人狼物語 三日月国


177 【誰歓RP】bAroQueチップで遊ぶ村【月見】

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視点:


修理屋 一二三が参加しました。

【人】 修理屋 一二三

[ふと漏れ聞こえた声に、
絞めた螺子ねじの具合を確認していた一二三は
ほんの一瞬窓際へ視線を向ける。

ほんの十日前までは
足元からの照り返しで焼けるように熱かった石畳も、
蒸気の熱と陽光で熱を持っていた配管も、
梅雨のように途切れることのない長雨に冷え。

季節は早晩、残暑の残る夏から秋へと移りつつあった。]
(1) 2022/09/28(Wed) 23:48:20

【人】 修理屋 一二三


 言っとくが、
 下の句は詠まねぇぞ。

[勝手知ったる他人の工房ってぇのは
こういう状況を言うんだろうな。

二十年来の友人は雨が降る中ふらりと訪ねて来るなり
土産の菓子を口実に人の工房で茶を沸かし、
ひとつを作業台の邪魔にならないところへ置くと
座布団を引っ張り出してすっかり窓辺に居ついちまった。
そんな背中が呟く無意識の声に、鉄色の後ろ髪に、
俺は聞かせるように溜息を吐いた。

愛想も礼儀もねぇ俺の返答に、
外から内へ視線を移して振り返った九朗の奴が
「おや、残念ですね」とほんの少し目を細めて笑う。
四十になってもおっとりとした仕草とその表情に
九朗自身も返歌を期待していたわけではないと確かめて、
普段は行儀よく座る男が、
ほんの少し姿勢を崩して窓辺に寄り添う姿から
馬鹿馬鹿しいと視線をそらした。]
(2) 2022/09/28(Wed) 23:49:05

【人】 修理屋 一二三

[窓の外は秋の長雨が降り続いているが、
細かな螺子や歯車も扱う男一人の工房に
飼い猫はおろか、餌を強請る野良猫の姿もない。

それとも九朗が眺める窓の外には、
軒下で雨宿りをする猫の姿でもいるのかと。
手元へそらした視線をもう一度九朗の方へ向ける。

だが目だけ向けたところで
見えるのは積み上げた機材や部品が見えるだけだ。
傭兵が修理に持ってきた魚竜狩りの銃槍、
中の歯車が欠けて部品交換待ちの置き時計、
発条ぜんまい仕掛けの絡繰からくり人形、
魚竜狩りの疑似餌から子供の玩具おもちゃまで。
榛名はるなで暮らす島民のほとんどが目にする日用品、
或いはこの島を拠点に活動する傭兵が
魚竜を狩るための装備品や道具の一部。]
(3) 2022/09/28(Wed) 23:52:15

【人】 修理屋 一二三

[修理のために買ったり注文した部品や、
自分で部品を削り出すために取り寄せた素材。
まぁ俺の工房には修理待ちの物、器具に部品が
あっちにもこっちにも順番待ちで積みあがっている。

仕事が遅いとか片付けが苦手ってわけじゃねぇ。
どちらかと言えば仕事は選んでいる方だし、
特別工房が狭いというわけでもない。
修理を生業にする工房は手狭に感じるし、
大体どこもこんなもんだ。

そんな男ひとりの工房に機械油でもにかわでもない
ましてや砂の大海に浮かぶ孤島に振る雨でも、
島のあちこちで稼働する蒸気機関のにおいでもない。
砂糖で煮た甘い餡と茶のにおい。
それとおもむろに近づいてきた九朗から香る、
衣替えの時期に開けた長持ちの中のにおい。

気にもならないほど日常に馴染んだにおいと
慣れないにおいが混ざり合って鼻先がむず痒くなる。]
(4) 2022/09/28(Wed) 23:54:07

【人】 修理屋 一二三


 なぁおい九朗、
 お前今日みたいな日になんで俺んとこ来てんだ?
 明日は姪っ子と月見の団子を作る約束
 してるんだろう?
 準備やらなんやらで忙しいんじゃねぇのかよ。

[これは話が終わるまで仕事にならねぇなと、
使っていた工具を置いて愛用の煙管きせるに手を伸ばす。

明日は中秋の名月。
一年でもっとも月が美しい時期の満月に、
ここ榛名では島全体で『観月の宴』を開く。
特に御神木の『千年枝垂れ桜』で有名な薄墨神社じゃ
毎年春夏秋冬でひとつずつ、
神事のひとつである神楽が奉納される。

