく、周囲を説得するだけの言葉だ。 ] 少なくともまー、さあ、あれよ。 理由なく人助けするヒーローに憧れてるとか言うより よっぽど真面な理由だろ。 [ 彼を見ていた視線は外れ、瞼の下へ。 そんなアホなことを肯定するのは一人で充分で、 ] (50) 2020/10/11(Sun) 1:51:09 |
【人】 Cucciolo アジダル……? [ 一人、誰の事だっただろうか。 眼を開けたかと思えば どこか遠くを見るように揺らめいて踏鞴を踏む。 壁に頭を打つようにして前のめりにふらつけば、 彼の方に倒れ込みかけて、 見覚えのある、 ある。そう。 見覚えのある黒髪が視界に留まって眼を見開いた。 一人、たった一人。] ………。 [ その世迷言を肯定してくれた人がいたのだ。 ] (51) 2020/10/11(Sun) 1:51:18 |
【人】 アジダル( Ditele di farmi una camicia di lino Prezzemolo, salvia, rosmarino e timo… ) [ ……窓から差し込む朝日が眩しくて、 抱き締めた肩口に目元を押し付けた。 細くも透き通った歌声が一瞬途切れ、 笑息を含んだ声色が男の名を象った。 ] ( Buon giorno. Ajdal. ) ……Buon giorno. Mia bella. [ ……音はその部屋には鳴らなかった。 既に思い出せない声は聞こえないが、 言葉は字幕のように脳に入ってくる。 衣擦れ、歌う声、川辺の水音、喧騒。 その人の吐息による残響を追いかけ、 擦り寄った首筋に暖かなキスを贈る。 ──これは、安寧の、 ] (53) 2020/10/11(Sun) 8:42:57 |
【人】 アジダル[ 擽ったそうに捩る身体をつかまえて、 脚を絡めながら下腹部を緩く撫でる。 僅かに弛んでいた皮膚の触れ心地は、 すっかり本来のすがたを取り戻して、 少し前までそこに命が入っていたと、 思わせないほどになめらかであった。 膨らんだここに耳を当てて語り掛け、 見苦しいほどに頬を緩ませた日々は、 未だ男の記憶の内に根を張っていた。 朝の風が薄手のカーテンを纏い踊る。 その影を受けた揺り籠の覆いの下で、 ありふれた幸せがやすらかにねむる。 十年すら共に過ごせなかった時間の、 何気ないたった一欠片だというのに、 瞼を開かずとも綿密に思い起こせた。 ] (55) 2020/10/11(Sun) 8:43:08 |
【人】 アジダル [ ……。 執着の強い思い出だからこそ、 違和感に対する修正力も強く。 ] ──、ケンブリックのシャツは、まだだ、 もう少し、……ここにいてよCuore mia…… [ 観測者の存在など忘れた故に、 閉じ込めた愛しい人の心地が 多少違ったところで構わずに。 柔らかく感じる髪を指に絡め、 唇の先端で軟骨を食むように 耳の先を撫でつつ愛を囁いた。 「二度寝しよう?」と誘えば、 「ダメ」と叱られるんだろう。 恰も幸福の泉に沈み切っては 呼吸すらする気のないような 熱っぽくも蕩けたその笑顔は、 日常と地続きのルーティーン。 ……観測者が一歩でも動けば 容易に観測点がずれる程度の。 ] (56) 2020/10/11(Sun) 8:43:57 |
【人】 アジダル[ 是が失われることをもう知っていた。 聞き飽きる程の甘さを撒き散らして、 この時全てが終わればよかったのだ。 揺りかごの天使がかわいい声で泣き、 寝乱れた聖母が柔らかく抱き上げて、 それを朝食のラテとビスコッティで 迎えに行って寄り添うばかりだった、 そんな至福の時で。 至福の時だという、のに、 記憶の中ですら陶酔しきれずに。 ] (57) 2020/10/11(Sun) 8:44:06 |
【人】 アジダル[ いつだって忘れきれない光景は光を簡単に呑み、 テレビのチャンネルを移行するように脈絡なく、 鉄臭くも醜悪な景色に切り替わる。 赤い溜まりの中に横たわる黒髪の女と、 その腕の中で良い子に眠る赤ん坊と、 報復の怒りが滲む凄惨な室内。 瞳にそれを映した男は 憎悪と怨恨を湛えた顔で、 泣けもせず観測者とすれ違う。 ]* (59) 2020/10/11(Sun) 8:46:09 |
