榊 潤は、普川 尚久の左瞼に口付けを送った。 (a47) 2021/10/04(Mon) 18:21:12 |
普川 尚久は、榊 潤の眠りに、おやすみ。ほかのあいさつはしませんでした。 (a48) 2021/10/04(Mon) 18:34:26 |
【赤】 8435 黒塚 彰人椅子に腰掛けた膝の上、指を組む。右手の親指のはらで、左の親指の爪を擦る。 そうやって、言葉に迷うような、言い渋るような、何とも表現し難い沈黙があって。 「ここを出て――大切な人と生きたいと、言っていた奴がいるんだが」 「…………心底、羨ましいな。 俺の大切な人は……あの“俺”は、もう、いない」 目の前の少年から視線を逸らしたまま、ぼそぼそと言葉を吐く。 己の声が、遠い。……あの人の声は、もっと、低かった。 「……記憶だけは、ここにある」 とん、とこめかみを人差し指で叩く。 今となってはもはや、この記憶だけが、あの人の存在を残している。 「まっさらにはならないな。 そいつの見た景色を、俺も見るだけだ」 は、と自嘲するように笑う。 降り積もって、いつまでも残り続ける。便利で、不便な仕組みだろう?▼ (*11) 2021/10/04(Mon) 18:47:35 |
8435 黒塚 彰人(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/04(Mon) 18:48:14 |
8435 黒塚 彰人(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/04(Mon) 18:48:36 |
8435 黒塚 彰人(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/04(Mon) 18:49:05 |
8435 黒塚 彰人(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/04(Mon) 18:49:37 |
8435 黒塚 彰人(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/04(Mon) 18:49:58 |
黒塚 彰人は、ただ―――― (a49) 2021/10/04(Mon) 18:50:18 |
黒塚 彰人は、 冷たい死の感覚が、いつまでも、いつまでも。忘れられなかった。 (a50) 2021/10/04(Mon) 18:50:45 |
【赤】 8435 黒塚 彰人 (*12) 2021/10/04(Mon) 18:52:20 |
黒塚 彰人は、迷彩リョウたちの部屋の扉を叩く。 (a51) 2021/10/04(Mon) 19:31:19 |
【人】 7734 迷彩 リョウ>>a51 黒塚 扉を開ける。 最初視界に飛び込んできたのは、人間の胴だった。 視線を上げる。自分を見下ろす双眸と目が合った。 「……何か用」 僅かに身構えた。 首にかけられた手を思い出す。貴方にとっては戯れでも、少年にとっては殺されかけた記憶だ。 (25) 2021/10/04(Mon) 19:41:24 |
【赤】 3839 南波 靖史「そう。羨ましいな。仲間だね、彰人くん。 ──俺も、一番大切な自分には“二度と会えない”し、 “誰も、その存在を証明も観測もできていない”から。 彰人くんは最期に話せたみたいだけど。 俺は未だに自分の中に“靖史”がいるのを認識できない」 「……生きてるのか死んでるのかすら、不明で、」 「俺と言う“自我を持った異能”が存在する事すら、証明ができない。 創くんの記事見た?異能が自我ってマズいらしいね色々と。 でも俺こうして普通に生活してるのって、普通に見逃されてるのか、ただの多重人格者の狂人 の“戯言”と思われてるのか」「──実は、最も存在があやふやなの、俺なんだよね。 記憶だけが、『私』と『僕』の存在を証明してくれる。俺にだけ、ね」 君はコピーがあるから。肉体があるから。 同時に二つの個体が存在する限り、『外部の観測』によって証明がなされるだろうけど。俺の答えは誰一人観測ができない。『ただの多重人格者の妄言』を否定できない。 「……俺は死んだ事がないから、羨ましいとは言わないけど。 ただ、『最も大事な自分を、他者から認められなかった』」 「その一点は、君と共感できると思っている」 ▼ (*13) 2021/10/04(Mon) 19:42:23 |