春の神楽が女児の舞うものなら、
秋の神楽は男衆が舞うもの。

春は丁度九朗の姪っ子が神楽の舞い手をするってんで
九朗の妹とはガキの時分から交流もあったんで
都合を合わせて男ふたり神社まで足を運んだが。]
(5) 2022/09/28(Wed) 23:54:41

【人】 修理屋 一二三

[今年の秋は舞い手も雅楽の奏者にも知り合いはいない。
そもそも前日に都合を聞きに来るような奴じゃなし。

なんで土産に粒餡をたっぷり乗せた団子を持って
俺の工房にまで来たんだか。

煙管に火をつけ吸い口から吸い、
味もそっけもない空気を鼻から吐く。
そうすると詰めた煙草が小さく燃えて煙を吐き始め
そいつをもう一度吸い口から吸えば、
舌から肺へ馴染みの苦みが広がった。
煙を飲んで、吐いて。

俺の様子を見つつ、
茶を啜りながらのほほんと微笑んだ九朗は、
「その練習で久しぶりに餡を作ったので、
 ひとつ味見をしてもらおうと思いまして。」
とのたまいやがった。]
(6) 2022/09/28(Wed) 23:55:56

【人】 修理屋 一二三


 味見かよ…
 昼間っからてめぇの店も開けずに熱心なこった。


[元々料理のうまい奴だ。
久しぶりと九朗は言うが、
紫煙の間につまんだ団子はそうと知らなければ
店で買った物だと言われても気づかないだろう。

だが小豆を砂糖で煮るなんて手間暇かかるもん、
あきないの片手間にやるのは
いかに料理が得意な九朗でも無理があるだろう。

ってぇことは九朗の奴、
今日は店を開けなかったか。
店が閉まってちゃ商売にならないだろうに。]
(7) 2022/09/28(Wed) 23:56:52

【人】 修理屋 一二三


 んで?
 明日はそのまま妹の家で月見か?
 それとも姪っ子連れて店でもひやかしに行くのか?


[島をあげての観月祭となれば、
なんといっても稼ぎ時だ。
神社の出店に限らず、商業地区の店も、
職人街の工房もあれこれ夜に店を出す。

俺の方は昼間は工房で仕事を詰めて、
夜はどっかの店で飯を食ったら、
あとは月を肴に酒でも飲むつもりだった。

それがどうだ。
九朗の方は緩く首を振って俺の予想を否定し、
記憶を手繰るように視線を伏せて肩を落とす。
「作った団子を手土産に、
 夜は友人の家へ呼ばれて月見をする」のだと。]
(8) 2022/09/28(Wed) 23:57:21

【人】 修理屋 一二三


 なんだ。
 去年までは妹家族にべったりだったくせに。
 今年はついに追い出されたか?


[ガキの成長は早いなと団子を摘まみながら笑う俺に、
大の男が眉まで下げて恨めし気な顔をする。

睨むな睨むな。
かわいい姪っ子が成長して
ちっとばかし大人になっただけだろう。
袖にされたってんなら、酒でも飲んで忘れちまえ。

くつりと喉を鳴らして笑えば、
ふてくされた九朗は土産の饅頭を口に放り込んで
ガキみたいにそっぽを向くもんで。
俺は今度こそ声を出して笑うことになった。*]
(9) 2022/09/28(Wed) 23:58:01
修理屋 一二三は、メモを貼った。
(a0) 2022/09/29(Thu) 0:02:16

【独】 修理屋 一二三

/*
全員これでお集まりでしょうか?
ではでは、
村建てのtukihami.と申します。
今回も当方の企画した村へお越しくださりありがとうございました。
前回の花見村に引き続き継続参加の、ご隠居と猫ちゃん。
愛らしく微笑ましいやりとり、楽しみにしております。
ある意味大人の階段を登ったねこちゃんがすでに可愛い。
やはりねことかわいいは正義ですね。
某オータム書店の黒い担当も真っ黒な笑みを浮かべる愛らしさ。
冒頭の短歌は少しだけご隠居と猫ちゃんにかけさせていただきました。

そして今回少女がいますよ!
ウサギの!!
兎は月で餅をついて薬を煎じるものなので、月見村にはとても似合いだなぁと。
ロルの愛らしさもあり、開幕から打ち震えております。

あと秋やお月見と言えば狐もそうですね。
なので兎面と狐面が揃って甘味屋にいる所など、とてもかわいい。
兎のぬいぐるみを抱えた成人男性がいるのもいいです。
なんだかシリアスな雰囲気で、かの御仁の過去と未来が気になるところです。
漢文と隷書体の組み合わせでどなたか分かるような気がしますが、そのあたりは終わりまでの楽しみに。

高比良君剣道少年ですか?
でぇと(って先輩が言ってた)という言い回しにふふ、となりました。
設定はおいおい生えてくるもの。
ぜひぜひ楽しんでいただければと思います。

さて、明日の私はちゃんと表で発言出来ますように。
(-11) 2022/09/30(Fri) 0:13:57

【人】 修理屋 一二三


 拗ねるなよ九朗。
 ガキも猫もこっちの都合で構いすぎりゃ
 嫌われるだけだってわかってんだろ?