【人】 志隈[故郷は此処より治安がいい。>>49 同じ価値観を持つことは出来ないだろう。 尤も兵になる前の記憶は大分曖昧ではあるが。] この国に関わった事が無いから、 旅行者と言うのは間違ってない。 [甘く見えようが気にもせず。 それが何か関係あるかと無愛想なまま。] 動物扱いするなとも、許せないとも言った覚えはないがな。 あんたがわくわくしてる姿が、 気味悪さを覚えただけだ。 [人を人と思わない行為は珍しくないが、 表面的に優しく見えるものには眉を顰めた。 優しい訳でもなく、 ここに文句を付ける筋合いも無かったが、 不愉快に思うか?とはあんたが聞いたんだろと そう口にして。] (60) 2020/10/11(Sun) 9:32:50 |
【人】 志隈[どうでもいいと言われれば、顰めた眉を元に戻した。 冷静にはなっていく、 怒るほどではないものでもある。 違和感は拭えないが。] 結果には影響のしない話だな。 理由に関しても、おかしいと思ってる訳じゃない。 あんたはそれでいい。 犬猫と同じに扱うのが気味悪いのは、俺の都合だ。 [価値観が違うのは当然のようにある。 数ヶ月前、合わずに衝突した覚えも。 今でさえ、同じ景色を見てるとは言い難いだろう。 子供は施す側の理由なんて気にしないものだ。 運が良かった、くらいに考えている。 人を人としての価値を認めたがるのは、 ]あの人や自分の価値が過るからか。 それすら思い出せず。 理由なく人助けに憧れる純粋なあんたが見れるかと思ったがな。 これもあんたらしいか。 [瞬間的に忘れていた夢だと言うことを思い出して、 言った所で思想が変わらないように出来てるかもしれないなとも。 説得をするとも、出来るとも思わない。] (61) 2020/10/11(Sun) 9:32:57 |
【人】 志隈[近くに感じる匂いは毒のようだ。>>53 数ヶ月前感じたものとは違っても、 どうしてか、他の人間とは違うように思えてしまう。 朝日の差し込む世界で、 寝ぼけていると言うなら何時でもそのままにした。 何も思ってない事はよくわかっているなら、 意味はない。 ──無いのは解ってる。 それでも触れるものに甘さがあれば余計に身を固くした。 開いた物は更に指がかかって開かれてるんだろう。 好ましいと感じて、 その姿を向けられたいと願って… 悪い冗談だと思う。 過去に愛した女性がいるのは何も思わない。 だが、そうやってあんまは愛せる人間だから、 何時か誰かを思い愛するのだろう。 それが堪らなく嫌なのだ。 ]幸せを願ってるくせに、手放したくない。 あの人が自分を忘れて結婚して幸福になった事は、 後悔もないし良かったと喜んでいるのに、 どうしてかあんたの幸せから跡形もなく消えるのは── (63) 2020/10/11(Sun) 9:33:08 |
【人】 志隈[どん、と突き飛ばすように動いた時には、 赤い世界が広がっていた。>>59 愛してたものを失う痛みはどれくらいのものなのだろう。 娘は生きていると聞いたから、腕の中の子は無事だろうか。 憎悪と怨恨の顔の方が頭が冷えていって、 息を吐く。 そうまで思うなら娘の側にいて欲しかったが、 難しい事だとは聞いた。 戦争をすれば、 勝者が敗者から略奪するのは珍しい事ではない。 この光景だって、そこまで苦しみは呼ばず。 苦しみを越えて前を向いて欲しいと願うのは酷いことだろうか。 声はかけずに彼が動くなら付いて行って、 そのままであるなら女と子供の顔をじっと見つめた。 代わりに与えられないものを与えようとするくらいには、 子供は大切らしかった。 何時か再会出来れば、あんたは笑うのだろうか。]* (64) 2020/10/11(Sun) 9:33:41 |
【人】 在原 治人[貴方の吐いた息を そのまま吸えてしまう距離。 気を抜けば燃え盛ってしまいそうな欲を 誤魔化すように、] あ、そういえば 飛行機 すごかった…! [シートが、食事が、サービスが… 空の旅の感想を音にした。 世界中を飛び回る この美しいひとにとっては日常で 俺にとっては大冒険の時間を、 はじめてのおつかいを 達成したばかりの子どもみたいに語る。 高揚や興奮 ────欲情 を懸命にすり替えて 62分の距離を、どうにかやりすごした。] (68) 2020/10/12(Mon) 6:55:19 |