【赤】 3839 南波 靖史「彰人くんの異能は、寿命と記憶の問題で、死体と苦痛が出るんだよね?」 「──俺の異能、使えないかな。」 「結局の所、俺の“1番”は俺から変わらない。 普通に誰かの傍にいるならこれはハンデだけど、彰人君も同じでしょ。そして、俺は“君の為に君を無痛で殺すことができる”」 「昔の俺の『自分が1番』で『他の全てが2番』が、此処で変わった。今の俺には、2番も3番も付けられる。」 「だから、君に声をかけている。俺、“ただしい人”に紛れて生きていける気がしないよ。だから、……ここから出たら、」 「“ただしくない人”のままで生きられる世界を、 一緒に、探しませんか」 「例え1番が自分でも、“独り”は寂しいから」 (*14) 2021/10/04(Mon) 19:46:06 |
普川 尚久は、温度を感じていた。 影の中よりいいかもな。 (a52) 2021/10/04(Mon) 19:47:28 |
【人】 8435 黒塚 彰人>>25 迷彩 開かれた扉。 視線を置いていた位置ちょうどに、少年の顔が現れた。 「顔を見にきた」 用件らしい用件はここに来る途中で耳に挟んだ噂話によって消えたので、本気でそれだけ。 顔を見るために他に用件を作るような殊勝さを持っていなかったので、これで目的は果たした。 「…………」 見慣れているであろう仏頂面で、少年を見下ろす。 その実、一つの事実を伝えるか否か、迷っていた。 (26) 2021/10/04(Mon) 19:52:05 |
【人】 7734 迷彩 リョウ>>26 黒塚 「はあ?」 最初の出た感想は、その一言だった。 しかし以前別れ際に向けたような、敵意までは含まれていない。 「……オレ、別にもう死ぬつもり無いから」 お前、報いてやる気がないんだな あの日激昂したのは、隠していた本音を指摘されたからだ。 隠す必要の無くなった今、怒る理由はもう無い。 その視線を、死地に向かう人間に向ける物だと勝手に解釈して告げた。 「お前の言う事、ほんとはわかってたよ。謝るつもりはないけど」 (27) 2021/10/04(Mon) 20:00:47 |
【赤】 8435 黒塚 彰人少年の顔を見上げて、目を細める。 眩しいライトはもう無いというのに。 「……つくづく、似ているな」 人間のなり損ない。 一番を自身と定める、ただしくないものたち。 「だが、お前は『俺じゃない』。 お前と違って、……違うものを、愛せる保証は無いぞ」 手を伸ばす。指輪の嵌ったそれに、指先を絡める。 交じり合う温度はやっぱり心地が悪くて、けれども少しばかり、マシになっているような気もした。▼ (*15) 2021/10/04(Mon) 20:03:48 |
【人】 8435 黒塚 彰人>>27 迷彩 変な顔をした。変な顔、としか形容しようのない、どの表情を選ぶべきか決め損ねたような顔だった。 「ここに来る途中で、聞いた。 ……お前が生きる気になったらしいと聞いて、」 つい、と合わさった視線を一度逸らして、また戻す。 それはたぶん、少年とのこれまでには、あまりない仕草だっただろう。 「……。……リョウ、」 手を伸ばして、ニット帽にぽすんと置く。 ふ、と笑う。こぼれたそれは案外、柔らかい。 「前から思ってはいたが――」▼ (28) 2021/10/04(Mon) 20:25:43 |
【赤】 3839 南波 靖史「知ってるよ。その上で、そこも似てるから誘ったんだ。 俺もまだ、2番も3番も生まれただけで── 『自分以外を愛せてはいない』のは同じ。保証なんて俺もない」 指を絡められた手を見て、少し考えた後に。 もう片方に常に嵌めていた自分の右手の薬指の指輪を取る。 「凄くない?記憶ない状態で“それでも誰にも渡したくなくて”自分の両手の薬指に婚約指輪代わりに嵌めてたの相当だと思う」 「なのに一回、彰人くんこれ外して来たでしょ。君だけだぞ」 だから、責任取ってよ。冗談めかしてそう言って、 取った指輪を貴方の右手薬指に着けようとしてくる。▼ (*16) 2021/10/04(Mon) 20:39:32 |