[俺たちにだって十かそこらのガキだった頃があるんだ。
九朗にだって覚えがあるだろう。
いや、俺はともかく九朗の方は
なにをどれだけ構われてもどこ吹く風だったか。
思い返せば愛嬌がある分、
ガキの頃は猫の方が可愛げがあったかもしれん。>>48
九朗は妹と並べば姉妹にも見える顔立ちだったから
見た目だけなら…。

いや。どうだろうな。
九朗は見た目の儚さを
ことごとく裏切る中身をしている奴だし。

いっそのこと愛猫と孫に囲まれた
好々爺のご隠居にでも聞いてみるかと>>51
ガキの頃から知るご隠居の顔が脳裏をよぎったが、
そん時はもれなく俺の方にもなにがしかが
飛び火すると思い至って静かに茶を啜った。]
(53) 2022/09/30(Fri) 22:56:22

【人】 修理屋 一二三


「そう言う一二三だって。
 道場に通う子供の頭を撫でて
 不興を買っていたじゃありませんか。」


[そう言う九朗は二つ目の饅頭に手を伸ばしていた。
おいお前、それ俺への土産じゃなかったのか?
まぁお前が持ってきたもんだから
いくつ食おうとかまわねぇんだけど。]
(54) 2022/09/30(Fri) 22:56:49

【人】 修理屋 一二三

[いややっぱ構うな。]


 ありゃあ撫でてたんじゃねぇよ。
 ちょうどいい所に坊主の頭があったから
 足を休めるついでに挨拶しただけだ。


[苦し紛れの言い訳にもなっていねぇが、
こっちも負けじと土産の饅頭に手を伸ばす。
つきたてのように柔らかい餅はしっとりとして、
子供が好きそうな甘さ加減の餡は
濃い目に淹れた熱い茶によく合った。*]
(55) 2022/09/30(Fri) 22:58:03

【人】 修理屋 一二三


 それよりお前だ、お前。
 お前の姪っ子、
 今年の春に神楽やったところだろう?

 もう七つになったんだから、
 あとは十になるのも十五になるのも
 あっという間だろぉが。


[例の坊主も聞けば十五の歳らしい。
俺らが十五といえば、
学校そっちのけで師匠のところへ押しかけて
道具をバラしたり図面を引いたりしていた頃だ。

友達が増えりゃ、外へ遊びに行く機会も増える。
なんなら俺と九朗は
二十かそこらで榛名の外まで飛び出しちまったしな。]
(62) 2022/10/01(Sat) 0:19:11

【人】 修理屋 一二三


 大体なぁ、妹離れはあっさり済ませたくせに
 姪っ子離れだけなんでそんなにできねぇんだよ。
 
[九朗の妹が初めての失恋で泣いた後も。
友達の家に泊まりで遊びに行った時も。
大人になって今の旦那を連れてきて、
挨拶だ結納だって家族ぐるみで話をしていた時も、
九朗の奴はけろりとしていた。

近所に住んでたお兄ちゃんで、
兄貴の友達で、
筆不精な兄の代わりに九朗の近況を報告する俺は、
家族でも友人でもない微妙な位置でそれを見たいた。
祝言の時なんて俺の方が泣いてたくらいだ。]
(63) 2022/10/01(Sat) 0:19:32

【人】 修理屋 一二三

[九朗の方はにこにこにこにこ。
「いい人ですね」
「幸せになるんですよ」
「妹をよろしくお願いします」
涙を誤魔化して酒で赤くなってた親父さんの分まで
新郎や向こうの家族に挨拶してたくらいだ。
あぁ、お袋さんが二人いる…。
酔った頭で俺もひそかにそう思った。

それがどうだ。
姪っ子が生まれたとたんにこの変わりよう。
九朗とはガキの頃からの長い付き合いだが、
相手にしてもらえなくてむくれる九朗なんぞ
早々見た覚えはねぇぞ?]


 今からそれじゃ、
 将来男連れてきた時どうするんだよ。


[娘ならいつかは嫁に行くだろう。
今度は伯父の身分で父親の分まで泣くつもりか?**]
(64) 2022/10/01(Sat) 0:20:35