【人】 在原 治人[そうやって辿り着いた ”Friend's house”の規模と形状は あまりにも規格外で、またもや度肝を抜かれた。>>45 ネットで検索している時に 彼のことを王子に見立てて書かれた 夢小説なるものも目にしたが……] ここが、アクスルの家、 いや城、か‥‥ [世界が違うとは、まさにこのことで。 はー…っと呆けていると、 自分からは離す気のない繋いだままの手が引かれた。>>46 貴方の居るところになら どこまでだって共に。 向かう先に、 驚きの連続の今日を あっさり塗り替えてしまう衝撃が 待っているとも知らないまま、寄り添って──…]** (69) 2020/10/12(Mon) 6:56:44 |
【人】 新郎 小林 友[千代紙の花が芽吹き、 古びた本が蝶へと変わり、 ラッコが空を飛んだ日。 あの日から、俺は菜月の温もりや声を知った。 手を繋ぐと力強く握り返してきて たまに手が痛くなるのとか、 案外涙もろいのとか、 キスしよう、と言うとちょっと目が泳ぐのとか。 あの日から菜月の新しいところを知って 多分、菜月も影じゃない俺のことを 毎日少しずつ分かってくれていくのだろう。 何せ、俺は別な世界からの住人だ。 手紙が窓から羽ばたいた夜から 今日に至るまでの長い長い物語は 千夜語っても語りきれない。] (73) 2020/10/12(Mon) 14:01:01 |
【人】 新郎 小林 友[だから、初めてデートに行くのなら 一緒に本屋に行きたいと思う。 めいっぱいオシャレした 菜月の姿をこの目で見てから 改めて「君が一番可愛い」って言いたい。 それから、一緒に読むための本は 相変わらず小川未明の童話集。 紙越しじゃなくて、隣で 君と他愛ない感想を言って笑いたい。 そしたら、喫茶店でお茶でもしよう。 フラミンゴのマドラーと一緒に 意味深に、ストローが二本付いたドリンクを前に 俺は多分もにょもにょ言ってしまうけど 君が「一緒に」と言うならば 必ず俺はそう、するから。] (74) 2020/10/12(Mon) 14:01:22 |
【人】 新郎 小林 友[それから、それから───── ああ、やりたい事は山ほどある! 君に伝えたいことも。 一日がたったの24時間なのが惜しくて つい、伝えられない気持ちのまま いきなり君を引き寄せて、キスしてしまったり。 そう打ち明けたら、君は笑ってくれる?] (75) 2020/10/12(Mon) 14:01:57 |
【人】 新郎 小林 友[今は笑って指さしてくれたって構わない。 いつか、君が隣にいるのが当たり前になった時 ちゃんと言葉で想いを伝えたい。 消えないよう、心の中に。]** (76) 2020/10/12(Mon) 14:04:50 |
【人】 アジダル[ 嘲笑うでもなく、呆れるでもなく。 戻ってきた言葉たちに肩を竦めただけに留める。>>60 自分の事を知っているかのような口ぶりには>>61 僅かに警戒するような反応は見せていた。 ] 気味悪い方がここいらじゃ真っ当なんだよな。 人助け結構。施すもご自由に。 ただしそんなものを受け取りたいかと思うかは また別の話しなんだぜ。 [ タダより高いものはなく、 純粋な感情ほど信用ならないものはない。 今や廃墟になった教会の、 Take freeの篭に入ったパンよりも 生ごみ袋の減りの方が速かった。 悪意と策略に篭絡された街に於いては 下心がある程度が丁度いいのだ。 それは例え味方の内であったとしても。 ] (77) 2020/10/13(Tue) 0:06:50 |
【人】 アジダル[ 画面の向こうにいた英雄は太陽を背負っていた。 真っ新な拳を祈るように振るい、 守る手を開いて弱きものに伸ばしていた。 それを取れるのは守られる人が他人を信じられるからだ。 生憎と路地裏ではそんな感情は疾うに売り切れている。 ] それに、もう俺は人を殺しているし。 [ 路地裏の角裏、伸びる影に隠れて立つ体を見降ろせば 真っ新な服を赤に濡らした昨日が見えて 奪うばかりの人間がうつっていた。 英雄を名乗るには黒に潰され過ぎているが 取引をするには十分な信用が見えるのだろう。 精一杯の振る舞いを糾弾する良心を殺したから、 小さくかぶりをふって。 ] (78) 2020/10/13(Tue) 0:06:56 |