【赤】 3839 南波 靖史「……保証も証明もないない尽くしだね、俺達。 だから考えてくれるって言ったから、それ、あげる。」 「気が向いたら別の指に着けてくれたらいい。 或いは、誘いもそれも不要と思えたなら捨ててくれていい」 「俺も、今着けている“この指輪の意味”が、 変わる事があるのか──1年、2年?もっとその先?わからないけど、」 「互いに、賭けてみよう。 それでも苦しかったら、終わらせよう。全部」 俺は幾らでも、『居てくれるなら』答えを待てるから。 本当に『ただしく人を愛せなかった』俺達なのか、 それを確かめる未来への誘いへの返事を、俺はずっと待ってる。 (*17) 2021/10/04(Mon) 20:40:03 |
【人】 7734 迷彩 リョウ>>28 >>-154 >>a54 黒塚 視線が逸らされるのは、いつものこと。 しかし。 再び合わさったのは、記憶する限り初めてだった。 手を伸ばされた瞬間、体が強ばった。 ぐ、と逃げそうになる足を踏ん張り、きつく目を閉じる。 手は頭に置かれた。 恐る恐る目を開ける。初めて見る柔らかい表情が、そこにあった。 「……、」 ぐりぐり、大人が子供にするような撫で方をされる。 これも、初めてだった。 初めてのことだらけで、少年の思考は数秒硬直してしまう。 ようやく言われた言葉を理解したのは、その手が離れた頃だった。 「── はああああ!? ケンカ売ってんのかテメェ!!」上書きするように自身の頭を撫でる。 体当たりで貴方を押し出し、勢いよく扉を閉める。 そうして、廊下には再び静寂が訪れた。 貴方が何故こんなことをしたのか、少年が理解する日はきっと遠い。 しかし、いつかその日はやって来る。 ……彼は、この先も生きるのだから。 (29) 2021/10/04(Mon) 20:43:01 |
黒塚 彰人は、扉を軽く叩き、閉ざされたままのそれへ向かって、 (a56) 2021/10/04(Mon) 20:49:27 |
黒塚 彰人は、「おはよう。おやすみ」 (a57) 2021/10/04(Mon) 20:49:37 |
黒塚 彰人は、言い損ねた挨拶を投げ。踵を返し、自分の部屋へ戻っていった。 (a58) 2021/10/04(Mon) 20:49:47 |
鏡沼 創は、昨日も今日も『鏡沼創』だ。きっと、これからも。 (a60) 2021/10/04(Mon) 20:56:59 |
【人】 0043 榊 潤目が覚めた、看守に頼んでキッチンを借りていた。 誰に食わすわけでもないのに、適当なパンを作っていた。 誰もいない食堂を見た。 誰もいない談話室を見た。 ひどく違和感を感じて、首を傾げて。 これは叔父に作ってあげたときの癖だろうか、と思い出す。 家事をすべてやっていたときの癖。 片付けも、食事も、外で買い物もさせてもらえなかったから。 家にあるもので何かを作らなければならなかったときの知恵。 (30) 2021/10/04(Mon) 20:57:15 |
【人】 0043 榊 潤「……」 足音がした、振り返った。 いつの間にか同室にされたやつだろうか。 この間適当に犯したやつだろうか。 やかましく笑いながら騒いでるやつだろうか。 笑って。真面目で。個性が強い。あいつ等だろうか。 「……食べるか?」 なんて、声をかけた。 なんだか、無性に美味いオムライスが食べたくなってきた。 (31) 2021/10/04(Mon) 20:59:20 |
迷彩 リョウは、これからも生き続ける。 (a61) 2021/10/04(Mon) 20:59:21 |
南波 靖史は、『南波靖史(やすし)』は、今度こそ終幕を見届けた。 (a62) 2021/10/04(Mon) 20:59:50 |
9949 普川 尚久は、メモを貼った。 (a63) 2021/10/04(Mon) 20:59:55 |
【赤】 8435 黒塚 彰人指輪の話……大概重たい、それを聞き。 いや、知らないが……? という顔をした。手慰みの行為で、何か意味を込めたつもりもなかった。そしてそれが己の指へ嵌められ、節のあたりに引っかかるのをぼうっと見ている。 「……心中する気はないからな」 そんなことを言いながら指を曲げ、関節のあたりに光る銀色を暫し眺めて。 不意に、そこへ口づけを落とす。 やっぱりそこに深い意味も、思慮も無かった。とりあえず、今のところは。 (*18) 2021/10/04(Mon) 21:00:00 |
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