【人】 アジダル[ 人にやさしくされた分だけ。 生き延びて嬉しかった分だけ。 ただ他人に受け渡してやりたいとはあまりに不遜な感情。 ただそれが真実であるという事実だけが 片付け忘れた死体のように重く転がっている。 ] いい加減、 がっかりしたか?[ どうでも良さそうな声色は何重にか重なって さっさと通り過ぎ。 ] (79) 2020/10/13(Tue) 0:07:00 |
【人】 アジダル[ …………。 当然の報いだと理解していた。 男はそれだけの事をしてきたのだ。 捕虜の口を割る役目を担い、 酷なことを他人に強いてきた。 同じ宿に二人で入り、 一人だけ出るようなことだってあった。 けれど。 彼らなりの落とし前としての行動だったのだろう。 拷問にしては甘い遺体の損壊具合と ほどなくして泣きだした赤子の健康状態を見れば いっそやさしくされていた方だと気づいていた。 けれど。 それは勝者を定める戦争でなく、 雌雄を決する諍いでもなかった。 ワンターンずつ入れ替わるゲームのように、 規定も、協定も、権能も、目的も、条件も、何も。 何もない。 子供の喧嘩よりも単純な癇癪で、 蹂躙されてしまったのは、。 ] (81) 2020/10/13(Tue) 0:07:08 |
【人】 アジダル[ だからヒーローには相応しくなかった。 過ちと知って尚、怨恨の連鎖を断ち切るのが 取るべき道だと理解しておいて尚、 男は銃を捨てようとはしなかった。 ] (82) 2020/10/13(Tue) 0:07:13 |
【人】 アジダル[ 観測者の姿が目に入りなどしないかのように景色は廻る。 ふらふらと歩みながらあらゆる反撃を行い、 暴虐と呼ぶに相応しい復讐を撒き散らし。 自分のボスに潰れる程殴られても、 生まれて初めてめぶいた自分だけの殺意を 持て余しているかのように関係者を根絶やした。 最後の一駒を撃ち抜いた空虚を背負い、帰った拠点。 こちらに手を伸ばして笑う娘を見て、 漸く一粒涙が、落ちる。 ] (83) 2020/10/13(Tue) 0:07:18 |
【人】 アジダル Fra l’acqua del mare e la spiaggia Allora sarà il mio vero amore... [ 柔らかな髪を優しく撫でて、 喉を握り潰した慟哭は 擦れた歌声の形をしていた。 ] (84) 2020/10/13(Tue) 0:11:49 |
【人】 アジダル Ditele di mieterlo con un falcetto di cuoio Prezzemolo, salvia, rosmarino e timo [ 明滅して、 揺り籠の赤子は少女へと成って、 ] (85) 2020/10/13(Tue) 0:14:38 |
【人】 アジダル E di legare i covoni con rametto d'erica Allora sarà il [ 明滅して、 髪の伸びた少女は小さなまま男に手を振って、 ] (86) 2020/10/13(Tue) 0:16:35 |
【人】 サティ家次期当主 シャーリエあ…… [空に浮かぶ茜色に白と茶色の毛並みの生き物がいた。 それは、水面を割るように雲に潜ってこっちにやってくる。 手を伸ばすには遠すぎるところで、 短い手から奇跡のかけらを零して帰って行った] 流れ星…… (88) 2020/10/13(Tue) 1:36:56 |
【人】 志隈[考えの違いはよくあることだ。 警戒の色には僅かに何とも言えないような顔をした。>>77 現在のアジダルの産物と考えれば、 明かしてもいいようになる気分は察してほしいものだ。] 気まぐれで施される食物……餌の方が多いって事か。 善意の方が警戒されると言うなら、 俺がここの治安を良く見誤ってたようだな。 [見誤ってたとしても考えは変わらないが。 籠に入ったパンの方が減らない事は知らないし、 それに合わせて施し方を変えてるかどうかも、 特に気にする事では無い。 気に食わないだけだと言った。 人扱いされない兵隊を沢山見れば見るほどに、 俺達は一人の人間だと叫ぶ仲間がいて、 そんな環境で育った価値観もあるだろう。 takefreeと書かれてれば生ゴミよりそちらを選ぶ。 例えば自分が殴られたとしても、 あの人に安全な物を食べさせる方が優先された。 郷に入れば郷に従えと、この場所では彼の方が通用したとしても、 此方は“旅行者”でしかないのだし。] (89) 2020/10/13(Tue) 1:50:42 |
【人】 志隈[人を殺したと言えば、 そうだろうなと驚きもせずに頷いた。>>78 俺も殺してるとも一応告げて、 戦わなければならない世界には慣れ過ぎた。 それがどうかしたという顔を浮かべ。 路地裏に倒れる人間に眉一つ歪めないような男は、 相談相手には不適だ。 善意を知識として知っていても善人ではない。 ヒーローだって悪人を倒すからいいだろとは言っておく。 ヒーローより英雄は、 人殺しで呼ばれる事もあるなんて思い出したが。] あんたにがっかりする事は別にないな。 [何故そう思った、と また答えが返らなそうだと考えながら問うた。 理由があっても無くても、がっかりはしない。 憧れの混じった視線で見ているからもあるだろうし、 怯えて泣き出しても新鮮に変換される。 青い姿に呆れるは有り得るが、今の現状では思いつかない。 貰った分の優しさを伝えてるなら立派な物だと言うだろうか。 行動に関しては元より言う気がない。 相手が自分より人の心を持っているのは知ってる。] (90) 2020/10/13(Tue) 1:50:59 |
【人】 志隈[目まぐるしく世界は変わっていく。>>83 見慣れているとは言え眉を顰める怨嗟。復讐劇。 もしも。あの人が殺されたとしても復讐には走らない。 あんな殺意を持って奮う事は出来ないだろう。 ただ憐れみ、その魂の救いを願うだけ。 当然のように復讐される世界だとも考えてはなかった。 因果応報と巡るとしても、軍の仕事なら躊躇なく銃を撃ち、 復讐と言われても素直に身に受ける気もない。 甘ったるい声で人を愛せるあんたには、 酷な事だったんだろう。 慟哭が、それだけの愛を物語る。 同じだけ娘も愛したのだろう。 手放すしかないと言うが、 本当にそれしか無かったのかとは何度も思ってしまう。 危険に晒したくない気持ちには同意し、 逆にあの人に関する事を言われれば聞く耳が無いので、 一応納得はしてるものの。 成長していく少女の姿を見送る。 大切な物を失ってしまったあんたには、 彼女こそが必要で救いになっただろうにと痛ましい。 表情は変えずに、 “あんたは幸せになるべきだ”と気持ちを強くした。]* (91) 2020/10/13(Tue) 1:51:16 |
【人】 志隈──起きた後、近い内に── あんたは、俺の恩人なんだろうな。 あんたがいたから、全部は捨てずに済んでいるし、 俺は俺として生きていられる。 …もしあの人に会うなら、あんたも一緒に行ってくれないか。 そうやって助けられたんだと紹介したい。 細かいことは言えないがな。 [何も思い出しはしないが、 ほんの少しの温かさが胸に湧いていた。>>2:=6 辛いことなど何もなかった。 あの人が幸せならそれで良かった。 あんただって甘えるなとそう言うはずだと考えていた。 苦笑めいた顔が優しさの様な物に見えた淡い夢。 “名前を呼びたい”なんて言われなければと眉を寄せていた為、 当時は素直に言うに至らなかったが、気が向いた。 無理強いをするつもりはなかった。 一人で行けと言われれば、 ビジネスライクな関係を築いてくるだろうか。 もう子供は子供ではなく、 あの人には変わりなく仕事がある。] (92) 2020/10/13(Tue) 1:55:36 |
【人】 志隈[……アジダルに抱く思いは恋愛感情なのだろう。 それだけではないが、それも含んでいる。 あの人への思いの違いを表すには一番しっくりは来た。 幸せにしたいと願い、 幸せになる姿を見届けるつもりだ。 そうして誰かがあんたを幸せにして、 自分が邪魔になると思えば、 また別の国に行ってもいい。 ──と、強がっても心に痛みは伴っている。 離れたい訳ではないし、無理やり皮膚を剥がすような物だ。 それでも、やらなきゃならないならやる。 体温と匂いと、近付く事で掻き乱されるのはあんただけ。 不毛でも思い続ける事は苦ではない。 無愛想な中に甘さを薄く滲ませ見つめ続けるだろう。 恨むなら扉を開いた自分の迂闊さを恨め。 あれは俺の所為じゃない。 誰かと間違えて甘い色を落として、 自覚するほど更に広げたのだって、 寝ぼけてたあんたの所業だ。 だから、悪びれる気もなく。 寝てる時に唇でも奪ったらどうするのかと、 そんな悪巫山戯を考えそうなくらいには開き直る。 女装ランウェイの良さは未だにわからず惑っている。 汗と年の匂いを重ねたノーマルなあんたの方が好みなのは自覚した。]* (93) 2020/10/13(Tue) 1:55:47 |
【人】 Cucciolo アジダル[ 自業自得だ、と、 男は土に立って吐き捨てる。 傘もささず濡れるに任せた雨の中、 質のいい服を着ろと教えた人のいる 6フィート下の箱へ。 後方の建物では誰も喪服など纏わず、 次のトップを誰にするかばかりを議論している。 有力候補であった男が女一人殺された程度で 使い物にならなくなったのは、彼らにとって 想定外で好都合だったようだ。 所詮温い故郷の出身、 ボスに囲われてただけのガキ、 血を絶やさないよう、 かまびすしい有象無象共を、男に世話になった 十数人の仲間たちと元金色毛虫の青年が その拳を以って黙らせている。 彼が気にかけた男の方にはその喧騒は届いていない。 最初から墓と男しかいないかのように その空間はしとしとと静まり返っていた。 ──これは、決別、の。 ] (94) 2020/10/13(Tue) 1:58:36 |
【人】 Cucciolo アジダル……非道いタイミングで死んだね。 [ 顳顬を伝った雫が顎に溜まりを作る。 揺れた景色に混じった言葉がほつんと落ちた。 無法地帯だった街を暴力で支配し、 肥大した権力で公的機関に圧力をかけて お飾りだった秩序に意味を持たせ終えて直ぐに その人は心臓に鉄の口づけを受けた。 娘を妻の親族に引き渡し、 ボスの為に生き直そうと男が決めて間もない頃だ。 ] あんたはいつもそうだ。 僕の気持ちなんかお構いなしに土足で入り込んで…… あんな話、 [ 彼女の人生は父親の自殺から壊れていったという。 他愛ない肴だった話は、自棄になった男から 残酷に選択肢を奪っていった。 繋いだ恋人の手は冷え、我が子の手は離れていった その手に最早何を握ればいいのかわからないというのに 首に繋がっていた筈の輪さえ消え失せて。 ] (95) 2020/10/13(Tue) 1:58:43 |
【人】 Cucciolo アジダル[ 観測者の存在には気付いていない。 けれどそれがどう振舞おうが気に留めず、 後ろだか、土の下だか、あるいはどちらでもなく 静かに言葉を紡いでいた。 雨脚が強くなる。 ] ……。 僕は、組織を抜ける。 母と妹ももう僕の助けなんていらなくなったみたいだし、 Giustinoも、……強い子だから、大丈夫だ。 ごめんな。あんたの仇は取らない。 苦しいのに生きる理由なんてもうないけど、 ……苦しんで生きる以外に、 ……幸せにならないでいることしか、もう。 …………あんたや、妻や、娘を、 あいしている証明の仕方がわかんねえや。 [ どんな因果がどこに繋がり、誰を傷つけるだろうか。 自分の力では守れないと気付いた今は恐ろしく。 ずぶ濡れになった目元から温い水が伝い、 臆病な言葉と一緒に土に染みた。 ] (96) 2020/10/13(Tue) 1:58:50 |
【人】 Cucciolo アジダル[ 徐に膝をついた。 既に濡れきった膝に土が纏わりつくのも構わず、 墓石の前を手で掘り返す。 棺桶まで至らない小さな穴は、染み出る水に追い立てられ 徐々に底がせり上がっていった。 その穴が埋まってしまう前に顔を近づけると 水鏡に映った、あまりにも情けない顔の人物は しずかに口を動かした。 ] ……、あ、 ……………───。 ──っ、 (98) 2020/10/13(Tue) 1:59:23 |
【人】 Cucciolo アジダル[ 一言落とした穴に土をかけて、 恩人と共に埋葬したならば、 人のいる方へ……光る扉の方へと踵を返した。 ] (99) 2020/10/13(Tue) 1:59:44 |
【人】 新婦 早乙女 菜月[図書室だけだったデートの範囲が、 広がっていく。 初めてのデートは本屋。 だけど私は熱心な読書家にはなれなくて、 友君の持つ本を横から覗き込んだり、 友君の睫毛を眺めたり。 喫茶店で頼むのは、 ピーチゼリーソーダと バナナのミルククレープ添え。 クレープは二つ、ストローもふたつ。 友くんがもにょもにょ言ったって、 ドリンクだけはひとつきり。 だって、美味しいドリンクを分け合うなんて、 影だけが相手じゃできないもん。 友くんと触れ合えるのが嬉しくて、 甘やかな声も、意外と豊かな表情も、 どんどん好きになっていく。 だけど──] (101) 2020/10/13(Tue) 6:49:40 |
【人】 新婦 早乙女 菜月「ナツキ全然彼氏のこと喋らないね?」 「前はぺらぺら話してたくせにー」 [と、チアの子にはからかわれる。 笑いを取るのは好き。 自分がピエロになることで みんなに笑ってもらえるなら、 積極的に話に行くけど。 だけど、友くんと何を話して、 私が何を感じたかは、 誰にも言わない。 自慢したいけど自慢したくない。 そんな気持ち、初めて知って。 だから、初デートのおしゃれのため 部員達に泣きついて初めて 友君の存在が知れ渡ったのだ。 「ナツキつまんなーい」「吐けー」 良いんだ。笑顔にならチアでするから。] (103) 2020/10/13(Tue) 6:51:16 |
【人】 Cucciolo アジダル[ 人を害したことを後ろめたく思う程度には 青年にだって人権意識が存在する。 倫理よりも手段を選んだこと全てを理解されようとは 元から思ってはいなかった。 然し口から飛び出したのは意図せずして防御のそれ。 否定されたことに僅か安堵したこと、 眼を瞠るほどに驚いたのは青年自身だった。>>90 虚勢を張って面子を保つ日々に ……心から弱みを晒すだけの余白はなく、 肩を並べて後ろを守り続けた組織では 随分空っぽの意識だけが育っていたようだ。 ……ひとときの肯定や心休まる場所。 剥き身の自分と向き合える時間が 適切に取れていれば違っただろうか。 ───。 青年が振舞った優しさは、 男がただ二人にしか向けられなかった愛情は 次は絶対守り抜くと決意できない程に、深く。>>91 ]娘の方へと向けられた。 (104) 2020/10/13(Tue) 6:51:30 |
【人】 新婦 早乙女 菜月「GO! FIGHT! WIN!」 [自分の中にある熱が、 汗となり、声となり 発散されていく。 会場内は熱い。気温だけではない。 ここに集まっている人たちの 若さや、情熱や、希望や、愛情で、 とにかくあついのだ。 声がどこまでも広がって、 やがて自分の耳に戻ってくる。反響。 たっぷり体に染み渡るような、残響。 モーション。体の中の筋肉、 インナーマッスルで体を止める。 体を動かす時間をできるだけ短く、 モーションを決めている時間を できるだけ長く。 腹筋に力を込めて、 明確に体をストップさせる。 反響して戻ってきた声で、 シンバルのように鼓膜が揺れる。] (106) 2020/10/13(Tue) 6:53:18 |
【人】 新婦 早乙女 菜月[これは、と気づく。 高々とアキナを投げる。 重力が消える最高地点でトゥ・タッチ。 これは、反響しているんじゃない。 私たちの声の残響じゃない。 客席からの掛け声だ。 掛け声が返ってきている。 二分三十秒の演技が、終わる。 席に並ぶ一つ一つの顔、 その中によく知った顔立ちを見つけた。 二分三十秒の演技が、終わる。 鳴り止まない歓声の中、 客席に並ぶ笑顔の中の、 一番良く知る顔に向かって、 繋いだ手を高々と真上に突きあげる。 チアリーディングはスポーツだ。 グラウンドの外の花じゃない。 技を競う真剣勝負。 勝利の証は、会場に溢れる笑顔。 私たちは誰かを応援するために、 競い、高め合う。 だけど、私自身が折れてしまった時に 応援してくれたのは、 友君、あなたの言葉でした。]** (107) 2020/10/13(Tue) 6:54:37 |
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